潔癖症な黒幕のガイドなんて御免です

潔癖症な黒幕のガイドなんて御免です【25話】ネタバレ




 

こんにちは、ちゃむです。

「潔癖症な黒幕のガイドなんて御免です」を紹介させていただきます。

ネタバレ満載の紹介となっております。

漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。

又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

【潔癖症な黒幕のガイドなんて御免です】まとめ こんにちは、ちゃむです。 「潔癖症な黒幕のガイドなんて御免です」を紹介させていただきます。 ネタバレ満載...

 




 

25話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

  • 告白と誤解

クロードはしばらく何も言わなかった。

私も同じように、一言も口を開かなかった。

部屋の中には、ときおり私がすすり泣く声だけが響き、それ以外は何も聞こえなかった。

どれほどの時間が過ぎただろうか。

「……すまない」

ようやく彼が、絞り出すような声でそう言った。

その言葉を聞いた瞬間、自分の耳を疑った。

――あのクロードが謝った?

「私は……いろいろなことが苦手なんだ」

「……」

「センターに入った頃は……まだ自我もまともに形成されていなかった。力だけがすべての世界で生きるしかなくて……だから、人と接するときも、抑えつけて支配するやり方のほうがずっと慣れているんだ」

彼は視線を落とし、言葉を重ねた。

「……私は……ガイドも初めてで……。君みたいに小さくて、弱くて、自分をうまく制御できない存在を大切に扱うのは難しいんだ。何を考えて、次にどう行動するのかも予測できなくて、少しでも目を離したらまたいなくなってしまいそうで……だから、とにかく傍に置いておかなきゃ、それしか思いつかなかった……」

「……」

「だから、君がすべての真実を知ったときに、裏切られたと感じることまでは考えが及ばなかった。ごめん」

クロードはぼそりとそう付け加えた。

正直、驚いた。

泣いて、飛びかかって、また大泣きするかと思っていた。怒られるものだとばかり思っていたのに、まさか謝ってくるなんて。

クロードは、自分のことをほとんど話さない人だ。そんな彼が、ここまで胸の内を打ち明けるのは初めてだった。

たどたどしく言葉をつないでいく彼は、らしくないほど不器用で、どこか弱々しく見えた。

私は少し気まずくなって、鼻をすすった。

こんなにも一生懸命謝っている相手を責め立てられるほど、私は冷たくはなれなかった。

そうして、またどれくらい沈黙が流れただろうか。

「その、君に何度も食べさせていたのは……」

「……はい?」

「私が君に何度も食べさせていたのは……太らせてガイディングの表面積を広げようなんて考えていたわけじゃなくて……」

そこでクロードは急に言葉を切った。深くうつむいた彼は、言葉が出てこないのか、唇だけが何度も震えていた。

しばらくして、ようやく決心がついたように、彼は再び口を開いた。

「口も、顔も、体も全部小さいのに、それだけの量の食べ物が全部入るのが不思議で……」

「……え?」

「食べるたびに頬がふくらんで、もぐもぐしている姿が可愛くて……」

「……何ですって?」

「今にも折れてしまいそうだった子が、今では触れるたびに柔らかく肉付きがよくなっていて……それが結構うれしかったんだ……」

「……それ、私にケンカを売ってるんですか?」

私がうなり声を上げると、クロードはため息をついて言った。

「最近は、食事を楽しそうにしていて、よく食べるようになって、健康になっていく君を見るのが嬉しかったんだ」

「……でも、それって何だか褒め言葉じゃない気がします」

「嬉しかった。君が『もっと食べたい』って喜ぶ姿を思い浮かべるだけで、何でももっと食べさせてあげたくなるくらい」

「……」

「何も説明しなかったとはいえ、まさかそんなふうに誤解されるとは……」

クロードは、少し我に返ったように乾いた笑いを漏らした。

えっ。

じゃあ本当に、何か裏があったわけじゃないの?

私を太らせて見た目を悪くしたかったわけでも、ガイディングの表面積を広げようと企んでいたわけでもなく。ただ、本当に私がよく食べて元気になっていくのを見るのが嬉しかっただけ?

まるで、仕事帰りのお父さんが子どもたちに食べさせようとフライドチキンを買って帰ってくるように?

あるいは、おばあちゃんがお盆やお正月に孫たちのためにごちそうをたくさん用意するように?

まるで冷蔵庫を食べ物でいっぱいにしておきたがるようなもの?

……それって、本当に愛情なんじゃない?

