こんにちは、ちゃむです。
「悪役のエンディングは死のみ」を紹介させていただきます。
今回は110話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
大学の友達に勧められ、乙女ゲーム「公女様のラブラブ・プロジェクト」を始めた主人公。
自分と似た境遇のハードモードのヒロイン、 悪女「ペネロペ」に感情移入し、ゲームに没頭してしまった。
ゲームの途中寝落ちして、起きたら自分がゲームの中の「ペネロペ」になっていた。
死亡エンドを避けるためには…攻略対象からの好感度を上げ、 ゲームをクリアするしか手はない!?
ペネロペ・エカルト:主人公で悪役令嬢。ゲームではハードモードのヒロイン。公爵家の娘だが、実際には血の繋がりは無い。
イヴォン:ヒロイン。エカルト公爵家の娘だが、18歳になるまでは平民の娘として過ごしていた。ノーマルモードでは彼女がヒロイン。
デリック・エカルト:エカルト公爵家の長男。冷酷な貴公子キャラ。
レナルド・デカルト:エカルト公爵家の次男。気が短く、口が悪い。
カリスト・レグルス:イオカ帝国の皇太子。人の命を軽視する暴君。
ヴィンター・ベルダンディ:侯爵であり魔術師。様々な情報や裏取引を扱う。
イクリス:亡国の貴族出身の奴隷。ペネロペを同情した唯一のキャラ。
110話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 浮気現場?
白い封筒をぼんやりと眺める。
「事件を再調査しました」
カリストが無関心な口調でそう告げる。
「再調査?」
「ええ。去年の事件です。どうしてあなたがあのような行動に移ったのかを」
「ええと・・・」
私は何もしていないが、それを話したところで無駄だろう。
「ケリン伯爵を調べている途中で、ドルテア伯爵も関与している事が分かったのです」
「ドルテア伯爵夫⼈もですか?」
「その通りです。法廷でケリン伯爵夫人の後に続いて証言していましたよね?」
確かにその通りだった。
当時は何の疑いも持っていなかったが・・・。
「元々、彼女たちはこれまでの全ての狩猟大会で交互にお茶会を主催していると聞きました。昨年はケリン伯爵夫人で、今年はドルテア伯爵夫人」
何故私をお茶会に誘ったのか、今なら分かる。
ドルテア伯爵夫人は去年の事件に関与していたのだろう。
そして私を困らせようと計画した。
「お姫様はそれを知っていたはずなのに、どうして再び参加したのですか?」
困惑した表情でカリストが尋ねてくる。
傍目からみれば、私の行動はかなり間抜けだったに違いない。
カリストから向けられる視線も同じだ。
「狩猟大会は一年に一度です。何かが変わったと思って」
嘘を吐いた。
私はそんな背景を知らなかったのだから。
彼は本気で驚きの表情を浮かべる。
そんな彼に。
「私は平和主義者です。他人のちょっとした行動に気分を害して、剣を抜くような悪役ではありません」
「その代わりにクロスボウを使うと?」
それは私の仕業ではないので、口を閉じる。
公爵がダイヤモンド鉱山をケリン伯爵に渡した事実には少しだけ驚いたけど・・・。
「ケリン伯爵夫人が警備兵を買って、あなたを困らせるためにティファ・ティジャンの近くに席を用意したと聞きました。お姫様はそれを知っていましたか?」
そもそもティファ・ティジャンが誰かも知らない。
「警備兵を買った?」
それには驚いた。
だから去年のペネロペはすぐに取り押さえられたのだろうか?
じゃあ、なぜ今回はそれが起きなかったのか?
それはペネロペが今回の狩猟大会に参加すると思っていなかったからだろう。
去年、あれだけの恥を公衆の面前で晒したというのに。
「お姫様がお茶会で飲んだ飲み物に蚊が混ざっていたらしいですね。彼女たちは笑いを堪えていたそうですよ」
「・・・今なんて?」
(か・・・、蚊!?)
