こんにちは、ちゃむです。
「悪役のエンディングは死のみ」を紹介させていただきます。
今回は214話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
大学の友達に勧められ、乙女ゲーム「公女様のラブラブ・プロジェクト」を始めた主人公。
自分と似た境遇のハードモードのヒロイン、 悪女「ペネロペ」に感情移入し、ゲームに没頭してしまった。
ゲームの途中寝落ちして、起きたら自分がゲームの中の「ペネロペ」になっていた。
死亡エンドを避けるためには…攻略対象からの好感度を上げ、 ゲームをクリアするしか手はない!?
ペネロペ・エカルト:主人公で悪役令嬢。ゲームではハードモードのヒロイン。公爵家の娘だが、実際には血の繋がりは無い。
イヴォン:ヒロイン。エカルト公爵家の娘だが、18歳になるまでは平民の娘として過ごしていた。ノーマルモードでは彼女がヒロイン。
デリック・エカルト:エカルト公爵家の長男。冷酷な貴公子キャラ。
レナルド・デカルト:エカルト公爵家の次男。気が短く、口が悪い。
カリスト・レグルス:イオカ帝国の皇太子。人の命を軽視する暴君。
ヴィンター・ベルダンディ:侯爵であり魔術師。様々な情報や裏取引を扱う。
イクリス:亡国の貴族出身の奴隷。ペネロペを同情した唯一のキャラ。
214話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 嵐の終わり
刺されたイヴォンがよろめく。
デリックに直面した彼⼥の⽬は、まるで信じられないかのように広がった。
「お、お兄様・・・。どうして・・・?」
イヴォンは唇を噛む。
か細い声は、徐々に消えていく。
その瞬間、彼⼥は鋭い痛みを感じた。
デリックは⾃分の⼿で刺した剣を震える⽬で⾒つめる。
⾃分の⼿で妹を刺した。
突然、吐き気が喉元まで上がってくる。
「あ、あなたは私の妹ではない」
歯を食いしばって、思考を邪魔する考えを振り払った。
「お前は一体誰だ?」
「お兄様、私はイヴォンです。お祭り当⽇に行方不明になった、あなたの妹です」
イヴォンは再びデリックの罪悪感を目覚めさせようとした。
「私がイヴォンでないなら、⼀体誰がイヴォンになれるでしょうか?」
「黙れ!」
しかし、デリックはもう騙されなかった。
「イ、イヴォンはお前のような邪悪な存在ではない!私の妹は!」
「・・・」
「庭で枯れた花を⾒ただけで、⼀⽇中部屋に閉じ込もっていた優しい子供だった」
彼は困惑した⽬で荒れ果てた庭を⾒る。
死んだ公爵夫⼈が⾃分で作ったことで有名なエカルト邸宅の庭は、イヴォンの宝物。
⼀輪の花でも枯れてしまうと、妹はまるで世界が崩壊したかのように激しく泣いた。
そんな優しい妹が、笑いながら庭を台無しにするはずがない!
