こんにちは、ちゃむです。
「悪役のエンディングは死のみ」を紹介させていただきます。
今回は292話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

大学の友達に勧められ、乙女ゲーム「公女様のラブラブ・プロジェクト」を始めた主人公。
自分と似た境遇のハードモードのヒロイン、 悪女「ペネロペ」に感情移入し、ゲームに没頭してしまった。
ゲームの途中寝落ちして、起きたら自分がゲームの中の「ペネロペ」になっていた。
死亡エンドを避けるためには…攻略対象からの好感度を上げ、 ゲームをクリアするしか手はない!?
ペネロペ・エカルト:主人公で悪役令嬢。ゲームではハードモードのヒロイン。公爵家の娘だが、実際には血の繋がりは無い。
イヴォン:ヒロイン。エカルト公爵家の娘だが、18歳になるまでは平民の娘として過ごしていた。ノーマルモードでは彼女がヒロイン。
デリック・エカルト:エカルト公爵家の長男。冷酷な貴公子キャラ。
レナルド・デカルト:エカルト公爵家の次男。気が短く、口が悪い。
カリスト・レグルス:イオカ帝国の皇太子。人の命を軽視する暴君。
ヴィンター・ベルダンディ:侯爵であり魔術師。様々な情報や裏取引を扱う。
イクリス:亡国の貴族出身の奴隷。ペネロペを同情した唯一のキャラ。

292話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- ユディット・レグルス⑤
「分かったわ、ユディット」
「ユディ、ママのこと好き」
私の胸に顔をこすりつける娘が可愛かった。
しかし、子供に注意をしっかり与えなければならないという気がする。
「でもユディット、あなたもどこかに行く時はママかパパに必ず言ってから行かないといけないわ」
私は子供と目を合わせながら厳しい声で話す。
「この前もこっそり侍女たちと隠れんぼをしてママに怒られたでしょ?もう一度こんな風に消えたら、次は魔法禁止令を下すわよ?」
「・・・怒ってる?」
ユディットは頭が良いから、すぐに私の言葉を理解し、そして不安そうに顔色を伺ってくる。
そんな姿を見せられたら気が弱くなってしまう。
「・・・怒ったんじゃなくて心配したのよ」
私は結局ため息をつきながらユディットをギュッと引っ張って抱きしめた。
「誰かがあなたを連れ去ったんじゃないかと、どれほど驚いたか知ってる?」
「でも・・・、でも、時間がなかったの」
「・・・?何の時間?」
「えっと、話す時間が・・・」
話す時間がなかったなんて。
(誰からそんな言葉を教わったのかしら?)
可愛い言い訳に笑いが漏れてしまう。
しかし、私は口元を引き締めて話を続けた。
「仕事がいくら忙しくても必ず言わないといけないわ。そうでなければ、ママとパパが泣きながらユディットを探し回るから」
「うぅ・・・、泣きながら?」
「そうよ。ママとパパが毎日泣きながらユディットを探しに行ってほしいの?」
「やだ、やだ・・・・」
娘が泣きべそをかきだす。
そして、「ママ、ママ」と呟きながら私にしがみつくが、まだ怒らないといけないことがある。
「・・・その、地下にある遺物はどうして壊したの?」
まだ注意すべきことが残っているので、咳払いをしてやっと落ち着きを取り戻した。
「遺物は大事にして面倒を見なければいけない物なのよ」
「だって・・・」
ユディットは口をモゾモゾした後、ふと私の胸に顔を突っ込んだ。
「そうしてこそ・・・、守ることができるから・・・」
「うん?」
何と言ったのかよく聞こえなくて聞き返す。
しかし、そうするやいなや、娘が再びサッと顔を上げて叫んだ。
「もう終わったことだから!」
「ユディット、それはどういう意味?」
「ふぅん!」
しかし、ユディットは返事もせず、再び私の胸に顔を埋める。
本当に私のお腹の中で産んだ子供だが、たびたび娘の考えにはついていけなかった。
しばらく羽をばたつかせながら、自分の毛先で遊んでいたユディットは、間もなく息を吐きながら再び眠りにつく。
私は腕に顔を突っ込んでいる娘を楽に寝かせて布団をかけた。
眠りが浅い方だが、さっきのように寝て起きる気配は見られない。
疲れたみたいだね。
地下の秘密空間を熱心に動いていたのか、一歩遅れて汚れた身なりが目に入った。
「はぁ・・・」
侍女たちを呼ぼうかと思ったが、娘がまた目を覚ますのではないかと思いやめた。
私は自分で子供の服を脱がせることに。
ボタンを外してスカートを持ち上げた瞬間だった。
ふと何かがベッドの上に落ちる。
「魔法にかかった宝物でも持ってきたのかしら?」
老婆心にそれを確認した私は、ゆっくりと目を大きく開けた。
「えっと・・・」
子供の裾の間に隠されていたのは他でもなく、「真実の鏡」の彫刻だった。
『君が止めてあの時壊せなかった鏡。どうやったのかそれを粉々にしていたよ』
カリストが少し前に言ったことを思い出す。
太陽宮の地下に隠れたお転婆娘は真実の鏡を壊したと言っていた。
古代遺物ではあるが、もはや作動しなくなって久しいので、腹が立ったり胸が痛むことはない。
どうせ一度壊れたのをヴィンターのために無理に復元しておいただけなのだから・・・。
「ところで、これをなんでスカートの裾に隠していたの?」
幼い頃からあまりにも変わった行動をたくさんした子供なので、壊れた遺物で遊ぶことはできた。
しかし、スカートの中のポケットに入れておいて、何も言わなかったのは誰が見ても隠してきたような気がする。
「ああ、誰かがうちの子の頭の中を知ることができたら・・・」
首を傾げていた私は、すぐに短く笑いながら、彫刻をベッドの横のテーブルに置く。
そして拳を握りしめていた子供の手を慎重に広げた。
鏡の彫刻は長い間腐食してボロボロだったが、もし断面に切られて傷でもついたのではないかと老婆心があったためだ。
幸いなことに、か弱い手のひらは傷一つなく大丈夫だった。
私はハンカチを水で濡らしてユディットの顔と手足を拭く。
そして娘が大好きな紫色のふわふわのパジャマを着させた。
ユディットが甘えん坊で可愛すぎます!
真実の鏡を隠していた理由は?







