こんにちは、ちゃむです。
「悪女が恋に落ちた時」を紹介させていただきます。
今回は173話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

どういうわけか目が覚めるとそこは大好きだった小説の中の世界…!!
しかも大ファンだった悪女「ルペルシャ皇女」に生まれ変わっていた。
この機会を逃すまいと私はルペルシャ皇女として二度目の人生を歩むことを決心する。
ただルペルシャ皇女は不治の病にかかっており、病を完治させるためにはいくつかのミッションが…。
ミッションをこなしつつも大好きな小説の中の登場人物に会いオタ活を満喫していたのだが徐々にルペルシャ皇女の秘密が明らかに…。
美男美女総出演のファンタジーストーリーが今始まる!
ルペルシャ:主人公。皇女。死の病「ラファエリス」を患っている。
ラビロフ:皇太子。小説の主人公。独占欲が強い。
アリエル:小説のヒロイン。彼女を巡って、多くの登場人物が死亡する。
ユジン・デ・ボルタン:マクナハン一族に認められた「自由騎士」
カイン・デ・アイリック:公爵。ヴァンパイと人間のハーフ
ヘレイス:情報ギルド長。ダニエルは親友。
ダニエル:悪役のボス。ヘレイスは親友。滅亡した国の最後の王族。
イビエン:アリエルの親友。
ジェイン:メイド。アリエルに助けられるが、彼女を守り命を落とす。
エマ:メイド長
リニ、アリン:皇女専属のメイド二人。
ロックス:専属医師。
リシアン・バヌス:ルペルシャの母親。正真正銘の悪女。

173話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- お姉様の妹
それから、かなり長い沈黙が流れた後、お姉様は小さく呟いた。
[・・・ごめんね]
その時になって、ようやく息が荒くなる。
そしてその瞬間、私は悟った。
「私はお姉様のオタ活をしていたのではなかったのですね」
私はすべてを忘れたままでも、お姉様に気づけたのだ。
私がお姉様の考えを聞いたように、お姉様も私の考えを聞いているようだった。
そう考えて、お姉様に尋ねる。
「お姉様、それで今どんな状態なのですか?」
[消滅せずに生まれ変わることができるようになった]
「そうなんだ・・・」
結局、今の私と向き合うことはできないんだ。
それでも幸いだった。
[気に入らないという表情を浮かべているな]
「いいえ、良かったです。でも、ちょっと悔しくて。・・・復讐もしたのに、何も残らないのですね」
[ふふ]
ふとお姉様がぷっと笑い出す。
随分と嬉しそうな微笑で。
「・・・お姉様?」
[私だったらできなかったはずだ]
「え?」
[そんな復讐は思いもよらなかった]
そして、お姉様がゆっくり私の額に、自分の額を合わせた。
[やっぱり私の妹だ]
歯を食いしばる。
突然、泣き出しそうになったから。
私を見るお姉様の視線が柔らかいから?
それとも「妹」と呼んでくれたからだろうか?
不思議なほど穏やかで、親しみのある視線。
お姉様の状態に集中していたが、ようやく実感した。
私が、お姉様の妹だって。
何も言わずに、私はお姉様を抱きしめた。
皇女宮は沈んでいた。
もう1ヶ月間、ルペルシャ皇女が目を覚ましていないからだ。
「息が尽きかけているダンテ・バヌスが呪いをかけたという噂が流れています」
イビエン卿が不快な表情で話す。
「噂かどうか定かではないのですから、いますぐその人間を始末してしまったらどうでしょうか、妖精さん?」
アリエルが無邪気な表情で、ラビエルにそう尋ねた。
アリエルは、リシャの安否についてはこのように殺伐としている。
そんなアリエルの姿に満足げに頷きながら、ラビロフが答えた。
「選び出す時間ももったいないから、それでもいいだろう。そうだろ、アリエル?」
「うん!」
ラビロフがナイフを持ち上げると、ガイル侯爵は慣れた動作で胃腸薬を服用する。
「殿下、それはリシャ様の仕事です」
ユジンは、暴走する「皇太子カップル」の行動を阻止した。
彼の顔はすっかりやつれている。
「・・・目が覚めたら」
ダニエルは彼らの会話を聞きながら、ただ黙ってリシャのことを目に留めていた。
(トロヤンの実が通じなかった)
無表情のまま、ダニエルは考える。
(何が間違っていた?)
彼はちらっと皇太子の方を見ると、ちょうどこちらを見ていたラビロフと目が合った。
ラビロフが冷ややかな視線で聞いてくる。
何か分かったのか?と。
ダニエルは、彼が数日前に共有してくれた文書を思い出した。
(「バヌス家の研究日誌」それは・・・)
結論は下された。
漏れなく収集したにもかかわらず、文書にはうわべだけの情報しかない。
「何かを見逃しているはず・・・」
小さく呟いた声だが、聞けなかった人はいなかった。
みんなが真剣な表情で、ダニエルに視線を集める。
「ダニエル卿」
アリエルと一緒にお見舞いに来たソフィア令嬢が、不思議そうに彼を呼ぶ。
「何か分かったのですか?」
「そうですね・・・」
万古の万病に効く薬も通じない状態についてなら、ある程度は見当をつけていた。
問題は・・・。
「調べたいことがあります」
「調べたいこと?」
「皇太子殿下。書類を公開する時が来たようです」
突拍子もない話だったが、ラビロフの表情に動揺は見られない。
他の人々も、書類の意味を理解した。
「すべての人に公開するのですか?」
それは、リシャが経験した実験について。
カインが尋ねると、ラビロフは首を横に振る。
「君たちにだけ公開することにしよう」
ダニエルは、あえて言葉を加えたりしない。
「でも、調べることとは?」
ラビロフが少し眉を顰めて質問すると、ダニエルは言った。
「トロヤンの実を見つけるのに四つが主な役割を果たしました。珍しい光と闇のマナ、精霊力、そして「病人」の魂」
「魂?それの何が問題なんだい?」
「それを調べに行くのです」
何かに神経を奪われたようなダニエルの口調に、全員が密かに目配せする。
ダニエルの正体は分からないが、彼の情報量に勝てる者がいないことは、今や誰もが知っていた。
ダニエルは、ただ暗殺ギルド長だけではない。
絶対に現実に現れないと思っていたトロヤンの実を再現した人物。
彼が何かを発見したのなら・・・。
集まった人々の顔に、微弱な希望が滲む。
ダニエルはその視線に神経を背けて、リシャの額にキスをした。
ゆっくりと、丁寧な身振りで。
「行ってきます、リシャ」
不満そうに蠢く皇太子の殺気を無視して、ダニエルの影は消えた。
ルペルシャが生き返ることはないのですね・・・。
器は一つだけで、ルペルシャの魂も抽出すると、二人の魂が消滅すると言われていますから。
ですが、ルペルシャが生まれ変わると知れて良かったです。
どれくらいの時間があるか分かりませんが、姉妹の会話をもっと聞きたいですね!




