こんにちは、ちゃむです。
「悪役のエンディングは死のみ」を紹介させていただきます。
今回は117話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
大学の友達に勧められ、乙女ゲーム「公女様のラブラブ・プロジェクト」を始めた主人公。
自分と似た境遇のハードモードのヒロイン、 悪女「ペネロペ」に感情移入し、ゲームに没頭してしまった。
ゲームの途中寝落ちして、起きたら自分がゲームの中の「ペネロペ」になっていた。
死亡エンドを避けるためには…攻略対象からの好感度を上げ、 ゲームをクリアするしか手はない!?
ペネロペ・エカルト:主人公で悪役令嬢。ゲームではハードモードのヒロイン。公爵家の娘だが、実際には血の繋がりは無い。
イヴォン:ヒロイン。エカルト公爵家の娘だが、18歳になるまでは平民の娘として過ごしていた。ノーマルモードでは彼女がヒロイン。
デリック・エカルト:エカルト公爵家の長男。冷酷な貴公子キャラ。
レナルド・デカルト:エカルト公爵家の次男。気が短く、口が悪い。
カリスト・レグルス:イオカ帝国の皇太子。人の命を軽視する暴君。
ヴィンター・ベルダンディ:侯爵であり魔術師。様々な情報や裏取引を扱う。
イクリス:亡国の貴族出身の奴隷。ペネロペを同情した唯一のキャラ。
117話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- イクリスへの贈り物
「小公爵様は貴族を軽蔑した彼らを裁判にかけました」
次の⾔葉は、確かに予想外だった。
デリックが何を考えているのか理解できない。
「裁判に勝ったらどうなるの?」
「彼らは懲役刑を⾔い渡されるでしょう」
「刑務所に?」
「ええ。あるいは、多額の補償を支払うかですが、彼らにその選択肢はないでしょう」
正直、同情はするけれど、すぐにその思考を隅に追いやる。
「それと、お嬢様」
執事長が突然声を小さくする。
「イクリスの師範が決まりました」
その言葉に私は喜ぶ、
「本当に?誰ですか?」
「2年前に引退した帝国騎⼠団の副⻑官だったスペンサー卿です。引退後、⾏⽅不明になり、⾸都の平民が住んでいた町で⼦供たちに⽂章と剣を教えていました」
「隠れていた凄腕の剣術家にように見えるわね」
私の考えを⽀持するかのように、執事長は説明を付け加える。
「彼は現役時代に偉⼤な剣術家として知られていました」
一瞬だけ思考停止する。
私の願いは、脱出した後に、イクリスがソードマスターになるということ。
ノーマルモードでは、彼は自分のスキルを隠し、最終的にペネロペを裏切ることになるのだから。
(まあ、大丈夫だと思うけど・・・)
彼からの好感度が高い以上、すぐに殺されることはないはず。
さらに、彼は天才なのだから、1か⽉以内にソードマスターの地位に就くでしょう。
「少し後で、私はイクリスをスペンサー卿の元に連れて⾏くつもりです」
「それなら、先に行ってイクリスに伝えておいてちょうだい。すぐに準備して行くから」
「お嬢様?」
執事長は驚いた表情を浮かべる。
「初日なのだから、私が彼を送り出さないと」
微笑みながらそう言った。
そして今、本物の主人公が登場する成人式まで残り三週間。
このクソみたいな場所から脱出し、元の世界に戻るために、私は出来る限りのことを試みるつもりだ。
執事長がイクリスを連れてくる間に、私は顔を洗って着替えた。
⿊に近い薄⼿のダークレッドのドレス。
先日、狩猟大会の前夜に参加したときは、真っ赤でカラフルなドレスだった。
あのときのイクリスの反応は良好だったから、今回も大丈夫でしょう。
「よし」
鏡を⾒て満足げに笑い、私はすぐに部屋を出た。
そして、裏庭に⾏くために邸宅の裏⼝に向かう。
静かにドアを開けると、最近皇太⼦と向き合った庭が広がっていた。
徹底的に管理された花は、吹く⾵によって穏やかに揺れている。
裏⼝に向かって歩いていると、⽬を引くものを見て思わず立ち止まった。
庭の前には、未知の薄緑⾊の花が満開。
それに近づき、最も咲いている花の1つを選んだ。
決まり⽂句だけど、私の⽬の⾊に似ているから。
しばらくして裏⾨に着くと、イクリスと執事長はすでに到着していた。
遠く、暗⾚⾊のゲージバーがはっきりと輝いている。
