こんにちは、ちゃむです。
「俺だけレベルアップな件」の原作小説を紹介させていただきます。
今回は182〜183話をまとめました。

ちなみに韓国語は殆ど無知です。知り合いに韓国語を勉強していた方がいたので、協力してもらいながら勉強をしています♪
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
各話リンク→【俺だけレベルアップな件】翻訳ネタバレ&感想
十数年前、異次元と現世界を結ぶ通路”ゲート”というものが現れてからハンターと呼ばれる覚醒者たちが出現した。
ハンターはゲート内のダンジョンに潜むモンスターを倒し対価を得る人たちだ。しかし全てのハンターが強者とは限らない。
人類最弱兵器と呼ばれるE級ハンター「水篠 旬」 母親の病院代を稼ぐため嫌々ながらハンターを続けている。
ある日、D級ダンジョンに隠された高難易度の二重ダンジョンに遭遇した「旬」は死の直前に特別な能力を授かる。
「旬」にだけ見えるデイリークエストウィンドウ…!?
「旬」ひとりだけが知ってるレベルアップの秘密… 毎日届くクエストをクリアし、モンスターを倒せばレベルアップする…!?
果たして「旬」ひとりのレベルアップはどこまで続くのかーー!!
各話リンク→【俺だけレベルアップな件】翻訳ネタバレ&感想
182話~183話 ネタバレ
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日本政府は出発前にリラックスできるよう旬に5つ星高級ホテルを提供していた。
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あえて飛行機を待つことなく影交換で戻ろうとしていた旬は、日本政府の支援を断るつもりだった。
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「国の恩人に何もしないまま帰国させたと言う汚名を残させないでください。お願いいたします、水篠ハンター様」日本政府の丁寧な要求に旬はホテルに泊まる事を決めた。
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1泊が4万ウォンという特級ホテルのスイートルームに初めて足を入れた感想は「本当に自分がこんな広く部屋を使ってもいいのか? 」というものだった。
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市内の景色が一望に見えた。旬は荒廃した東京を思い浮かべ、手遅れになる前に日本に到着したのが幸いだったと考えた。
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次の日。飛行機の時間が近づくと、日本ハンター協会のスタッフがホテルに来た。
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「おはようございます、水篠ハンター様」案内スタッフが流暢な韓国語で挨拶した。
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部屋で退屈していた旬はすぐに出発しますとスタッフに言う。
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「水篠ハンター様、もし宜しければ本日着る服をご用意致しますか?」
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それは旬にとって嬉しい提案だった。激しい戦闘で持ち込んだ服には巨人の血が付着している。血が付いた服を着る趣味も自分には無い。
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旬の表情を見て答えを察知したスタッフは笑って話した。「すぐにご用意させていただきます。少々お待ち下さい」
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スタッフが電話を掛けると10分もしないうちに別のスタッフが部屋に訪れた。瞬時に色とサイズ別に記載された情報誌を提供されて旬は驚いた。
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「他にも私共で出来る事でしたら何でもお申し付けください」
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「いいえ、大丈夫です。」これまでのサービスだけで十分満足だった。日本のハンター協会が十分に対応してくれるのが分かった。
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旬はサイズが適切なスーツを選んで着替え鏡の前に立った。「非常によくお似合いになっております、水篠ハンター様」
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待っていたように部屋に入ってきた従業員二人が旬の荷物を持つ。指一つでも負担にさせないという日本ハンター協会の意志が感じられるもてなしを受け、旬は5つ星ホテルを出発した。
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すぐに旬を乗せた黒いセダンが空港に向かって出発した。空港に入ると、日本ハンター協会がどうして服装に気を使っていたのか知ることができるような気がした。
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車窓の外に見える人、人、人を眺める旬にスタッフが興奮した声で言う。「ここにいる誰もがハンター様を一度でも見たいと集まってきた人たちです」
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「どれくらいの人が集まったのですか?」
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「正確ではありませんが、1万人を超えると予想されます」
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「既に水篠ハンター様は、日本を救った英雄でおられます」
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旬としてはただ自分が出来る事をしただけだ。しかし、それは旬でなければ出来ない事でもあった。
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ニュースで、SNSで、あるいは直接、巨大人形魔獣を見た日本人は絶望に震えた。誰もが日本に発生した国家的災害に関与しようとはしなかった。誰もが、日本は終わったと一斉に口を揃える。
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しかし、その後。韓国では、多分韓国の大統領よりも有名な人物かもしれない後藤韓国ハンター協会長の発表が出た。
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旬が架南島を占拠していたS級の魔獣を一人で全部処理したハンターということは広く知られた事実。日本の国民は旬だけが唯一の光 であった。
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そして、一週間後。旬は韓国を離れる前に公表したとおり、日本全域の巨人を討伐した。