混乱している私をよそに、クロードは再び口を開いた。

「太ろうが痩せようが、エスパーたちがお前を欲しがらないと言ったのは……お前に魅力がないと思っていたからじゃない」

「……じゃあ?」

「センターで私がお前を連れ歩いていることを知らないエスパーはいないはずだ。命が惜しいなら、私のガイドに手を出そうとする者などいないと思っていただけだ」

「……」

「……私の考え違いだったようだが」

クロードは奥歯を噛み締めた。

ああ、さっきエスパーたちが私を「共有しよう」と言って、クロードがそれを止めた場面のことか。

あのときは頭に血が上っていて、クロードのことばかり気にしていたから深く考えなかった。でも今思えば、確かに不快だった。ガイドを欲しがるのは分かるとしても、「共有」だなんて。まるで必要なときだけ使い回す予備バッテリーか何かのような扱いじゃない。

……待って。バッテリー?

「じゃあ、あれですね! 手足を切り落として補助バッテリーとして使うって言ってたことですよね! あと、ミュータントの巣に放り込むって言ってたのも!」

「あ……」

「え?」

「もちろん、本気で言ったわけじゃなかったんだが……」

その問いには、さすがの彼もすぐには答えられなかった。

私は目を細めて彼を見つめた。初めて、クロードが私から視線をそらした。

怪しい。絶対に怪しい。

「本気じゃなかったんですよね? それなのに、どうして私をあんなふうに脅していたんですか?」

「……」

「……答えないんですか?」

クロードはしばらく口ごもった末、ようやくぼそりと答えた。

「普段はずっと素直なのに、ああいうときだけ目を丸くして、口をぎゅっと結ぶだろう……」

「?」

「その反応が可愛くて……」

「……」

その一言で、私は本気で腹が立った。

「そんなくだらない理由で人を脅すんですか!?」

怒りに震える私の両手を、クロードが慌てて包み込むように握った。握るというより、そっと覆うような手つきだった。

「もう絶対に君を傷つけない。約束する」

「……」

「……今はもう、君が私にとってあまりにも大切だから。君が傷つくかもしれないと思うだけで、おかしくなりそうなんだ」

信じていいのだろうか。もし信じるなら、どこまで信じればいいのだろう。

不安が消えたわけではない。彼はこれまで何度も私を騙すことに成功してきた。今回だって、また私を騙そうとしているだけなのかもしれない。

それでも、信じてみたかった。

アジールに流されてクロードを裏切ったとき、はっきりと分かった。裏切られたという思いと恐怖で混乱している最中でさえ、私のせいで彼が苦しい立場に追い込まれることが心配だったし、もう二度と私に笑いかけてくれないのではないかと不安だった。

けれど今、こうして彼が私の誤解を解こうと説明し、なだめてくれる姿を見ていると……正直、ほっとする。

私は彼のことが好きすぎる。たとえすべてが欺瞞だったとしても、気づかないふりをして受け流したいと思うほど。嘘かもしれない彼の説明さえ、嬉しく感じてしまうほどに。

原作ゲームがどんな結末を迎えようと、アイリーンやアジールが彼について何と言っていようと、結局大切なのは私自身の気持ちだった。

選ぶのも私。後悔するのも私。

そして、私が選ぶのは……。

『もう一度、彼を信じてみることにしました』

かつてネットの相談掲示板に書き込んだ投稿への、手厳しいコメントの数々を思い出す。

『恋のフィルターって恐ろしい』

『痛い目を見ないと気が済まないなら好きにしろ』

『三ヶ月以内に泣き言を言いながら戻ってくるほうに一票』

「で、でもまあ……ガイディングの表面積を広げるために太らせたという話よりは、よく食べる姿を見るのが好きで食べさせていたというほうが、ずっと信憑性はあるから……」

今の状況をアイリーンが見たら、「あの馬鹿がまた騙されている」と舌打ちするかもしれない。本当に私が馬鹿なのかもしれないけれど、それでもひとまず、自分の心に従ってみることにした。今も「私が大切になりすぎた」という言葉を証明するかのように、包み込んだ手にすらまともに力を入れられずにいる彼だから。

頭のてっぺんまで込み上げていた怒りは、徐々に静まっていった。

激しく言い争ったあと、ひとまず落ち着けば誰でもそうなるように、私たちの間には少し気まずい空気が流れた。意味もなく指をもじもじと動かしていると、クロードが慎重に尋ねた。

「……もう誤解は全部解けた?」

少しためらってからうなずくと、彼は私の腕を軽く引き寄せた。そのまま引かれるがまま近づくと、彼は濡れた私の顔をつかみ、鍋の蓋ほどもある大きな手でごしごしと拭き始めた。

