こんにちは、ちゃむです。
「優しいあなたを守る方法」を紹介させていただきます。
今回は１０９話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
神聖帝国の聖女の娘、レティシャ。
だが、彼女は母に虐待を受けて育った。
母の企みにより、かつて母に兄を殺されたゼノス公国の王子、ディトリアンと結婚することになる。
しかも彼を半年以内に殺さなければ自分が死ぬという呪いをかけられてしまう。
結局互いの気持ちを知らぬままディトリアンは死んでしまう。
しかし、気がつくとレティシャはディトリアンと結婚する前の過去に戻っていた！
愛するディトリアンを救うため、運命を変えることを誓うレティシャだったが……
レティシャ：本作の主人公。
ディトリアン：ゼノス王国の皇太子。レティシャの結婚相手。
ヨゼフィーナ：神聖帝国の聖女。レティシャの母親
ノエル：レティシャの１人目の翼。アフィンの恋人。
アフィン：レティシャの２人目の翼。ノエルの恋人。
バネッサ：レティシャの３人目の翼。ゼノス王国の騎士。
カリスト：レティシャの４人目の翼。神聖帝国の皇太子。
マノ：ゼノス王国皇后。
ユルケン：ゼノス王国騎士団長。
エノック：ゼノス王国騎士団員。
ディニュート：女神。
ジグムンド：ゼノス公国を守るドラゴン。
リーヒル：ヨゼフィーナの長男。
１０９話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- side ディトリアン
ゼノス公国。
闇に沈んだ執務室。
部屋の中を照らす光は月明かりだけだった。
青々とした夕空に向かい、ディトリアンは当惑した表情で紫色の宝石を見下ろす。
ゆっくり光る通信機。
その光が意味することを自分の目で見ながらも到底信じられなかった。
「レティシアが過去に戻ってきたって？」
カリストの作った通信機は確かに画期的だったが、限界がある。
帝国と公国のように距離が離れている時は音ではなく光だけで情報を伝達することができた。
光が点滅する間隔と回数で文字を表現する方式だ。
それで最初はアフィンが伝える文字の意味を自分が間違って解釈したと思った。
ところが違った。
紫色の平たい宝石はゆっくりとだが確実に同じ意味を繰り返し伝えている。
レティシアは過去に戻ってきた。
そして、過去を繰り返さないために現在を生きている。
「一体、これは・・・」
通信機が情報を伝える方式の限界上、これ以上詳しい話を聞くことはできない。
だからといって衝撃の重さが軽くなるわけではなかった。
「レティシアがもう一度人生を生きているなんて」
頭の中はメチャクチャだった。
その一方で、レティシアの行動中に微妙だった部分の意味が合致することを感じた。
ヨゼフィーナに虐待されていた彼女が秘密の通路を通ってエノックを救ったこと。
母親が初夜を確認する人を送るから、備えなければならないと言ったこと。
テノワが泉を汚染した時、水の問題を解決する方法を先に提案したこと。
そして、もう一つ。
『殿下はやっぱり優しいですね』
『私も知っています。私が不便だということを』
自分を経験したこともないのに、何度も重ねて自分の感情を確信したこと。
衝撃の中で、その時の記憶を噛み締めていた。
まさにその瞬間、目の前が真っ黒に変わる。
ディトリアンは思わず机をギュッと掴んだ。
手のひらから冷や汗が滲み出た。
「何が起こっている？」
突然起こったことに戸惑ったのも束の間、彼はすぐに落ち着きを取り戻した。
ロザンティン。
レティシアの呪いについて初めて知った日。
目の前のすべての光が消えて、見慣れない風景が広がった。
あのおかげで呪いの条件が何なのか分かるようになったのだ。
「それがまた起こっているんだ」
状況に気づいたディトリアンが目を閉じる。
緊張はしたが怖くはなかった。
このすべてのことを行っている存在が誰なのか、今は見当がついたから。
女神ディニュート、あるいはシグムンド。
レティシアを助けている二つの超越的な存在が介入したのだろう。
「どなたですか？」
ディトリアンは暗闇の中で自分を助けようとする存在に向かって尋ねた。
「私に見せたいものがあるのですか？」
「本当に聡明だね」
しばらくすると、暗闇の中で低い笑い声が聞こえてきた。
若い男の声でディトリアンは唾を飲み込んだ。
「シグムンド様なのですね」
シグムンドの声を聞いたのは今回が初めてだったが、彼は確信できた。
「気になることが多い表情だね。けれど、全部答えてあげることはできない。因果律はどこでも私たちを見守っているから、私たちはむやみに運命に介入できない」
「因果律の制約のことでしょうか？」
「制約を克服する方法がないわけではないが、欺くことはできない。今になって私のように罪のない命を奪うことはできない。だから難しくても、ぐるりと帰ってこなければならなかったのだ。私たちが介入を最小限に抑えれば、因果律も目を瞑ってくれるから」
実に不思議なことだった。
見えないのに闇の中でシグムンドが笑っていることが分かる。
「待って、待って。一時は漠然としていたが、今は違う。君たちがよくしてくれたおかげでここまで来られたから」
依然として制約が存在するためか、シグムンドは詳しい話を避けた。
それでもディトリアンはシグムンドが何かを言いたいということを理解する。
因果律の制約のため積極的な介入は難しいが、ディトリアンが手かがりを見つければ、その手がかりを口実に彼を助けることができるという。
「ということは、つまり」
ディトリアンの声が少し震えた。
「今、私は非常に重要な手がかりを見つけたという意味ですね」
シグムンドは暗闇の中でただ笑っていた。
「それでは伺います。レティシア、私の妻が過去から戻ってきたそうです。彼女の過去を教えてください」
「慎重だと思ったら性急なところもあるんだね。確かに、慎重であることが常に美徳とは限らない。迷いが私たちの足を引っ張ることも多いのだから」
「シグムンド様、私には時間がありません」
「急ぐな。私が見せなくても分かるはずだよ。君の血筋が君に答えをくれるだろう」
「それはどういう意味ですか？」
「ディトリアン、君はギリアードだ」
「・・・！」
「ようやく君の力が目覚めたから、すべての真実が君の前に広がるだろう」
そしてその言葉と同時に、白い光が瞬く間に彼の視界を飲み込んだ。
「君の兄の選択がすべてのことの始まりだった」
帝国の見知らぬ宴会場、彼の兄ユリオスが立っていた。
ついにディトリアンがシグムンドと出会いました。
そして彼がギリアードだという事実が判明。
ユリオスの行動がすべての始まりという意味が非常に気になります！
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