以前は霧がかかっていたデリックの⼼は今やハッキリとなる。
「お前は一体誰だ?」
デリックは、馴染みのない⽬で刺した⼥性を⾒た。
イヴォンの表情は彼の言葉が正しかったと教えてくれた。
「やっと気づいたのですか・・・?」
悪魔のように現れた顔は全く⾒知らぬ⼈のよう。
「その通りよ。デリック、あなたの妹はもうずっと前に私に連れ去られました」
「何?」
「可哀想なイヴォン。可哀想なイヴォン・エカルト」
その⼥性は、剣で深く突き刺された体に何も問題がないかのように笑いだす。
「彼⼥は邪悪なものに連れ去られ、そして彼⼥はあなたの剣で死ぬでしょう」
「嘘だ・・・」
「私が嘘をついていると思いますか?」
彼⼥は⼀歩ずつデリックに近づき、デリックを嘲るようにぐるぐる回った。
⼆⼈の距離が近づくにつれ、半分刺された剣は徐々にイヴォンの体の中に消えていく。
ついに、デリックに近づいた彼女は、⼦供をからかうように突然顔を彼に押し付けた。
「デリック、あなたはまだ私を信じていませんか?」
彼⼥が⼈間だったら、それは決して起こらなかっただろう。
ナイフを刺したまま歩くことはできないはず・・・。
「貴様!イヴォンに何をした!?」
デリックは⾒知らぬ⼈の体に剣を突き刺して妹の名前を叫ぶ。
そして、彼が剣を⼥性の⾸に振り回そうとした瞬間。
⾻を折って⾁を掘る⾳が鳴り響く。
少し前も似たような⾳。
だが。
「ハァッ、ハァッ」
デリックはゆっくりと視線を下げて⾒下ろす。
左胸に誰かの⼿が刺さっていた。
もう⼀度⾒上げると、とても幸せそうな⼥性の顔が。
「さすがに彫刻なしで洗脳をコントロールするのは難しいわね」
同時に、胸に刺さった⼿が乱暴に中を掘る。
「ごほっ!」
デリックの口内は赤い血で満たされた。
⾼く上げられていた彼の⼿は無⼒に倒れ、剣を失う。
彼は活気に満ちた⽬でイヴォンを睨みつけた。
「貴様はおかしい」
「私がこのようにあなたの心臓を掴んだら、ペネロペはどのように反応するでしょうか?」
彼⼥の⾔葉はデリックの⻘い瞳を地震のように揺さぶる。
「彼⼥はあなたを救うふりをするでしょうか?それとも彼⼥はあなたが死ぬことに同情しますか?それとも彼女は・・・」
イヴォンはぐらついた愚かな男を⾒て、まるで噛んでいるガムを捨てるかのように毒を吐き出した。
「喜ぶかしら?」
「やめろ」
デリックは本能的にイヴォンの⼝を閉じようとする。
しかし、彼の心臓は彼⼥の⼿に突き刺さっていたので、彼は何もできなかった。
「妹を連れてきたデリック・エカルトは、義理の妹の成⼈式に現れ、やがて彼⼥を⾃殺させた」
「やめろ・・・。やめてくれ!」
「真実はあなたが彼⼥を愛していて、洗脳のためにそれを壊したということを知ることはどれほど酷いことでしょうか?」
イヴォンの⼝から残酷な⾔葉が⾶び出し、彼が隠していた嫌悪感が注ぎ出されていく。
際限なく揺れていたデリックの⽬が突然⽌まった。
「お、俺は・・・。ペネロペを愛してなんて・・・」
彼の顔は窒息しているかのよに青白い。
「可哀想な、お・に・い・さ・ま」
「やめてくれ!」
「ペネロペが成長したときはいつでも、あなたは嫉妬深い男のように怒り、それが愛だとは決して知りませんでした」
イヴォンは細い⼿でデリックの頬を撫でた。
「今は、安⼼して休んでください」
彼⼥は⼦守唄のように囁きながら頭を下げる。
取り乱していたデリックは、近づいてくる⼥性を避ける余裕すらなかった。
すぐに、彼⼥の柔らかい唇が彼の唇に触れようとした瞬間。
「ウィンドピソンプラソン!」
焼けるような感覚が突然彼⼥を襲う。
「ちっ!」
イヴォンは攻撃を警戒し、デリックを手放すことで攻撃を回避することができた。
同時に、彼⼥は⾃分の周りにいるモンスターで⾝を守る。
旋⾵の嵐が吹き荒れた後、再⽣すらできないほど細かく分割されたモンスターの残骸が⾬のように落ちてきた。
「呪文を組み合わせるなんてね・・・」
押し戻されて延々と剣を振るう王⼦と公爵を見ていたとき。
突然、鏡の杖の⽩い⽂字は、より恐ろしい呪⽂に変化した。
(組み合わされた呪⽂は強力なはず!)
