こんにちは、ちゃむです。
「悪女が恋に落ちた時」を紹介させていただきます。
今回は170話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

どういうわけか目が覚めるとそこは大好きだった小説の中の世界…!!
しかも大ファンだった悪女「ルペルシャ皇女」に生まれ変わっていた。
この機会を逃すまいと私はルペルシャ皇女として二度目の人生を歩むことを決心する。
ただルペルシャ皇女は不治の病にかかっており、病を完治させるためにはいくつかのミッションが…。
ミッションをこなしつつも大好きな小説の中の登場人物に会いオタ活を満喫していたのだが徐々にルペルシャ皇女の秘密が明らかに…。
美男美女総出演のファンタジーストーリーが今始まる!
ルペルシャ:主人公。皇女。死の病「ラファエリス」を患っている。
ラビロフ:皇太子。小説の主人公。独占欲が強い。
アリエル:小説のヒロイン。彼女を巡って、多くの登場人物が死亡する。
ユジン・デ・ボルタン:マクナハン一族に認められた「自由騎士」
カイン・デ・アイリック:公爵。ヴァンパイと人間のハーフ
ヘレイス:情報ギルド長。ダニエルは親友。
ダニエル:悪役のボス。ヘレイスは親友。滅亡した国の最後の王族。
イビエン:アリエルの親友。
ジェイン:メイド。アリエルに助けられるが、彼女を守り命を落とす。
エマ:メイド長
リニ、アリン:皇女専属のメイド二人。
ロックス:専属医師。
リシアン・バヌス:ルペルシャの母親。正真正銘の悪女。

170話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- side ルペルシャ・ラム・トリエル②
その年、ルペルシャは子犬を貰い、誰も呼んでくれない自分の愛称を名付けた。
「リシャ」
可愛らしくて無邪気な子犬。
いつもの彼女に似合わず子犬が可愛く見えたのは、寂しかったから?
それとも恋しかったから?
それから少しして彼女は真実を知るようになった。
アリシアが死にかけているという事実を。
「あなたが、なぜこんな目に合っているの?」
ついに堪えきれずに忍び込んで発見した事実。
アリシアは力も魂も全て奪われてしまっていた。
「・・・!」
「なぜこんな目に?」と聞きたいのに、直接彼女に聞くことができない。
彼女が自分と会う時は、いつものように真っ白に笑っていた。
「ねえ、今日は長くいてくれるのね」
「・・・ええ」
「嬉しい」
ニコニコ笑ってルペルシャを抱きしめるアリシアは、痩せすぎて小さい。
震える息を吐くと、彼女は不思議そうな表情でルペルシャを見た。
澄んだ紫色の瞳に心配の感情が。
ルペルシャは頑張って笑う才能を発揮した。
「お姉様?」
アリシアは目を丸くして、あははと笑い出す。
「何、今の?笑ったの?」
からかうように楽しく笑う彼女を、ルペルシャは軽く睨んでやった。
何でもないように。
彼女にアリシアを救う力はなかった。
崩れた表情を抑えることもできなかった。
こんなに漠然としたことはなかったのに。
あの日は、変だった。
ルペルシャがすぐに忍び込むことができたのも、後で考えてみたら不思議なこと。
「さようなら、お姉様」
アリシアはしばらく笑ってから手を振った。
次はいつ来るのかと聞かなかった。
笑顔で気をつけてと言っただけ。
それからしばらく、ルペルシャはアリシアと会うことができなかった。
ルペルシャは我慢できずに彼らのところへ行く。
エマはその街を訪問する際に、リシアン・バヌスの許可を装って訪問した。
もちろん彼女は自分がそうした事実を忘れているのだが。
「どうしてこんなことになったのだろう?」
姉妹が夢見てきたのは大したことではなかった。
子供たちは大きなことを夢見ることができなかった。
ただお互いが元気であればいいと。
お互いに気を配って、歳をとっても元気なままでいられれば。
人の少ない平和な場所に小さな家を建てて暮らしたかった。
幼い子供の頃から、二人はそんな夢を絵に描いて、向かい合って笑ったものだ。
そんなに難しくない夢のはずなのに。
どうして?
「お帰りなさい」
「・・・」
ルペルシャは結局、彼らに自分を売った。
彼女は非常に賢かったが、皇室の助けを受ける考えはなかったのだ。
なぜなら、彼らが自分を助けてくれることはないと確信していたから。
ルペルシャ皇女は悪女だ。
幼い頃から、人々の自分に向ける目は冷ややか。
彼らがアリシアに触れた理由は知っていた。
彼らなりに皇族に触れたという矢は避けたかったはず。
今にも死にそうなアリシアさえいれば、ルペルシャは残念なことにしておいて問題ないと。
「アリシアにすることの半分を私にしなさい」
馬鹿げた決定だと、ルペルシャは理解していた。
知っていたが、一体それ以外に何ができる?
その日、ルペルシャにはラファエリスの実験が配分された。
「生きている」
それでも、その決定をしたおかげで、ようやくアリシアは生きることができた。
「家に帰ろう、アリシア」と喉まで込み上げてきた言葉を、ルペルシャは言えなかった。
ルペルシャは、そんな幼年時代を回想した。
自身の選択と、その後の無数のことを。
[お母様の幕を自分の力で収めたのもその頃だった]
その幕に母親の記憶と母親の断片が入っていたのだ。
[一体どうしてそれだけを残したのだろうか?]
分かっている。
彼女たちの母親であるリシアン・バヌスも、結局一人で解決するしかなかったということを。
だから隠れて、力を残すことを選んだということも。
[・・・]
18歳になるまでアリシアは生きていた。
彼女をその年まで生かしたのはルペルシャだ。
母親が残した力で魂を引き止めていたのだ。
魂の青い力は、使い道が限りないものだから。
少なくともルペルシャが母親の力でアリシアを捕らえている限り、アリシアは死なないだろうと。
[いや、持ち堪えていたという方が正しいのかな]
母の日記のような記憶と彼女の力を吸収して、ルペルシャは知るようになった。
アリシアの魂がすでに殆ど削られているということを。
[他意によって]
殆ど残っていない欠片まで奪われてしまえば、どれだけアリシアの魂を捕まえていても無駄だろう。
[しかも、体も・・・、酷く傷ついていたのだから]
アリシアとルペルシャの外見は殆ど同じだったが、一つだけ全く違う部分が。
髪の色だけは、持っている能力の影響を受けて違っていたのだ。
ルペルシャは銀髪で、アリシアは黒髪。
幼い頃とあまり変わらない明るい姿を見せてくれていたが、彼女の体はボロボロだった。
ルペルシャがラファエリスの病に陥ったのは、アリシアの負担を背負うためだったのですね・・・。
18歳になったアリシアのその後は?




