潔癖症な黒幕のガイドなんて御免です

潔癖症な黒幕のガイドなんて御免です【24話】ネタバレ




 

こんにちは、ちゃむです。

「潔癖症な黒幕のガイドなんて御免です」を紹介させていただきます。

ネタバレ満載の紹介となっております。

漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。

又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

【潔癖症な黒幕のガイドなんて御免です】まとめ こんにちは、ちゃむです。 「潔癖症な黒幕のガイドなんて御免です」を紹介させていただきます。 ネタバレ満載...

 




 

24話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

  • 檻の中の願望

以前から、時々気になっていた。

クロードと私のマッチ率は、一体どれくらいなのだろう、と。

きっと低くはないだろうとは思っていた。マッチ率が高いほど、ガイディングを受けるエスパーが得る快感は大きくなる。けれど、ガイディングを行うガイド側まで気分が良くなるなんて話は、一度も聞いたことがなかった。私自身が、ガイディング中にうっとりするほど心地よかったのだから、クロードはなおさらだったはずだ。だから、あの希少な「60%以上のマッチ率」くらいなら、もしかしたらあるかもしれない――そう思っていた。

検査結果を待つ間、私はほんの少しだけ都合のいい未来を想像してみた。

『マッチ率が最も高いエスパーは、本当にクロード・ラインハルト様でした』

そう発表される瞬間を。

想像の中のクロードは、まるで「当然だ」と言わんばかりに不敵に笑って、おどけたように肩をすくめた。あまりにもあっさりしすぎていて、私の怒りもすっかり冷め、「今回はこのまま水に流してあげる」と冗談めかして笑い合う――。もちろん、私の願望がそのまま反映された甘い妄想にすぎない。それでも、少しくらいは期待してしまったのだ。

マッチ率の高いガイドを得ることは、すべてのエスパーの生涯の夢だ。しかも、わざわざ順番待ちをする必要もなく、そのガイド本人から「ガイディングしてもいい」と了承まで得られたのだから。

けれど、私の都合の良い想像とは違い、現実のクロードは少しも喜んではいなかった。

――いや、むしろ、猛烈に怒っているように見えた。

「きゃっ!」

荷物のように肩へ担ぎ上げられたまま連れて行かれ、次に私が無造作に放り出された先は、見覚えのあるクロードの部屋の、広いベッドの上だった。

ぼさぼさになった髪のまま状況も理解できずにいると、不意に足首を強い力でつかまれた。そのまま前のめりに倒れた私は、抗う間もなくベッドの奥へと容赦なく引きずられていく。

ずざざ、と引きずられた勢いのまま身体がひっくり返り、天井が視界に入ったかと思うと、息を整える間もなく、見たこともないほど険しい表情をしたクロードが私の上にのしかかってきた。

「ま、待ってください……!」

迫り来る恐怖に半ばやけクソになった私は、とにかく思いつくままの言葉をマシンガンのようにまくし立てた。

「約束は約束ですから守ってください! 『やらない』なんて誰も言ってませんよね? やるって言いましたよね? 契約もしましたし! でも、どうせやるならこんなに急ぐ必要はないじゃないですか。そうでしょう!?」

「……」

「エスパーとガイドにとって刻印の契約は、結婚と同じくらい大切なものなんです! そんな大事なことを、インスタントラーメンでも食べるみたいに勢いだけで済ませちゃったら、きっと後で大後悔し――!」

そこまで言ったところで、私は完全に言葉を失った。

クロードが、私の言葉を遮るようにためらいなくシャツを脱ぎ捨てたからだ。

まるで天才彫刻家が一生をかけて丹念に彫り上げたかのような、完璧な上半身の筋肉があらわになる。視線の置き場に困るほど動揺したのに、同時に目をそらせなくなるほど見惚れてしまった。顔が一気に熱くなる。

