こんにちは、ちゃむです。
「悪役のエンディングは死のみ」を紹介させていただきます。
今回は187話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
大学の友達に勧められ、乙女ゲーム「公女様のラブラブ・プロジェクト」を始めた主人公。
自分と似た境遇のハードモードのヒロイン、 悪女「ペネロペ」に感情移入し、ゲームに没頭してしまった。
ゲームの途中寝落ちして、起きたら自分がゲームの中の「ペネロペ」になっていた。
死亡エンドを避けるためには…攻略対象からの好感度を上げ、 ゲームをクリアするしか手はない!?
ペネロペ・エカルト:主人公で悪役令嬢。ゲームではハードモードのヒロイン。公爵家の娘だが、実際には血の繋がりは無い。
イヴォン:ヒロイン。エカルト公爵家の娘だが、18歳になるまでは平民の娘として過ごしていた。ノーマルモードでは彼女がヒロイン。
デリック・エカルト:エカルト公爵家の長男。冷酷な貴公子キャラ。
レナルド・デカルト:エカルト公爵家の次男。気が短く、口が悪い。
カリスト・レグルス:イオカ帝国の皇太子。人の命を軽視する暴君。
ヴィンター・ベルダンディ:侯爵であり魔術師。様々な情報や裏取引を扱う。
イクリス:亡国の貴族出身の奴隷。ペネロペを同情した唯一のキャラ。
187話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 外出許可
部屋に戻った後、私は脱出について⼀⽣懸命考えた。
「⼀番⼤切なものは・・・。お⾦、遺物、そして輸送⼿段」
すぐにこの場所を離れたかったけれど、北に⾏くにはかなりの準備が必要だ。
「まず第⼀に、私たちは会わなければなりません」
夜明けが終わり、光のように明るかった。
ついに⾃分の考えを整理して誰かに声をかけるために、椅子から立ちあがろうとしたとき。
「お嬢様、ペンネルです」
タイミングよく、私が声をかけようとした相手から先に来てくれた。
椅子に座り直して、扉越しの相手に声をかける。
「入って」
ドアが開くと、執事が入って来て私に挨拶した。
「どうしたの?」
「これは先⽉のエメラルド鉱⼭販売レポートです」
彼は⿊い紙を丁寧に机の上に置く。
私はそれを⼿に取り、中⾝をちらっと⾒た。
巨額のお⾦が入っているのが分かるが、あまり興奮はしない。
(どうせ使う機会はないのだから)
ファイルを閉じた後、期待していた執事長の表情を無視し、落ち着いて話をする。
「執事長、しばらく外出したいわ」
「・・・外出でしょうか?どこへ行かれる予定で?」
「あなたがそれを知る必要はありません」
そう告げて、私はもう⼀度彼に尋ねた。
「お父様は今宮殿に?」
「いいえ。旦那様はまだ邸宅におられます」
「本当?」
今日の夜に公爵が帰ってきてから許可をもらおうと思っていたから、それは意外な知らせだ。
「じゃあ、お父様に聞いてもらえる?私が外に出たいって」
「かしこまりました、お嬢様」
・
・
・
しばらくして、執事長が部屋に戻ってきた。
再び、彼は良いニュースと悪いニュースの両⽅を持ってくる。
「お嬢様、旦那様はあなたが外出することを許可しました」
「そう、良かったわ」
「そして、これから昼食に参加できるかどうか尋ねております」
「昼食?」
私は眉をひそめ、疑いを持って尋ねた。
「・・・家族みんなで?」
「いいえ。小公爵様たちは騎⼠の訓練を受けていますので・・・」
昼⾷会は酷い知らせだったが、幸運な要素もある。
「準備ができたらすぐに向かうとお父様に伝えてちょうだい」
準備ができた後、執事長は私を食堂ではなく温室に案内する。
天気の良い⽇には温室で⾷べるという公爵の提案があったから。
ドアを開けて中に⼊ると、⾹りのよい花の⾹りが私を迎えてくれた。
「お父様」
「ああ、来たか。座りなさい」
公爵の反対側に座ると、使⽤⼈がすぐに食事の準備を始める。
昼⾷だったので、サンドイッチなどの軽⾷だ。
食事が始まっても、どちらも手を出さない。
公爵はまるで深く考えているかのように⼝を閉じたまま。
ぎこちない沈黙の中で、私は慎重に主導権を握った。
「・・・何かお話があったのでしょうか?」
「・・・何?」
「お父様が私に話したいことがあるのかどうか尋ねました」
「どうしてそんなことを聞く?」
公爵はぼんやりと尋ねた。
どういうわけか気が散っているかのように、今⽇は少し変だと感じる。
「お兄様たちを呼ばずに私だけを呼びましたし・・・。この後、宮殿に入りますよね?」
「ああ、そうだな・・・。私は・・・」
公爵はまるでそれを考えたことがないかのように呟いた。
「⼊る」という⾔葉は彼を興奮させ、光が徐々に彼の⽬に戻っていく。
「お父様、大丈夫ですか?」
「・・・大丈夫だ。ペネロペ、お前の方はどうなのだ?医者はまだ休養が必要だと話していたが」
「⼤丈夫です。ずっと気分が良くなりました」
「・・・執事に出かけたいと言ったそうだな」
要点に到達すると、私はすぐにうなずく。
「ずっと部屋の中にいると疲れてしまうので・・・」
「確かに。もう一週間近く経っている」
公爵は同意してうなずいた。
まさかの反応に戸惑う。
公爵やデリックの許可なしに外出できるとは想像もしていなかったからだ・・・。
「好きにしなさい」
簡単に許可を貰えたことに安堵する。
「ありがとうございます、お父様」
「だが、全員の許可なしでは認められない」
しかし、チャンスがあればすぐに次の危機が訪れた。
「・・・お父様」
「申し訳ないが、お前の希望に添えない場合もある。エカルト家で成⼈式を終えるには、家族全員でビジネスに参加してもらう必要があるのだから」
もちろん彼の⾔葉は理に叶っている。
私が成⼈式でした行為のおかげで、今ではすべての⽬が公国に向けられていた。
(本当の娘が帰ってきたのに、どうして私を⼿放さないの?)
