こんにちは、ちゃむです。
「悪役のエンディングは死のみ」を紹介させていただきます。
今回は284話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

大学の友達に勧められ、乙女ゲーム「公女様のラブラブ・プロジェクト」を始めた主人公。
自分と似た境遇のハードモードのヒロイン、 悪女「ペネロペ」に感情移入し、ゲームに没頭してしまった。
ゲームの途中寝落ちして、起きたら自分がゲームの中の「ペネロペ」になっていた。
死亡エンドを避けるためには…攻略対象からの好感度を上げ、 ゲームをクリアするしか手はない!?
ペネロペ・エカルト:主人公で悪役令嬢。ゲームではハードモードのヒロイン。公爵家の娘だが、実際には血の繋がりは無い。
イヴォン:ヒロイン。エカルト公爵家の娘だが、18歳になるまでは平民の娘として過ごしていた。ノーマルモードでは彼女がヒロイン。
デリック・エカルト:エカルト公爵家の長男。冷酷な貴公子キャラ。
レナルド・デカルト:エカルト公爵家の次男。気が短く、口が悪い。
カリスト・レグルス:イオカ帝国の皇太子。人の命を軽視する暴君。
ヴィンター・ベルダンディ:侯爵であり魔術師。様々な情報や裏取引を扱う。
イクリス:亡国の貴族出身の奴隷。ペネロペを同情した唯一のキャラ。

284話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 婚前準備②
依然として私のお腹にもたれかかったまましばらく深呼吸をしていたカリストが、やがて布団を手探りで触ったまま尋ねる。
「この中に本当に子供が入っているのか?」
「宮医が誤って診断したのでなければ、そうなのでしょう」
「どうしてそんなに冷たい言い方をする?あなたには感情というものがないのかな?」
「さっき照会に行く前にも同じことを言ったじゃないですか。昨日寝る前にも、一昨日も、昨日も」
感銘を受けるのも一日二日だよ。
毎日のように信じられない表情で確認するカリストと予想されたことのように言い争っている時だった。
「あの・・・、恐縮ですが陛下」
ふと誰かが私たちの間に割り込んだ。
思索になっているセドリックだった。
「会議の時間が遅れています。そろそろ行かなければならないのですが・・・」
「あえて割り込んでくるなんて。死んで・・・」
「口、口!赤ちゃんが聞いています!綺麗な言葉、綺麗な言葉だけを使ってください!」
歯を食いしばって腹を立てようとするカリストの口を素早く塞ぎ、私はこっそりとセドリックに申し訳ない目で見た。
「・・・」
赤ちゃんを持ち上げるとすぐに優しくなるカリストを見て、セドリックは目に見えて微笑ましい表情を浮かべる。
身勝手な臣下の振る舞いを知らないふりをして、私は彼の手のひらに「チュっ」と口づけをした。
そして、そのまま腕を伸ばしてお腹の上に浮かんでいる黄金色の髪を優しく撫で下ろしながら口を開く。
「気をつけて行ってきてください。楽しみにしています」
彼の望み通り、じっと横になってできる見送りだった。
「行ってらっしゃい」
私の方に頭を上げたカリストは、蜂蜜が落ちるような目で私を見つめながら、日差しのように明るく微笑んだ。
歴代の皇后たちは結婚前、最後に実家に行って衣類や物を用意する慣例があった。
私は一緒に行こうと大騒ぎしているカリストをやっと落ち着かせ、5年ぶりに公爵家を訪れる。
「・・・公爵様」
「ペネロペ」
5年ぶりに見る公爵はめっきり老けていた。
いつも完璧にしていた黒髪の間からは白っぽい髪も見える。
「お久しぶりです」
「ああ、早く座りなさい。ご飯は食べてきたのか?ガラス温室に昼食を用意しておくように言ったから」
「ただ軽くお茶を一杯だけ飲んで帰り・・・」
「帰る」と言いかけた瞬間、公爵が目に見えてガッカリした表情を浮かべた。
「昼食はまだ食べていませんので、食べていきます」
「ちっ、あの男の皇居は一生懸命働く人の食事も用意していないのか?執事長!すぐに花園に行くから準備を!」
私の言葉に公爵は不満そうに呟きながら執事を呼ぶ。
しかし、ぶっきらぼうな声とは裏腹に浮かれた表情だった。
「ご案内します、旦那様、お嬢様」
同時に、とても久しぶりに会う執事が現れて、公爵を案内する。
私は少しぎこちない気分でその後を追った。
邸宅の外のガラスの花園に行く間、ずっと視線が絶えなかった。
5年ぶりに帰ってきた公女の帰還に邸宅が揺れているのが感じられる。
ガラスの花園は相変わらず香り高く緑豊かな花と草木でいっぱいだった。
昼食のテーブルはかなり温かい。
紫色のスミレがいっぱい咲いた花園の真ん中に設けられたテーブル。
その周辺に腰まで届く草木がテーブルを覆っていた。
枝の上に咲き乱れる華やかな花のせいで、まるで生垣に囲まれているような気がする。
見慣れた花だった。
(ところで、元々こんなに花がたくさん咲く種だったっけ?)
漠然と目にしているとき。
「少し改良をしたんだ」
ふと前の方から公爵の声が聞こえてきた。
「枝にもっとたくさんの花が咲くように」
私は草木の垣根から目を離し、不思議そうな表情で公爵を見る。
すると公爵が追加説明を付け加えた。
「しかし、一つの枝にあまりにも多くの花が咲くと重くなり、枝はもちろん茎も折れるのが常なので、高さを少し制限しなければならなかった」
(なるほどね)
新しい趣味ができたんだなと私は黙々と頷く。
そして大したことではないようにスプーンを持って湯気がゆらゆらするスープを一杯すくって飲もうとした時だった。
「花をお前の勤務地に送ったのだが、見たことはあるか?」
ふと公爵が尋ねる。
私は首をもたげて彼を振り返った。
「えっと・・・」
(花を送ったの?)
素早く頭の中を探ってみたが、まったく関連した記憶が見つからない。
仕事で首都に滞在している間、一度も公爵家から人を送ってきたことはないはずなのに・・・。
カリストが赤ちゃんにデレデレで可愛いですね。
このまま優しい王様に?
久しぶりの公爵家。
デリックやレナルドは元気でしょうか?







