こんにちは、ちゃむです。
「悪女が恋に落ちた時」を紹介させていただきます。
今回は179話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

どういうわけか目が覚めるとそこは大好きだった小説の中の世界…!!
しかも大ファンだった悪女「ルペルシャ皇女」に生まれ変わっていた。
この機会を逃すまいと私はルペルシャ皇女として二度目の人生を歩むことを決心する。
ただルペルシャ皇女は不治の病にかかっており、病を完治させるためにはいくつかのミッションが…。
ミッションをこなしつつも大好きな小説の中の登場人物に会いオタ活を満喫していたのだが徐々にルペルシャ皇女の秘密が明らかに…。
美男美女総出演のファンタジーストーリーが今始まる!
ルペルシャ:主人公。皇女。死の病「ラファエリス」を患っている。
ラビロフ:皇太子。小説の主人公。独占欲が強い。
アリエル:小説のヒロイン。彼女を巡って、多くの登場人物が死亡する。
ユジン・デ・ボルタン:マクナハン一族に認められた「自由騎士」
カイン・デ・アイリック:公爵。ヴァンパイと人間のハーフ
ヘレイス:情報ギルド長。ダニエルは親友。
ダニエル:悪役のボス。ヘレイスは親友。滅亡した国の最後の王族。
イビエン:アリエルの親友。
ジェイン:メイド。アリエルに助けられるが、彼女を守り命を落とす。
エマ:メイド長
リニ、アリン:皇女専属のメイド二人。
ロックス:専属医師。
リシアン・バヌス:ルペルシャの母親。正真正銘の悪女。

179話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 現実逃避
皇女が目を覚ました。
それと同時に、ダニエルも目覚める。
「・・・」
ぼんやりと天井を見ながら、リシャは涙を流した。
手にはペンダントを握りしめて。
ダニエルは、そっと彼女を抱きしめた。
リシャは彼の胸の中で待っていたかのように泣き出す。
「私のお姉様が・・・」
「はい」
「お姉様が・・・」
言葉が続かないまま、リシャが咽び泣く。
「もう一度会えると言ったけれど、私・・・」
「そうですか、リシャ」
ダニエルは無意識にリシャの体が完璧になったことを確認した。
そして、自分を精霊石の道へ追いやった魂を思い浮かべる。
(彼女がルペルシャ皇女だったのか)
実際、彼にとって重要なのはリシャとアリシアだけ。
「・・・」
「ゆっくり休んでください」
そう話すダニエルは長く耐えられなかった。
彼女の啜り泣く声さえ甘く感じるほどに・・・。
「恋しかったです」
懐かしかったから。
嘆くように流れ出た言葉は、決して意図したことではなかった。
そう告げるダニエルと目を合わせたリシャの目に、少し戸惑いが感じられる。
彼女の目に映った彼は、今にも泣き出しそうな顔をしていたから。
「リシャ、会いたかった」
リシャは頷きながらダニエルをじっと見つめる。
[やっと目が覚めたな、主人!大丈夫なのか?私はここに縛られていて、主人の元に行くことができなかった]
目もくれず割り込んできたジェンのおかげで、二人は辛うじて正気に返った。
そして数日後。
「私は、リシャです」
リシャは彼らに話した。
「アリシア、アリシア・ラム・トリエル」
日本のことや、姉が犯したタブーのことは明らかにできなかった。
けれど、一つだけ明確にしなければならない。
「お姉様が、私を守ってくれました」
冷たくて冷静だったルペルシャ皇女。
その後の変化した姿はアリシアだったということだけは皆が知るべきだ。
「どんなことがあっても」
誰も、いなかった人にはなれなかったのだから。
「そうか。私の妹は二人いたのだね」
まるで予想でもしていたかのように、人々はすぐに納得した。
ラビロフのあっけない反応に呆然とする。
「リシャ様、私はあなたの騎士です。また、一皇女殿下に対する誤解について、私は深く反省しております」
ユジンと同じようなことを言う人が、一人二人と増えた。
彼らにアリシアはただ微笑んだ。
そして、ある冬の日。
皇帝がアリシアの元を訪れた。
躊躇って、また躊躇って、彼はとうとう来てしまった。
皇帝は、皇女の部屋の前で立ち止まって考え込む。
「あの子は望まないだろう」
娘は自分を見るのも、自分と会話するのも嫌だろう。
皇女宮へ訪問する直前までも躊躇した。
もしかしたら一生会わない方がいいのかもしれないと。
「だが、結局それは現実逃避でしかない」
皇帝はついに認めた。
そう、彼がルペルシャとアリシアに罪悪感を抱いていることを。
負債感を抱いていることを。
「最初に、皇女が自分の病気について知らせて、旅立つと言った時から」
その時の皇女がアリシアだったことを今では知っている。
しかし、気持ちが変化することはない。
むしろ、もっと身に沁みるような気持ちに。
「ルペルシャは、あの時すでにいなかったんだ。そして・・・」
アリシア。
彼女は今、どんな気持ちなのだろうか?
ルペルシャへの痛みとアリシアへの痛みが一度に襲った今、皇帝はこの場所を訪れる。
「後悔しながらみ、一度も訪ねたことがなかったのに」
それは逃避だった。
彼は子供の恨みに向き合う自信がなかったのだ。
一人で後悔するのではなく、行動を変えるべきだったのに。
どんな傷を負ってでも子供を抱きしめに来なければならなかった。
いいや、自分には傷を負う資格もない。
「・・・陛下」
同行する騎士が自分を呼ぶ。
自分が訪れることを娘は知っているはずだ。
娘は自分を迎えることも、拒否することもしなかった。
皇帝は何も言わずにドアを開ける。
彼の手は無意識に震えていた。
ドアが開いて、娘の姿が見えた。
長い黒髪と優しい紫色の瞳。
一瞬どきりとする。
(彼女がアリシアだな)
見慣れた姿。
髪の色が変わったのに、彼はどこか優しい目つきをした娘に見慣れていた。
もしかすると、幼い日の冷たい瞳を持つルペルシャよりも。
(ああ・・・)
皇帝は思わずため息をつく。
(どうして見抜けなかった)
自分はルペルシャに対して、最後の最後まで無関心だったのだ。
彼は気づくべきだった。
すでにルペルシャが消えたということを。
ルペルシャが消えて、アリシアが苦しんでいることに気づくべきだった。
皇帝も記憶を操作されていましたから、同情の余地はあるかと・・・。
ですが、アリシアが今どう思っているのかは分かりません。
二人はどのような会話をするのでしょうか?




