こんにちは、ちゃむです。
「セイレン〜悪党と契約家族になった〜」を紹介させていただきます。
今回は69話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

歌で人間を魅惑する「セイレン」。
そんなセイレンであるアリアの優れた能力を知った人々はアリアを神のように崇めた。
しかしある日、帝国全域にセイレンは神の声でも、救いの天使でもなく、伝説の妖怪だという噂が広まり、皇帝はアリアの足を折って鳥籠に閉じ込めてしまう。
長い間鳥籠に閉じ込められアリアが人生を諦めようしたその時、目の前に現れた一人の男。
それは悪魔に魂を売ったというバレンタイン公子であった。
彼に「殺してあげようか?」と提案され、アリアはバレンタイン公子と一緒に地獄へ落ちることを決意する。
しかし、息を引き取る瞬間、10歳の時に戻っていた…。
そしてアリアは決意する。
自身の人生をめちゃくちゃにした張本人である父親に復讐し、最悪な人生から救ってくれた救世主バレンタイン公子を幸せにすると。
アリア:本作の主人公。セイレンと呼ばれる妖怪の血を持つ。本名はアリアドネ
ロイド:ロイド・カルデナス・バレンタイン。公爵家。アリアの結婚相手
ヴィンセント:バレンタイン公爵家の次男。
ガブリエル:騎士見習い。前世では神聖帝国の聖騎士団長
サビナ:サビナ・バレンタイン。公爵夫人
ダナ:侍女長
カーリン:大公城の呪術師
マロニエ:アリアの専属侍女

69話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 社交界デビュー
ハンスは黒いフードをかぶった男に声をかける。
腐った死体のような臭いがしたが、ハンスは気にしなかった。
近づきすぎて嗅覚が鈍くなっていたからだ。
「ご主人様?」
ハンスが再び相手に声をかけた後、初めて男は背を向けた。
近づくと目眩がするようなひどい悪臭とは異なり、その姿は驚くほど無傷。
それはドブネズミの生前の姿と同じだったから。
(人間の皮膚でできた貝殻)
ハンスは、かつて蛇の皮を使って何かを作ったことを思い出す。
彼はその生き物を剥製師と名付けた。
すると、その様子を一部始終見ていたドブネズミがハンスに声をかける。
「私にも作ってください」
「はい?」
「私にも作ってほしいです」
死ぬことのない永遠の命の体。
それがドブネズミが望んでいたもの。
彼は自らキメラになることを決意し、ハンスに命令した。
「しかし、ご主人様が見たように、その生き物は不安定です。剥製師を飲み込んで体内で育てないと生きていけないことを知りませんか?」
キメラを動かし続けるためには、無限のエネルギーを注入する必要がある。
そして、それは真に生きている生き物の体内になければならない。
「少なくとも数年以内には完璧に作ることができるかもしれません。でも今はまだ早い・・・」
「よく考えてください」
ドブネズミはハンスの心配を途中で遮る。
「エネルギーを吸収し、身体を磨き続けることができる」
ドブの仕事に就いて以来良心の呵責を感じなかったハンスは、ハンスですら思いつかない最後の不徳の王を見つけた。
「ああ、さすがご主人様」と感心した。
「十分なエネルギーを吸収したので、始めなければなりません」
「もうですか?」
「はい。もうすぐ尻尾を踏みつけられそうです」
カーテンに指を入れて外を覗いた後、ハンスは言った。
「うーん、まだ適当な貝殻すら選んでいないのですが」
「また新しい貝殻を見つければいいだけだ」
「やっぱり使い捨てなんですね。この作業が安全に完了したら、新しい作業に戻ることができます。痕跡があったら大変ですから」
「その通りだ」
男はそう呟いて笑った。
すると、ドブネズミの新しい姿に慣れていたハンスですら、不気味さを感じざるを得ない。
それはまるで人間ではない何かが人間に擬態しているかのような奇妙さだった。
「貝殻があれば持ってきてください」
ドブネズミの命令に、魔法使いは「はい、ご主人様」と答えるしかなかった。
「ああ、お嬢様がついに社交界デビューです!」
マロニエさんは感動のあまり、目に涙を浮かべている。
彼女はアリアがバレンタインの財産を離れることに何の不満もなかった。