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旬を見るためにこのように多くの日本人が集まるのは当然の結果であった。被災地の後始末の問題で混乱した状況でなかったならば、これより倍以上の多くの人々が集まってきただろうとスタッフが説明を付け加えた。
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「実は総理も水篠ハンター様とお会いする事を懇願しておられます。少しだけ時間を捻出出来ないでしょうか?」
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スタッフの表情がこれまで以上に真剣だった。彼が受けている圧力がどの程度なのか、簡単に分かる。
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しかし嫌なものは、嫌なもの。旬は最初の提案を受けた時と同じ答えを出した。
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「無駄なことに時間を捨てたくないですね」はっきりと断る旬の態度にスタッフが笑いを飲み込み頷いた。
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空港の入口の前に立った旬は車から降りた。すると、誰が最初にということもなく、熱い拍手が沸き起こった。旬は人々に振り返った。
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「ハンター様!」「水篠ハンター様!」彼らの言葉は全く聞き取れなかった。けれど。彼らの目、声、表情の一つ一つが言語を代弁した。 深い感謝と尊敬の心が空気を介して伝わってきた。
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影の中に隠れて見ていたベルが旬に声をかけてきた。「王よ、多くの民が我が王に心から畏敬の心を送っています」
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「そんなことはない」
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「王も手をあげて人々に応えるのが良いかと」ベルは非常に誇らしげに語った。
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最初は困惑していた旬だが、このように多くの人々が自分を見に来てくれた。再び人々 に向かって背を向けた旬が躊躇いながら手を左右に振った。
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すると拍手の音が激しくなり、歓声が上がった。黙って案内を引き受けたスタッフまで横に立って激しく手を叩いた。
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「ありがとうございます!」「ありがとうございます、ハンター様!」「ありがとう」
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何も見えない廊下をじっと見つめていたクリストファーはテーブルの上に置いておいたワイングラスを持ってドアの前に立った。 そしてワイングラスを廊下に投げてみた。
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ガラスが割れた瞬間、不気味なオーラが背筋をかすめ過ぎていった。あってはならないことが起こったと悟った。
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彼の鋭い感覚が危険を警告していた。これまで一度も経験したことのないタイプの危険性。彼はすぐに動いた。ベッドサイドに走って行った彼は引き出しの中に入れておいたボロボロの手紙を取り出す。
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書かれている内容はこうだった。助けが必要な場合、ここにご連絡ください。後藤韓国ハンター協会長が彼に接触してくれるでしょう。
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彼に連絡すればミスター水篠の支援を受けることができる。何も知らずに日本に渡った水篠をクリスは数日中に死亡報告を聞くことができたであろうと考えてた。
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しかし、彼の召喚獣と活躍を聞いてから考えが変わった。クリストファーは急いで番号を押した。 いや、押そうとした。しかし、背後に感じられる人の気配に彼の指が止まった。助けを求める自分の状況はすでに遅かった。
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「あなた達は誰か?」目の前に1人。そして背後と壁の向こう側に1人ずつ。全部で3人だった。
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クリストファーの額に汗が生じた。
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目の前の男から声が流れた。「人間は周囲を警戒しながら戦おうとする、しかしそれでは誰も助かることが出来ないだろう、光輝の破片よ」
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この世界ではないような奇妙な声だった。
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「魔獣か?」目を見開いたクリストファーが叫んだ。「一体何を言っているんだ!」
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興奮したクリストファーの目の前の男は、人差し指を立て自分の唇に付けた。「覚えてもお前には話せない」
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男が喋る流暢な英語でクリスの目が大きくなった。人間の言葉と魔獣語を自由に使うことができる人間。
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しかし、一つ明らかになった。目の前の男は今、自分を完全に見下しているということ。
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クリストファーの目から赤い閃光が飛び出し、全身が激炎に包まれる。赤く変化した彼の体がますます大きくなる。全身を炎にまとった彼の姿は、まさに化身!4メートルは 充分に超えるモンスターに変化した。
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「少なくとも、あなた方のうち1人は、私の手で死ぬのだ!」クリストファーが繰り出す拳が壁と衝突して爆発を起こした。
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壁を避けて後方に後退した二人の姿が現れた。「霊体化?人間が霊体化を?」
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彼らは変化したクリストファーの姿に興味深い視線を送った。
