こんにちは、ちゃむです。
「優しいあなたを守る方法」を紹介させていただきます。
今回は115話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

神聖帝国の聖女の娘、レティシャ。
だが、彼女は母に虐待を受けて育った。
母の企みにより、かつて母に兄を殺されたゼノス公国の王子、ディトリアンと結婚することになる。
しかも彼を半年以内に殺さなければ自分が死ぬという呪いをかけられてしまう。
結局互いの気持ちを知らぬままディトリアンは死んでしまう。
しかし、気がつくとレティシャはディトリアンと結婚する前の過去に戻っていた!
愛するディトリアンを救うため、運命を変えることを誓うレティシャだったが……
レティシャ:本作の主人公。
ディトリアン:ゼノス王国の皇太子。レティシャの結婚相手。
ヨゼフィーナ:神聖帝国の聖女。レティシャの母親
ノエル:レティシャの1人目の翼。アフィンの恋人。
アフィン:レティシャの2人目の翼。ノエルの恋人。
バネッサ:レティシャの3人目の翼。ゼノス王国の騎士。
カリスト:レティシャの4人目の翼。神聖帝国の皇太子。
マノ:ゼノス王国皇后。
ユルケン:ゼノス王国騎士団長。
エノック:ゼノス王国騎士団員。
ディニュート:女神。
ジグムンド:ゼノス公国を守るドラゴン。
リーヒル:ヨゼフィーナの長男。

115話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 自分がすべきこと
(カイラスが本当にここに来たんだ)
カイラスを引き出すために、レティシアは自らを「聖女」と称して皇帝に謁見を求めた。
カイラスが彼女の翼なら、私の消息を聞いて姿を現すと思ったのだ。
確率を高めるために帝国新聞社を利用することさえした。
彼女の計画は成功した。
精霊たちの前に姿を現したカイラスが精霊の後を追ってここに来たのだ。
ただし、完璧な成功までにはまだ段階が残っている。
カイラスは、いつ頃私の前に現れてくれるのだろうか?
気持ちとしては、すぐに駆けつけてカイラスを迎えに行きたい。
声を上げて彼女の名前を呼びたい。
しかし我慢した。
「私はカイラスがレティシア様の前に現れない理由が分かる気がします。きっと罪悪感のせいでしょう」
「罪悪感って?」
「私がレティシア様の翼で覚醒した時、そうでした。レティシア様の前に出るのは夢にも思わなかったです」
アフィンは言った。
「本当の主人に気づかないまま数年を無駄にしたじゃないですか。自分の義務を果たせなかった翼に平穏な未来はあってはならない、と思いました」
「だけど、アフィンは結局私の前に現れてくれたじゃないですか」
「公国へ一緒に移動中で、テノワという敵に立ち向かわなければならないという特殊な状況のためでした。カイラスのように最初からレティシア様と離れていたら、そうはできなかったでしょう。だからカイラスを一度は待ってほしいです。無駄に近づくとかえって逃げようとするかもしれませんからね。最悪の場合、自身の命を絶ってでもその罪を返そうとすることもあります」
ひざ掛けを握ったレティシアの手に力が入る。
「そうだね。アフィンの言うとおりに一旦待とう」
正直もどかしかった。
カイラスを呼んで問い詰めたかった。
罪悪感なんて感じないで、あなたも被害者じゃないかって、私が経験した苦痛はあなたと何の関係もないって。
カイラスがアフィンの予想とは裏腹に彼女の前に出ることを願うだけ。
アフィンが別の椅子を持ってきて、カイラスのいる方を眺めた後、呟いた。
「やっぱり思ったより時間がかかりそうですね」
「カイラスは私たちを見ているのでしょうか?」
「そうだと思います。高い確率でレティシア様の安否を探るためにここに来たはずですから」
「私の安否をですか?」
「そうですね」
アフィンは頷いた。
「ずっとレティシア様に会いたかったと思います。どうしても前に出る勇気がなくて遠いところで見守っているだけ」
彼は優しく微笑んだ。
「やっぱり、レティシア様の思い通りテラスで待っていて良かったですね。私の望み通り部屋にいらっしゃったら、カイラスはレティシア様に会えなかったでしょう」
「じゃあカイラスは・・・」
「とても焦って、レティシア様が出てくるのを待っていたはずです。もし風の精霊が自分を発見するのではないかと心配しながら」
その瞬間、レティシアは自分がすべきことを悟った。
自分の翼が罪悪感のために苦しんでいるなら、主人として何をすべきかを。
(カイラスの罪悪感を減らさなければならない)
たとえその方法が翼が望む方式でなくても、できるだけ早く動かなければならない。
決心を終えたレティシアは、しばらく暗闇の中を眺めた。
さっきアフィンがカイラスがいると言った方角に。
(目が合ったかな?)
分からない。
女神の力を使うけど、他の翼のように平凡な人間を超える肉体的能力なんて無かったから。
(構わないわ。それは直接聞けばいいから)
そう思ったレティシアはアフィンの裾を掴んだ。
「ああ、寒いです」
「え?」
驚愕したアフィンがパッと立ち上がった。
「今寒いと仰いましたか?やっぱり、中に入った方が・・・」
「そうしますね」
予想より簡単に受諾するレティシアの反応に、アフィンは当惑して彼女を眺める。
「今すぐ入るんですか?」
「はい」
レティシアは頷いた。
アフィンが渡してくれた毛布を掴んで椅子から立ち上がった。
「温かいココアが飲みたいですね」
「もちろん今すぐご用意いたします。あ・・・」
アフィンはレティシアをエスコートし、チラリとカイラスの方を見る。
光がなくてカイラスは見えなかったが、彼女の表情が描かれているようだった。
やっと出会えた主人がいなくなるのを知って、とても焦っているはずだ。
(しょうがない)
レティシアの前に出る勇気がなければ、甘受しなければならない。
今この瞬間だけはカイラスよりレティシアの寒さがもっと重要だった。
「あ、そしてアフィン。お願いがもう一つあります」
レティシアはテラスのドアを閉め、アフィンを見る。
「5番目の翼が今すぐ私の前に現れるように助けてください」
その言葉にアフィンは驚いてレティシアを眺めた。
「本気ですか?」
「これは命令です」
レティシアがニッコリ笑って話す。
「さっき言ったように、手段と方法を選ばずにカイラスを私のところに連れてきてください」
カイラスを連れてくるように命令するレティシア。
早く合流できることを期待しています!