叫びそうになる声を飲み込む。
ドルテア伯爵夫⼈が飲むことを勧めた臭い⻩茶。
思い出すと吐き気が・・・。
「・・・気づいていなかったのですか?」
カリストが楽しそうな表情で見つめてくる。
「・・・気づいていましたよ」
「やっぱりお姫様は興味深いですね。正気の沙汰じゃない」
パチ、パチ、パチ、パチ、パチ。
眉をひそめた。
「からかっているのですか?」
「そんなまさか。純粋に称賛しているのですよ」
褒め⾔葉のようには聞こえなかった。
「ちなみに、当時何が起きたのか、公爵には詳しく教えていないのですか?」
その時、カリストが突然尋ねてきた。
「え?」
私には分からない。
当時のペネロペの行動が分からない。
ゲームにはなかったシーンだから。
(ペネロペは本当に公爵に話していなかったのだろうか?)
しかし、これまでの事を考えると、ペネロペは馬鹿みたいに言い訳をしなかっただろうと信じる事にした。
もし公爵に真実を告げて、何も変わらなかったら?
それは悲惨すぎるのではないだろうか?
「お父様が私を信じるとは思いませんから」
カリストは黙ったまま、私を見つめる。
(どうせ皮肉でも言うのでしょ?)
しかし。
「公爵は知っておいた方が良いでしょう。彼はあなたを大切にしているでしょうから」
そう話す彼の表情は、どこか不機嫌に見える。
急いで話題を変える。
「そういえば、どうしてこの封筒を私に?」
「誰に与えるかなんて、私の自由です」
それは、カリストが公爵に返すつもりがないことを意味していた。
少し躊躇ったあと、彼に封筒を返す。
「しかし、私には分不相応です、巻物はありがたく頂きますね」
(私の馬鹿!なんで貰わないの!?)
けれど、この封筒を受け取ったら嫌な予感がする・・・。
「何か問題が?」
カリストが眉をひそめる。
「え?そんな事は・・・」
「あなたは洞窟で言いましたよね?」
カリストは不思議そうな顔をしていた。
洞窟での出来事を思い出す。
『私は宝石が好きです。もちろんお金も』
黒歴史を思い出して、固まってしまう。
「で、殿下。あれは冗談ですよ。私には勿体ない贈り物ですから」
「皇太子の命を救ったことに対する報酬と考えてください」
その瞬間、カリストがいきなり近づいて私の⼿を握った。
[[カリスト]の好感度をチェック出来ます]
[確認してもよろしいですか?]
[200万ゴールドor名声200]
思いがけない接触で、カリストの頭上に⽩いメッセージが浮かんだ。
返却した⽩い封筒が、私の⼿に無理矢理握らされている。
「これを受け取って、優しく微笑んでください。私たちが会うたびに⽝の糞を噛んだような不機嫌そうな表情をするのは見たくないから」
「い、犬の糞って!」
彼の下品な話し⽅にうんざりして、私は思わず後退した。
本当は嫌だが、機会があれば彼の好感度をチェックしたい。
しかし、その時だった。
カリストと私を除いて、微妙な沈黙の兆候。
その空気を感じ取り、反射的に頭を向ける。
鬱屈とした森の中。
⽩い⽊々の間で、彼を⾒つけた後、彼はすぐに姿を消した。
馴染みのある背中。
「イクリス」
まるで⾃分と話しているかのように、⼩さな呟きが漏れる。
(何故ここにイクリスが?)
彼は今、訓練中のはず。
私に会いに来るように命じていない。
⾒間違えたと思うので頭を傾けると。
「どこを見ているのですか?」
「え?」
再び頭を前に向けると、カリストは⾚い⽬で森を凝視していた。
「ふ〜ん・・・」
彼の視線はゆっくりと私に戻る。
「お姫様」
彼は好奇⼼旺盛な表情で私を呼びながら、私の⼿を握り締めた。
「最近、貴族の間で流行っている遊びがあるのを知っていますか?」
去年の事件は、ペネロペの暴走だけが原因ではないようですね・・・。
この事件はまだ終わっていないのでしょうか?
そして、二人の出会いを目撃したイクリス。
何か用事があったのでしょうか?
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