こんにちは、ちゃむです。
「悪役に仕立てあげられた令嬢は財力を隠す」を紹介させていただきます。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
97話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 悪女の勝利
ジキセンと前公爵の状態、そして彼らが精神病院へと入院した一報を世間に知らせると同時に、私は正式にプリムローズ公爵代行の座に就いた。そこには、これからの家門の存続を私に懸けた家臣たちの、圧倒的かつ積極的な支持があった。
「家族が犯した罪の残滓は、私がすべて、この手で清算いたします」
私は他でもない、大罪人リリカから皇帝陛下を救い出した救国の英雄だった。それまでプリムローズ家へと注がれていた冷ややかな非難と蔑みの目は、私の代行就任とともに、瞬く間に鳴りを潜めていった。
時が流れ、すっかりうららかな春を迎える頃には、私は公爵代行という仮初めの肩書を外し、名実ともに領民から慕われる『プリムローズ公爵』となっていた。その間、皇帝の命を繋ぎ止めたエリクサーのおかげで、私の周囲のすべてが良い方向へと回り出していた。
恩師であるダニテル錬金術師と共に、皇宮から直々に最高栄誉の賞を授与されたりもした。致命傷を負った皇帝を完全に救ったという厳然たる事実は、私が率いる医薬産業に、計り知れないプロモーション効果をもたらしたのは言うまでもない。
「人の命を救うことでいただいたお金ですから、やはり、苦しんでいる人のために使いたいです」
私は皇帝から賜った莫大な賞金を、最も意義あることに使うと決めた。かつてリリカや神殿が放置してきた、凄惨な火傷を負った患者たちや、酷い皮膚病に喘ぐ貧民街の人々に、我がギルド特製の軟膏を無償で配ることにしたのだ。それだけでなく、現在のポーション(水薬)では治療が不可能とされてきた難病分野の研究にも、公爵家の予算を惜しみなく分配した。
「お金があったとしても、私利私欲を捨ててこれほどの大事業を簡単にできることではありません。プリムローズ公爵、あなたは真に素晴らしいお方だ」
「私の拙い志を、そのように好意的に受け止めてくださり感謝いたします」
「もしよろしければ、私も公爵様とその高潔な志を共にさせていただけないでしょうか。微力ながら、財閥の力を貸したいのです」
私が慈善活動を始めるという噂が社交界や平民の間に広がると、これまで社会の光が届かなかった暗い死角に、温かなスポットライトが当たり始めた。ありがたいことに、私と共に後援(スポンサー)として名乗り出てくれる高位貴族や大商人たちも次々と現れた。
そう、すべてが、恐ろしいほど順調に通り過ぎていっていた。
前世で私を理不尽に陥れ、残虐に殺した物語の主人公(リリカ)と、彼女に盲従して私を虐げた家族たちは、もうこの世界から完全に消え去った。
今や『お荷物公女を愛してください!』という歪んだ物語の舞台には、悪女の姉である私だけが、勝者として残されている。
「苦労をかけたね、私たちの愛しい娘(ユリア)」
いや、私一人ではない。本来の歴史なら、リリカたちのせいでとっくに息を引き取っていたはずの、私の最愛の母親も一緒に。
「あなたはいつも忙しそうにしていたもの。それでも、こうして数日だけでもお仕事を休んで、私の側にいてくれるようになって本当によかったわ」
今夜は久しぶりに、母の寝室を訪れ、一緒に眠ることにした。
大きな理由なんてない。ただ……すべての復讐を終えた今、少しだけ、母の温もりに甘えたい気分だったのだ。私はシルクの柔らかい寝具をかき分けながら、母の方へと、もぞもぞと幼子のように這っていった。
「お仕事をしている時のあなたを見ていると、すっかり頼もしい大人になったと思うけれど……こうして甘えてくる姿を見ると、やっぱり私たちの可愛い赤ちゃんね」
「お母様、こんなに大きくなった赤ちゃんがどこにいるんですか? 赤ちゃんと言うなら、普通は生後何ヶ月かで数えないと……」
「そうね、うちのユリアはまだ、生後200ヶ月くらいにしか聞こえないものね?」
「世の中に200ヶ月を超えた赤ちゃんがどこにいますか! 想像したら気味が悪いわ」
