こんにちは、ちゃむです。
「悪役のエンディングは死のみ」を紹介させていただきます。
今回は106話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
大学の友達に勧められ、乙女ゲーム「公女様のラブラブ・プロジェクト」を始めた主人公。
自分と似た境遇のハードモードのヒロイン、 悪女「ペネロペ」に感情移入し、ゲームに没頭してしまった。
ゲームの途中寝落ちして、起きたら自分がゲームの中の「ペネロペ」になっていた。
死亡エンドを避けるためには…攻略対象からの好感度を上げ、 ゲームをクリアするしか手はない!?
ペネロペ・エカルト:主人公で悪役令嬢。ゲームではハードモードのヒロイン。公爵家の娘だが、実際には血の繋がりは無い。
イヴォン:ヒロイン。エカルト公爵家の娘だが、18歳になるまでは平民の娘として過ごしていた。ノーマルモードでは彼女がヒロイン。
デリック・エカルト:エカルト公爵家の長男。冷酷な貴公子キャラ。
レナルド・デカルト:エカルト公爵家の次男。気が短く、口が悪い。
カリスト・レグルス:イオカ帝国の皇太子。人の命を軽視する暴君。
ヴィンター・ベルダンディ:侯爵であり魔術師。様々な情報や裏取引を扱う。
イクリス:亡国の貴族出身の奴隷。ペネロペを同情した唯一のキャラ。
106話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- あなたの望むままに
イクリスは地面に座っている私を⾒下ろしていた。
彼は今⽇も無表情。
しかし、私を⾒つめている彼の灰⾊の⽬に奇妙な輝きが。
「座って」
ゆっくりと彼を⾒てアイコンタクトをとったとき、イクリスは怯む。
「思ったよりも早く終わったのね」
「はい。雨が降っていますので・・・」
彼は⽬を伏せて素直に答えた。
イクリスをよく見ると、私が贈ったネックレスの下に奴隷の首輪が。
ぼろぼろの姿と所有者のいる奴隷を表す首輪。
⼀⽅で、壮⼤な象⽛のネックレスは、際⽴っていた。
アンバランスに見えるが、イクリスの姿は退廃的な美しさを示していた。
「ネックレス・・・、つけてくれているのね」
手を伸ばしてネックレスに触れる。
「・・・ご主人様が与えてくれた物ですから」
彼は後退することなく静かに反応した。
「似合っているわ」
象⽛の部分に触れた後、イクリスの鎖⾻近くに⼿を滑らす。
気づかれないように指先でほんの少し触れただけなのに、イクリスは⾝をかがめた。
そして・・・。
[[イクリス]の好感度を確認しますか?]
[400万ゴールドor名声200]
「は」
金額が2倍に上がっている。
(あなたはお金を貪り食う幽霊のようね)
あと49回あると考えていた自分が馬鹿みたいだ。
この危険なゲームがどんなゲームだったのか忘れてた。
叫びたくなる気持ちを抑えて400万ゴールドを支払う。
[残り9,400万ゴールド]
[好感度81%]
前回⾒た時に⽐べて好感度が⾼かった。
今回の行動は好印象のようだ。
でも同時に不安もある。
このままいけば、私のお金はすぐに使い果たされるでしょう。
しかし、私の不安はすぐに消えた。
(ああ、そうだった。すぐにお⾦持ちになるでしょう)
昨⽇の時点で、私はエメラルド鉱⼭の所有者なのだから。
「なぜ・・・」
突然、イクリスは⼝を開いた。
「なぜご主人様は地面に横たわっているのですか?」
「・・・え?」
「露のせいで床が冷えています」
「ああ・・・」
確かに。
若い⼥性が椅⼦を離れて地面に横たわっているのは奇妙に違いない。
「ただ・・・」
周りには⼩さな⼩さな花がたくさん咲いている。
「花が綺麗だから」
「ご主人様は野⽣の花が好きなのですか?」
これが野花だとは知らなかった。
他の花に⽐べて隅に咲いていたのも不思議ではない。
「ええ」
そっとうなずく。
「可愛くて愛想が良ければ、誰にでも簡単に愛される。だからあなたも私を愛すべきよ」
あまり意味のない呟き。
1か⽉以内に、この温室の所有者は私ではなく他の誰かになるのだから。
しかし、その瞬間イクリスの表情は変化した。
「ご主人様、なぜ・・・」
彼は何かを呟く。
しかし、彼はそれ以上何も言わない。
「今日はチョーカーを外すために、あなたを呼んだの」
「・・・チョーカーですか?」
「ええ、先⽇外すと言ったのに、そのままにしておいてごめんなさい」
イクリスの目は大きくなり、彼はそれが冗談だと思っていたのだろう。
正直なところ、彼への恐怖は完全には消えていない。
彼が素⼿で他の⼈を殴り、容赦なく⽊⼑を私に向けているのを今でも思い出す。
(イクリスはまだ私を嫌っているのだろうか?)