しかし、アリアの専属侍女になってから、彼女にはずっと夢見ていたことがあったのだ。
「妖精よりも愛らしく、天使よりも神聖なお嬢様を自慢したかったのです!」
マロニエさんは、やりたいことリストにあることをついに1つ達成できると考えて興奮していた。
社交界デビュー・・・。
現状はそんなロマンチックな言葉で括れてしまうのだろうか。
アリアは震えた。
今日彼女が向かったのは、派手な宴会場ではない。
そこはどこまでも敵だらけの戦場。
本当は社交界へのデビューというより戦争への参加と呼ぶべきでしょう。
(この時期にロイドに連絡したのは変よね)
ロイドはすでに皇帝を訪問している。
当然、ダイヤモンド事件は「役人のミス」で終わった。
しかしロイドはもう戻ることができなかった。
なぜなら今日は帝国建国記念日だから。
政界に参入するすべての貴族は、儀式や会議に出席するために宮殿に入らなければなりません。
(それに、今年の建国記念日は社交の季節と重なっています)
王都には全国から集まった貴族が詰めかけていた。
皇帝はロイドが用事を見てすぐに戻れないように出口を塞いだ。
(皇帝と戦う覚悟を決めたのなら、当然ロイドが勝つ・・・)
だけど、いくらなんでも「くそ皇帝!」と言いながら拳を振ることはできない。
戻ることを許されなかったから。
バレンタインの結婚式などの間接的な反乱は筆舌に尽くしがたいものだったが、正面か
ら対決すれば拘束される可能性もある。
たとえバレンタインだったとしても。
(だからトリスタンもロイドもそもそも皇居に足を踏み入れようとしなかったんだ)
意思疎通が出来ないと真っ先に剣を振るうのは彼らだから。
言葉も話せない、剣も握れない皇帝にとって、どれほどもどかしいことだろう。
ガルシアの新司祭たちも到着したようだ。
(ベロニカも来たの?)
アリアはベロニカが来ると確信していた。
その可能性は非常に高い。
それはガブリエルが聖女を呼び、神力を高める方法を教えたから。
いや、実際には彼女は来るとは言っていなかったが、明らかな結果を考慮すると来るようだ。
もちろん、そうでなくても、彼女は来るはず。
前世より時間が進んでいることは確かだ。
「ああ、とても美しいです」
アリアがさまざまな複雑な考えに浸っている間、マロニエは絶え間ない賞賛で彼女を飾っていた。
–綺麗ですか?
「いいえ、失明してしまうと思います」
「・・・」
「息を呑んで、目を閉じてください。お嬢様!」
突然?
アリアは鏡を見て反射的に目を閉じる。
するとマロニエが真剣な声で耳元で囁いた。
「知っていましたか?湖に映る自分を見て恋に落ち、やがて死んでしまったナルキッソスの伝説を。お嬢様は決して鏡を見るべきではありません」
彼女は拳を握り締めて、「だってあなたはとても美しいですから!」と付け加えた。
アリアにスカイブルーのベルベットのドレスを着せると、マロニエは誇らしげに微笑んだ。
シースルーのマントと肘まである手袋には、輝く銀糸で神秘的な模様が刻まれている。
「服は翼のようです!」
特に、流れる水のように自然に垂れ下がる空のようなマント。
アリアが動くたびに、それは妖精の羽のように柔らかく空気を切り裂いた。
「お嬢様、本当に最高です!あなたは誰も否定できない妖精ですね、私が決意を込めて飾りましたから」
マロニエは感心しながらつぶやいた。
過度なメイクではなく、控えめな設定ではあるものの、まさに妖精といった感じだ。
「お嬢様、今日、私は愛していると言ったでしょうか?」
彼女はそれを少なくとも10回は言っている。
しかしマロニエは飽きずに愛の告白を口にした。
アリアは優しく微笑み、うなずく。
「愛・・・」
その時でした。
「すぐに出発しなければならないと思います」
ロイドは、いつの頃からか知らないが、ドアにもたれて首を傾げる。
アリアが彼をじっと見つめた後、彼はドアの上で拳を軽く叩きながら言った。
「行きましょうか、私の妻?」
アリアは「妻」という名前が聞き慣れないので、無駄にイヤリングの先端をいじりました。
宴会用の白衣をきちんと着飾ったロイドは、痛いと言うほど輝いている。
(天使・・・)
ロイドは天使のようだ。
その天使は、外見的には天使に似ていると主張したガブリエルでもヴィンセントでもない。
アリアは天使がロイドであることに気づきました。