「あら、どうして自分の母親に向かって、そんな可愛げのないことを言うのかしら?」
私と母は、どちらからともなくキャッキャと少女のように声を上げて笑い合った。その後も、ある意味では他愛のない、けれど胸が締め付けられるほどささやかで愛おしいおしゃべりが続いた。
「はぁ、幼い頃も今も、耳の裏を触るとくすぐったがって嫌がるところは本当に変わらないわね」
「申し訳ありませんが、さっきのはお母様の手の力が強すぎたんですよ」
「あなた、前髪をこうしてかき上げてあげるのも、昔から好きじゃなかったじゃない?」
「それでも、幼い頃のようにジタバタ暴れたりはしないでしょ? 私も成長したんです」
そうしてどれほどの時間が流れただろうか。ひとしきり笑ってしゃべり込んでいるうちに、いつの間にか夜はしんしんと更けていた。
母はくすぐったい耳の裏を避けて、私の金色の髪を優しく、愛おしそうにそっと撫でてくれた。昼間、公爵としての重圧で張り詰めていた精神が、母の規則正しい鼓動を聞いているうちに、心地よくほぐれていくような気がした。
「明日はどこに遊びに行くの?」
「エノク皇太子殿下と、オペラを観に行く予定です」
「あなたが自分のために外へ遊びに出かけるなんて、本当に珍しいわね」
私は小さく首を縦に振った。
事実、前世で時間を巻き戻して回帰してくる前の私は、人々の前に立つことをそれほど恐れてはいなかった。周囲を拒絶し、消極的で臆病になってしまったのは、信じていた家族に裏切られ、冷酷に殺されてからのことだ。
そんな私の心の奥底にある傷に、気づかないふりをして過ごすこともできたはずなのに、母はとうにすべてを深く察していたようだった。
「でも……今はもう、大丈夫です」
「そんなに今にも泣き出しそうな表情(かお)をしながら言うの?」
自分が今、どんな表情をしているのか分からなかったが、私は母に余計な心配をかけまいと、首をぶんぶんと横に振った。
「いいえ、本当に人がたくさんいる外の世界も、もう恐ろしくはないんです。ただ……ふと、そんな気がして。最近あまりにもすべてが順調にいきすぎているから、この温かな幸せが全部、私が死の間際に見ている都合の良い夢だったらどうしよう、なんて。そんなありもしないことを、少し考えてしまって」
口にしてみると、あまりにも未練がましい弱音を吐いてしまった気がしてハッとした。
もうこれ以上、リリカやジキセン、そして前プリムローズ公爵が私の人生を邪魔することはない。リリカは地獄へ落ちたし、あの二人の男は防音壁で囲まれた病院のベッドで、一生世間から忘れられて朽ちていくはずだ。
(それで十分なのに、私はいつまで過去の亡霊に怯えて、泣き言ばかり言っているの)
さっきまでは「大人になった」なんて言っておきながら、これでは無駄に母を不安にさせるだけではないか。私は気まずさを隠すため、わざとサバサバとした明るい笑みを浮かべてみせた。
「はは、お里が知れるというか、私もだんだん図々しい甘え上手になってきましたね」
けれど、母は私の誤魔化しの言葉に、すぐには答えなかった。ただ、私の犯した罪も、傷も、すべてを包み込むように、いつもの慈愛に満ちた表情で見守ってくれるだけだった。
「私はね……ユリア、お前がどんな姿であっても、何を選択しても、心から愛しているよ。それを分かってくれたら、母は嬉しいね」
「……」
「この母は、いつでも、どんな時もお前の絶対の味方だからね」
「……」
撫でてくれる母の手の温もりが、じんわりと胸の奥に染み込んでいく。
その絶対的な肯定の言葉を最後に、私は母親の細い胸にそっと抱かれた。張り詰めていた心を優しくなでてくれるような、温かい言葉のせいだろうか。
「我が子よ、これまで本当に、本当によく頑張ったね」
そうだ。これまでに本当に……孤独で、血を吐くようなたくさんのことがあった。
すべてを終わらせてせいせいした気持ちもあり、すっきりした気持ちもある。だけど、一度残酷に殺されて、もう一度同じ苦しみと恐怖のルートをなぞるということは、人知れず狂ってしまいそうなほど辛くもあったのだ。
(それでも、私にはお母さんがいる)
ユネットの繁栄も、医薬産業の覇権も、自分を傷つけた者たちへの苛烈な復讐ももちろん大切だが……。