あっ、私の顔が濡れている理由は、涙だけじゃないはずなのに……。

案の定。

「……」

涙だけにしては、やけにべたつく手のひらを見下ろしながら、クロードは複雑そうな顔をした。

私は少し納得がいかなかった。そんなに潔癖症のくせに。誰が拭いてくれなんて頼んだのよ。

クロードはため息をつくと、ベッド脇のナイトテーブルに置かれていた箱ティッシュを取り、数枚引き抜いた。そして私の顎を少し持ち上げ、顔に残っていた水分を丁寧に拭き取った。一つひとつの手つきが、彼らしからもないほど繊細だった。

そのときだった。

つかまれた頬をくすぐるように、するりと彼の指先を伝って、再びガイディングが流れ込んできた。

驚いた私はまつ毛を震わせたが、クロードは小さく笑っただけで、何事もなかったかのように手を動かし続けた。

続いて、自分の濡れた手も拭き終えた彼が、不意に尋ねた。

「嫌じゃないんだろう?」

「……はい?」

「手をつなぐのも、抱きしめるのも、キスするのも全部好きだけど、刻印まではまだ自信がない、と」

「……」

「嘘をつくこと、大声を上げて怒ること、怖い言葉で脅すこと、食事を与えずにあれこれさせること……ほかに何が嫌だ?教えてくれ。直すようにするから」

彼が囁いた。

胸がいっぱいになった。さっきあれほど泣いたというのに、また泣きたくなってしまう。さすがに泣くわけにはいかず、黙って首を横に振った。それでも顔に出ていたらしい。じっと私を見下ろしていた彼が、私を軽々と抱き上げた。

そのまま下ろされたのは、彼の膝の上だった。

素直に彼の肩へ頬を寄せてもたれかかると、たくましい腕が私の腰に回された。

「?」

目を細めて睨むと、彼がにやりと笑った。もう二度と見られないかもしれないと思っていた、彼特有のひねくれた笑みだった。

安堵が押し寄せてくる一方で、心臓がドクドクと高鳴った。頬が一気に熱くなる。

気づかれたくなくて深くうつむこうとしたが、そうすることはできなかった。彼が不意に私の頬を包み、再び顔を上げさせたからだ。

頬をつかまれたまま、きょとんとして彼を見上げていると、彼はふと「あ」と何かに気づいたような声を漏らした。

「いや、一つあったな」

「はい?」

「頼むから、もう逃げるのはやめてくれ」

私が逃げるたびに寿命が十年ずつ縮むような気がすると、彼は苦しげにうめいた。クロードは私を諭すように言った。

「ローズ、教えてくれなければ、私には分からない」

「……本当にもうありません。クロード様は?」

「何が?」

「きょ、今日は私にかなり怒っていたでしょうから……」

クロードはしばらく黙っていた。顔色をうかがっていると、彼は淡々と言った。

「もういい」

「嘘……」

「そのくらいは受け止められる。それに、ここまでくると、お前がおとなしくしているときのほうが、かえって不安になる」

うーん、この点については、私も良心的に何も言い返せない。

私が素直にうなずくと、ようやく安心したのか、彼はそのまま私の頬に唇を押し当てた。

しょっぱいはずなのに……。そんなもっともな疑問が浮かんだが、幸い彼は何も言わなかった。

「分かった、ローズ。気持ちのいいことまでにしておこう」

「……」

「怖がらせないと言っただろう」

頬に触れた唇が、笑みを含みながら静かに囁いた。くすくぐったい感触に、胸の奥が妙にざわめいた。だから私は、少し衝動的に口を開いた。

「怖いのは刻印だけです。クロード様のことは嫌いではありません。怖い態度を取るとき以外は、むしろ好きです」

「分かった。悪かった」

「ですから、刻印以外は全部嫌ではありません」

「そうか……何だって?」

「怖くさえなければ。今みたいなら大丈夫です。好きです」

「……」

「……聞こえなかったのなら、もういいです」

いざ言ってしまうと、かなり恥ずかしかった。それまで私の頬に何度も口づけていた唇が、ぱっと離れた。じっと見下ろしてくる視線を、真っ赤になった顔で必死に避けた。

しばらく、部屋の中に沈黙が流れた。

彼はしばらくして、ようやく口を開いた。

「ローズ」

「……何ですか」

「私がよく理解できていなかったんだが……」

「もう……!」

もういい。やめて。

彼を押しのけて勢いよく立ち上がろうとしたが、腰を彼の腕でしっかり抱き込まれていたため、そうすることはできなかった。じたばたする私の手足を難なく押さえつけると、彼は話を続けた。

「言っただろう、ローズ。また誤解が生まれないようにするには、君が何でもはっきり教えてくれなければならない」

「いや、何を……」

「つまり君は……私に、君の身体に愛撫してほしいということか」

「……はい?」

「刻印をしなくても、できることはたくさんあるからな……」

さらりと、彼が私の髪を耳の後ろへとかき上げた。顔をかがめた彼は、あらわになった私の耳へ唇を近づけた。

そして彼が何を始めたのかというと……なんと、「刻印をせずにできること」の種類や方法を、一つひとつ説明し始めたのだ! しかも時折、自分の好みや性的な願望に基づくおすすめまで織り交ぜながら!