「び、美形って反則でしょ……」

「……」

「お、お互いフェアにいきましょう、ね?」

いつものように私の言葉を軽く聞き流したクロードは、脱いだシャツを適当にベッドの下へ放り投げると、そのまま獲物を狙う獣のように身をかがめた。

そして、唇と唇が触れ合った、その瞬間――。

驚いた私は反射的にクロードの胸を突き飛ばした。

ほんのわずかな接触だったにもかかわらず、脳が弾け飛ぶような爆発的な量のガイディングが一気に流れ込んできたからだ。

驚いたのはクロードも同じだったのか、彼はピタリと動きを止め、わずかに身を引いた。しかし次の瞬間、何かを確信したように口元を歪めて、妖しく笑った。

……なぜか分からないけれど、ものすごく恥ずかしい。

「な、なんでこんなことになるのよ……」

「……」

「……っ!」

何かのスイッチでも入ったのだろうか。興奮を隠そうともしないクロードが、再び猛烈な勢いで迫ってきた。

今度のキスは、これまでにないほど荒々しかった。

顎を強引につかまれ、無理やり開かされた唇の隙間に、熱く湿った舌が侵入してくる。激しく奥までかき回されるその動きに、私はついていくことすらできなかった。

息が苦しくなり、必死に彼の胸を押し返しても、鍛え上げられた鉄板のような体はピクリとも動かない。それどころか、一切の隙も与えまいとするように、さらに強く私へ身を寄せてきた。

生理的な涙がじわりと滲む。

激しいキスのせいでこぼれた唾液が、顎を伝ってぽたぽたとシーツに落ちていく。

最近の彼との、あの甘く穏やかなキスとは、まるで別物だった。

つい今朝だって、私は彼とキスをした。アジル先輩との契約によるタイムリミットの警告さえ鳴らなければ、本来これからすることも、もっと落ち着いた気持ちで、お互いの体温を確かめ合いながら迎えられたはずだ。

けれど、そのときとは部屋を支配する空気がまったく違っていた。

私が起こした騒動と、そのせいで大勢の前で彼が受けた告発という名の屈辱のためだろうか。クロードは明らかに怒っていた。険しく引き締まった表情のまま、嵐のように私へ触れてくる彼の動きはどこまでも容赦がない。私はまた彼の機嫌をこれ以上損ねてしまうのではないかと怖くて、ただひたすら顔色をうかがうことしかできなかった。

――本当に、このまま彼と契約を交わすことになるのだろうか。

性行為をしたからといって、必ずしも契約(刻印)が成立するわけではない。ただし、マッチ率が高いほど成立する確率は跳ね上がる。特別な対策を取らない限り、私と彼のように「97%」という異常な数値の前では、一度の行為だけで刻印が成立してしまう可能性が極めて高かった。

刻印とは、この世界において「離婚のできない結婚」のようなものだ。一度魂のレベルで結ばれたら、二度と元には戻れない。

私はクロードが好きだ。それは、もう否定できない。

でも、私たちは出会ってまだ日が浅い。その短い間、彼は何度も私を脅かしてきたし、私もまた、心の底から彼を信じ切れてはいなかった。しかも、こんな強引で、怒りに任せた状況だ。少なくとも今のクロードは、私が夢見ていたような、温かい愛情を注いでくれる相手ではなかった。

それは、彼が原作で何人もの主人公を死へ追いやった冷酷な黒幕だから、という理由だけではない。

たとえるなら、彼は何千万円もする手が届かない最高級ブランドバッグのような存在だった。一生をかけても、自分のような一般人にはふさわしく使いこなせる気がしない。私にとってそのバッグは、「自分には一生縁のないもの」と最初から諦めていたからこそ、純粋に欲しいと思う対象にすらならなかった。私には釣り合わないし、手に負える相手でもない。劣等感というより、それが世界の理(ことわり)だと思っていた。

それでも結局、私は彼を求めてしまった。

もしかしたら、と期待してしまったのだ。

他の人には決して心を開かない彼が、私にだけは少しずつ心を許してくれているような気がして。一緒に過ごす時間の中で見せる、たわいない笑顔や意地悪な冗談、ときどき不意に向けられる優しい眼差しやぬくもり――。

