こんにちは、ちゃむです。
「セイレン〜悪党と契約家族になった〜」を紹介させていただきます。
今回は70話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

歌で人間を魅惑する「セイレン」。
そんなセイレンであるアリアの優れた能力を知った人々はアリアを神のように崇めた。
しかしある日、帝国全域にセイレンは神の声でも、救いの天使でもなく、伝説の妖怪だという噂が広まり、皇帝はアリアの足を折って鳥籠に閉じ込めてしまう。
長い間鳥籠に閉じ込められアリアが人生を諦めようしたその時、目の前に現れた一人の男。
それは悪魔に魂を売ったというバレンタイン公子であった。
彼に「殺してあげようか?」と提案され、アリアはバレンタイン公子と一緒に地獄へ落ちることを決意する。
しかし、息を引き取る瞬間、10歳の時に戻っていた…。
そしてアリアは決意する。
自身の人生をめちゃくちゃにした張本人である父親に復讐し、最悪な人生から救ってくれた救世主バレンタイン公子を幸せにすると。
アリア:本作の主人公。セイレンと呼ばれる妖怪の血を持つ。本名はアリアドネ
ロイド:ロイド・カルデナス・バレンタイン。公爵家。アリアの結婚相手
ヴィンセント:バレンタイン公爵家の次男。
ガブリエル:騎士見習い。前世では神聖帝国の聖騎士団長
サビナ:サビナ・バレンタイン。公爵夫人
ダナ:侍女長
カーリン:大公城の呪術師
マロニエ:アリアの専属侍女

70話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- バレンタイン大公
-天使。
「ストップ」
-はい。
アリアは、ロイドに宛てた10回目のメッセージの送信を中止する。
悪魔と呼ぶと彼は安心しますが、天使と呼ぶとなぜ彼は嫌がるのでしょうか?
「本来、礼服は白で統一されています。宴会に行くので服装はこんな感じです」
実はアリアもそれを知っていた。
何度も言ったのは、久しぶりに恥ずかしがる姿を見るのが楽しかったから。
(皇帝の得意なことは一つだけ。ロイドを呼んで、皇室の行事で白いローブを着た姿を見ることだけ)
それで終わり。
このまま皇帝が蒸発して消えてしまえば良かったのに。
アリアは二度と見ることはできないと思い、白いロイドをじっと目に焼き付けた。
「バ、バ、バレンタイン大公、バレンタイン大公妃の登場です!」
使用人はひどくどもりました。
トランペット奏者も勢いよく吹くことはなく、むなしく息を吸い、音が途切れてしまう。
二人が宴会場に入ると、そこに集まっていた大勢の貴族達が奇跡的に真っ二つに分かれた。
ロイドが躊躇うことなく動くと、社交シーズンの雑然とした室内は一掃される。
おお・・・。
アリアはふと前世を思い出す。
宴会やサロン、その他の集まりにロイドが現れると、人々の反応はいつも同じだった。
彼らは、後ろからどんな悪口を言ったり話したりしても、彼の前では何も言わず、目を合わせることさえしないよう努めていた。
誰もがアリアを侮辱するつもりはないよう。
むしろ、彼らはアリアと偶然に目を合わせることを恐れて、不自然に頭を向けていた。
(彼らが私に招待状を送ってきたとき、彼らは犬のように群がってくるだろうと思いました)
じっくり見たかったけど、隣にバレンタイン大公がいたから?
(出自にこだわったバレンタインの家臣たちがとても勇敢だったことが分かりました)
結局のところ、バレンタインの家臣になるには、それだけの勇気が必要です。
目も合わせられず、主人に震え上がるような臣下は存在できないから。
少なくともバレンタインの血統と話す勇気のある人。
ということは、彼らのほとんどは大公国の出身者だったのでしょうか?