イクリスの表情は分からない。
彼をコントロールできる鎖を解く唯⼀の⽅法は、おそらく私を死に⾄らしめるでしょう・・・。
しかし、今の私には時間がない。
(チョーカを外すことで好感度が高くなるかもしれない)
「・・・イクリス、後ろを向いて」
優しく微笑みながら促す。
ロックを解除するには、後ろの溝にルビーを当てなければいけない。
しかし、イクリスは無表情のまま私をじっと⾒つめ、まったく動かなかった。
(・・・どうして?彼も望んでいるはずなのに)
不思議に思っていたとき。
「・・・⼤丈夫ですご主人様」
イクリスは⼝を開けて答えた。
「外す必要はありません」
全く予想外の答え。
理解できなかった。
「・・・どうして?」
「これを外したとしても、私が奴隷であるという事実は変わりません」
「・・・そうだけど」
チョーカーを解除して好印象を狙ったので、イクリスの答えを受け⼊れるのは気が進まなかった。
突然不安が湧いた。
「・・・あなたを悩ませているのは誰?」
焦りながら尋ねる。
「奴隷制を差別する⼈がいるの?」
「そうではありません・・・」
イクリスはゆっくりと⼝を開いた。
「いいえ、そうではありません。ご主人様が私を探し続けることができるように、これをつける必要があるだけです」
よく分からない⾔葉。
困惑した表情で返事をする。
「どういう意味?」
「チョーカーを外した場合・・・。私に何も起きなければ、ご主人様は会いに来てくれないのではないでしょうか?」
彼の質問に⽬を⼤きく開いた。
「それは・・・」
「チョーカーを取り除いた後、前回の出来事がまた起きて、私が⾃分で事故を起こしたと誤解されたら、ご主人様は私を見捨てるはずです」
彼がそれについて考えていたのは少し不気味だ。
少しだけ真実が含まれている。
彼が邸宅に来てからあの出来事がなければ、私はチョーカーを解放することを少しも考えなかっただろう。
「そんな事はないわ、イクリス。私はいつもあなたの味方よ」
そんな言葉しか出てこない。
イクリスはまだ無表情のまま。
彼は⽚⼿を上げ、⾸に触れて呟く。
「私がこれをつけている限り、ご主人様は私が暴⾛するつもりはないことを知っています。そして、あなたは私を気の毒に思い続けるでしょう」
彼はゆっくりと上半⾝を傾けた。
そして、隣に横になり、私の手の甲に頬を擦り寄せる。
彼の暖かさを感じた。
「私はうまく⾏動します」
私だけが聞こえるように、静かに囁いた。
「私の鎖をつけ続けてください、ご主人様」
肌をくすぐる⽩髪。
(これは演技?それとも本気?)
イクリスはまだ「偽の公女」からの⼩さな保護を必要としている。
しかし、私はまだ公爵の家で貧しい⽴場。
狩猟⼤会から戻った後、公爵はかなり変わった。
ドナ夫⼈と⼀緒に私をからかっていた厨房の使用人全員が変わった。
又、イクリスに公然と嫌がらせをしたすべての集団が解雇されたと聞く。
私が時々与える贈り物と関心があれば、イクリスはすぐに騎⼠の階級を得るでしょう。
彼の思いがけない⾔葉で、⿎動する⼼臓はだんだん落ち着く。
⼼が冷たくなる。
彼の頬に触れていた手を抜く。
すぐにその手をイクリスの頭に置き、そっと撫でた。
同時に。
[[イクリス]の好感度を確認しますか?]
[600万ゴールドor名声200]
「・・・ええ」
遅い答えが⼝から出た。
[残り8,800万ゴールド]
[好感度86%]
彼の頭上の好感度をちらっと⾒る。
「あなたがそう望むのなら」
この選択は間違いではないはず。
「あなたが欲しいものを何でもあげるわ」
ペネロペもイクリスもお互いに死にたくないから望んでいる主従関係ですね・・・。
好感度は81%に上昇しましたが、イクリスからの愛情は伝わってきません。
このまま100%を迎えたらどうなるのでしょうか?
そして、一回毎に金額も上がるのはキツい・・・。
すぐに1億が消えてしまいそうです。
https://tsubasa-cham.com/akuzyo-love-fell-matome