……あれは全部、彼が私を愛しているからこそ許してくれているのかもしれない。

そんなふうに、私は知らないうちに、彼との刻印に対して都合のいい幻想を抱いてしまっていたのだ。

いつか本当に彼の気持ちを確信できる日が来たら、その時は刻印を受けても悪くないとさえ思っていた。この世界に私たち二人だけが残ったかのように、お互いしか目に入らず、相手が愛おしくてたまらない、そんな眼差しと優しい触れ合いの中で。言葉にしなくても、自分が愛されていると自然に肌で感じられるような、そんな瞬間に。

だけど、やっぱり想像と現実は違った。

乱暴で、怖くて、痛くて。しかも、私が余計な告発をしたせいで、半ば報復のように強引に進められる刻印だなんて。

ひどすぎる……。

「…………」

涙がじわりと目尻から込み上げてきた。プライドが傷ついて、ぎゅっと目を閉じて必死に耐えた。けれど、それでも変化に気づかれてしまったらしい。乱暴に私の服の中に滑り込んでいたクロードの大きな手が、ぴたりと止まる。

「……どうして泣く?」

「……」

「どうして泣くのかと聞いているんだ、ローズ・バレンタイン」

氷のように冷え切った声が降ってくる。その冷たさに、堪えていた涙が一気にあふれ出した。

「み……」

濡れた顔を両手で覆い隠す。焼けるように熱い喉を震わせ、やっとの思いで答えた。

「惨めなんです……っ」

部屋の中に、重苦しい静寂が落ちた。

私の答えを聞いたクロードは、しばらく何も言わなかった。時折、私のすすり泣く音だけが静かに響き、それ以外は何一つ聞こえなかった。

やがて――。

すっと、隙間なく密着していたクロードの重みが離れていく。どうやら彼がベッドの上で体を起こしたらしい。

しばらくして、彼は信じられないほど乾いた、低い声で口を開いた。

「……そんなに私が嫌だったのか?」

あれだけ乱暴に組み伏せておいて、今更何を言っているんだ……。

しゃくり上げながら指の隙間から彼を覗き見ると、クロードの表情はどこかただ事ではなかった。

「答えてくれ、ローズ。私と過ごした時間は、お前にとってそんなにも耐え難いほど苦痛だったのか?」

「……」

「私じゃなくて、他のエスパーだったら……誰でもよかったのか?」

「それほどまでに……私が嫌だったのか?」

クロードの声は、まるで消え入りそうな声で懇願するようだった。

どうか違うと言ってくれ。そんなことをお前の口から言われたら、私は耐えられない――そう訴えるように、必死に私へ縋っているように見えた。

おかしい。客観的に見れば、圧倒的に弱いのは私で、彼は私など比べものにならないほど強大な権力と力を持つ存在なのに。まるで私の一言で粉々に崩れ落ちてしまいそうなほど、今の彼は脆く、無防備に見えた。

その危うい表情を見るだけで、胸が締めつけられ、何もかも水に流してしまいたい衝動に駆られる。

それでも――。

「今のも全部、お得意の演技なんでしょう?」

……ひねくれた反発心が、ふと胸の奥から湧き上がった。

棘だらけの私の言葉に、クロードの端正な眉がぴくりと動いた。

「クロード様は、私にどれだけ本当のことを話してくれたんですか? 裏切られたと感じるべきなのは、私のほうですよ」

「それは……」

「全部嘘だったんでしょう! 危険な任務に投入されたことも、暴走寸前だったことも! 全部、私の罪悪感につけ込んで、自分からクロード様をガイディングするよう仕向けるために作ったお芝居だったって!」

「……」

「私は本気でクロード様のことを心配していたのに、クロード様は私を利用して! 私の身辺を裏で洗って! 私の大切な先輩まで脅して!」

私の告発に、クロードは固く口を結んだ。図星を突かれたように、ひどく動揺した表情だった。

私は奥歯を強く噛み締める。

彼からの返事はなかった。けれど、その苦しげな沈黙だけで十分だった。アジル先輩が私に話してくれたことは、すべて事実だったのだ。クロードの行動には、すべて裏があった。

