こんにちは、ちゃむです。
「俺だけレベルアップな件」の原作小説を紹介させていただきます。
今回は178〜179話をまとめました。

ちなみに韓国語は殆ど無知です。知り合いに韓国語を勉強していた方がいたので、協力してもらいながら勉強をしています♪
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
各話リンク→【俺だけレベルアップな件】翻訳ネタバレ&感想
十数年前、異次元と現世界を結ぶ通路”ゲート”というものが現れてからハンターと呼ばれる覚醒者たちが出現した。
ハンターはゲート内のダンジョンに潜むモンスターを倒し対価を得る人たちだ。しかし全てのハンターが強者とは限らない。
人類最弱兵器と呼ばれるE級ハンター「水篠 旬」 母親の病院代を稼ぐため嫌々ながらハンターを続けている。
ある日、D級ダンジョンに隠された高難易度の二重ダンジョンに遭遇した「旬」は死の直前に特別な能力を授かる。
「旬」にだけ見えるデイリークエストウィンドウ…!?
「旬」ひとりだけが知ってるレベルアップの秘密… 毎日届くクエストをクリアし、モンスターを倒せばレベルアップする…!?
果たして「旬」ひとりのレベルアップはどこまで続くのかーー!!
各話リンク→【俺だけレベルアップな件】翻訳ネタバレ&感想
178話~179話 ネタバレ
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韓国での悲報
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石川県のある村。
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村の入口は朝から大勢の人で足の踏み場もなかった。
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まだニュースを聞いていない村の住民が周りを見回しながら尋ねた。村の復旧工事で忙しい時期にこれほど多くの人が集まるなんて。
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車を発見した人々が騒ぎ始める。
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未だに何が起きているか分かってない村人。騒いでいた男に尋ねた。
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「ハンター様が来られたそうです」「ハンター様でしょうか? どんなハンター様でしょうか?」
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車が近づくと人々が手を挙げて熱烈に歓迎した。彼らの表情に現れたのは心からの喜びと感謝だった。
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やっと村人も誰がこの村を訪問したか、ようやく理解できた。
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巨人によって半壊した村の惨状。ライフラインがあちこちで止まっていた。
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しかし誰かが巨人を止めてくれなかったら、村の形が残っていることができたのだろうか?多くの思い出が詰まった故郷が危うく消えるところだった。自分が通った学校、通っていた道、携わった職場まで。
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そう考えると胸の中の深いところから感情が湧き上がってきた。鼻先がじいんとなる。いつの間にか男も自分の首に掛けていたタオルをブンブン振り回して車を向けて歓声を上げた。
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黒の高級車が現れる。ナンバープレートのに書かれた文字「日本ハンター協会」
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熱烈な歓迎を受けサングラスをかけた男が運転席から降り立った。
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諸菱賢太は集まった住民に手を振っていた。
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旬一行を待っていた日本のハンター協会職員は、人々の間を掻い潜り現れた。
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「水篠旬ハンター様ですか?」スタッフは日本語で尋ねる。
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賢太は幸いにもその中で 聞き取れた単語を理解する。
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「ノー」首を横に振り、賢太が人差し指を上げて空を示した。
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飛竜カイセルが心地よい鳴き声をあげる。
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巨人の恐怖にしばらく住民が空を飛んでいる黒い生物を見て怯える。しかし、カイセルは住民の頭上を旋回するだけだった。カイセルに敵意が無いと理解した住民たちは、不思議な目つきで上空を凝視した。
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その瞬間、カイセルに乗っている旬が「支配者の力」で軽く着地した場面を見て、住民が目を丸く開いた。
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突然の事に協会委員は何も話せずにいた。彼の代わりに賢太が旬に話をする。
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「この方が兄貴を探してました」
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旬が協会委員の前に立った。ようやく雑念を払い出したスタッフは真剣な表情で頭を下げた。
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「はじめまして、水篠旬様。日本ハンター協会金沢支部の田中宏です」
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頭を上げ、迎えに来た理由を説明した。「今日水篠ハンター様の案内を引き受けることになりました。よろしくお願いします」
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もちろん、全部日本語だった。旬が賢太を見て、賢太も旬を見る。にこにこ笑っている賢太の顔を見て、彼に日本人の言葉を理解しようとする意志が全くないという事実を知りため息をつく。
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旬は日本語通訳が可能な影の兵士を召喚した。