アリアは心の中で納得してうなずいた。
貴族たちの目には、それは生きて動く人間兵器にしか見えないだろう。
(ロイドと議論するために裸で爆弾の前に飛び込むようなものだ)
まともな人は目立つこともしないし、案の定みんな壁に張り付いてる。
「実は、その気になれば、ここにいる貴族たちを皆殺しにできるんだよ」
とはいえ、たとえバレンタインがどんな人であっても、そんなおかしなことはしないだろうと彼らは分かっているはず。
しかし、そもそも恐怖とは理性を侵食し無力にする法則。
誰もが怯えて避けられていたこの瞬間でも、ロイドはグループの大黒柱だ。
今この宴会場で彼に視線を注がない貴族は一人もいなかったのだから。
このようなことが起こるたびに、恐怖と羨望は驚くほど結びついた感情であるとアリアは考えた。
(これは楽しいですね)
アリアを守るために後を追ったアンジェロ家の次男、ルーサー・アンジェロも気まずそうな様子だ。
(こんな宴会場に行くのは生まれて初めてです)
「二人で踊ったら?」
ルーサーが二人に提案する。
アリアは、まるでダンスなど考えたこともなかったかのように瞬きした。
–私は踊れません。
本当だった。
彼女はダンスを学んだことがない。
数多くの宴会、サロン、集会に参加したが、社交的な交流は一度もありませんでした。
彼女はコルテスのエンターテイナーだったから。
エンターテイナーがドレスを着て優雅に踊る姿を誰が見たいでしょうか?
「踊り方を知らないのか?」
そこでロイドは尋ねた。
まるでそこまで考えたこともなかったかのように。
「礼儀作法は当たり前のことですから、もちろん習いましたが・・・」
「じゃあ、教えてあげる)
ロイドがアリアに手を差し出す。
彼は心の中で幸せでしたか?
めったに楽しい感情を表さないロイドは、口元にかすかな笑みを浮かべていた。
頭上には燦然と輝くシャンデリアが輝いていた。
そして、ある夏の日、太陽が照りつける船上で、アリアは少年と交わした約束を思い出す。
『ロイドの得意なことを教えて・・・』
おそらくロイドは、あの時忘れ去られたように思われる言葉を今でも覚えているのだろう。
アリアはその表情から目が離せなかった。
彼女はなすすべもなく捕らえられた。
それは彼女が取り憑かれたようにロイドの上に自分の手をかざそうとしたときのこと。
「皇帝の登場です!」
従者は何も知らずに告げる。
アリアは顔をしかめた。
(どうして今なの・・・)
貴族たちも、この瞬間だけは恐怖を忘れて頭を下げた。
アリアは頭を硬くしたまま、誰が入ってきても興味がなさそうなロイドを見て微笑んだ。
彼の興味は終始アリアに向けられていた。
それは完全に皇帝を無視したものだ。
(頭も振りませんね)
宴会場に入ってきた皇帝はロイドの広い背中を見ているに違いない。
とても目立つので、見つけられないはずがありません。
ホールの中央に立っていたのですから。
(これは何ですか?)
アリアは照れくさそうに笑う。
ロイドは背が高くて肩幅が広いので、皇帝が入ってくるのが見えなかった。
(実際に皇帝陛下を見たら少し怖いかもしれないと彼は思ったのでしょう)
皇帝は彼女にとって最悪の拷問者。
アリアは皇帝の虐待の影響か20歳までしか生きられなかった。
一見大丈夫そうに見えても、心の中では当時受けた虐待のトラウマが残ってしまうのではないかと心配していた。
(けれど、それは実際には問題ではありません)
恐怖に震えたり縮こまったりすることはない。
ロイドがすべてをカバーしてくれたから。
今は無理かもしれないが、いつか彼女は罪を償わなければならないだろう。
それが彼女の最初の考え。
-見せて。
しかし今ではありません。
アリアはそう言いながら彼の背中を指差す。
ロイドはあまり気に入らなかったが、やむを得ず背を向けた。
そして厳しい態度で皇帝を見つめた。
「バレンタインをこのような役職に就くのを見るのは何年ぶりだろう。私が即位してから初めてですか?」
その時、突然目が合う。
皇帝の目はアリアを見つめながら見開かれ、そして鈍くなった。
(彼が計画を立てているときの表情だ)







