こんにちは、ちゃむです。
「悪役のエンディングは死のみ」を紹介させていただきます。
今回は120話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
大学の友達に勧められ、乙女ゲーム「公女様のラブラブ・プロジェクト」を始めた主人公。
自分と似た境遇のハードモードのヒロイン、 悪女「ペネロペ」に感情移入し、ゲームに没頭してしまった。
ゲームの途中寝落ちして、起きたら自分がゲームの中の「ペネロペ」になっていた。
死亡エンドを避けるためには…攻略対象からの好感度を上げ、 ゲームをクリアするしか手はない!?
ペネロペ・エカルト:主人公で悪役令嬢。ゲームではハードモードのヒロイン。公爵家の娘だが、実際には血の繋がりは無い。
イヴォン:ヒロイン。エカルト公爵家の娘だが、18歳になるまでは平民の娘として過ごしていた。ノーマルモードでは彼女がヒロイン。
デリック・エカルト:エカルト公爵家の長男。冷酷な貴公子キャラ。
レナルド・デカルト:エカルト公爵家の次男。気が短く、口が悪い。
カリスト・レグルス:イオカ帝国の皇太子。人の命を軽視する暴君。
ヴィンター・ベルダンディ:侯爵であり魔術師。様々な情報や裏取引を扱う。
イクリス:亡国の貴族出身の奴隷。ペネロペを同情した唯一のキャラ。
120話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 信頼の蓄積
私を見つめるヴィンターの瞳には未知の光が見えていた。
(なぜ?)
私がどんな人物であるかを、彼が知りたがっている。
それが本当の理由とは信じられなかった。
目を細めて彼を見つめる。
それでも、今の私にできることは何もない。
理由が何であれ、これが無数のルートの1つであることは変わっていないのだから。
その上、私は彼との契約が必要。
「エメラルド鉱⼭の契約を進めましょう」
疑問をとりあえず置いておき、ヴィンターの提案に穏やかに答える。
「良かった。あなたはすでにオークションハウスを怖がらせているので、別の方と署名することさえ出来ないでしょうから」
「はは・・・」
苦笑いを浮かべてしまう。
「しかし、あなたは執事にも伝えておいた方がいいと思います」
「私は今⽇、執事を送ることなくここに来ました。エメラルド鉱⼭の契約ではなく、個⼈的な要求のために」
「ほお・・・」
ヴィンターが好奇⼼旺盛な⽬で私を⾒る。
持ってきたものを取り出してテーブルに置く。
「これは私⾃⾝の所有するダイヤモンド鉱⼭です」
彼のマスクの隙間から見える瞳は驚きでいっぱいだった。
「ダイヤ?」
「これをどのように転がすかを考えていました。鉱業から始めて、流通、加⼯、販売の全プロセスに取り組めるエージェントが必要です」
「・・・」
「私と別の契約を結んでほしいの」
ヴィンターは私が出した⽩い封筒を⼾惑いながら⾒ている。
エメラルドについて話していたはずなのに、突然ダイヤモンドが⾶び出し、彼は混乱していた。
しかし、これが私の最善策。
デリックがエメラルド鉱山について知っていたから。
エメラルド鉱⼭は私の無傷の私有財産とは⾒なされないでしょう。
執事長が管理しているのだから。
公爵が密かに私の裏⾦を蓄積すると同時に、私は公にヴィンターと絡む。
契約でのみ親密な関係。
ノーマルモードの時ほど苦労をしたくないから。
そんな私の計算を知らずに、ヴィンターはすぐに落ち着きを取り戻し尋ねてくる。
「ご家族はどう説得されるのですか?」
「家族の誰もこの事実を知りません」
彼が先ほど話したように、彼は多くの知識と疑問を私に持っている。
それを利用することにした。
「あなたは家での私の立場を知っているはず」
手を伸ばして白い封筒に触れる。
「これは私の裏金で、私の命を救うものなのです」
ヴィンターはマスクをしているので、彼が今、何を考えているのかは分からない。
しかし、彼の⽬は「命を救う」という⾔葉を聞いた瞬間を逃さなかった。
「代わりに、総収⼊の60パーセントを⽀払います」
それは型破りな申し出。
「如何でしょうか?」
ヴィンターの瞳が揺れているのを見て、私のアピールが効いたことを確認する。
ヴィンターは私の話を黙って聞いた後、⼝を開いた。
「お嬢様は、私を完全に信頼することを恐れているのでしょうか?」
「・・・」
何故そんなことを?