私が今回の人生(今世)で、死に物狂いで、泥をすすりながら守り抜いた最も価値ある宝物があるとすれば、それは間違いなくこの母親の命だ。
絶対的な愛。そして、絶対的な、私の味方。
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記録的な日だった。どれほど久しぶりに、深く心地よい眠りで夜の時間を丸ごと満たしてから目覚めたのか分からない。
「母上と一緒に眠ったおかげだろうか。心が完全に安らいだから?」
もちろん、この数日間ずっと寝不足だったせいもあり、心身の疲労が完全に回復したわけではなかった。今日という特別な日を思えば、もう少し長く眠り、万全の状態で向かった方がよかったかもしれないけれど。
「お越しになりましたか、ユリア様」
遠くからでも一目で彼だと分かり、まばゆく輝いて見えるのは、単に彼が純度の高い美しい金髪を持っているからだけではない。
しなやかでありながら無駄のない、美しく引き締まった騎士としての体つき。袖口一つにいたるまできちんと整えられた、気高き白い皇族の祭服。
その白い祭服は、真昼の太陽の下でいっそう眩しく発光していた。
普段、私と会うときは、暗殺の危険や公爵家の目を避けるために正体を隠すフードを深く被ったり、ユネットの建物の近くで人目を忍んで馬車を降りたりしていた。そのため、これほど堂々と人々の畏怖の視線を集める彼の、本来の姿を見ることは滅多になかった。
(あの恵まれた身長に、あの圧倒的な美しい顔立ちだもの。人々の視線が集まるのも……当然よね)
彼が皇太子でなかったとしても、間違いなく街中の令嬢たちの目を引く傑出した人物だった。長い間そばにいた私ですら、その端正で彫刻のように完璧な容姿に、思わず息をのんで目を奪われることがあるのだから。
だが最も驚くべきことは、これほど多くの人々の視線が激しく交錯する劇場前の中でも、予備皇太子である彼が、真っ先に群衆の中から私を見つけ出したということだった。
「私も早めに来るつもりでしたのに……」
「今来たばかりです。一瞬もお待たせしていませんよ」
人前ではどこか近寄りがたく、冷徹にすら見える彼の瞳が、私を捉えた瞬間に、春の陽だまりのように優しく柔らかく細められた。周囲の貴族たちから、小さく息をのむ羨望の気配が伝わってきたが、彼の視線は私から一瞬たりとも離れなかった。
「それより、ユリアも約束の時間よりずいぶん早く来ているじゃないですか」
まったくその通りだ。前回もそうだったし、今回もそうだ。どうやら彼は、私が遅れて息を切らせてやって来る姿を見たことがないらしい。
「もしかして、前日からここで私を待っていたんじゃありませんか?」
「どうして分かったんですか? 待ち遠しくて仕方がなかったのです」
あまりにも大真面目な顔で冗談を返されて、私は思わずクスリと吹き出してしまった。
そう、今日はついに、私たちの初めての『屋外デート』の日だった。
ずっと前から約束していたものの、これまでお互いに政治的な事情やリリカの事件が重なり、私たちは隠れるように室内や密室でしか会えずにいた。屋外といっても、せいぜい人影の少ない深夜の時間帯を見計らって訪れた私有地の植物園くらいだったのだ。
(こうして素顔のまま、人々の視線を真っ向から浴びながら、光の下を歩くのは、これが本当に初めてってことね)
予備皇太子である彼も、そして若くして公爵となった私も、何かと社交界の噂の標的になりやすく、注目を集めざるを得ない立場だった。少し前までは、帝都のど真ん中を堂々と人前で手をつないで歩くなんて、想像すらできなかったのに……。
人々の興味深そうな視線は、オペラハウスへ足を踏み入れるといっそう強くなった。
「お二人は、もう正式にお付き合いされているのでしょうか? 隠すつもりはさらさらないようですし……」
オペラハウスには多くの高位貴族が集まっていたため、私と皇太子を一目で見分けられる者も多かった。
「余計な詮索はしないでおきましょう。せっかくあんなに絵画のように美しい雰囲気なのですから」
正式な挨拶を交わした後も、周囲のバルコニー席からひそひそと熱い視線が向けられているのを感じた。
(前世の私なら、皇太子殿下と二人きりでオペラを観るどころか……ただ道ですれ違っただけでも、悪女が殿下を誘惑したと良からぬ噂を立てられていたでしょうね)
