こんにちは、ちゃむです。
「悪役のエンディングは死のみ」を紹介させていただきます。
今回は279話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

大学の友達に勧められ、乙女ゲーム「公女様のラブラブ・プロジェクト」を始めた主人公。
自分と似た境遇のハードモードのヒロイン、 悪女「ペネロペ」に感情移入し、ゲームに没頭してしまった。
ゲームの途中寝落ちして、起きたら自分がゲームの中の「ペネロペ」になっていた。
死亡エンドを避けるためには…攻略対象からの好感度を上げ、 ゲームをクリアするしか手はない!?
ペネロペ・エカルト:主人公で悪役令嬢。ゲームではハードモードのヒロイン。公爵家の娘だが、実際には血の繋がりは無い。
イヴォン:ヒロイン。エカルト公爵家の娘だが、18歳になるまでは平民の娘として過ごしていた。ノーマルモードでは彼女がヒロイン。
デリック・エカルト:エカルト公爵家の長男。冷酷な貴公子キャラ。
レナルド・デカルト:エカルト公爵家の次男。気が短く、口が悪い。
カリスト・レグルス:イオカ帝国の皇太子。人の命を軽視する暴君。
ヴィンター・ベルダンディ:侯爵であり魔術師。様々な情報や裏取引を扱う。
イクリス:亡国の貴族出身の奴隷。ペネロペを同情した唯一のキャラ。

279話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 告白
「急に罪人扱いですか?」
私は悔しかった。
もちろんカリストがいなかったら大変なことになるところだったが、実は理由を言えば本当に大したことではないのではないか。
しかし、問い詰める前に彼が沈んだ声で尋ねる。
「魔法使いはどうして連れていかなかった?」
「それは、寝ている人を起こすのが気の毒で・・・」
「攻撃魔法、防御魔法は全部持っていったのに、移動魔法はどうして持っていかなかった?」
「すぐ帰ってこれると思って・・・」
「ペネロペ・エカルト、私のことを馬鹿だと思っているようだ」
私の粗末な言い訳に、カリストは突然鋭く笑う。
「バレないようにしたかったからだろう?結界内で魔力を感じたら、ジンがすぐに気づくから」
「・・・陛下」
私は少し驚いた顔で彼を見つめる。
ふとここまでカリストが厳しく追及するのが、普段とは少し違うという直感がしたからだ。
5年間、古代魔法使いの痕跡を追って、今日のように危険な状況はかなり多かった。
魔物と戦うのはいつものことで、ある時は野宿をして盗賊の群れがキャンプを襲いかかることも。
最初はジンが連絡をして何度もカリストが会議を抜け出して走ってきた。
私はこの仕事を続けたいし、政務で忙しい彼を心配させたくなかった。
それで、ある瞬間からは先ほどのように適当に誤魔化してきたのだ。
そうすると、彼は毎回耳をつんざく小言とともに脅迫と警告を日常的に行ったりもした。
しかし、ここまで迫った私を追い詰めてくるのは初めてなので、ちょっと戸惑っている。
(護衛なしでこっそり出かけたから?それとも、遺跡を発見したことに浮かれ過ぎた?)
しかし、5年間の苦労の末に発見した終着地点なのに、どうして喜ばないことができるだろうか。
私は目を丸くして、カリストに注意深く尋ねた。
「陛下、どうしてそんなに怒っているのですか?」
「どうして怒っているかって?」
カリストが口角を捻って冷笑する。
「まさか・・・」
胸がひんやりして、私は吃りながら口を開いた。
「まさか私が・・・」
「あいつとは一体いつから会っている?」
「え?」
「妊娠したのを知っているの?」と尋ねようとすると、カリストは私の言葉を遮り、噛み締めるように聞き返してきた。
「誰と・・・」
目を瞬きしている時、突然私を置いて身軽に消えた灰色の髪の男が浮かんだ。
「まさか・・・、見ていたのですか?」
「私が現れるのを見てすぐ消えたよ」
「そ、そんなことはありません。偶然出会ったのですから・・・」
「ネズミ小僧のように静かに魔物だけを処理して消えるから、これまで捕まえて殺さずに置いていたら・・・。私はとても大きな勘違いをしていたようだ」
カリストがイクリスを見たとは全く予想していなかった。
慌てて首を横に振った私は、続く彼の言葉に堂々と動きを止める。
「全部知っていたのですか?」
驚愕した私の問いに、彼は壁に寄りかかっていた体を正して私に近づいた。
「ペネロペ・エカルト」
一瞬で近づいた彼が手を伸ばして私の頬に触れる。
そして陰惨に呟く。
「私が君について知らないことがあると思う?」
「・・・陛下」
「完璧に隠したかったのなら、私が来られないように指輪を置いていくべきだったな」
その時になってようやく、カリストがなぜこんなに鋭く私を追及したのか分かった。
私がイクリスの存在を知っていならがも見逃していたのだと疑っているのだ。
それに、今日のように出会ったのが計画的なのではないかと疑う末期症状のような考えも。
私は本当に悔しくて狂いそうだった。
「誤解です。あいつとは本当に偶然・・・!」
悔しさを改めて訴えていた私は、ふと引っかかる言葉に眉をひそめる。
「ところで、位置追跡魔法は一体いつかけていたのですか?瞬間移動魔法までかけて」
頬を撫でている彼の腕をピシャリと叩いて目を見開いた。
「はぁ、そんなに監視までしながら足りないのですか?ジンが5年間毎日のように日課を報告したことを、私が知らないと思っているのですか?」
逆に質問すると、今度はカリストが私の目をギョッと避ける。
「瞬間移動の件は正しい」
そして不満そうな声で答えた。
「ただ、あなたが護衛として付けた奴から一定時間以上離れると、私が指輪のそばに自動召喚されるようにしただけだ」
「は」
「今日のようにあいつが寝転んで職務放棄でもしたら、お前が危険に陥ったことをどうやって知るんだ?」
「それで今寝ていたそんな格好で来たのですか!?」
ズボンだけ着たまま剣一つだけを持って裸足で立っているごろつきのような姿を見て、私は苦笑いする。
どうりで素直に送ってくれたわけだ。
5年前のカリストは、私を行かせる代わりに徹底的に準備し、周辺をくまなく統制することを選んだのだ。
カリストは、ペネロペがイクリスと密会していたと疑っているのですね。
もう妊娠したことを素直に話したほうがいいのでは?
カリストの監視の徹底ぶりも流石の一言です。