「く、狂ってるんじゃ……」

「早く教えてくれ、ローズ」

笑みを含んだ声で囁くと、彼はそのまま、ぱくりと私の耳たぶを噛んだ。

「んっ……」

「私に、どうしてほしい?」

答えることができなかった。舌先で妖しくくすぐられる感覚に、びくびくと震えることしかできなかった。

甘い声はただの目くらましにすぎない。実際に次々と口にされる言葉は、あまりにも破廉恥なものばかりだった。私をからかっているのだ。

いや、本当にからかっているだけなのだろうか?

……そもそも、どうして自動販売機から飲み物が出てくるみたいに、こんなにもすらすら説明できるの? まさか、この瞬間のために擦り切れるほど熱心に勉強していたわけじゃないでしょうね?

何かがおかしいという考えが一瞬頭をよぎったが、長くは続かなかった。彼が本格的に耳たぶを吸いながら、返事をせかし始めたからだ。

「わ、分かりません……」

「分からない?」

「はい、分かりません。分からないから、こ、これを少し……」

「はあ、君が分からなかったら、どうすればいいんだ……」

君が教えてくれなければ、私には分からないと言っているだろう?

厚かましくそんなことを言いながらも、彼はねっとりと舌を這わせ続ける。身をすくめるたびに縮こまってしまう私の頭も、しっかりつかんで固定したままだった。

私の顔は、破裂しそうなほど真っ赤に熱くなったかと思えば、次の瞬間には真っ青になることを繰り返した。頭の中は真っ白だった。

「ただ、その……」

「ただ、何だ?」

「お願いですから、察してください……」

察してくれればいいのに、どうしてこんなにも私を恥ずかせ、困らせるのだろう。

「怖がらせるなとは言ったけど、いつ一から十まで全部確認しろって言ったのよ」と、悔しさと情けなさで泣き言をこぼすと、意外にも彼の舌は素直に離れていった。

ようやく一息つけると思った、そのとき。

身体がふわりと持ち上がったかと思うと、そのままベッドに寝かされた。目を大きく見開いて見上げると、クロードは欲しかった答えを聞けたと言わんばかりに、ひどく満足そうな顔で笑っていた。

「教えてくれてありがとう、ローズ」

「?」

「察して、あとは私が勝手にするよ」

甘く囁いた彼が、私の身体に覆いかぶさってきた。

大きな身体が、横たわる私の上へ長い影を落としながら近づいてきた。思わずびくりとして身を縮めてしまったが、彼は私の左側――ベッド脇のナイトテーブルに置かれていた小さな箱を取ろうと、手を伸ばしただけだった。

彼は何事もなかったように再び身体を起こした。ひとりで勘違いして緊張してしまったのが恥ずかしくて、顔が少し熱くなった。当のクロードは、箱を開けて中身を取り出すことに気を取られ、まったく気づいていないようだったけれど。

それで……あれは何?

きょとんとしていた私は、少し遅れて気づいた。

彼が箱から取り出したばかりの注射器と、蛍光色の青い薬――。

もちろん、私にも見覚えのあるものだった。

『刻印防止キット』だ。

――責任を取れない愛は、本当の愛ではありません。

エスパー棟とガイド棟の入口にある掲示板には、こんな標語とともに、あの蛍光ブルーの薬が描かれたポスターが所狭しと貼られている。

エスパーとガイドが愛し合うことまではセンターも干渉しないが、万が一刻印してしまった場合は覚悟しておけ、という意味だ。

通常、ガイド一人につき、定期的なガイディングを受けるために割り当てられるエスパーは十五人以上。そのため、ガイドが刻印し、生涯たった一人のエスパーしかガイディングできなくなれば、センターという組織全体にとっては大きな痛手となる。

だからこそ、センターではエスパーとガイドの間の刻印を厳しく規制しているのだ。マッチング率が五十パーセントを超えただけでもその確率は非常に高くなるという。

つまり、マッチング率が九十パーセントを超える私とクロードは、たった一度関係を持っただけでも、すぐに刻印につながる可能性が極めて高い。だからこそ、この刻印防止キットによる事前の準備が必ず必要になる。

そう、確かに必要ではあるけれど……。

「……そんなもの、いつ用意したんですか?」

目を細めて見上げながら尋ねた。あれは間違いなく、今朝まではなかったものだ。

すると彼は、何でもないことのように答えた。

「刻印は嫌だと言っただろう」

「ああ……」

つまり、今朝「刻印までは嫌だけど、その直前までなら」と言ったから……コードブラックが嘘だったと知り、家に戻る途中できっちり用意してきたということか……?