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「王よ」影から出たベルが丁寧に旬に頭を下げた。挨拶が終わったベルは、協会委員に向かって向き合ってを変えた。
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「ここは私にお任せください」
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住民も協会委員も顔を固くしている。おそらくベルの言った意味を間違えて解釈しているのだろう。
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「人間」ベルは協会委員に近づいて胸を大きく伸ばす。「我が王に伝えたい言葉が何なのか?」
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その光景を見ていた住民達が一斉に驚いた。影の兵士が対話することを初めて聞いた賢太も驚いている。
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モンスターのように響く声だけ除けば、ネイティブスピーカーに見えても構わない流暢な日本語であった。
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協会委員といくつかの会話をしたベルが旬に転じた。「王よ。この者は村の案内を引き受けたとして、誠心誠意を尽くして王に尽くすと話しています」
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協会委員はベルの顔色を伺い用心深く話した。「水篠様、こちらへどうぞ」
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青ざめた協会委員の顔に申し訳なくなる旬がうなずいた。
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旬一行は村の倉庫に向かった。倉庫には巨人の遺体が横になっていた。
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旬は近付いて遺体を調べた。巨人の死体には無数の歯形と傷が多く残っている。
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「お前、こいつを食べたか?」ベルを振り返る旬の目つきが鋭くなる。腰を直角に曲げていたベルの視線は床に固定されていた。
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どうしてだろう?賢太は兄貴とアリの関係を見てパート長に尻込みする晩年課長の姿を思い出した。
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実際には死体だけが正しく残っている場合、影を抽出するには問題がなかった。ただ見た目が良くない。
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日本国内の全ての巨人を倒した旬は影の抽出を行っている途中だった。遺体の状態を見ると、どの部隊と戦ったかすぐわかった。
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通常時のアリ軍団と遭遇した魔獣たちはこのような形を免れなかった。無惨にちぎり食べられる魔獣を見比べてまだましな状態にため息をつく旬が袖をまくる。
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指先が死体に向かった。旬の口から声が流れた。「起きろ」
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すると、集まった住民たちが同時に悲鳴を上げた。完全な状態で召喚された巨人兵士が旬に片方の膝をつく。これで27体目の巨人兵士が完成した。旬は凛とした巨人兵士を見上げて笑顔を浮かべた。
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同時刻の韓国。ハンター協会の会長室では、後藤会長がチャンネルを回し見していた。どのチャンネルも旬の話題だった。
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水篠ハンターは今回のことで、全世界自分自身の名前を刻み付けた。
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今回のことが原因で韓国ハンター協会の位置が急浮上したのだ。一人のおかげで、韓国がハンター強国にまで言及されていた。だから協会長の立場では旬の活躍が嬉しい。ただし一つの不安な点は。
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犬飼部長がノックした後会長室入った。相次ぐ成果として、彼は最年少部長の地位に付いた。
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「巨人が中国側に方向を定めたそうです」旬が巨人を倒していく途中、そのいずれかが海に飛び込んだ。太平洋側に向かおうとしていた巨人が突然方向を中国に向かって行くというニュースだった。
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後藤は尋ねた、「中国の反応はどうなのか?」
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「ルイ・ジュカンが直接乗り出します」世界最強の5人のハンターの一人、ルイ・ジュカンが直接乗り出した場合、巨人は中国の土地を踏む前に四肢が分離されるだろう。
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後藤は電話の着信音を聞き受話器に手を伸ばした。受話器の向こうから焦り声が聞こえてくる。
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それは主治医の声であった。「重要なお話があります」
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「重要な話?」後藤の声も慎重になった。主治医は全く予期していなかった名前を出した。
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後藤はそこで初めてその相手の状態を知った。その人は韓国ハンター協会の最大の協力者の1人、個人的な親交もあった。一体彼がどうしたと言うのだろう?
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主治医の説明が続く、説明を聞き後藤は思わず立ち上がった。「彼は最後の睡眠になりました」と主治医は言った。
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水篠ハンターをインタビューしたいと放送局と新聞社の問合せで、日本ハンター協会は業務が麻痺する状況であった。それだけ世論の関心が水篠ハンター様にに集中しているというのだろう。
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彼らの関心を理解していないわけではなかった。日本の国土が4割近く消失した危機が人の手で解決された事に、誰が関心を示さないだろうか?
