こんにちは、ちゃむです。
「悪役のエンディングは死のみ」を紹介させていただきます。
今回は230話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
大学の友達に勧められ、乙女ゲーム「公女様のラブラブ・プロジェクト」を始めた主人公。
自分と似た境遇のハードモードのヒロイン、 悪女「ペネロペ」に感情移入し、ゲームに没頭してしまった。
ゲームの途中寝落ちして、起きたら自分がゲームの中の「ペネロペ」になっていた。
死亡エンドを避けるためには…攻略対象からの好感度を上げ、 ゲームをクリアするしか手はない!?
ペネロペ・エカルト:主人公で悪役令嬢。ゲームではハードモードのヒロイン。公爵家の娘だが、実際には血の繋がりは無い。
イヴォン:ヒロイン。エカルト公爵家の娘だが、18歳になるまでは平民の娘として過ごしていた。ノーマルモードでは彼女がヒロイン。
デリック・エカルト:エカルト公爵家の長男。冷酷な貴公子キャラ。
レナルド・デカルト:エカルト公爵家の次男。気が短く、口が悪い。
カリスト・レグルス:イオカ帝国の皇太子。人の命を軽視する暴君。
ヴィンター・ベルダンディ:侯爵であり魔術師。様々な情報や裏取引を扱う。
イクリス:亡国の貴族出身の奴隷。ペネロペを同情した唯一のキャラ。
230話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 悪役のエンディングは死のみ
遠くの塔の底にいるイヴォンを⾒下ろし、振り返る。
突然、何か巨⼤なものが窓から落ちた。
あっという間に、きらきらと輝く⻩⾦の光が通り過ぎていく。
「ああ!」
私は再び窓にもたれかかる。
重いドラゴンの体が塔から落ちていた。
その瞬間、私の⼼は沈んだ。
「カリスト!」
慌てて彼の名前を叫び、気が付けば階段を駆け下りていた。
「いや、いや、お願い!」
必死に塔を下りている間、私は絶え間なく誰かに物乞いをする。
ようやく塔の⼊り⼝に着いたとき、地獄のような夜が過ぎた後、すでに外は夜明けだった。
震える⽬をぶらぶらと転がす。
その直後、塔からそう遠くない場所に、巨⼤な⻩⾦の塊が。
それは⻩⾦のドラゴン。
「殿下!」
私は狂ったようにその場所に⾛った。
しかし、ドラゴンはとても⼤きかったので、どこから探せばいいのか分からない。
(カリストがドラゴンの下にいるなら、どうすればいいの?)
「殿下!殿下、聞こえますか!?私はここにいます!」
狂⼈のように叫ぶ。
その時だった。
「ああ、うるさい!これはとても汚くて重いです!」
馴染みの声で、⻯の⽻がはためいた。
私はドラゴンの翼を引っ張って、転がる⽯のように彼に向かって⾛り出す。
「殿下!うーん!」
⾃分に残された⼒で彼を引き抜こうとした。
カリストはなんとか混乱から這い出る。
「ご機嫌いかがですか、お姫様?」
ようやく、全⾝を引き抜いたカリストが微笑んで挨拶した。
「殿下!」
私は彼に駆け寄り、私が握っていたドラゴンの翼を離す。
そして私は彼の腰を抱きしめた。
「ぐう!」
「あなたは私を驚かせました!」
急いでうめき声を上げて数歩押し戻されたカリストは、すぐに私を抱きしめる。
「お姫様、成功しましたか?」
彼の顔を私の肩に埋めて数回呼吸した後、彼は尋ね、私は激しくうなずく。
「私はイヴォンを殺しました。あなたが私にくれた短剣で彼⼥の心臓を刺しました」
「あなたは良い仕事をしました」
吃⾳しながら返事をすると、カリストは私を落ち着かせようとして背中を軽く叩いた。
「私はあなたに⾔いました。あなたなら出来ると」
「あなたは傷ついていますか、殿下?」
それから私は彼の胸から頭を持ち上げ、彼の怪我をチェックするために急いだ。
突然、⿐先で⾎の匂いが。
気分のせいか、カリストの顔は⻘ざめている。
しかし、それは根拠のない仮定。
いつものように、彼は何気なく答えた。
「落ちて少し痛いのを除けば⼤丈夫ですよ」
「本当に安⼼しました」
その時だけ、私は安堵のため息をつく。
「お姫様、さあ、これを受け取って」
突然、カリストは私を注意深く押しのけ、何かを⼿渡した。
「これは・・・」
⽬を⼤きく開く。
シャープで厚みのある⽩いオブジェクト。
それはドラゴンの胸に刺さった⽛。
「これを取り出したのですか?」
「あなたが探していましたから」
「・・・ありがとうございます」
ゆっくりと受け取る。
カリストからゲームの最終報酬を受け取るのは奇妙に感じた。
もちろん、それは私にとって必要な報酬。
⾃分の実体を胃がんから救わなければならないのだから。
(これは本当に機能するの?)