……ものすごい準備のよさね。

私が余計なことを考えている間に、クロードは薬瓶の中の薬液を注射器へ移した。そして、ためらうことなく自分の腕に突き刺した。うっ、見ている私まで顔をしかめるほど太い注射針だったのに、当の本人は平然としていた。

だが、驚くべきことは注射針の太さなどではなかった。

箱からもう一本注射器を取り出すと、彼は続けざまに自分の腕へ突き刺した。

「……?」

ぼんやり見ていた私は、勢いよく身体を起こした。

「ちょっと、どうして二本も打つんですか? 推奨量は一日一本なのに、ショックを起こしたらどうするんです!」

「……」

目を見開いて問い詰めると、彼はしばらく妙な目で私を見下ろし……何も答えないまま、三本目の注射器を取り出し、再び腕へ突き刺した。

「?」

何なの、これ?

彼はとうとう、絶対に人体へ入れてはいけないような蛍光ブルーの注射を、三本も最後まで打ち切った。そして、呆然としている私をそのまま引き寄せた。

「あっ」と声を上げる間に上を脱がされ、「えっ」と驚く間に下も脱がされ、瞬く間にすっぽんぽんになった。

恥ずかしさに身をよじる私を寝かせ、遠慮なく身体を揉んでいたクロードが感嘆の声を漏らした。

「……君はどうして、全身がこんなに柔らかいんだ?」

彼の手はあまりにも大きく、その下にある私のお腹がほとんど覆い尽くされてしまうほどだった。

私は息を弾ませながら答えた。

「ふ、太ったから……」

「何?」

「え?」

「……」

しばらく黙っていたクロードが、突然がくりとうつむいた。そしていきなり噴き出すと、肩まで震わせながら、しばらく苦しそうに笑い続けた。

あっ、違ったの……?

「やっぱり、君は世界で一番面白い」

笑みを含んだ唇が、私の頬へ何度も触れる。キスの雨を浴びながら、私は遅れて気づいた。つまり、これから関係を持つ前に雰囲気を作るための、ベッドトークのようなものだったらしい。

少し恥ずかしくなって頬を赤らめていると、私のお腹を包んでいた彼の手が、不意に上へと伸びてきた。

「……柔らかいな」

と、まるで何か大発見でもしたかのような顔で、当たり前のことを口にした。

私があちこち触られて声を漏らそうが、彼にはお構いなしだった。どうしてこんなに温かくてしっとりしているのかだの、もちもちしていて手を離せないだの、どうして触りたくないところが一つもないのかだの、まったくもって呆れるようなことを延々と口にした。

「く、口を……」

お願いだから閉じて……。そう懇願しようと開いた唇の間へ、何かを完全に勘違いしたらしい彼の舌が入り込んできた。続きの言葉がそのまま飲み込まれたのは、せめてもの救いだった。

私は再び後ろへ倒れ込み、息を弾ませた。耳の下から首筋、鎖骨へと下りていった唇は、彼がずっと揉んでいた胸元までたどり着いて、ようやく一度止まった。

「……小さいですよね」

鼻にしわを寄せながら尋ねた。実際、もともとそれほど大きいほうではなかった胸が、彼の手の中では可愛らしく見えるほどだった。

目を泳がせながらしばらく考えていたクロードが答えた。

「可愛い」

……否定はしないのね。

 



 

  • 誤解の解消と和解: クロードがこれまでの不器用な行動(過度な食事、脅しのような態度)の真意を明かして謝罪し、ローズは彼の本心を受け入れてもう一度信じることを決めました。

  • 事前の周到な準備: 刻印(生涯一人のパートナーになること)を恐れるローズを気遣い、クロードは推奨量を大幅に超える「刻印防止キット」をあらかじめ用意し、自らに投与しました。

  • 甘く強引なベッドトーク: 互いの気持ちを確かめ合った二人はベッドへ移るも、クロードの直球すぎる言葉遣いや行動に、ローズは恥ずかしさと混乱に翻弄されながらも彼を受け入れていきます。

 

 

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