私を犯罪者のように蔑み、忌み嫌う冷酷な視線。リリカによって都合よく誇張され、尾ひれまで付けられた数々の身に覚えのない悪評の数々……。
だが、リリカの醜い陰謀はすべて白日の下に晒され、彼女は死んだ。もう、そんな過去の亡霊に怯える必要はどこにもない。
今ではこうして堂々と外を歩くことも、人々の羨望の視線を受け止めることも、何一つ怖くなかった。前世で「悪女」と呼ばれ、四面楚歌の中で惨めに追い詰められていた頃とは、魂の格が違うのだ。
――世界よ、見なさい! 私はここに、最高の勝者として存在している!
――私の人生の中で、今が最も完璧で、最も輝かしい瞬間だわ!
今日観たオペラは、想像を絶する不条理な苦難を乗り越えた主人公が、ついに完璧な復讐を果たし、至高の王座へと上り詰める物語だった。彼の長く凍てつく冬が終わり、輝かしい春が訪れたことを祝福する、壮大な旋律が劇場内に鳴り響く。
まさに王道とも言える、古典的な復讐劇の名作だった。
俳優の圧倒的な歌声は劇場いっぱいに響き渡り、苦難を乗り越えるドラマチックな演出も感動的だったが、それでも私はふと、心のどこかで意地の悪い、冷めた考えを抱いてしまう。
(もし、今この瞬間が人生の絶頂で完璧だというなら……この先はただ、落ちていくしかないんじゃない?)
そんな答えの出ない不安な問いが何度も頭をよぎる理由は、自分でもよく分かっていた。
今日は、私が過去へ時間を巻き戻して戻ってきてから、ちょうど一年になる記念すべき日だったのだ。
――もう二度と、あの地獄のような苦しみに満ちた処刑の日々へは戻らない!
――小さな英雄の時代が、今始まったのよ!
オペラの主人公が味わった苦難は、あまりにも過酷だった。
(物語の幕が降りた後も、主人公は本当に、心から幸せでいられるのだろうか? 復讐の後に残る虚無に苛まれるのではないか?)
主人公が勝利の涙を流すその横顔を見つめているうちに、どうしても前世の暗い記憶が――冷たい首の痛みが、脳裏に蘇ってくる。最近、社交界で一番人気のオペラだと聞いて、どんな内容かも詳しく知らないまま観に来たのだが、思った以上に重厚で、自分のあまりにも壮絶な境遇と重なり、深く考えさせられる作品だった。
(余計なことは考えないようにしよう。私は勝ったのだから)
そう、正直に言えば、今でも時折あの日々の恐怖を思い出して、指先がかすかに震えることはある。けれど、それもほんの一瞬だけ――。
「……!」
その時だった。
深い思考の暗い海に沈んでいた私を、現実の温かさへと引き戻すように、隣からそっと優しく触れる感触があった。
「あ……」
だが、その手は私の手を無理に握ろうとはしなかった。一度そっと私の指先に触れた後、そのまま私の手の上に静かに留まるだけ。私がその手を拒絶せず、受け入れるのを、じっと優しく待ってくれているのだ。
そして、私が拒まないことを十分に確かめてから、彼はようやく私の手を――ぎゅっと、力強く握りしめた。
まるで、自分の持つすべての温かい体温を、私の冷えた指先に分け与えようとするかのように。
もう震えるなと言いたいのか、それとも、私がずっとお前のそばにいるから、もう怯える必要はないと伝えたいのか。
「……」
私はそんな予備皇太子の、あまりにも美しい横顔をそっと見上げた。
緊張のせいか少し上気した白い頬。そして、どれほど暖かい春の季節になったとしても、それだけでは説明がつかないほど真っ赤に染まった彼の耳先。
その普段の冷徹さからは想像もつかない、不器用で愛らしい姿を見ていると、不思議と胸の奥からじわじわと熱い愛おしさが込み上げてきた。
だからだろうか。
私はほんの少しの勇気を振り絞り、自分の手の上に重ねられていた彼の大きな手を、包み込むようにして自ら握り返した。
結果として、少し不格好ではあるけれど、お互いの指が深く絡み合う、しっかりとした恋人同士の繋ぎ方になった。
今度は、彼の広い肩が、嬉しさにぴくりと愛おしく震えた。
「……」
「……」
互いに何も言葉を発しなかった。
けれど、その沈黙は少しも気まずくなかった。むしろ、言葉に形を変えなくても、お互いの手のひらを通じて伝わる確かな感情がそこにはあった。私たちはその時、ただの一言も交わさなかった。ただ、どちらからも手を離すことなどあり得ないというように、祈るようにずっと強く握り続けていた。