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クリストファーは人類最悪の災害であったレイド以来、初めて死を覚悟した。
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彼を取り巻く炎が爆発し激しく周りの全てのものを飲み込み始めた。 四方が炎に巻き込まれていくとき、火花の中心から轟音が地軸を揺るがした。「いくぞ!このクソ魔獣共!」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
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旬が搭乗した飛行機の隣の席に偶然知っている人物が座っている確率はどのくらいになるか?乗組員の案内に沿って、ファーストクラスに移動した旬は隣の乗客の顔をじっと眺めて冷たい口調で尋ねた。
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「まさかこれは偶然だと言い張るのですか?」
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「そう思っていただきたいですが、どうしても無理でしょう?」青い目の外国人の口から流暢に流れ出てくる韓国語はいつ見ても違和感を感じる。
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旬は彼から視線を離さず座った。「また会いましたね、アダムホワイト氏」
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「再びお会いできて光栄です、水篠ハンター」
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アメリカハンター局の上級エージェントアダムホワイトは初めて会った時と同じような笑顔でぺこりと頭を下げた。
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アダムホワイトが感心した。「一度お会いしただけなのに、私の名前を覚えておられるのですね。」
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「その最初の出会いがあまりにも強烈でしたので」
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「そのことは本当に申し訳ありませんでした。セルナー夫人の影響力が及ばないハンターさんがいらっしゃるとは思いもしませんでしたので」
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今となってはどうでもいい事だ。ただ一つ気になるのは、ハンター局のエージェントがどうして再び現れたのか?
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「交渉は決裂したのではなかったでしょうか?」旬の声が低くなった。
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するとアダムの顔から笑顔が消えた。「連絡もなくこのようにお伺いする事は本当に申し訳ありません。しかし急を要する状況が生じました」
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旬はふと、アメリカ東部に浮かんだS級ゲートのニュースを思い出した。
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「まさか、アメリカのS級ゲートもダンジョンブレイクが?」
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「ああ!違います。その件はうまく解決しました」
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もしかしたら巨人の王を倒した事と関連のある問題ではないのだろうか?
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アダムがノートブックを取り出した。ノートパソコンの画面に浮かべた映像では、大規模な山火事が起こったように黒煙が沸いていた。アダムは旬にノートパソコンを渡した。
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旬は映像を注視した。 消防士はますます強まる炎を消火出来ず苦労していた。それは魔力が込められた火花だった。消防士はパニック状態だった、どのような方法を動員しても火花は弱まらず、むしろ勢力を広げていく。
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そして到着したヘリコプターで魔法系ハンターが降りた。彼らは水属性魔法を浴びせた。魔法の水しぶきが数十回強打し炎が徐々に薄れていった。
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旬はその場面をよく見てみた。この炎を生み出した人は超最上級ハンターだ。魔法の威力を見たところ明らかに超最上級ハンターだった。
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大勢の最上級ハンターが全力を出してようやく制圧が可能だった火花。いつのまにか映像は終わりに近づいていた。
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再生時間が残り少ない映像に旬は怪訝そうに尋ねた。「これを見せた理由は何ですか?」
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確かに興味深い映像ではあるが、アメリカで起きた火災のために自分を訪ねてくるのは話にならなかった。
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アダムは手を伸ばし映像を最後の部分に移動した。
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火の震源地が姿を現した。その中心にうつ伏せの死体したがあった。生きているかどうかを確認する必要はなかった。心臓があった場所はポッカリと穴が空いていたからだ。
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彼の起こした火を消すために1,800人の消防士と14人の魔法系ハンターのが要請された。
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それも最上級ハンターたちだ。使用者が死んでから、残りの火を消すために最上級ハンター14人が全力を尽くした。
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旬は横になっている人が誰なのか微かに知ることができるようだった。
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「やっぱり知ってますね。彼がクリストファー・リードハンター様です」
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旬の目が大きくなった。とんでもないことだ、国家権力級という世界最高のハンターの一人が誰かに殺されたと?
