こんにちは、ちゃむです。
「悪役のエンディングは死のみ」を紹介させていただきます。
今回は290話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

大学の友達に勧められ、乙女ゲーム「公女様のラブラブ・プロジェクト」を始めた主人公。
自分と似た境遇のハードモードのヒロイン、 悪女「ペネロペ」に感情移入し、ゲームに没頭してしまった。
ゲームの途中寝落ちして、起きたら自分がゲームの中の「ペネロペ」になっていた。
死亡エンドを避けるためには…攻略対象からの好感度を上げ、 ゲームをクリアするしか手はない!?
ペネロペ・エカルト:主人公で悪役令嬢。ゲームではハードモードのヒロイン。公爵家の娘だが、実際には血の繋がりは無い。
イヴォン:ヒロイン。エカルト公爵家の娘だが、18歳になるまでは平民の娘として過ごしていた。ノーマルモードでは彼女がヒロイン。
デリック・エカルト:エカルト公爵家の長男。冷酷な貴公子キャラ。
レナルド・デカルト:エカルト公爵家の次男。気が短く、口が悪い。
カリスト・レグルス:イオカ帝国の皇太子。人の命を軽視する暴君。
ヴィンター・ベルダンディ:侯爵であり魔術師。様々な情報や裏取引を扱う。
イクリス:亡国の貴族出身の奴隷。ペネロペを同情した唯一のキャラ。

290話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- ユディット・レグルス③
翼を持って生まれた子供は、いかなる古文書にも存在しなかった。
ただ一つ、帝国を建国した始祖を除いては。
黄金竜の象徴である黄金色の翼。
歴代皇族の中で誰も持てなかった、強力な魔法を持って生まれた子。
そんな娘の姿を見た彼らは一様に黄金竜の再臨だと騒いだ。
それでしばらく帝国の一人だけの王女は、竜にそっくりな恐ろしい外見で口から火を吐くという話にならない怪噂が流れた。
もちろん自分の体一つを守ることができるほど力が十分だということは良いことなのだが・・・。
他人とは違う、特別な要素を持ったまま生まれたことが果たして娘にとって良いことなのか悪いことなのか、まだ分からなかった。
ユディットの寝返りに押されて折れた可愛い翼を伸ばし、痺れないように優しく撫でてあげる時。
ふと頬に暖かい感触が届いた。
「・・・相変わらず顔色が青白いね」
子供に気を遣っている間、ずっと私を見守っていたのだろうか。
カリストは薄暗い私の顔を優しく撫で下ろして慰める。
「子供がこうするのが一日二日でもないのに、何をそんなに心配したの?」
「それでも念のためです」
子供が多ければ多いほど興味深く見守る目もますます多くなった。
「誰かが悪い思いを抱いて、ユディットを傷つけようとしたらどうするんですか」
私の呟きにカリストがくすくす笑いを爆発させる。
「誰がそんなことをしようとするだろうか」
「それはそうですが・・・」
「あまり心配しないで。ヴェルダンディ侯爵がよく教えているようだった。もう知らない人の前で結構羽も隠せるようになったみたいだけど」
私が懸念していることが何かをよく知っているようで、カリストは付け加えた。
その言葉に少し安心する。
ユディットの師匠は当然、帝国最高の魔法使いであるヴィンターだった。
しかし、彼さえも姫の魔法能力が既に自分を上回ると言うほど、娘の力は超越的だ。
「実はユディットが何を考えているのかよく分かりません」
トカゲのように好奇心旺盛で、それだけ利口だった。
事故を起こす度になぜそうしたのか聞けばちゃんと答えるが、絶対に先に言い訳を切り出したことはない。
「私もだ」
カリストは私の呟きに鼻をしかめて同意する。
初心者夫婦の私たちはまだ未熟で不器用だった。
かなり慣れる頃にもなったが、今日のように娘が事故を起こすときには一度ずつ胸がドキドキするのを見ると、まだ先が遠いように思える。
子供が眠っている間に、しばらく肅然とした同志愛が私たちの間を漂っていた。
「日々が戦争みたいだね」
「でも、もう少ししたら大人しくなるでしょう。最近は言葉もどれだけ上手なのか分かりません」
「眠るまで休む暇もなく喋り続けるからな」
私の言葉にカリストは首を横に振りながら指先で娘の鼻を軽く触った。
「いつ大人になって親を悩ませることを反省するつもりだ?え?」
寝ながらも叱るのは幽霊のように聞き取れたのか、ユディットが泣くように口を尖らせる。
すると意地悪な表情をしていたカリストが、慌ててユディットの胸を撫で下ろす。
その姿に失笑が漏れてしまう。
「それでも奇特なことをした」
「奇特ですか?」
「あなたが止めてあの時壊せなかった、あの忌まわしい鏡。どんな風が入ったのか、それをとても粉々にしていたよ」
「まさか真実の鏡ですか?」
私は目を丸くした。
イヴォンを救った後、真実の鏡の復元作業はすべて中断された。
不安症がピークに達していた時期なので、カリストは直ちにに壊そうとしたが、辛うじて彼を引き止めた。
古代魔法使いたちと直接的な関連がある遺物であるため、研究価値が高かったためだ。
しかし、復元された後も「真実の鏡」は作動はもちろん、少しの魔力も感知されなかった。
まるでそれにくっついていた古代魔法使いの魂が皆去っていったかのように。
それでも不穏勢力の手中に入ってはならなかったため、太陽宮の地下空間に封印した。
そして何年もすっかり忘れていた。
今日、ユディットが起こした事故さえなかったら、永遠に忘れたまま生きていただろう。
ヴィンターを上回る能力・・・。
ユディットの将来が楽しみですね。
真実の鏡が破壊された理由が気になります。







