こんにちは、ちゃむです。
「悪役のエンディングは死のみ」を紹介させていただきます。
今回は130話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
大学の友達に勧められ、乙女ゲーム「公女様のラブラブ・プロジェクト」を始めた主人公。
自分と似た境遇のハードモードのヒロイン、 悪女「ペネロペ」に感情移入し、ゲームに没頭してしまった。
ゲームの途中寝落ちして、起きたら自分がゲームの中の「ペネロペ」になっていた。
死亡エンドを避けるためには…攻略対象からの好感度を上げ、 ゲームをクリアするしか手はない!?
ペネロペ・エカルト:主人公で悪役令嬢。ゲームではハードモードのヒロイン。公爵家の娘だが、実際には血の繋がりは無い。
イヴォン:ヒロイン。エカルト公爵家の娘だが、18歳になるまでは平民の娘として過ごしていた。ノーマルモードでは彼女がヒロイン。
デリック・エカルト:エカルト公爵家の長男。冷酷な貴公子キャラ。
レナルド・デカルト:エカルト公爵家の次男。気が短く、口が悪い。
カリスト・レグルス:イオカ帝国の皇太子。人の命を軽視する暴君。
ヴィンター・ベルダンディ:侯爵であり魔術師。様々な情報や裏取引を扱う。
イクリス:亡国の貴族出身の奴隷。ペネロペを同情した唯一のキャラ。
130話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 女神
長い。
曲がりくねった道が延々と続いている。
ヴィンターがテレポート魔法を試みたが、道が複雑すぎて正確な場所が分からず失敗したのだ。
「ここまで複雑とは・・・」
カリストが眉をひそめながら呟く。
それは私も同じ意見だった。
島の下にこれほど複雑な洞窟を作り上げることにゾッとする。
(彼らは単なる脇役に過ぎないと思っていたのだけれど・・・)
狩猟⼤会の前夜まで、彼らを馬鹿にしていた。
「新レイラ教団」という名前は変に聞こえるが、考えてみると、彼らの行動はずさんではなかった。
彼らは、帝国の検問を突破して、皇居の奥深くまでに侵入したのだから。
(内通者がいる?)
彼らの力はどこまで広がっているのだろうか?
ラオンに近づくほど、不思議な不安が体を侵⾷する。
(何かが起きる前に、この危険なゲームから脱出しないと)
目の前を歩いている二人の男を見て、再認識した。
私の目標は脱出、ただそれだけ。
「あぁぁぁぁぁぁぁ!」
遠くから、誰かの必死な叫び声が響き渡った。
慎重に前に進む。
ようやく曲がりくねった道が終わりを告げようとしていた。
出⼝の前で、ヴィンターが突然振り返る。
「ここからは、透明魔法を使う必要があると思います」
彼はすぐに杖を引き抜いて私たちに向かって振った。
そして祝福されたかのように、⽩い粉が私たちの頭上から降ってくる。
特別なことは何も感じなかった。
「⼤声で叫ばない限り、ノイズはある程度防がれます。ただし、魔法は使わないでください」
「じゃあ、隠れながら殺すことはできるのか?」
カリストは、私が聞こうとした質問をしてくれた。
「⼦供たちの正確な場所がわかるまで、できるだけ控えてください」
理解したと言うように、カリストが黙ってうなずく。
その瞬間だった。
「来るな!来るなぁあああああ!」
近くの場所から恐ろしい悲鳴が鳴り響く。
お互いに目を合わせて、出口に進んだ。
暗くて息苦しい巣⽳から出ると、驚くほど巨⼤な空間が現れた。
これまでの暗い洞窟とは全く違う光景。
「女神よ!」
中央には、⼤きな彫像と祭壇が設置されている。
⽩いローブを着て、⽩いマスクをかぶった細身の人物がいる。
その周りには、⿊いローブを着た何⼗⼈もの⼈間がひざまずいていた。
「食物を⾷べてください」
一人が口を開く。
「あなたはまだ完全に記憶を回復していないので、ここに馴染みがないことは分かっています。しかし、より⼤きな利益のために、あなたは⼒を蓄積しなければなりません」
(食物?)
