こんにちは、ちゃむです。
「悪役のエンディングは死のみ」を紹介させていただきます。
今回は281話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

大学の友達に勧められ、乙女ゲーム「公女様のラブラブ・プロジェクト」を始めた主人公。
自分と似た境遇のハードモードのヒロイン、 悪女「ペネロペ」に感情移入し、ゲームに没頭してしまった。
ゲームの途中寝落ちして、起きたら自分がゲームの中の「ペネロペ」になっていた。
死亡エンドを避けるためには…攻略対象からの好感度を上げ、 ゲームをクリアするしか手はない!?
ペネロペ・エカルト:主人公で悪役令嬢。ゲームではハードモードのヒロイン。公爵家の娘だが、実際には血の繋がりは無い。
イヴォン:ヒロイン。エカルト公爵家の娘だが、18歳になるまでは平民の娘として過ごしていた。ノーマルモードでは彼女がヒロイン。
デリック・エカルト:エカルト公爵家の長男。冷酷な貴公子キャラ。
レナルド・デカルト:エカルト公爵家の次男。気が短く、口が悪い。
カリスト・レグルス:イオカ帝国の皇太子。人の命を軽視する暴君。
ヴィンター・ベルダンディ:侯爵であり魔術師。様々な情報や裏取引を扱う。
イクリス:亡国の貴族出身の奴隷。ペネロペを同情した唯一のキャラ。

281話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 告白③
カリストは私の左手をゆっくりと持ち上げ、派手な青緑色の指輪をはめた。
そして口づけするように手の甲に唇を当てて、囁くように詠んだ。
「あなたがこのまま永遠に戻りたくないと言ったら、それではどうすればいいか、いつも悩んでいた」
「・・・陛下」
「そうするうちに、ある日私のことが嫌になってしまったと言ったら、私の命綱がとても困ってしまうだろうね」
彼の言葉に一瞬胸がドキッとする。
5年。
その長い間、私も彼が不安にならないように忙しい中でも多くの努力をした。
たとえ何回か抜けたことがあるとしても、一週間に一度はきちんと皇居に行ったし、また忙しくて一日二日延ばしたことはあるが、それなりに地道に連絡をしたし、また仕事があるたびに一番先に連絡することも・・・。
実はあまりしたことがなかった。
(・・・本当に最悪だったわね、私)
私が話す前にジンが先に報告したせいで、彼がすでに知っていることが殆どだった。
しかし今になってみると、もしかしたらカリストはすでに知っていても私の口から言ってほしかったのではないだろうか。
だって、私もそうだったから。
彼が最近会議ごとに結婚と後継圧迫を受けることをマリエンヌから伝え聞きながら、なぜ私にそんなことがあることを話してくれなかったのか内心残念がっていたから。
「・・・先日、遠い傍系の血が混じった子を一人見つけた。すぐに連れてきて養子に入れる予定だ」
その時、突然カリスとが突拍子もない話題を持ち出した。
「養子・・・ですか?どうして・・・」
「もう15歳くらいだそうだ。3年間死ぬほど働かせれば、成人になった頃には使えるんじゃないかな」
「・・・」
「そいつに皇位を与えたら、その時からは一緒にいられるだろう」
淡々とその言葉を吐き出していた彼が、ふと私にぎこちない笑みを浮かべた。
まるでその日を待ち侘びているかのような姿に気分がおかしくなる。
(・・・そこまでするの?)
私のせいでそのような計画まで立てた彼が気の毒であり、一方では理由もなく怒った。
私は下唇を噛んで突然吐き出す。
「いっそ私にやめろと言えばいいじゃないですか」
「・・・え?」
「もうやめて帰ってきてはいけないのか、そう言えばいいじゃないですか。なんで一人で決めるのですか?」
カリストは私の質問に口をつぐんだ。
「・・・私がどうしてそんなことが出来る?私を救おうと、全てを諦めた君に」
私は彼の言葉に水でも打たれたように少しぼうっとした。
驚いた目で彼を眺めていると、彼はわざと歯を剥き出しにしてニヤリと笑う。
「まだ足りないんだろ?やりたくないまで思う存分やって。残りは私が全部自分でするから」
「・・・」
「一日でも早く譲位すれば、小蝿のような奴たちがちらつくこともないだろう」
「・・・そんなこと言わないでください。私は知らない人に、うちの子の席を譲るつもりはありませんから」
「・・・え?」
「こんな風に言おうとしたつもりはなかったのに」
私は本当に、知性人らしく会話を通じてカリストの不安を終息させた後、慎重に妊娠した話を持ち出そうとしていたのに。
しかし、興奮した口と手が先に動いて彼を指差しながら吐き出した。
「やっと手に入れた地位なのに、どうして知らない人に譲位するのですか?」
「・・・こ、公女?」
「私は全部手に入れます。考古学教授の座も、あなたも、私たちの赤ちゃんが享受するお金、権力、全てを!」
「ちょ、ちょっと落ち着いてくれ」
話しているうちに腹が立ってきた。
「無欠な皇帝が、どうして皇帝を辞める話をするのですか!?私がやめても、しっかりしてくれないと!」
私は一度も彼にそうしてほしくなかった。
皇帝でないカリストは想像もできない。
さらに、ここにある遺跡地を探す前にも、ついに首都に戻る計画までしていたのに。
「だから譲位するとか、そんな文句を言わずにやっていた政務でも熱心に見てください。分かりましたか?私はうちの子が他人に屈する姿を死んでも見たくありませんから!」
「一体それはどういうことだ?」
威張っているような私の言葉に、カリストは当惑した顔で言った。
「結婚もしていないのに急に子供の話をどうして・・・、ちょっと待て」
「・・・」
「月影の花、あれは・・・」
あれほど私の周りを統制していた彼なら、当然モルトバーンに対する調査もあらかじめ終えていたはず。
「・・・それは、モルトバーンで民間療法として使われているじゃないか。渋くて食べらない実だが、妊娠した女性が食べると・・・」
「ちなみに私は吐き出さないで美味しくいただきました」
二人とも言葉足らずな結果が巻き起こしたものですね。
ペネロペの妊娠報告に、カリストはどんな反応をするのでしょうか?







