こんにちは、ちゃむです。
「悪役のエンディングは死のみ」を紹介させていただきます。
今回は289話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

大学の友達に勧められ、乙女ゲーム「公女様のラブラブ・プロジェクト」を始めた主人公。
自分と似た境遇のハードモードのヒロイン、 悪女「ペネロペ」に感情移入し、ゲームに没頭してしまった。
ゲームの途中寝落ちして、起きたら自分がゲームの中の「ペネロペ」になっていた。
死亡エンドを避けるためには…攻略対象からの好感度を上げ、 ゲームをクリアするしか手はない!?
ペネロペ・エカルト:主人公で悪役令嬢。ゲームではハードモードのヒロイン。公爵家の娘だが、実際には血の繋がりは無い。
イヴォン:ヒロイン。エカルト公爵家の娘だが、18歳になるまでは平民の娘として過ごしていた。ノーマルモードでは彼女がヒロイン。
デリック・エカルト:エカルト公爵家の長男。冷酷な貴公子キャラ。
レナルド・デカルト:エカルト公爵家の次男。気が短く、口が悪い。
カリスト・レグルス:イオカ帝国の皇太子。人の命を軽視する暴君。
ヴィンター・ベルダンディ:侯爵であり魔術師。様々な情報や裏取引を扱う。
イクリス:亡国の貴族出身の奴隷。ペネロペを同情した唯一のキャラ。

289話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- ユディット・レグルス②
「はぁ・・・」
幕を閉じる間もなく安堵のため息が漏れた。
私にまだそのような豊かな想像力があるということに驚くほど、王女宮に帰ってくる間ずっと色々考えていたようだ。
瞬間、足の力が抜けてフラフラすると、カリストがもう一度腰をギュッと抱きしめて舌打ちする。
「殿下、どこでユディットを見つけたのですか?」
「太陽宮の下で」
「え?」
想像もできなかったかくれんぼの場所に私は口を大きく開けた。
「一体そこにどうやって。そこには封印魔法がかかっているじゃないですか」
太陽宮の地下には、永眠に入った龍の遺体はもちろん、魔法がかかったあらゆる宝物が隠されていた。
そのため、玉璽を持った皇帝以外の誰も近づけないように強力な封印魔法をかけておいたのに・・・。
「ベルダンディ侯爵が言うには、立ち入り禁止の魔法を解除して入ったようだ」
カリストは淡々と娘の蛮行を伝える。
「その痕跡があったので、すぐに見つけることができた」
目の前がクラッとする気持ちで、私は片手で額を抑える。
途轍もないことした娘のせいで胸が熱くなった。
しかし、眠った子を起こして叱れなかった。
我が子だからじゃなくて、こんなに静かな時だけは天使のように綺麗だから。
「本当に、誰に似てこんなに揉め事を起こすのでしょうか・・・」
結局、私は怒る代わりに子供の頬をそっと撫でてため息のように呟く。
するとカリストは肩をすくめて答えた。
「私じゃない」
「私も違いますよ?」
「そうだね。結婚前に事故を起こしたことを考えると、あまり信じられないが」
「はあ!?一体何を言って・・・!」
私たちは毎日のように言い争いながら歩いた。
宮の中に入って子供の部屋に到着すると、ようやく緊張で固まっていた体が少しずつほぐれた。
「みんなお疲れ様」
「いいえ、妃殿下。お姫様に特に問題がなくてよかったです」
「今日はみんな帰って休んでちょうだい」
遅くまで子供を探すのに一緒に苦労した人を労った後、帰らせる間、カリストがベッドに娘を寝かせる。
そちらに近づいた私は、ふと彼の後ろ髪がひどく乱れているのを発見した。
「ユディットにまた髪の毛を掴まれたのですか?」
ベッドの向かい側に座りながら尋ねると、子供を撫でていたカリストが私をチラリと見ながら答える。
「行きたくないと言うことを無理やり引きずり出して腹が立ったようだ」
私は眉を顰める。
全くそうは見えないが、カリストは娘にとても弱かった。
そのためか普段はおとなしい子だが、時々私の父に礼儀正しく振る舞う時がある。
「やめてほしいと怒ったら良かったのに」
「そうしているうちに憎いからといって、また顔を見せてくれないと私だけ損だ」
「殿下がそんなに優しくするから、子供が行儀よくしているんじゃないですか」
「あなたは子供に厳しすぎる」
「殿下が優しすぎるのです」
私はユディットの手に全ての権力と高い名誉を与えたかった。
そして、そのように作る予定だ。
しかし、世の中が怖いことを知らない無作法で放蕩者な人間に育てたくない。
(起きたらしっかり教育しないと)
眠っている子供を真剣に見つめながら誓った時だった。
カリストはそんな私をなだめるように悪戯っぽく口を開く。
「それでもこの前のように魔法で焼かれなくて良かった」
彼の言葉に反射的にあの時を思い出した。
ユディットがちょうど喋れるようになった頃。
王女宮でカリストと火がついたことがあった。
子供を産んで長い間手を繋ぐ以上のことはしなかったので、あっという間に火がついたのだ。
荷物のように私を抱いて慌てて宮殿を出るカリストの姿が見慣れないのか、娘が突然魔法を使った。
あの時を思い出すと、思わず笑ってしまう。
「・・・私はあの時陛下の髪が焼けてしまうかと思いました」
「ちっ、皇帝の容姿がずば抜けていると言うのが帝国唯一の自慢なのに、ハゲになってしまったら終わりだろう」
カリストは舌打ちをして笑った。
幸いにも私とカリストの悲鳴で、火はすぐ消えた。
その代わりに皇居が大騒ぎに。
一歳の子供が魔法を具現して制御するという話は歴代皇族はもちろん、大陸全体でその前例がないことだったからだ。
魔法だけでない。
子供がいることを知った時に見た変な夢のためだろうか。
ユディットは生まれた時から背中に手のひらほどの黄金色の翼がついていた。
確かに私がお腹を痛めて産んだ子供だったが、まるで卵から生まれたかのように。
ユディットが魔法を使えるのは何か理由がある?
かなりの特異体質のようですね。