頭を傾けた。
なぜなら、祭壇には⾷べ物が見られなかったから。
しかし、彼らが「食物」と呼ぶものをすぐに理解する。
2つの⿊いローブが突然立ち上がる。
彼らは何かを引きずっているように見える。
「は、放せ!私を放してくれ!」
荒い鎖の⾳で引きずり出されたのは、若くて丈夫な男性。
彼らはその男を祭壇に引きずり込む。
「放してくれ!」
男は激しく反抗したが、それは意味をなさなかった。
唯⼀の⽩いローブを着た人物がゆっくりと祭壇から降りてくる。
彼?は男の前で⼀瞬躊躇ったが、すぐに⼿を差し伸べた。
驚いたことに、⽩い手が男の頬を撫でたとき、男は突然⼝を閉じた。
⾒えるのは背中だけだったので、何をしたのか分からない。
男が落ち着くと、⽩いローブがすぐに頭を下げた。
以前の躊躇していた姿とは異なり、⾚い唇が魅惑的に線を引いているのが⾒られる。
(女性?)
気がつくと、頭を下げた⼥性がゆっくりと男性にキスをしていた。
なぜ突然キスを?
ヴィンターとカリストを横目で見ると、彼らも困惑しているように見える。
状況が逆転したのは数秒後のこと。
「あぁ」
⽩いローブを着た⼥性のキスを受け⼊れていた男が、突然苦悩の呻き声を出す。
動きはますます激しくなった。
しかし、男以外の誰も動揺していない。
その瞬間、信じられないようなことが起きた。
痙攣を起こしていた⻘年の体が、⼀瞬で空気のない⾵船のように縮む。
乾いた体は押しつぶされ、四⽅⼋⽅に散らばった。
何が起こったのだろうか・・・?
「何だこれは・・・」
カリストがそう呟く。
目の前の光景にショックを受けたヴィンターとカリストも同じことを思っているようだ。
「次の食物を!」
彼女が彼らに命令を出すと、黒いローブの人物たちが立ち上がる。
しばらくして、彼らが連れてきたのは、気を失った6⼈の⼦供と、⼤きな箱だった。
(ラオン!)
ライオンのマスクを認識し、⽬を広げる。
その瞬間、⽬の前にメッセージが表示された。
<システム>
[メインクエスト:失踪した⼦供たちの⾏⽅]
【魔法使いとラオンの居場所を追う】
[クエストが完了しました!]
[ヴィンターの好感度+5%と名声50を獲得しました(名声:460)]
完了したクエストを確認する。
ヴィンターとカリストに質問をした。
「ねえ、どうするのですか?」
「数が多すぎる。その上、あの女。あなたは彼⼥に触れてはいけない。何か嫌な予感がする」
カリストが白いローブを睨みつけて、眉をひそめた。
しばらく考えた後、彼が⼝を開く。
「ねえ、⾒知らぬ⼈」
「はい?」
「私が彼らの注意を引いて、⼦供たちを動かすことができるようにします」
カリストが今度は頭を私に向けた。
「お姫様、こっそりとライオンのマスクの子供に、移動魔法を使って逃げてください。分かりましたか?」
彼の戦略は完璧だ。
問題は私の方。
「えっと・・・、移動魔法は使えません」
「え?」
カリストは私の⾔葉に⼾惑うように振り返った。
「魔法の使い⽅は知っていますよね?でも移動魔法は使えないのですか?」
「その・・・」
システムが教えてくれるだけで、私は魔法をどうやって使うのか知らない。
それを伝えることが出来ず躊躇っていると。
「不味い」
ヴィンターの焦る声が聞こえてくる。
マスクの隙間から⾒える彼の⽬は、哀れなほど硬直していた。
私とカリストは彼の視線を追い、頭を向けた。
祭壇の上では、大きな箱から青い光が漏れている。
「あれを発動させることは出来ない」
ヴィンターが焦った声で言った。
カリストが彼に尋ねる。
「あれは?」
「あれは古代のレイラ族によって使⽤された油です。相⼿を最も絶望的な状況に連れて⾏き、⼼を掘り下げる道具」
ヴィンターは混乱しているかのように呟いた。
「彼らは、あの道具を使って洗脳を試みているはず」
「まさかラオンに!?」
彼の言葉の意味を理解した時だった。
祭壇上で何かが爆発する。
「ラトゥリカ!」
躊躇うことなく、ヴィンターが杖を振って前に⾛った。
「どこに行くの!」
ショックを受けて尋ねる。
「侵⼊者だ!」
どこからともなく現れたヴィンターを⾒て、⿊いローブたちは混乱していた。
「⼥神を守れ!」
⽩いローブの女性の隣にいた男が命令を出す。
「ちょっとここにいて、お姫様!」
カリストも祭壇に向かう。
「で、殿下!?」
私は一人残された。
ゲームでは語られなかった設定がどんどん表示されていますね。
謎の女性の正体も気になります。
メインクエストも微妙なタイミングで終了しましたから、今のペネロペは何も出来ない状態のはず。
ラオンを救うことはできるのでしょうか?
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