こんにちは、ちゃむです。
「悪役のエンディングは死のみ」を紹介させていただきます。
今回は287話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

大学の友達に勧められ、乙女ゲーム「公女様のラブラブ・プロジェクト」を始めた主人公。
自分と似た境遇のハードモードのヒロイン、 悪女「ペネロペ」に感情移入し、ゲームに没頭してしまった。
ゲームの途中寝落ちして、起きたら自分がゲームの中の「ペネロペ」になっていた。
死亡エンドを避けるためには…攻略対象からの好感度を上げ、 ゲームをクリアするしか手はない!?
ペネロペ・エカルト:主人公で悪役令嬢。ゲームではハードモードのヒロイン。公爵家の娘だが、実際には血の繋がりは無い。
イヴォン:ヒロイン。エカルト公爵家の娘だが、18歳になるまでは平民の娘として過ごしていた。ノーマルモードでは彼女がヒロイン。
デリック・エカルト:エカルト公爵家の長男。冷酷な貴公子キャラ。
レナルド・デカルト:エカルト公爵家の次男。気が短く、口が悪い。
カリスト・レグルス:イオカ帝国の皇太子。人の命を軽視する暴君。
ヴィンター・ベルダンディ:侯爵であり魔術師。様々な情報や裏取引を扱う。
イクリス:亡国の貴族出身の奴隷。ペネロペを同情した唯一のキャラ。

287話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 婚前準備⑤
「・・・お父様、大丈夫ですか?」
私は辛うじて公爵の腕を軽く振りながら心配そうに尋ねた。
すると、死人のように青ざめていた顔で呆然としていた公爵が、逆に私の手をギュッと握る。
「ペネロペ、あいつが全て仕組んだのだろう?」
「え?何を・・・」
「あいつが結婚をするために、あいつがお前に・・・、お前に・・・!」
「・・・」
「私の娘にそんな下品なことを・・・」
その時だった。
言葉を続けられなかった公爵、ついに目頭を赤くして泣き出すではないか。
「お、お父様」
私は口を大きく開けてしまう。
もちろん公爵が知ったら怒ると思ったが、こんなに泣くとは全く予想できなかったためだ。
「・・・ごめんなさい」
その下品なことを・・・、酒に酔って私が先にしたとはとても言えなかった。
公爵に申し訳ないと同時に、「無茶苦茶」になってしまったカリストに罪悪感が生まれてしまう。
「あいつを皇位に座らせるべきではなかったのに、ふふふ・・・。執事・・・、直ちに軍師を・・・」
その時だった、公爵を支えていた執事がふと決然した顔で私の方を振り返る。
「心配しないでください、お嬢様。小公爵と坊っちゃまが外部訓練から帰ってくるまで、旦那様の代わりに軍事指揮は私が担当しますので」
「え?それは一体どういうこと?」
「エカルト邸は非常時要塞として使えるように設計されています。食料も十分ですから防御体制に移れば一ヶ月は軽く持ち堪えられます。そのように持ち堪えて坊っちゃまたちが帰還したらすぐ皇居に進撃するように・・・」
「やめて!違うから!そういうことじゃないから!」
真剣な執事の声に私は慌てて首を横に振りながら右往左往する。
「酒に酔って私が先に襲ったんです!」
「・・・」
公爵と執事、そして周辺で世話をしていた使用人たちは皆、気が抜けた顔で私の方を見る。
誰かが花園に氷を注いだように冷たい静寂が訪れた。
顔が張り裂けるように熱くなるのが感じられる。
結局、子供を連れて頻繁に訪ねるという言葉で公爵をなだめてから、私は公爵家の逆謀を辛うじて防ぎ、皇居に戻ることができた。
私を除いて傷だけが残った妊娠告白は、そのように終わりを告げる。
二ヶ月後、皇帝と皇后の国魂は豊かな晩秋に行われた。
史上最も盛大な結婚式だったと、人々が皆口を揃えて称賛する。
そしてまた青々とした新芽が育つ春先。
私の元に天使のような、いいえ、ドラゴンのような赤ちゃんがやってきた。
ユディット・レグルス。
今年で3歳になった女の子は、眺めるたびに綺麗になっていく。
私が産んだということが信じられないほどに。
皇族の象徴である眩しい金髪に真っ赤な瞳。
皇帝にそっくりな外見にエカルト公爵は怒りを爆発させ、再び涙を流した。
皆口を揃えてカリストが作り出した分身のようだと騒いだが、私の目には違うように見える。
直毛の父親とは違い、可愛く巻き込んだ癖毛、真っ白で柔らかいほっぺた、高い鼻と赤い唇。
たまに日差しを浴びる時には赤色ではなく微妙に濃いピンク色に輝く瞳は、まるで私の髪色のようだった。
気にせいではなく、これはカリストも認めているところ。
いくつかの不慣れな要素を除けば、間違いなく私の子供に違いない。
(もちろん、娘は私に似ているのではなく、父親に似ているのだろうけど)
ユディットがよく遊ぶ狩猟場の近くの森を探しながら私は考えた。
娘は優しくて善良だったが、しばしばトラブルを起こすと、そのスケールは想像を絶する。
ある日は宮殿の柱や天井を壊したり、ある日は森にいる小動物という小動物を全て連れてきたこともあった。
「多分初めて狩猟祭を見に行った時よね・・・」
獲物を狩ってくる人たちの姿が格好よく見えたのだろうか。
狩猟祭の最終日、1位になった私の父を眺める赤い瞳がひときわ輝いていたのは・・・。
翌日、王女宮で暴れていたウサギ、キジ、鳥、キツネ、鹿を目撃した時を思い出すと、今でも目がくらっとする。
『お母様にあげようと思って。ユディも1位になって、お母様にプレゼントしたくて・・・』
叱ろうとしたが、日差しを浴びて濃いピンク色に輝く瞳を見ると、それ以上怒ることもできなかった。
また、ある日は朝会中の会議室に密かに隠れて、カリストの隣に置かれていた皇帝の王笏を振り回して大騒ぎになったこともある。
他でもなく、政務を妨害したことだったので怒らざるを得なかった。
わんわん泣きながら話す娘の言葉は見ものだったが。
『レナルドおじさんがユディに皇帝になれって言ったから。ユディが早く皇帝になってお母様を守るんだから!』
娘に狂ったことを言ったレナルドは、その後三ヶ月間、王女宮への出入りを禁止されることに。
「はぁ・・・」
3歳の娘の華麗な戦績を考えると、思わず深いため息が漏れてしまう。
このようにしっかり隠れてしまう時には、もう誰が子供を害するか心配になるのではなく、またどんな事故を起こすのか分からなくて不安だった。
公爵の暴走もなんとか止めることができましたね。
ユディット・レグルス。
中々暴れん坊な女の子のようです。







