こんにちは、ちゃむです。
「悪役のエンディングは死のみ」を紹介させていただきます。
今回は288話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

大学の友達に勧められ、乙女ゲーム「公女様のラブラブ・プロジェクト」を始めた主人公。
自分と似た境遇のハードモードのヒロイン、 悪女「ペネロペ」に感情移入し、ゲームに没頭してしまった。
ゲームの途中寝落ちして、起きたら自分がゲームの中の「ペネロペ」になっていた。
死亡エンドを避けるためには…攻略対象からの好感度を上げ、 ゲームをクリアするしか手はない!?
ペネロペ・エカルト:主人公で悪役令嬢。ゲームではハードモードのヒロイン。公爵家の娘だが、実際には血の繋がりは無い。
イヴォン:ヒロイン。エカルト公爵家の娘だが、18歳になるまでは平民の娘として過ごしていた。ノーマルモードでは彼女がヒロイン。
デリック・エカルト:エカルト公爵家の長男。冷酷な貴公子キャラ。
レナルド・デカルト:エカルト公爵家の次男。気が短く、口が悪い。
カリスト・レグルス:イオカ帝国の皇太子。人の命を軽視する暴君。
ヴィンター・ベルダンディ:侯爵であり魔術師。様々な情報や裏取引を扱う。
イクリス:亡国の貴族出身の奴隷。ペネロペを同情した唯一のキャラ。

288話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- ユディット・レグルス
「はっ、はっ!皇后陛下!」
その時だった。
「森をくまなく探してみましたが、お姫様はこちらにはいらっしゃらないようです」
姫を探していた護衛騎士の一人が荒い息を吐きながら近づいてきて報告する。
その後ユディットの乳母と侍女たちがドッと駆けつけてくるのが見えた。
正午から始まったかくれんぼで、みんな汗びっしょりだ。
苦労する人たちを見ると、自ずと申し訳ない気持ちになる。
「滝の下に降りてもう少し捜索しましょうか?」
「いいえ、森にはいないようだから、一旦戻りましょう」
「はあ、でも妃殿下。もうすぐ日が暮れると思いますが、お姫様に何かあったのではないでしょうか?」
森の外に抜け出そうと足を向けると、乳母が過度な妄想をして涙ぐんだ。
「皇居内で誰が姫を傷つけることができる?」
しかし、大したことではないように答えたことが色褪せるほど、「変化」という言葉を聞くと嘘のように不安感が湧き始めた。
(本当に何かあったんじゃないよね?)
王女宮に戻る足取りがだんだんと早くなる。
私は唇をもみながら皇居の中で娘を傷つけるような勢力を思い出した。
(ハーネス伯爵?)
何人かの貴族は、王女を後継に掲げる皇帝の意思に反対した。
ユディットが女性だという陳腐な理由で。
(いいえ、あいつらにそんな力はない。だけど・・・)
すぐに首を横に振る。
彼らは口が軽いだけで、カリストの一言で切り裂かれるハエの命たちだ。
そのような度胸も、抱負も、そして決定的に皇居に密かに侵入し、我が子を害するほど強い暗殺者を雇う財力もなかった。
(それとも反乱軍?)
カリストが皇位に上がってからもう8年。
彼が皇太子時代に征服した国々のほとんどは今では帝国領に帰属している。
しかし、しばしば紛争が起こる地域があり、反乱軍に対する気を緩める時期ではなかった。
(だけど、結界を突き抜けて皇居の中に入るのは容易ではないはず・・・)
皇居全体にかかっている保安魔法は主体を皇帝にした。
カリストが健在である以上、結界が損なわれる可能性は極めて低い。
たとえ結界が破られたとしても、その事実を皇居魔法使いや皇帝が気づかないはずがない。
8年前、イヴォンの仮面をかぶったレイラが簡単に皇居を占領したのも、カリストが不在の隙を狙って前皇帝を殺してしまったためだ。
(まさか・・・、レイラの生き残りがいるんじゃないよね?)
そこまで思いつくと、突然胸がドキドキした。
もはや洗脳を使う遺物はないが、レイラなら何としても皇居に潜入するだろう。
それでまだ幼くて弱いうちの子に簡単に復讐をするかも・・・!
「こ、皇后陛下!そんなに急がれると転んでしまいます!私たちが先に行きますので、ゆっくり歩いてきてください」
宮の尖塔の端が見える頃、いつの間にか私の足取りは走ることに近づいていた。
見かねた護衛騎士が引き止めたが、それを聞くことはできない。
(馬車に乗って出てくるべきだったのに)
広い前庭を走っている間、カリストに知らせて近衛兵を総動員する考えで頭がいっぱいになっていた。
そのため、地面に埋め込まれている石ころを見ることができなかった。
スカートの裾がピンと引っ張られると思った時には、既に体が前に傾いた後。
「あっ!」
「えっ!こ、皇后陛下!」
ふと地面が近づいてくる。
追いかけてきた侍女たちが真っ赤な悲鳴を上げながら駆け寄ったその瞬間。
「皇后!」
誰かが力強い私の腰を引っ張った。
気がつくと、私は誰かの固い胸に顔を突っ込んでいた。
馴染みのある香りが鼻の中に食い込んでいく。
顔を上げると、夕焼けに端が赤く染まった黄金色の髪が見えた。
カリストだった。
「怪我をしそうになったじゃないか。宮殿を目前にして、どうして走ったりする?」
心配がいっぱい詰まった目つきに、突然目頭が熱くなる。
「陛下、ユディットが、私たちの娘がいなくなって・・・!」
努めて涙を堪え、急いで娘の不在を知らせた瞬間だった。
「うん・・・」
ふと胸からモゾモゾする温もりが感じられ、私は頭を下げる。
あれほど探していた娘がカリストの胸に抱かれて眠っていたのだ。
私たちの間に挟まっているのがもどかしいのか、娘は小さく眉をひそめたまま寝返りをうつ。
その動きに沿ってカリストの胸の隙間に飛び出た可愛らしい黄金の髪が揺れている。
ユディットを心配するペネロペが完全に母親になっていますね。
カリストの下にいたユディットですが、どこで見つけたのでしょうか?