もう、ステージの上のオペラの内容など、一文字も頭に入ってこない。さっきまで私を苛んでいた暗い雑念も、彼の熱に溶かされるようにして少しずつ薄れていく。
私の意識のすべてはただ一つ――まるで世界すべての悪意から私を守るように力強く、それでいて壊れ物を扱うように温かな、彼の手へと向けられていた。
(本当に、不思議な人)
こんなにも複雑で騒がしい世界の中で、まるで私と彼だけの特別な空間が存在しているかのように感じさせてくれる。私の頭の中を、ただエノクのことだけでいっぱいにしてしまうなんて。
(きっと今、殿下も同じ気持ちなんだろうな)
お互いにオペラを熱心に観ているふりをして、舞台に視線を固定していても――。実際には、私たち二人とも、オペラになどこれっぽっちも集中していなかった。
「ふふっ」
時折、どちらからともなくお互いをちらりと盗み見つめ合い、ふと目が合うたびに、どちらからともなく優しい微笑みがこぼれた。
そして、その瞬間には必ず、甘く弾けるような幸せな笑い声が、二人の間に静かに、けれど確かに広がっていった。
それが、たまらなく愛おしく、心地よかった。
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プリムローズ公爵代行への就任と復讐の完遂
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ジキセンと前公爵が入院し、リリカから皇帝を救った救国の英雄である主人公(ユリア)は、家臣や民衆の圧倒的な支持を受けて正式に「プリムローズ公爵」の座に就く。
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皇帝からの賞金を使い、かつて放置されていた難病患者や火傷を負った貧民街の人々に特製軟膏を無償配布するなど、大規模な慈善活動を展開して評判を高める。
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母との温かな夜と過去のトラウマ
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すべての復讐を終えたユリアは、本来なら命を落としていたはずの最愛の母の寝室を訪れ、子供の頃のように甘えたり、他愛のないおしゃべりで心身をほぐしていく。
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「すべてが順調すぎて、この幸せが夢だったらどうしよう」と不安を吐露するユリアに対し、母は「どんな時もお前の絶対の味方だ」と深い愛で包み込み、ユリアの心を深く癒やす。
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皇太子エノクとの初めての屋外デート
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回帰からちょうど一年の記念すべき日、ユリアはエノク皇太子と共に、世間の注目を集めながら堂々とオペラハウスへ足を運び、初めての公けの場でのデートを楽しむ。
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オペラの復讐劇の重厚さに自身の過去を重ねて一瞬不安がよぎるものの、エノクとそっと手を繋ぎ合い、温かな体温と確かな愛に触れることで、恐怖や雑念が溶かされていく。
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完全なる勝利と新たな幸せ
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かつての絶望やトラウマを乗り越え、最高の結果と愛する人、そして守り抜いた母親と共に、過去の亡霊に怯えることのない輝かしい現在をかみしめるのだった。
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