私はすぐに駆け寄り、背中に花を隠す。
「イクリス」
「ご主人様?」
まるで来るとは思っていなかった飼い主が現れたように、彼の目は子犬のように丸かった。
「どうしてここへ?」
「初めて行くから、緊張していると思って」
そう話すが、イクリスは緊張しているようには見えない。
それを気にせずに微笑んだ。
「どう?あなたの望むものを与えたのだけど?」
私の質問に、彼の目が怯んだ。
無表情なので、何を考えているか分からない。
長い間、口を開けていたイクリスは、彼の気持ちを教えてくれた。
「・・・嬉しいです」
「それなら良かったわ」
満足のいく答えだ。
そして、私は背中に隠していたものを引き出した。
「こっちにいらっしゃい、イクリス」
イクリスは何も言わずに近づいてくれる。
彼の目の前に、さっきの花を見せた。
灰色の目が大きくなる。
「これは・・・」
「途中であなたのことを考えたので、摘んでみたの」
そっとイクリスの⽿に花を挿す。
本当は白髪には似合わないと冗談を言うつもりだったけど、それは出来なかった。
それは驚くほど調和していたから。
彼をしばらく見つめた後、私は今の気持ちを素直に伝えることにした。
「とても素敵よ」
純粋な褒め言葉。
その瞬間、イクリスの⽬の瞳孔はその点まで揺れていた。
彼はすぐにそれを隠すように頭を下げる。
顔の代わりに花が付いた⽿の先は真っ赤だった。
(良かった。これは間違いなく、上昇ね)
私は笑顔を隠しながら口を開ける。
「私はあなたの先⽣を⾒つけるために最善を尽くしたので、あなたの最善を尽くして私のことを考えてください」
高慢な言い方をする。
本当はデリックが手配したのだけれど、それを話す必要はない。
「分かった?」
「はい」
すぐにイクリスは隠していた頭を持ち上げた。
そして・・・。
「私は私の主⼈にとって誇り⾼い騎⼠になるために最善を尽くします」
彼は、未知の感情に満ちた⽬で私を⾒ながら⾔った。
イクリスの瞳の夢中になってしまう。
「そろそろ行かなければいけません、お嬢様」
その時、執事長の声で私はハッとした。
「ええと、そうね。イクリス、行ってらっしゃい」
ぎこちなく微笑んで、イクリスにそう伝える。
暗⾚⾊のゲージバーが離れていく。
裏⾨から消えるまでその位置に⽴っていた。
「ああ、良かったわ。だけど・・・」
突然、イクリスの好感度を確認できなかったことに気づく。
どういうわけか、嵐が⼀瞬襲って消えたように感じた。
部屋に戻って、今朝執事長からのニュースを考えながら机の前に座る。
「ヴィンター・ヴェルダンディ・・・」
考えてみると、彼に会ってからしばらく経っている。
「今回の落札は私に会うための口実なのかしら?」
しかし、エメラルド鉱⼭は私のものと登録していない。
執事長がすでに私のために代理⼈を務めていたのだから。
机の引き出しの底を開けて、⽩い封筒を取り出す。
しかし、引き出しの中の何かが封筒と⼀緒に出てきた。
「これは・・・」
⽬を⼤きく開いた。
うさぎの形をした⽩いハンカチ。
裁判の後、ヴィンターが魔法を使って⾒せてくれたもの。
「これも返さないとね」
色々考えると、頭が痛くなってきた。
すぐにベッドに横になりたい。
早朝に訪れた執事長とイクリスを⾒たので、睡眠不⾜だったから。
瞼が沈んでいくのを感じていると・・・。
バァアアアアアン!!
突然、本棚の横にある閉じた窓が破裂し、ものすごい突⾵が吹き始めた。
「な、何!?」
⽬を開けることすらできない。
こんな体験を前にも感じたような・・・。
しばらくすると、⾵は嘘のようにおさまった。
その時だった。
何処かから⼤きな⾳を⽴てる男の野太い声が流れ始める。
「協⼒的な仕事。契約・・・。仕事を得るために・・・。来て・・・、さあ・・・、お願いします」
机の上のハンカチで作ったうさぎが不思議なことに頭を上げて話していた。
イクリスとのイベントは成功したと思いますが、好感度チェックが表示されなかったのは何故でしょうか?
90%を超えたから?
システムメッセージも特にありませんでしたし・・・。
そして、ヴィンターのメッセージの送り方は相変わらず怖いです(笑)
https://tsubasa-cham.com/akuzyo-love-fell-matome