こんにちは、ちゃむです。
「悪役のエンディングは死のみ」を紹介させていただきます。
今回は108話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
大学の友達に勧められ、乙女ゲーム「公女様のラブラブ・プロジェクト」を始めた主人公。
自分と似た境遇のハードモードのヒロイン、 悪女「ペネロペ」に感情移入し、ゲームに没頭してしまった。
ゲームの途中寝落ちして、起きたら自分がゲームの中の「ペネロペ」になっていた。
死亡エンドを避けるためには…攻略対象からの好感度を上げ、 ゲームをクリアするしか手はない!?
ペネロペ・エカルト:主人公で悪役令嬢。ゲームではハードモードのヒロイン。公爵家の娘だが、実際には血の繋がりは無い。
イヴォン:ヒロイン。エカルト公爵家の娘だが、18歳になるまでは平民の娘として過ごしていた。ノーマルモードでは彼女がヒロイン。
デリック・エカルト:エカルト公爵家の長男。冷酷な貴公子キャラ。
レナルド・デカルト:エカルト公爵家の次男。気が短く、口が悪い。
カリスト・レグルス:イオカ帝国の皇太子。人の命を軽視する暴君。
ヴィンター・ベルダンディ:侯爵であり魔術師。様々な情報や裏取引を扱う。
イクリス:亡国の貴族出身の奴隷。ペネロペを同情した唯一のキャラ。
108話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 特殊メイク
「お嬢様、すべて終わりました」
メイドたちが忙しなく動いている。
鏡には私の姿が。
「どうでしょうか?」
仕上がりの完成度に、満足のいく声で答えた。
「これなら体調が悪そうに見えるわね」
「えっと・・・、冗談でしょうか?」
「褒め言葉よ」
顔は幽霊のように青白く、口は血の気がない。
目の下は黒ずんでおり、今にも倒れそうな自分の姿。
「気に入ったわ」
鏡を覗いて笑っていると・・・。
コンコン。
「お嬢様、ペンネルです」
執事長が訪問のノックをする。
その瞬間、化粧台から起き上がり、⾛ってベッドに滑り込む。
⽑布を⾸まで覆い、「⼤きく」咳をした後、⼝を開いた。
「ええ、⼊って」
瀕死の声が自然と出る。
幸いなことに、入ってきたのは執事長だけ。
「どうだった?」
「はい・・・?」
ベッドに来た執事長は⼀瞬⽴ち⽌まり、息を吸う。
彼が変な表情で私を見つめる。
「この短い間で・・・、別人のように変わりましたね、お嬢様」
満足のいく答えに微笑む。
「ちなみに、どうなったの?皇太子殿下は帰られた?」
早くこの化粧を洗い流したい。
しばらく沈黙の後、執事長が厳粛な表情で答える。
「旦那様は皇太子殿下がお嬢様と会うことを許可しました」
「え!?」
思わず口を大きく開けて呆然とする。
しばらくじっとした後、返事をした。
「私は動けないって言ったはずだけど・・・」
「そう言ったのですが・・・。それでも殿下が会いたいと言いましたので、急いで報告に来ました」
「え?」
「旦那様はお嬢様の部屋に直接訪れないことで妥協しました。代わりに良い知らせがあります。お嬢様の体調を考えて、30分だけの面会時間となっております」
「それは良い知らせ?」
必要なかったとしても、公爵が最初の盾になると固く信じていた。
しかし、信じていた公爵は私を裏切った。
「はは」
思わず笑ってしまい。
「分かったわ。皇太子殿下に会う必要があるわね」
⽩いパジャマとカーディガンを着て部屋を出る。
それは、カリストの良心を痛めるため。
(こんな私の姿を見れば、いくら彼でも・・・)
ゆっくりと不健康そうに⾏動し、彼の場所に向かって⼀歩を踏み出す。
澄んだ秋の⽇差し。
その光景を見て、心が少し落ち着く。
(そうよね、彼は私を殺すために訪れたわけではないはず)
カリストがどれだけ狂った男であろうと、自分を殺すためだけに訪れる人物ではないはず。
(それに私には保険がある。何があっても私を殺さないように約束したのだから)
過去の約束を思い出して、私の心は軽くなる。
「彼はどこにいるのかな?」
遠くに男の⼤きな背中が⾒えた。
森の真ん中で、名前のわからない⻩⾊い花が彩られている場所に向かう。
かなり遠い距離のはずなのに、彼はすぐに私の存在に気づいたようだ。
「やあ、私の唯一の過去の恋人。ようやく会えましたね」
明るい⽇差しの中でも、⾦が薄く⾶び散ったように⾒える鮮やかな髪は、その光を失うことはなかった。
でも今の私に、そんな余裕はない。
「どうしましたか、お姫様?そんな間抜けな表情を浮かべて。また私に恋をしたのですか?」
カリストの頭上に見える光景。
私はそれをぼんやりと見つめていた。
(これは何?)
サイレンのように点滅する好感度ゲージはとても不吉に見えた。
(彼は怒っている?)
その不吉な⾚い⾊を⾒たとき、突然、恐怖に駆られた。
⾊が濃いほど危険だと言いたいのだろうか?
(じゃあ、イクリスの濃い赤色の意味は?)
不安な気持ちが、体の中を駆け巡る。
黙って立っている私の姿に、カリストは困惑の表情を浮かべる。
「お姫様。本当に病気だったのですか?」
彼が一瞬で距離を縮める。
「顔色が優れていませんね・・・」
頬に触れる冷たい手。
私は病気に⾒える服を着ていることに気づく。
カリストが⼀歩下がって、頭を鋭く傾けた。
「うーん。⾒た⽬はかなり具合が悪いようです」
「それは 『私が病気であるように』ではなく、 『私が病気である』ということです。殿下」
「⼆度と私に会いたくないと思ったので、嘘をついたのだと考えていました」
その言葉に内心で動揺し、震える気持ちを押し殺す。
「どうして、殿下に嘘をつくことが出来るのでしょうか?」
「薬を服⽤すれば、すぐに良くなるでしょう。あなたは何ヶ⽉も病気になっていますから」
沈黙の後、私は頭を下げ、主題を挨拶に変えた。
「帝国の⼩さな太陽に挨拶します」
「今更ですね」
カリストの皮肉の言葉に、少しだけ恥ずかしくなる。
「今回はどのような御用件でしょうか?」
「はぁ・・・、何を言っているのですか?」
彼がため息をつく。
「ご存知でしたか、お姫様?世間で私とあなたがどう噂されているのか」
ヤバい!
言い訳をするために口を開く。
「ええと・・・、その・・・」
「今では帝国で最も魅力的なお姫様。そして私の恋人?その件について、どうお考えですか?」
幽霊のような不気味な笑顔を浮かべたカリストが一歩近づく。
カリストの好感度が減少しているのか気になりますね。
おそらく下がってはいないでしょうが・・・。
好感度の色はますます謎になりました。
濃いほど危険なのであれば、現在のイクリスの状態は不味いのではないでしょうか?
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