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そんな状況の中、韓国から連絡が来た。韓国ハンター協会の後藤会長からだった。
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半信半疑で受話器を変わった責任者の顔が固まった。「は、はい。わかりました!今すぐ連絡いたします」
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何度見ても飽きない。賢太は再び旬に感動した。巨人のが兄貴に膝をつき忠誠を誓う場面は見るたびに映画のワンシーンのような深い感動を与えた。「本当に素晴らしいです、兄貴!」
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尊敬の眼差しで目を輝かせた賢太の後ろで騒ぎ声が聞こえてきた。兄貴の能力を初めて見た村の住民の心情はどうか?言葉は聞き取れなくても内容が予想出来た賢太は自分のことのように誇らしかった。
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なぜか勝ち誇った顔をしている賢太に日本のハンター協会スタッフが話しかけた。どうやら自分に用事があるようだ。スタッフが差し出す携帯を受け取り話を聞く。賢太の顔は次第に固くなっていき、はいと繰り返すだけだった。
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巨人を影に保存した旬が倉庫を出てきた。 待っていたように旬に近寄った賢太が頭を下げる。「申し訳ありません兄貴。私は韓国に戻らなければいけなくなりました」
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賢太の深刻な表情に旬が尋ねた。「どうしたんだ?」
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「私もよく分かりません。家に問題が発生したので、一度帰国して欲しいと連絡が来ました」
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旬には心当たりが一つあった。「会長の病」もしそれが正しければ電話をかけた相手が賢太に詳しい話をすることができなかった事情も理解できた。
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旬はもはや問わなかった。「分かったよ。お疲れ」
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「申し訳ありません兄貴。最後まで一緒に同行出来なくて申し訳ないです」
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もう一度丁寧に謝罪した賢太は日本協会が準備した車に乗っていた。 運転者は車をまっすぐ空港に向かって出発した。旬は黙って離れる車姿を静かに見守っていた。
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兄貴の前では平常心でいようと努力したが、実際に賢太は不安感を隠すことができなかった。母の声。いつも優しくて暖かい声が動揺していたのは初めてだった。
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もしかしたら許しも受けず兄貴と一緒に日本の地を踏んだを、父がとても怒っているのだろうか?
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仁川空港に到着するま。「賢太くん」自分を迎えに来た秘書の腫れている二つの目を発見した瞬間、普通ではないことが起こったことを悟った。
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聞きたい事は沢山あった。しかし、どの答えが戻ってくるか怖くて賢太は黙っていた。
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秘書が複雑な顔で賢太の肩に手を当てた。「賢太くん、移動しながら説明しましょう」車で移動する間に、秘書は賢太に父親の現在の状態を説明した。
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そんなはずはない。賢太は秘書の説明を心の中で否定した。いや、信じたくなかった。しかし、病院に到着してガラス越しに眠っている父の姿を見た時に何かが崩れる感じがした。常に強く見えた父が病魔に冒されみすぼらしい姿で横たわっているのを見ると心の中で何かが込み上げ上がっきた。
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「父さん!」すぐに病室の中に飛び込んでいこうとする賢太を医師が止めた。魔力をコントロールすることができないハンターの接近は、病気をより深化させるだけである。医師の説明に賢太は魂が抜けたようにその場で崩れ落ちた。
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いつも父を失望させるだけの息子だった。ところが、最後の瞬間まで父の手に触れることも出来ないなんて。あまりにも自分らしい結果に涙さえ出なかった。
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落胆したまま背を向ける賢太に秘書が黒のレザーケースに入った1つのファイルを渡す。秘書は淡々と語った。「会長が倒れる直前に作業して下さったものです。もしかしたら、今では賢太くんに必要な物かもしれません」
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秘書とファイルを交互に見ていた賢太がゆっくりファイルを開いた。中には新聞記事の切り抜きがいっぱいだった。きちんと整理されていた記事を見ると、実の兄と姉の記事が貼ってあった。
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悲しい中でも、兄と姉の子供の頃の姿を見て笑いが漏れた。
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兄と姉は父の誇りだった。様々なコンテスト、コンクール、それぞれの分野で全国的に名前を挙げた天才達。二人の記事がいっぱいのは当然のことであった。
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ページをめくるたびに賢太は自分の写真が一枚も無い自分に恥ずかしくなった。
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そうして最後のページを開くと賢太の指先が止まった。
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「アジンギルドの副社長、賢太は一体誰なのか?」「日本に行った二人のハンター」「D級ハンターの選択。 余裕か慢心か?」
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自分の名前が入った記事。ずさんなゴシップレベルの記事も丁寧に切り取り貼られていた。
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「え・・・」賢太は言葉が出なかった。そうして。一枚だけ新聞記事が床に落ちた。急いで記事を拾った賢太の目に涙が流れた。
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ボス級の巨人を片づけてから走ってきた記者に撮影を拒否する旬に代わって、笑顔で応える自分の記事だった。記事の日付は今日だった。
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秘書が賢太の肩に手を当て立っている。「会長は賢太くんを愛していないのではない。愛するほど賢太くんにかける期待も大きかったのです」
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しばらく黙って肩を震わせていた賢太は体を起こした。「父を目覚めさせる方法はありますか?」
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秘書は暗い顔で首を横に振った。「最後の睡眠」状態に入った患者が目を覚ましたケースは一度もなかった。予想外の例外を除いては。
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ふとそこまで考えた秘書が開いた。「もしかしたら賢太くん」
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「はい?」
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「いえ、何もありません」しかし、秘書は喋らなかった。余計な期待感を植えつけることは、時にはに残酷な場合がある。今がまさにそのような場合だった。
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ガラス越しに父を見て涙を流す賢太と言葉にしたかった内容を飲み込んだ秘書二人の会話を賢太の影が聞いていた。
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