こんにちは、ちゃむです。
「悪役のエンディングは死のみ」を紹介させていただきます。
今回は132話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
大学の友達に勧められ、乙女ゲーム「公女様のラブラブ・プロジェクト」を始めた主人公。
自分と似た境遇のハードモードのヒロイン、 悪女「ペネロペ」に感情移入し、ゲームに没頭してしまった。
ゲームの途中寝落ちして、起きたら自分がゲームの中の「ペネロペ」になっていた。
死亡エンドを避けるためには…攻略対象からの好感度を上げ、 ゲームをクリアするしか手はない!?
ペネロペ・エカルト:主人公で悪役令嬢。ゲームではハードモードのヒロイン。公爵家の娘だが、実際には血の繋がりは無い。
イヴォン:ヒロイン。エカルト公爵家の娘だが、18歳になるまでは平民の娘として過ごしていた。ノーマルモードでは彼女がヒロイン。
デリック・エカルト:エカルト公爵家の長男。冷酷な貴公子キャラ。
レナルド・デカルト:エカルト公爵家の次男。気が短く、口が悪い。
カリスト・レグルス:イオカ帝国の皇太子。人の命を軽視する暴君。
ヴィンター・ベルダンディ:侯爵であり魔術師。様々な情報や裏取引を扱う。
イクリス:亡国の貴族出身の奴隷。ペネロペを同情した唯一のキャラ。
132話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 崩落
「貴様・・・!」
⽩いローブの女性の隣に⽴っていた男が私を⾒て指差す。
彼だけでなく、祭壇の前に⽴っているすべての⿊いローブの⽬が私に向けられた。
「その女を捕らえろ!」
震える声で男が叫ぶが。
「来ないで!」
襲い掛かろうとする黒いローブたちに向けて、私は指を向けた。
さっきの魔法の威力は全員が目の当たりにしているはず。
「動かない方がいいわよ。ヘビのようになりたくないのなら」
口の片隅を上げて、意地悪そうに微笑む。
そのままラオンを腕に抱き、誇らしげに立ち上がった。
私の警告が効いているのだろうか、彼らはそれだけで怯んでくれる。
アーティファクトを持ったまま黙って私を見つめている白いローブの女性に目を向ける。
祭壇から降りた時、動かずに私を⾒つめていた⽩いローブの女性が突然、鏡を持ち上げた。
「喰らいなさい」
低い声と同時に、鏡の中から⻘い輝きが現れる。
その光が私に迫る。
避ける時間はない。
私はラオンを腕の中で抱きしめて、目を閉じた。
しかし、いつまで経っても何も起きない。
恐る恐る目を開けると、光は青く点滅していた。
「眩しい・・・」
ラオンを抱きしめていたので、⼿で⽬を覆うことができない。
「今だ!」
まるでチャンスを手に入れたかのように、男が叫ぶ。
「お姫様!」
遠くから⼼配そうに呼ぶカリストの声が聞こえる。
「早く呪文を唱えろ!」
目眩がする中で、私は理性を取り戻そうと口を開く。
「デ、デ・・・」
熱いものが再び⾸の下で泡⽴つ。
理由は分からないが、呪⽂を唱えるのが苦しかった。
「早く奴を捕らえろ!」
彼らが迫ってくるのを感じる。
苦しみから必死に抗う。
そして最後に、何かが私の⼝から注がれているような感覚で魔法の呪⽂が⾶び出した。
「デキナレプティウム!」
悲惨な叫びが響いた。
そして・・・。
全⾝を揺さぶるような轟⾳が再び起きた。
視界を占めていた⻘い光が消えるが、中々目を開けることができない。
緑がかった視界を取り戻すために、私は数回瞬きをした。
⽬の前がかろうじて見えたとき、そこには凄まじい光景が。
「え・・・?」
まるで爆弾が落ちたかのように、祭壇の周りにいた⿊いローブが至る所で倒れていた。
それらのほとんどは出⾎していて、動かない。
どうやら死んでいるようだ。
「貴様あぁぁぁぁぁ!」
残りの⿊いローブが叫ぶ。
しかし、それもしばらくの間だけ。
彼らは光の塊に打たれ、紙のように飛んでいった。
「わ、私が・・・」
口を閉じることができない。
たくさんの塊がホールの周りに飛んでいる。
それは悪魔を殺したときの2倍の⼤きさに⾒えた。
呪⽂を唱えて生まれた光の塊は、まるでこの空間のすべてを破壊するかのようだった。
その時、光の塊が祭壇に向かう。
そこには白いローブの女性が立っていた。