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映像の終わりには、消防士がクリストファーの死体を正面にひっくり返した。するとクリストファーの状態をより明確に把握することができた。胸の穴だけでなく、体のあちこちにひどい傷が残っていた。明らかに誰かと交戦した痕跡だった。
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アダムは懐から写真を数枚を取り出して話を続けた。「ハンター局で最も有力な容疑者と考えているものの写真です」
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男女、あるいは人ではなく物を指すようなアダムの口調に怪訝な目つきを送った旬の視線が彼の渡す写真に向かっていく。
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アダムの目が丸くなった。旬は「支配者の力」で引き寄せたアダムの胸ぐらを掴んだ。
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鼻と鼻が合うほど近くなった状態で、旬が声を非常に低くし言った。「これは何の冗談だ」
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単なる脅迫ではない。本気で殺意をアダムに向ける旬。アダムは必死になり本当だと伝える。
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アダムが訴えた。「写真の中の人物はダンジョンから出てきました!」
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「ダンジョン?」アダムの胸ぐらを握った旬の手が少し緩んだ。
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「彼の魔力の波長は魔獣のようでした」
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旬の視線がアダムの手から離れて底に置かれた写真に向かった。監視カメラに撮られた人は、旬の父であった。
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ダンジョンから出てきた父が、ハンターを殺害した?混乱している旬にアダムが少し説明を加えた。
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「数ヶ月前のアメリカハンター局の爆発事故を覚えていますか?」
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どうしたら忘れることが出来るだろうか。世界が震撼した事件を。
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「その事件は父が起こしたのか?」
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アダムがうなずいた。「彼は私たちのハンターを倒し、潜伏しました。その後、ハンター管理局が極秘裏に彼の後を追いましたが、まるで蒸発したように痕跡を見つけることができませんでした」
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旬は黙々とアダムの説明を聞いた。
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「水篠ハンターの心中は理解します。しかし、確かに彼は容疑者として指名に値する全ての条件を全て備えています。既にハンターを攻撃した前例があり、S級ハンターをはるかに超えるほど強く、まだどこにいるか行方さえはっきりしていない」
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旬の目が細くなった。「じゃあ、あえてこの写真を私に示した理由は何ですか?」
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「国際ギルド会議」
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「ハンター局上層部で全世界のハンター代表が一堂に集まる今回の国際ギルド会議で彼の手配書を配布する予定です」
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今回の事件で、国家権力級ハンターと呼ばれる貴重な人材を失い怒ったアメリカ政府が、手段と方法を総動員して犯人を捕まえる。その意味でギルド会議はうってつけの方法だった。
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「私達アメリカハンター局は水篠ハンターと良好な関係を維持したい。だから、公開手配前にまず事実をあなたに知らせに来ました」アダムはかろうじてそう答えた。
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ギルド会議で突然父の顔が出てきた場合、水篠ハンターも動揺するだろう。それがダンジョンで帰ってきた父親、又は、父の姿を模した偽物であってもだ。
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旬の沈黙が続いた。アダムの訴える力強い目つきと声に嘘は無かった。
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父の姿をした「それ」は、現在アメリカ国籍になった韓国人ハンター右京将人の首を足で押さえつける写真が証拠として残っていた。
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「どうか、こういう対応しか出来なかった私たちの事情を理解していただきたいです。」やっと旬が胸ぐらを掴むのを止めた。
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旬は再び写真を拾った。どう見てもそれは間違いなく父の顔であった。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
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旅客機は無事仁川空港に到着した。旬は隠密で空港の周りを埋め尽くした記者を避けて賢太に電話をかけた
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父親が全快したからか、賢太の声は前より明るくなっていた。
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「俺は来週にアメリカに一度行ってくる」
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状況が変わった。父の情報を確認しなければならない。その為には国際ギルドに参加する事が大事だ。
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「アメリカ行きのチケットを2枚用意してくれないか?」旬は賢太にお願いした。
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すぐに迷いの無い答えが返ってきた。「じゃあ往復で2枚準備しておきます、兄貴!」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
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起きようとして、足下がふらつく様子を見て、ボディガードのハンターがアダムを心配した。
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専攻の犯罪心理学のおかげで、ひどい犯罪者たちをたくさん尋問してみた。しかし、人がこれほどまでに怖かったことは生まれて初めてだった。冷静に首を締めてくる水篠ハンターの目つき。
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写真を見せる前と後の水篠ハンターは明らかに別人だった。しかし、それよりも驚くべき事実は別にあった。
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アダムがハンターたちに尋ねた。「先ほど水篠ハンターは手を動かさずに私の首を絞めなかったか?」
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上級ハンター二人がアダムの質問にうなずいた。
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「やっぱり!」アダムは驚愕した。自分は間違っていなかった。彼は念動力を使うことができる。これまで念動力は国家権力級ハンターだけの専用スキルだと思っていた。
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ところが、水篠ハンターは難なく念動力を駆使していた。
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アダムは 鳥肌が出た。国家権力級ハンター5人の他で最初に発見した念動力スキル保有者であった。
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「こうしている場合ではない!」彼は震える手で電話をした。
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何度か鳴ってから副局長のマイケル・コナーが電話を受けた。
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アダムが震える声を抑えて言った。
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「国家権力級に相応しい6人目のハンターを見つけました」
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