こんにちは、ちゃむです。
「悪役のエンディングは死のみ」を紹介させていただきます。
今回は285話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

大学の友達に勧められ、乙女ゲーム「公女様のラブラブ・プロジェクト」を始めた主人公。
自分と似た境遇のハードモードのヒロイン、 悪女「ペネロペ」に感情移入し、ゲームに没頭してしまった。
ゲームの途中寝落ちして、起きたら自分がゲームの中の「ペネロペ」になっていた。
死亡エンドを避けるためには…攻略対象からの好感度を上げ、 ゲームをクリアするしか手はない!?
ペネロペ・エカルト:主人公で悪役令嬢。ゲームではハードモードのヒロイン。公爵家の娘だが、実際には血の繋がりは無い。
イヴォン:ヒロイン。エカルト公爵家の娘だが、18歳になるまでは平民の娘として過ごしていた。ノーマルモードでは彼女がヒロイン。
デリック・エカルト:エカルト公爵家の長男。冷酷な貴公子キャラ。
レナルド・デカルト:エカルト公爵家の次男。気が短く、口が悪い。
カリスト・レグルス:イオカ帝国の皇太子。人の命を軽視する暴君。
ヴィンター・ベルダンディ:侯爵であり魔術師。様々な情報や裏取引を扱う。
イクリス:亡国の貴族出身の奴隷。ペネロペを同情した唯一のキャラ。

285話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 婚前準備③
「・・・あ」
その時だった。
突然、事務室の片隅の光景が脳裏を掠めて通り過ぎる。
花のついた細長い枝が花瓶に差し込まれているのを見た覚えがあった。
毎度忙しくて詳しく眺める時間もなかったのだけど。
ただ助手や部下たちが調査のためによく席を外す主人の代わりに、閑散とした事務室を適当に飾っておいただけだと思っていたが・・・。
「お世話になった子供が言うには、お前がとても忙しそうで直接伝えることはできなかったという」
一歩遅れて何かを思い出した私の反応に、公爵は照れ臭そうに笑いながら言い訳のように詠んだ。
「どうして・・・」
幕を閉じる間も無く疑問が飛び出す。
「どうしてですか?」
到底許せなくて、それで家を出ると言った。
私が誰と結婚しても、これ以上私に気を使わないでと言って去ったのに。
それにもかかわらず、なぜこの5年間、私に花を送ったの?
お互いに何か良いことがある?
花を送った意中を尋ねたが、私の話を曲解して聞いたのか、公爵からはとんでもない答えが返ってきた。
「花を折って送ろうかと思ったのだが・・・」
「・・・」
「ペネロペ、お前が枝に咲いているのを見る時が好きだと言っていなかったか?」
公爵の言葉が終わると同時に、すっかり忘れていた昔の記憶が昨日のことのように生々しく蘇った。
『気に入ったのなら、折って花瓶を作るように言おうか?』
『いいえ、大丈夫です。枝に咲いているのを見る時が一番美しいものじゃないですか』
やっと花の名前が思い浮かんだ。
「・・・ディ・エルランウィック・ローズ」
何の意味もなく綺麗だと吐き出した言葉を記憶し、成人式を一面の薔薇で満たした公爵。
私は驚いた目で彼を見つめ、どもった・
「それをまだ覚えていらっしゃったのですか?」
「記憶に残ったのは、この花だけだったんだ」
「・・・」
「お前の父親なのに、お前が何を好きなのかもよく分からなくて・・・」
公爵邸に到着した時から「公爵様」と呼んで線を引いたにもかかわらず。
彼は自分を「父親」と称して苦味が滲んでいく顔でつぶやいた。
私はその花が好きではありません。
そんな彼の前で、どうしてもそんなことを言えなかった。
ぼんやりと公爵に向き合って口をぱくぱくしていた私は、ようやく答える。
「・・・公爵様が送ってくださったとは知りませんでした。ごめんなさい」
「誰が送ったのかはそんなに重要なことではない。お前が見て目で楽しんでくれれば、それで良いんだ」
すぐに苦々しい表情を消し、公爵はニッコリと微笑んだ。
「食事が冷めてしまう。早く食べようか」
公爵の言葉とともに、しばらく止まっていた食事が再開される。
食事を続けるふりをしながらも、私はなぜかしきりに公爵が気になった。
皺が多くなった彼の顔が突然とても見慣れないように感じてしまう。
変な気分だ。
彼はいつも相変わらず堂々とした高潔な大貴族の姿でエカルトを守ると思っていたのに・・・。
(昔の公爵はどうだったっけ?)
以前の公爵の姿を思い出すうちに、記憶は後を絶たないが、彼と最後に聞いた花園の昼食会まで広がっていく。
『でも、お前が望むなら、公爵家を、私から離れることができるように措置してくれ』
洗脳されていた中でも公爵はそう話していた。
あの時はレイラを避けて逃げれば二度と私の足でここに戻ってこないだろうと思っていた。
それは5年前、最後の挨拶をしに来た時も同じ。
『私にも公爵家の人々を恨まない時間と許す機会が必要です、お父様』
『許せません』
とうとう許せないと思った。
許すにはペネロペが、そして私が受けた傷が大きすぎた。
だけど、5年が過ぎた今になっては・・・。
(まだここの人たちが見たくないのかな?)
実はよく分からない。
頭が白くなったまま依然として私に5年前と同じように接する公爵を眺めると、とても久しぶりに胸がドキドキした。
「ペネロペ、食欲がないのか?噛まないでいいデザートを用意するように言うか?」
ご飯をきちんと食べていないことに気づいたのだろうか?
公爵が私に尋ねてきた。
しばらく躊躇ったが、私は遠慮なく首を横に振る。
つわりのせいでもないのに、何だか食べたくなかったのだ。
すぐに食事が片付けられ、テーブルの上に紅茶と茶菓、メロンシャーベットが用意される。
食欲がなかったさっきとは違って、シャーベットを見るとすぐに食欲が湧く。
私はあっという間にメロンシャーベットをすくって食べ始めた。
公爵のペネロペへの献身が良いですね。
5年間の歳月を経て、ペネロペの心境にも変化があったのでしょうか?
そういえば、公爵はペネロペの妊娠を知ってる?
知っていたらこんなに落ち着いているものなのでしょうか?







