こんにちは、ちゃむです。
「悪女が恋に落ちた時」を紹介させていただきます。
今回は169話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

どういうわけか目が覚めるとそこは大好きだった小説の中の世界…!!
しかも大ファンだった悪女「ルペルシャ皇女」に生まれ変わっていた。
この機会を逃すまいと私はルペルシャ皇女として二度目の人生を歩むことを決心する。
ただルペルシャ皇女は不治の病にかかっており、病を完治させるためにはいくつかのミッションが…。
ミッションをこなしつつも大好きな小説の中の登場人物に会いオタ活を満喫していたのだが徐々にルペルシャ皇女の秘密が明らかに…。
美男美女総出演のファンタジーストーリーが今始まる!
ルペルシャ:主人公。皇女。死の病「ラファエリス」を患っている。
ラビロフ:皇太子。小説の主人公。独占欲が強い。
アリエル:小説のヒロイン。彼女を巡って、多くの登場人物が死亡する。
ユジン・デ・ボルタン:マクナハン一族に認められた「自由騎士」
カイン・デ・アイリック:公爵。ヴァンパイと人間のハーフ
ヘレイス:情報ギルド長。ダニエルは親友。
ダニエル:悪役のボス。ヘレイスは親友。滅亡した国の最後の王族。
イビエン:アリエルの親友。
ジェイン:メイド。アリエルに助けられるが、彼女を守り命を落とす。
エマ:メイド長
リニ、アリン:皇女専属のメイド二人。
ロックス:専属医師。
リシアン・バヌス:ルペルシャの母親。正真正銘の悪女。

169話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- side ルペルシャ・ラム・トリエル①
ルペルシャ皇女は大きなガラスの壁の向こうを眺めていた。
[バカみたい]
漏れ出た音は壁越しには届かない。
[・・・しようとすれば近づくことはできるが]
彼女は冷ややかに呟いた。
[1年かかる仕事を精霊王まで動員して短縮させるなんて]
本来は彼女の魂であの子の穴を埋めるつもりだったが、復讐をすると言うと、自分の魂の欠片と分かって取り戻した。
日記帳に封印しておいたのは呆れたが。
[愚かだが、見つけたらすぐに合わせる]
ルペルシャはニッコリと笑ってしまった。
彼女はしばらく子供を見ていたが、ガラスの壁にそっと手を差し出す。
[本当にもうすぐだね・・・]
会える日はもうすぐ。
だから、彼女は一度呼んでみた。
[アリシア]
数多くの回帰の末、やっと見つけた私の「妹」の名前を。
いつも一緒だったわけではなかった。
それでも、あの子がどんな子かは知っていた。
あの子はよく笑う子だった。
とても幼い頃、一緒に寝床に入ると、向かい合って横になったまま、理由もなく笑い転げたものだ。
なぜ笑うのかと聞くと、ただ好きだからと答えたりもしていた。
そんな彼女が・・・、いつも恋しかった。
「お姉様、お姉様、次はいつ来てくれるの?」
「あなたが元気になったらね、アリシア」
妹は自分とはずいぶん違っていた。
自分とは違い、アリシアは無邪気で感情が豊か。
優秀な方だったが、ルペルシャとは少し違う方面が得意で、決定的に体が弱かった。
「それじゃあ、またね」
ブツブツ呟くアリシアが可哀想に思ってしまう。
ルペルシャは無表情で彼女を冷ややかに見つめていた。
誰かが見たら、ルペルシャが面倒臭いと思えるような姿だっだが。
ルペルシャは誰よりも、アリシアを愛している。
不器用な手つきがアリシアの頭に乗る。
猫のように半分目を閉じて、その手を受け入れたアリシアは少しだけ唇を尖らせていた。
そして、悲しい顔で呟く。
「いや、長くなるもの・・・」
「アリシア」
「でも、それでも構わないわ」
ニコッと笑いながら手を振って見送る彼女の方を、一度だけ振り返ってみた。
そして、そのまま身を翻す。
ルペルシャはどこへ言っても立ち止まって後ろを振り返ることのない子供だったが、アリシアを母の実家に置いて出てくる時だけは違った。
一度くらいは、振り向かざるを得なかった。
幼い頃の彼女たちはいつもそう。
母親なしに育った彼女たちを訪ねてきた母方の実家の人々。
疑わしい部分はあったが、「家族」という名前で近づいた彼らを子供たちは拒まなかった。
なぜなら、アリシアの体は非常に弱かったから。
ルペルシャは元気だったし、誰の助けがなくても生きることができたが、アリシアは違ったからだ。
皇室の基本的な支援だけでは不十分だったのだ。
一人分の支援だけが入ってくるからでもあったが、ずっと閉じ込められていたからでもある。
だから、彼らの助けが必要だった。
「アリシアが、健康になるにはどれだけ待たなければいけないの?」
健康になるよう手伝ってくれると彼らは言った。
ルペルシャのことも面倒を見てくれていた。
誕生日プレゼントを貰ったのも初めて。
それも毎年。
結局、ルペルシャも彼らに心を開くことに。
「1年?それとも3年?」
愚かにも、信じてしまったのだ。
「・・・完治すれば、一日中一緒にいられる」
ルペルシャは無情にも、しかし一日中そのようなことを考え続けていた。
「その時になったら、私がアリシアにたくさん教えて、話もしてあげないと」
だから本を読み続けた。
無作為に読みはしない。
自分が貰った贈り物をアリシアも同様に貰っていると聞いたから。
だから、それと関連したことを勉強して本を読んだ。
一人だけの妹を、彼女はそんな風に愛していたのだ。
不思議と感じたのはいつからだろうか?
「すぐに治ると言ったはずだが・・・」
「思ったよりも、アリシア様の調子が悪いのです」
機械的な口調で母方の手足が答える。
ルペルシャはアリシアに会う時間が減っていた。
だからといってアリシアの調子が良くなっているかと思えば、そうではない。
「何をしているの?」
ルペルシャが我慢する理由はどこにもなかった。
心を開いたとしても、信じるようになったとしても。
結局、彼女にとって家族はアリシアだけだったのだから。
問わなければならなかった。
「ルペルシャ皇女殿下」
彼らはアリシアには殿下をつけない。
親近感の表現だと思ったこともあったが、今では不安極まりなかった。
「過度の疑いは疑義を害するだけです」
「どういうこと?私は正当な質問をしただけ。今すぐアリシアを私の前に見せなさい」
「困りますね。今は、安静にしていらっしゃるところですから」
アリシアに会えない。
それでも一度だけ。
一度だけ見逃したのだ。
「・・・次にまた来るわ」
ルペルシャは思ったより彼らを信頼していた。
もしかしたら家族だと思っていたのかもしれない。
彼女も子供だったから。
今回からルペルシャ皇女の回想です。
彼女の目的は自分の器を利用して、アリシアの魂を定着させること?
ここは具体的にはまだ分かっていませんね。
それでも、ルペルシャがどれだけアリシアを愛しているかが窺えます・・・。