表⾯的には、それはただの⼤きな獣の⻭。
それはただの可能性でしかない。
しかし、私はもはやドラゴンの真正性を疑うことができない状況にあった。
カリストがくれた⽛をぼんやりと⾒つめていた瞬間。
「うぅ・・・」
かすかなうめき声と共に、カリストの体は突然崩壊する。
それはまるで彼がドラゴンで任務を終えたかのように。
「で、殿下!」
私は驚いてカリストを⽀えた。
彼の腰の周りに⼿を上げて背中に触れた瞬間、何か粘着性のあるものが私の⼿全体に⾏き渡る。
ゆっくりと⼿を上げて確認すると。
「こ、これって・・・」
塩臭は私の⼿のイヴォンの⾎によるものでは無かった。
私の⼿が⾎で覆われたのは、カリストの⾎が⽔のように流れていたから。
「これは一体・・・、殿下!」
カリストの上半⾝が捻れ、彼は私の肩に弱く顔をもたせていた。
その時、私は彼の背中にひどい傷跡を発見する。
モンスターの⽖が激しく引っかいた場所は鎧には役に⽴たなかったのだ。
野⽣の怪物に直⾯したにもかかわらず、なぜ彼は⼤丈夫だと思い込んでいたのでしょうか?
「はっはっはっは・・・」
凍って呼吸がうまくできない。
彼は私の震える体を感じたが、カリストはしおれた声で呟いた。
「お姫様、私は大丈夫ですから、ごほっ・・・」
「喋らないでください!私に何も言わないで!」
イクリスの死を思い出してしまう。
攻略対象は死ぬはずがないと思っていたのに。
(カリストが死ぬはずがない・・・)
「死ぬはずがない・・・。死ぬはずがない・・・」
私は狂⼈のように呟き、カリストの体にゆっくりと寄りかかって、彼の背中に触れないようにした。
彼はそれは⼤丈夫だと⾔ったが、⾒た⽬は本当にひどく傷ついたように⾒える。
このままでは、いつ死んでもおかしくないでしょう。
「いや・・・、どうすればいいの?どうすればいいの?」
私を助ける何かを⾒つけるために緊急に周りを⾒回す。
でも、⻯の巨⼤な体に覆われていたので何も⾒えない。
下唇をぼんやりと噛んでいると、何かが⽬に⼊った。
彼の⽿についている⾚いルビーを。
「癒しのカフス!」
まだ彼の⽿に残っていたことに感謝する。
理由が再び戻ったとき、私は震え、それを彼の傷に持っていく。
「な、なんで・・・?」
⾎が多すぎて、傷が本当に治ったかどうか⾒分けがつかなかった。
私は周りを⾒回して叫ぶ。
「助けて!誰か助けて!殿下が・・・!」
「シーッ、お姫様」
それからカリストは私を低い声で呼んだ。
「殿下、ちょっと待っていてください!私は彼らを連れてきますから、少しの間耐えて___」
「行く時間じゃないのですか?」
「え?」
「あなたは家に帰りたかったはずです」
その時、私は彼の思いがけない⾔葉にしばらく⽴ち⽌まった。
彼の⾔葉は私を震わせ、その瞬間に私の⽬の前が明るくなる。
<システム>
<メインクエスト:ハードモード隠しルート>
<本当の悪役は誰ですか?>
<クエスト成功!>
<報酬として[隠しエンディング]と[ゴールデンドラゴンの⽛]を⼿に⼊れました>
<報酬を使って[隠しエンディング]をチェックしますか?>
[はい/いいえ]
久しぶりに直⾯したシステムウィンドウは眩いばかりの⽩。
エンディング。
⽬を開けて⽩い⽂字を読み、震える⼿でゆっくりと【はい】を押す。
<〜ハードモード隠しエンディング!〜>
<悪役のエンディングは死のみ>
<あなたは悪役を打ち負かし、世界を破壊から救った真のヒーローです!>
<エンディングを⾒た後、あなたはあなたが望むものに値します>
< [報酬]を持ってここを離れますか?(ただし、ここを離れても【報酬】は消えません)>
[はい/ いいえ]
「そんな・・・」
ようやく直⾯した結末の前でうんざりした涙を流す。
「ど、どうして今なの・・・」
「そろそろ⾏く時間ですよね?」
カリストはまるで全てを知っているかのように尋ねた。
私はシステムウィンドウから⽬をそらし、彼を振り返る。
「殿下」