よく分からなくて、言葉を失い、グラスの中の水を見つめる。
「しかし、お前が望むのなら・・・。外出を許可しよう」
静かに追加された公爵の⾔葉に、私は⽬を⼤きく開いた。
「どこに・・・、私がどこに行くとしてもですか?」
「ああ」
ぐらついた視線で彼を⾒る。
変な感じがした。
「・・・小公爵様は」
最⼤の障害を指摘した。
ヒロインに洗脳された男は、私をなかなか⼿放す準備ができていない。
「彼はそれに反対しているはずです」
「私はまだ公爵だ。彼に何ができる?」
公爵は不満の声で答え、すぐにクールな解決策を思いついた。
「彼があなたを⼿放したくないのなら、私の元に駆け寄ってください。私が彼のお尻を蹴ります」
そう言って彼はぎこちなく微笑んだ。
それは久しぶりに⾒る遊び⼼のある表情。
魔法のクロスボウを渡されたときと同じ笑顔。
あの時、私は公爵にぎこちなくて不快に感じたのに・・・。
「お父様」
「・・・うん?」
「・・・イヴォンをどれだけ信じますか?」
公爵の⻘い⽬は、予想外の会話で⼤きくなる。
「彼⼥と⼀緒にいるとき・・・。お⽗様、グラスの中の⽔を調べてください」
「グラス?」
公爵の顔が青ざめていく。
「何を言っているんだ、ペネロペ」
「イヴォンをあまり信用しないでください・・・」
私は警告を終わらせるのに⼀⽣懸命⾔葉を飲み込んだ。
彼が私を信じるかどうか不信感を抱く前に、私は怖かった。
不完全なアーティファクトでイクリスを洗脳した⼥性が。
けれど全てを伝えることはできない。
私は臆病で偽善的な⾃分⾃⾝にうんざりしていた。
しかし、それでも・・・。
「機会があればお願いします」
「何・・・?」
「もう戻りますね」
そう言って、私は椅子から立ち上がる。
公爵は私の⼿つかずの⾷器を見た後、驚いた⽬で私に声をかける。
「ペネロペ」
「体調が優れないので、お先に失礼します」
公爵が私の警告をどのように受け⼊れたのかは分からない。
「分かった」
でも今回も、公爵が簡単に許可を与えているのを⾒て、下唇を激しく噛んだ。
私が出口に向かう間、彼の⽬は私の頭の後ろに。
温室を出る前に振り返ったのはこれが最後。
私の⽬はまだ⼼配そうな顔で私を⾒ている⽬と出会った。
密かに見ているつもりだったのか、怯んだ公爵が手を挙げる。
私に早く行くように伝えているのでしょう。
もう⼀度下唇を優しく噛み、すぐに⽬を閉じて叫んだ。
「お⽗様、イヴォンに気をつけて!」
公爵の⻘い瞳を後ろに残して、私は温室を出て行った。
思ったより少し早く公爵と昼⾷をとった後、すぐに屋敷に戻る。
外出の準備ができた後、ヴィンターに会いに⾏く予定だった。
みんなが昼⾷をとっているので、屋敷の中は静かで、家の中央にある階段を上っていく。
誰もいない廊下を渡り、自分の部屋のドアノブを掴んだとき。
ドアが少し開いていた。
(エミリーが掃除をしているの?)
何も考えずにドアを開けて部屋に入った瞬間、ドレッサーの引き出しを開けている人物を発見する。
メイド服を着ている誰かを。
彼⼥を⾒たとき、私の⼼は再び凍りついた。
(エミリーは帽⼦をかぶっていないわ)
なぜなら、帽⼦は通常、キッチンで働くメイドだけが着⽤するから。
戸惑っている間にも、メイドは忙しく化粧台の2番⽬の引き出しを開けた。
それはまったく掃除の⾏為のようには⾒えない。
(イヴォンのスパイ?・・・それとも単純な宝⽯泥棒?)
側面は布のマスクで覆われていた。
迷惑そうな口調で声をかける。
「何をしているの?」
公爵も洗脳されている?
それとも疲れている?
あっさりとペネロペの外出許可を出したのはイヴォンの計画なのでしょうか?
そもそも、昼食に誘ったのも公爵の意思?
最後の泥棒の正体は誰なのでしょうか?
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