⽿をつんざくような轟⾳とともに強⾵が吹く。
「ああ・・・」
ラオンを抱いた私は、祭壇の近くから離れる。
「め、女神様!」
誰かが叫んでいる。
声の方に頭を向けて、私は目を大きく開いた。
白いローブの女性が、祭壇の上で倒れていたのだから。
「女神様!起きてください!」
彼⼥が⾶んできた光の塊に正⾯から直撃したかどうかにかかわらず、⼥性が持っていたアーティファクトは粉々に砕かれていた。
(私は、ヴィンターがやろうとしていたことを意図せずにやったようね)
困惑した表情で見つめていたとき。
足元に何か光るものを発見する。
それは壊れた鏡の⼀部。
まるで私に拾って欲しいかのようにキラキラと輝いていた。
既視感を感じて、腰をかがめて⽚⼿で持ち上げる。
それと同時に・・・。
別の轟⾳が鳴り響く。
まだ残っていた光の塊の1つが、祭壇の後ろの彫像に突き刺さったのだ。
像と天井が⼀気に崩壊する。
そして・・・。
⽔の流れが隙間から流れ出し始めた。
塩⾟い匂いが広がる。
洞窟が壊れ、海⽔が侵⼊してきたのだ。
「逃げましょう。女神様!」
男は白いローブの女性を持ち上げて、⽚⼿で⽔晶⽟を取り出し、何かを呟く。
⻘い光が⽔晶⽟から出て、彼らを包み込んだ。
私の本能が、彼らが逃げようとしていることに気づく。
(ここで彼らを殺さないと!)
口を開けて呪文を叫ぼうとした瞬間。
「デキナ」
気がついた⼥性と目が合う。
マスクが半分壊れて、女性の顔が明らかになった。
呪⽂を叫ぶのを忘れて⽬を開ける。
その瞬間だけ、壁が落ちたり海が流れ込んだりする音が聞こえなかった・
強⾵に舞う素敵なピンクの髪。
私を⾒つめている⻘い⽬。
「イヴォン?」
そう口に出したが、目の前の光景が信じられなかった。
(そんなはずがない。私の見間違えのはず・・・)
けれど、それは見間違いではないだろう。
ゲームイラストにピッタリ合うヒロインの姿。
彼らを取り巻く⻘い光がどんどん強くなっていく。
「お姫様!」
誰かが私の肩を掴んだ。
目の前で、金色の髪がはためいている。
「大丈夫か?」
「で、殿下・・・」
カリストはラオンを私の腕から引き抜いて抱きしめ、焦る声で話す。
「何をそんなにぼんやりと⽴っている?私たちもここから出なければならない!」
「で、でもあそこに・・・」
混乱したまま祭壇を⾒回した。
その場所はすでに空っぽで、⼤量の海⽔が降り注いでいる。
「誰かさんの魔法のおかげで、洞窟が崩壊しつつあります。今脱出しないと、埋葬されますよ」
少しずつ現状を把握できるようになってきた。
「ヴィンターは・・・?」
周りを⾒回してヴィンターを探す。
カリストが素早く答えた。
「彼はあなたの2度⽬の魔法攻撃をするまでに意識を取り戻しました。彼には⼦供たちを迎えに⾏き、洞窟を脱出するように命じてあります」
良かった・・・。
けれど安心はできなかった。
いつの間にか海水が⾜⾸まで上がっている。
私たちは通路を急いで通り抜け、来た道を引き返し始めた。
しかし、洞窟は崩壊しようとするかのように突然揺れる。
「きゃあ!」
叫び声を上げてしゃがむ。
「くそっ!撃った後に、このクソ魔法をコントロールできないのですか?」
カリストが厳しく私の魔法を罵倒する。
とても不公平な気がした。
(システムの魔法がここまで強力だなんて思わないでしょ!?)
カリストと私はスピードを上げる。
洞窟の向こうからは、海水が恐ろしいスピードで私たちを追いかけていた。
それは巨⼤な波に他ならない。
「「うわぁああああああああ!!!」」
私たちは同時に叫び、⼀⽣懸命⾛る。
しかし、波の勢いは⼈間の⾜では克服できないようだ。
(もう嫌だ!何で溺れるルートがあるの!?このクソゲーム!!)
私が最後に考えたのは、ゲームメーカーへの呪いだった。
予想通り、イヴォンが白いローブの女性でしたね。
しかし、謎はさらに深まるばかり・・・。
ペネロペもハードモードをクリアしたわけではないですから、ハードモードでのイヴォンの詳細は分からないのですよね(汗)
ノーマルモードでのイヴォンも、公爵邸に来るまでの詳細は分かっていません。
ここからの流れが非常に気になりますね!
https://tsubasa-cham.com/akuzyo-love-fell-matome