こんにちは、ちゃむです。
「優しいあなたを守る方法」を紹介させていただきます。
今回は89話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
神聖帝国の聖女の娘、レティシャ。
だが、彼女は母に虐待を受けて育った。
母の企みにより、かつて母に兄を殺されたゼノス公国の王子、ディトリアンと結婚することになる。
しかも彼を半年以内に殺さなければ自分が死ぬという呪いをかけられてしまう。
結局互いの気持ちを知らぬままディトリアンは死んでしまう。
しかし、気がつくとレティシャはディトリアンと結婚する前の過去に戻っていた!
愛するディトリアンを救うため、運命を変えることを誓うレティシャだったが……
レティシャ:本作の主人公。
ディトリアン:ゼノス王国の皇太子。レティシャの結婚相手。
ヨゼフィーナ:神聖帝国の聖女。レティシャの母親
ノエル:レティシャの1人目の翼。アフィンの恋人。
アフィン:レティシャの2人目の翼。ノエルの恋人。
バネッサ:レティシャの3人目の翼。ゼノス王国の騎士。
カリスト:レティシャの4人目の翼。神聖帝国の皇太子。
マノ:ゼノス王国皇后。
ユルケン:ゼノス王国騎士団長。
エノック:ゼノス王国騎士団員。
ディニュート:女神。
89話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 我慢できない
公国の人々はレティシャが昨夜姿を消したことは知らなかった。
代わりに彼女が夕方に倒れたことだけを知っている。
「殿下が倒れたという話に皆さんとても心配していました」
公国使節団だった人々は、彼女が目覚めたという知らせを聞くやいなや駆けつけた。
王城に帰ってきたので、みんなキラキラした鎧を着ている。
「お医者さんの診察は受けましたか?」
「はい、何の異常もないそうです。とても健康体だって言ってましたよ」
それにもかかわらず、彼らはレティシアへの心配を振り払うことができなかった。
笑いながら彼らを安心させる中でも、レティシアの神経は他の方向に集中する。
帝国にいる翼に対する心配だった。
そんな中、ユリアの言った言葉に反応する。
「ユリア?今結婚式だと言いましたか?」
「はい。殿下が結婚式の準備を命じました。お知らせを聞きましたか?」
「いいえ、全然です」
「昨日宰相閣下と話を交わした後、決定されたようです」
「おめでとうございまう、妃殿下」
「公国の結婚式、楽しみにしていてください。帝国での結婚式とは全く違うはずですから!」
「私たちが世界で最も完璧な結婚式を作ってあげます」
騎士たちのお祝いを受けながらも、レティシアはずっと心が不自由だった。
最初は自分の心がどうして不便なのか分からなかったが、すぐに理由を悟る。
(結婚式をしたら、公国の人たちに夫婦として認められるってことよね)
すでに夫婦として認められている。
しかし、レティシアはいつでも頭の中で二人の関係が終わる可能性を念頭に置いていた。
公式的な手続きは何であれ、出来るだけ先送りにしたい。
ギリアードの夢を信じているが、確証はないのだから。
(一応、ディトリアンと話をしてみないと)
騎士たちが去った後、ディトリアンが戻ってきた。
レティシアはすぐに結婚式について尋ねると、彼が快くうなずく。
「そうですね。結婚式の準備を命じました。おそらく近いうちに大臣が訪ねてくるでしょう。結婚式はあなたの好みに合わせたいので」
ディトリアンは優しく笑いながら彼女の指に唇を押した。
「公国の王妃になったあなたへのプレゼントです」
「あ・・・、そうだったのですね」
指の間をかすめる暖かい息遣いに、レティシアは思わず肩をすくめる。
大したことない動作なのに、なぜかお腹の中がむずむずする感じがした。
思わず手を引っ込めようとするが、ディトリアンの方が早い。
彼はいつの間にか彼女の手に指を絡めてじっと見上げていた。
「もしかして結婚式をしたくないのですか?」
「え?」
「不便そうですので」
「あ、それは・・・」
躊躇ったレティシアが慎重に口を開く。
「まだハッキリしているわけではないでしょう?」
「え?」
「まだ私たちの関係が続くかどうか、確かではないですから」
ディトリアンはしばらく黙った後うなずいた。
「ああ、そうですね。これから私たちがどうなるか分からないから。半年後には別れるかもしれないから。そう言うことですよね?」
それまで、レティシアは大したことではないと思っていた。
より正確には、帝国にいる翼の心配が頭の中に充満していたのだ。
「限界ですね」
その時、ディトリアンが突然言った。
「もう我慢できません、レティシア」
そう言った彼がしきりに笑いを流す。
レティシアは当惑して彼を見下ろした。
頭の中の他の考えが一瞬で消え去ってしまう。
「殿下?」
「あなたを慕っています」
「・・・え?」
「あなたを慕っています、レティシア」
ディトリアンはゆっくりと頭を上げた。
彼の瞳は、まるで真っ黒な炎のようだった。
「私が、あなたを愛しているということです」
レティシアは彼の言葉が全く理解できなかった。
いや、理解はできたが、なぜその話を今するのか分からなかったのだ。
「殿下、ここには誰もいないのにどうして・・・?」
「そうですね。誰もいません。あなたと私、二人だけです」
「じゃあ、どうして?」
「だから言っているのです」
ディトリアンの声が低くなる。
「人を騙すための演技ではなく、心からあなたを愛しているから言う言葉です。もっとも、今まで一度も演技をしたつもりはありませんが」
ディトリアンはニヤリと笑いながら呟く。
すぐに彼の顔から笑顔が消える。
彼はまだ自分の言っていることを理解していないレティシアの手に指を絡めてゆっくりと囁いた。
「帝国にいた時から、あなたを愛していました。毎瞬間、あなたをひどく望んできました。今この瞬間も、やはりそうです。その間はあなたが逃げるのではないかと私の心を隠していましたが、もう限界です」
その時になってようやく、緑の瞳に衝撃が広がる。
そんな彼女に向かって、彼はニッコリと笑った。
「私の心に背を向ける気も、逃げる気もしないで、レティシア。全部知っているから。今、聖女があなたにかけた呪いも含めて」
ディトリアンは優しく笑いながら囁く。
彼女があれほど愛した優しい笑顔とそっくりだった。
それでもレティシアは全身の血が全て抜けていくような感覚に陥る。
ディトリアンがレティシアに自分の想いを全て打ち明けました。
帝国にいる翼も心配ですが、レティシアの反応も気になるところですね。
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