これまでの会話を思い出す。
ヴィンターは信頼が回復したと思っているはず。
彼はまだそれを気にかけていたのだろうか?
しかし悲しいことに、彼と私の間で「信頼」の蓄積は決してない。
イヴォンを連れてきて私を台無しにするかもしれない男をどうすれば信頼することができるでしょうか?
ヴィンターだけでなく、このゲームで信頼できるものは何もなかった。
けれど、そんなことは話せないので、私は笑顔で誤魔化した。
「これは「あなた」というよりも「侯爵を信頼する」ようなものです」
ヴィンターの揺れる⽬が止まる。
「条件があります」
「条件は何ですか?」
「好奇⼼を満たすために、いくつかの会議を要件にしたいと思います」
「会議?」
「はい。代わりに、60%ではなく30%しか受け取りません」
少し考える。
彼の提案を断り続けるのは、私にとって良い状態ではないはず。
ヴィンターとの接触で、イヴォンの現在の状況も分かるかもしれない。
「・・・分かりました」
すぐに判断を終えて、私はうなずき、彼の片手を差し伸べる。
「お金は大事にしてくださいね、白ウサギさん」
笑顔を浮かべて、ヴィンターを見つめる。
契約成立の挨拶のはずなのに、彼は中々手を握ってこない。
「何?男と握⼿するのは嫌でしたか?」
自分が魔法で変装していたことを思い出す。
ヴィンターは慌てて私の手を握った。
「私もあなたと⼀緒に働くことを楽しみにしています、お嬢様」
彼の声は落ち着いていた。
その時だった。
[[ヴィンター]の好感度を確認しますか?]
[200万ゴールド/名声200]
私の⽬は明るくなり、彼の好感度を確認する機会が生まれた。
迷わず【200万ゴールド】を選ぶ。
[[200万ゴールド]を差し引いて、[ヴィンター]の好感度を確認しました]
(残金:68,000,000ゴールド)
宝石の商売はまだ本格的に始まっていないので、私の資金はまだ狩猟大会の賞金のみ。
それでも、私はあまり気にしていなかった。
[好感度52%]
ヴィンターの好感度が急上昇している。
(最後の時は、確か44%だったかな?)
ノーマルモードの主人公が登場するまであと1ヶ⽉もない。
イクリスを除く他の男性の好感度は厳しい状況だった。
1回のエピソードで10〜15%上昇したノーマルモードと⽐較すると、ハードモードの難易度が高すぎる。
(今も携帯電話で遊んでいたら、私は怒ってゲームを終了して削除したと思う)
怒りをなんとか抑える。
これは私にとって現実だったので、ゲームをシャットダウンしたり停⽌したりすることは出来ないのだから。
そう考えていながら、ヴィンターが私の手を握っていることに気づく。
「手を離してもらっても?」
彼は⼿を離し、漠然とした顔で下をちらりと⾒る。
「契約は私の側で行い、⼿紙で秘密裏に送るべきです。私がやりますね」
「ありがとう。お願いします」
⼤まかな答えが出たから、帰る準備をした。
私が出⼊り⼝に着くと、ヴィンターが突然尋ねてくる。
「ちなみに、今日は馬車で来たのですか?」
「え?」
「ええ。あなたが⼀⼈で来たのを⾒ましたから」
沈黙が生まれる。
クソテレポート。
その事実を私は忘れていた。
「お願いがあります、ハミルトン通りに連れて⾏ってください」
ヴィンターの低い笑い声が響き渡る。
私は自分の手で顔を扇いだ。
ヴィンターが⾔及した契約書と⼿紙は翌⽇届いた。
これからはヴィンターとのイベントが続きそうですね。
相変わらず、このゲームのシステムは不便ですね。
帰りの手段は自分で探さないといけないのですから(汗)
https://tsubasa-cham.com/akuzyo-love-fell-matome