こんにちは、ちゃむです。
「悪役のエンディングは死のみ」を紹介させていただきます。
今回は272話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

大学の友達に勧められ、乙女ゲーム「公女様のラブラブ・プロジェクト」を始めた主人公。
自分と似た境遇のハードモードのヒロイン、 悪女「ペネロペ」に感情移入し、ゲームに没頭してしまった。
ゲームの途中寝落ちして、起きたら自分がゲームの中の「ペネロペ」になっていた。
死亡エンドを避けるためには…攻略対象からの好感度を上げ、 ゲームをクリアするしか手はない!?
ペネロペ・エカルト:主人公で悪役令嬢。ゲームではハードモードのヒロイン。公爵家の娘だが、実際には血の繋がりは無い。
イヴォン:ヒロイン。エカルト公爵家の娘だが、18歳になるまでは平民の娘として過ごしていた。ノーマルモードでは彼女がヒロイン。
デリック・エカルト:エカルト公爵家の長男。冷酷な貴公子キャラ。
レナルド・デカルト:エカルト公爵家の次男。気が短く、口が悪い。
カリスト・レグルス:イオカ帝国の皇太子。人の命を軽視する暴君。
ヴィンター・ベルダンディ:侯爵であり魔術師。様々な情報や裏取引を扱う。
イクリス:亡国の貴族出身の奴隷。ペネロペを同情した唯一のキャラ。

272話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 読めない意図
「・・・え?」
私は一歩遅れてイクリスの言葉に反応した。
その間に、彼は素早く短刀を取り出す。
「何をして・・・」
「ここを」
すると、鋭い刃先で自分の首の辺りをトントン叩きながら指差した。
「ここを刺せば一度で殺せる場所です」
「・・・」
「さあ、どうぞ」
彼は何を言っているのか全く理解できない。
「・・・もしかして麻薬をしているの?」
「いいえ。首都以外で流通しているのは質があまり良くないものばかりなので」
「じゃあ急にどうしたの?」
「ただ、あなたを追いかけながら魔物狩りをするのも、そろそろ飽きてきた頃だったので・・・」
「・・・」
「ちょうど憎しみあっていた仲なのだから、あなたが殺そうとしたら少し面白くなる気もするし」
未練を断ち切ろうとした言葉なのに、彼は「仇」だったという私の言葉に興味が湧いたようだ。
とんでもない言葉を喋りながら、イクリスが凍りついた私の手を無理やり引っ張って短剣を握らせる。
「ちょっと?やめて。あなたは命が惜しくないの?」
私は発作のようにその手を振り払いながら叫んだ。
「実は生きるのが退屈なのです」
しかし、イクリスはびくともしないまま、奇異な目で私をじっと見つめながら再開する。
「あの時の時代を振り返って刺してみてください。あなたがどんな表情で私を憎んでいたのか気になりますので」
「あなた・・・」
「私はどうやって生意気に振る舞いましたか?恩も知らずに裏切りでもしようとしたのですか?それとも___」
「黙って」
「・・・」
「勘違いするなって言ったでしょう。そんなに大した縁じゃなかったって」
私はイクリスの手から抜け出すのを止めて、捕まっていないもう一方の手で胸ぐらを掴む。
そして彼が望む通りに短刀を彼の首付近に押し込む。
すると、彼はとても興味深い表情をして捕まえていた私の手を離した。
「私がどうしてあなたの楽しみのために自分の手を血で汚さなければならないの?」
短刀でしっかりと彼の首を向けて尋ねる。
刃先がチョーカーに食い込むのが感じた。
イクリスが肩をすくめた。
「私の主人だったのでしょう?」
「あなたは私の奴隷じゃない。惨めに利用されたくないと分かって身分上昇の道を探して抜け出したのよ」
「今よりは堅実に暮らしていたようですね」
「あなたの利用価値が終わるやいなや、私はあなたに首輪の鍵をあげたし、私たちの縁はそこで終わった」
刃がもう少し食い込むと、ついに硬い革が切れた。
「奴隷と言われたくなくて傭兵団まで皆殺しにしたんだって?じゃあ、これはなんでずっと着けているの?」
力なく落ちたチョーカーを捕まえた私は、彼の目の前でそれを振る。
「記憶を失ったという言葉が偽りでもあるかのように」
依然として刃をイクリスの首に突きつけたまま脅迫のように尋ねた。
「そうですね」
「・・・」
「あなたの言う通り、それを着けている理由はないのに・・・」
「・・・」
「もしかして知っていますか?」
「知らないわよ。どうして私にそんなことが分かるの?」
そう言って、私はチョーカーを峡谷の下に思いっきり投げ捨てた。
「良かったわよね?」
私の言葉に灰褐色の瞳が未知の光で揺れる。
しかし、私は彼を無視したまま、短刀を丁寧に返した。
「そして悪いけど、死にたければ私から遠く離れたところで一人で勝手に死んでちょうだい。あまり知りたくないのよ、死ぬのを見るのわ」
「見た目より冷たい方なのですね」
私が差し出した短刀をじっと見下ろしていたイクリスは、かなり後になってようやくニヤリと笑ってそれを受け入れる。
心の中でとても安堵したが、粘り強く見せなかった。
「毎回魔物が現れると他の人たちまで皆守ろうとするので、私はあなたが博愛主義者だと思っていたのですが」
「職場で毎回人々が死んでいく姿を見たくないから。そして、その程度は耐えられるほどの能力もある方だし」
「それは面白いですか?」
突拍子もないことを聞かれる。
「エカルト公爵家の一人だけの公女でいるより・・・、ずっと面白いのですか?」
「仕事なのに、どうして面白いと思うの?」
「それにしては、すごく熱心だったけど・・・」
「公爵家の一人だけの公女の役割も捨てて、大変な苦労をしただけのやり甲斐は感じる方ね」
あちこち飛び跳ねるイクリスの質問に私は落ち着こうとした。
そしてしばらく時間を空けてから、大したことないように付け加える。
「生きているうちに、あなたにもいつか別の才能が起きる日が来るでしょう」
「・・・」
「やりたいことができて、それに狂って何年も追いかけ回ったり・・・」
「・・・」
「人生が面白くないという言うには、あなたは若すぎるわ」
「大した縁じゃないと言ったのに、年齢は覚えているのですか?」
「私より幼いあなたが生意気だったということくらいは」
腕を組んで爽やかに答えると、イクリスの表情が再び妙になる。
私から何かを掘り起こそうとしているのだろうか。
記憶を失う前のイクリスと同じくくらい不思議なキャラですね。
正直、彼の心情を理解することは難しいです・・・。
このままお別れになるのでしょうか?