「ウィンドピソンプラソン!」
変更された呪⽂は明確な効果をもたらす。
⼀瞬のうちにいくつかの旋⾵が庭を襲い、⼀撃でモンスターを切り刻んだ。
予想外だったのか、イヴォンの瞳には明確な動揺が。
デリックが彼女のそばで横たわっているが、それは私の仕事ではない。
(残るはイヴォンだけ)
残ったのは最後のボスだけ。
「ウィンド___」
彼女に向かって呪文を唱えようとした瞬間。
空を切り裂き、初期の怪物に馴染みのある新しい怪物の叫び声が鋭く鳴り響いた。
同時に、地⾯が激しく揺れる。
全員が周囲を警戒していたとき。
何かが地⾯から上がって、それはすぐに公爵を飲み込んだ。
「父さん!」
レナルドは叫んだ。
それは巨⼤なワーム。
私は急いで呪⽂を叫ぼうとしたが、公爵を飲み込んだミミズは、攻撃する機会なしに地⾯に姿を消す。
「イヴォン!」
私はすぐにイヴォンに⽬を向けた。
いつの間にか、彼⼥は新しいモンスターに乗って、空中から私を⾒下ろしている。
「デリックは役に立たないので、私はあなたにとって意味のある人質に変えました、ペネロペ」
倒れたデリックに指を向けると、イヴォンは意地悪に微笑む。
「愛するお父様を救いたいのなら、私を⾒つけに来てください」
⼀瞬、私の⼼は沈んだ。
でも、⾊んな気持ちが出ないように、落ち着いて答える。
「とにかくあなたを追い払うだけでいいので、彼を殺しても構わないわ」
「ペネロペ、お前___!」
レナルドはショックを受けた顔で私の方を向いた。
私は彼から⽬をそらし、イヴォンだけに⽬を向ける。
「本当に?」
イヴォンは私の言葉に頭を傾けた。
「じゃあ例えば、あなたの死を恐れてヴィンター・ヴェルダンディが隠したメイドは?彼⼥は隠された⼦供たちと⼀緒にいるけれど?」
(エミリー!)
その瞬間、私が忘れていたエミリーの顔が通りすぎる。
「・・・」
「ふふ・・・。決断は早ければ早いほどいいわ。満⽉の⽇には、全部⾷べてしまうでしょうから!」
「キクルルルク!」
そう告げて、イヴォンは去っていく。
公爵、エミリー、そして古代の遺物を提⽰した画像は、次々と私の⼼を通り過ぎた。
(最悪・・・)
私は自分自身でチャンスを逃してしまった。
(ゲームのキャラクターに情を移してしまうなんて!)
突然、怒りに似た気持ちが急上昇する。
すると誰かが私の肩に⼿を置いた。
「ペネロペ、頭を下げるな・・・。エカルト家は決して跪かないことを知らないのか?」
⾒上げるとピンクの髪が⾒えた。
レナルドだ。
「ペネロペ、これはあなたの責任ではない」
その発⾔はついに私の顔をひっくり返す。
「ああ・・・」
私は今感じた感情に気づいた。
それはイヴォンを殺さなかったことに対する怒りではなく、罪悪感。
先ほどの自分の冷たい⾔葉をはっきりと自覚していると、レナルドは私の気持ちをすべて知っているかのように話す。
「まだ誰も死んでいない。あなたは彼らを救うことができる。だからそんな顔をするな」
兄のような男の⼝調で、唇を噛む以外に何も⾔えなかった。
激しい嵐が過ぎ去り、奇妙な倦怠感が訪れる。
カリストの命令により、負傷者は移動し、⽼朽化した邸宅は徐々に⽚付けられ始めた。
出⾎しているデリックが運び去られているのを⾒たのはその時。
(デリックはまだ死んでいないはず・・・)
そう思ったのが、彼の⻘⽩い顔を⾒ると、複雑な気持ちに。
担架がちょうど私を通り過ぎたとき。
気を失ったと思っていた男が突然私の⼿⾸を掴んだ。
「え?」
「受け取ってくれ」
それは馴染みのあるアイテム。
それは、⼦供の頃ペネロペに盗まれたと⾮難されたイヴォンのネックレスと全く同じものだった。
デリックの代わりに公爵が人質に取られました・・・。
エミリーと子供たちの安否も不明なままです。
デリックが渡したネックレスの意味とは?
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