「お姫様、泣かないで」
カリストは⼿を差し伸べ、ゆっくりと私の頬を撫でた。
「戻ったら、ここで起こったことをすべて忘れてください」
「殿下・・・」
「私が最初からあなたにした卑劣な⾔葉と⾏い、あなたを苦しめたもの」
まるで私が戻ると彼がすでに予測していたかのようだった。
カリストの⼿が私の頬に触れ、彼が私を⾒る⽅法はとても暖かかった。
⼼が痛くなる。
涙を流した頬を彼の⼿でこすり、痛々しいほどの声で尋ねた。
「どうすればこれを忘れることができますか?」
「あなたなら大丈夫。何もかも忘れ、そして、考古学に焦点を合わせなさい」
「じゃあ、あなたは?」
「私はあなたに⾔ったはずです。あなたがどこへ⾏っても、私はあなたについていくと」
私は彼の⾔葉で顔を歪める。
「ごほっ!」
「殿下!」
私はほとんど叫びながら呼んだ。
「さあ」
カリストは私を押したが、それはまったく⼒が入っていない。
「お姫様、あなたの気が変わる前に、さあ早く」
「何でそんなことを言うのですか?あなたは私に行かないように言ったはずです!もう私を抱きしめてくれないのですか!?」
私は⼦供のようにすすり泣き、叫んだ。
私は彼がすぐに死ぬのではないかと⼼配していた。
しかし、悲しそうに泣く私とは異なり、カリストはかすかに微笑んだ。
「お姫様、あなたは私が⼀番好きな⼈になるはずです」
「殿下」
「愛してる、ペネロペ」
彼は死にゆく声で私への愛の⾔葉を囁いた。
「私が冗談めかしてあなたと別れたのはほんの⼀瞬です。あなたがどこにいても、私はあなたを追いかけて死にます」
私は頭を上げ、彼の⾔葉に⽬をこすりつける。
<システム>
<[報酬]を持ってここを離れますか?(ただし、ここを離れても[報酬]は消えません)>
[はい/ いいえ]
空中にはまだ明るいシステムウィンドウが。
選択のためにゆっくりと⼿を上げる。
空中に⽴っている指先が震えていた。
その瞬間、無数の思いが私の中を通り抜けていく。
初めてここに来たときは欲求不満だった。
あの地獄の時代から、⽣き残るために苦労してきた。
簡単なことは何もありませんでした。
すべてが怖くて⼤変でした。
迷路の庭で初めてカリストに会ったとき、私は本当にすべてを捨てたかったので必死だった。
けれど、ある時点で彼の存在のおかげで、私はここまで来ることができたことを否定できません。
[はい]を選択すると、ようやくこのクソゲームから抜け出すことができるけど・・・。
(戻って本当にすべてを忘れてもいいの?)
突然、底も終わりもない恐怖が全⾝を襲う。
(その間にカリストが死んだら?)
出⾎しながら私を⾒ている男を⾒下ろす。
⼆度と起こらない誰かの愛情を逃し、この場所の思い出を悪夢として思い出し、⼆度と来ない男を熱⼼に待って、どうすれば普通の⽣活を送ることができるでしょうか?
私はまったく⾃信がありません。
この地獄でしばらくの間私に与えられた愛情、注意、そして幸福のために。
その全てがとても⽢かったので、もう⼿放すことができないと思いました。
システムウィンドウを⾒て涙を流す。
それが後悔の涙なのか、幸福の涙なのかは分からない。
「ええと、殿下・・・」
私はカリストに声をかけ、涙の濃い滴を滴らせた。
「いいえ、カリスト・レグルス」
ゆっくりと大きくなるルビーのような彼の可愛らしい瞳。
「私もあなたを愛しています。だから・・・」
私は彼の⼿を⼀⽣懸命上げた。
鋭い端がカリストに⾯している。
「⼤切な⼈と楽しい時間を過ごしましょう」
同時に、ゲームの最終的な報酬は下りた。
⻩⾦の⻯の⽛がカリストの胸に下ろされた瞬間に。
<システム>
<ゲームは終了しました>
タイトル回収!
ついに物語はエンディングを迎えました。
ペネロペが選んだ選択肢はカリストとこの世界で過ごすことなのですね。
次で完結です。
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