ガイディングが必要だったのなら、私に黙って裏で卑怯に手を回すのではなく、正直に頼めばよかったのだ。助けてほしい、と。本当に切羽詰まっていて、私が必要なんだ、と。

でも、クロードはそうしなかった。私を思い通りに動かすために嘘をつき、勘違いするよう優しく接し、私はすっかり騙されてしまった。いっそ「死にたくなければ大人しくガイディングしろ」と最初から脅されていたほうが、今のこの裏切られた気持ちより、まだ惨めじゃなかったかもしれない。

「計画どおりに私がどんどん騙されていくのを見て、裏で楽しかったですか? 面白かったですか? 私は全然楽しくなんてありませんでした! クロード様のせいで、本当に世界一の馬鹿になった気分なんです!」

「ローズ、私は……」

「それに、ガイディングの効率を上げるために、私を太らせようとしたんですか!?」

「……は?」

クロードは、今度は一体何を言い出したんだと言わんばかりに、呆然と顔をしかめた。

「今までずいぶん我慢してたんでしょうね! ガイディングできるガイドが私一人しかいないからって! だからあんなに毎日のように必死に食べさせて! どうせなら、もっと太らせて効率よく搾取しようって思ってたんでしょう!?」

このクソ野郎! 口にするほど腹が立ってきた。

ヘンゼルとグレーテルにお菓子の家を与えた魔女でもないのに、どうしてあんなに私に食べさせたがるのかと不審に思っていたら、そんな腹黒い目的があったなんて! しかも、食べることだけは本気だった私に対して、なんてひどい仕打ちだろう!

「何を言ってるんだ……」

「どうしたんです? 今度はどんな素晴らしい言い訳を考えるつもりですか?」

「その発想は、一体どこから出てくるんだ……」

呆れ返るクロードを見て、私はさらに声を荒げた。違うと言われても、もう信じられない。ガイディングを受けるために、彼が私に隠れてあれこれ裏で画策していたのは、紛れもない事実なのだから!

「太らせるつもりなら、せめて私に向かって『太った』なんてデリカシーのないこと言わないでください!」

「私がいつそんなことをお前に……!」

クロードは慌てて言い返そうとした。でも、私は彼が弁解する前に、反論の余地のない決定的な証拠を突きつけた。

「言いましたよね! 頬に食べ物がついてるって言って、何度も指でぷにぷに触ってからかってきたじゃないですか!」

「それは……愛着を持って……!」

「シャナも可愛い、アイリンも可愛いって言っておいて! 私は太っても可愛くないって言ったじゃないですか!」

「私はそんな意味で言って……!」

「ふざけたことばかり言うから、ミュータントの餌にして入口へ放り込むぞって、そうやっていつも脅してきたじゃないですか!」

その後は完全に頭に血が上って、自分でも何を言っているのか分からないまま怒鳴り散らしていた。――なのに。

突然、ぐいっと私の両肩を強い力でつかまれた。

「そんなつもりじゃなかった! 勝手に決めつけるな、頼むから私の話を聞いてくれ!」

怒りで我を忘れたクロードが、鼓膜を震わせる雷のような大声で叫んだ。

あまりの迫力に、私はその場で完全に固まってしまった。

「…………」

「…………」

私の肩をつかむクロードの手は、怒りと焦燥でぶるぶると震えていた。つかまれた肩にも、無意識の強い力が込められている。……痛い。

(……私は今、一体何をしているんだろう)

そう思ったのは、熱くなった頭が少し冷えて、ずっと後になってからだった。

急激に、冷や水を浴びせられたような虚しさが押し寄せてきた。

ほんの数時間前までは、クロードはまるで私がこの世で一番大切な宝物であるかのように、壊れ物を扱うような優しい手つきで接してくれていたのだ。なのに今は、恐ろしいほど怒鳴り散らして、私の華奢な肩を砕いてしまいそうなほど強くつかんでいる。

「うぅぅ……」

込み上げる悲しさと恐怖に、あっという間に再び涙があふれてきた。

私、泣くと本当に不細工なのだ。ドラマのヒロインみたいに、儚げな表情で涙だけをきれいに頬に流せる人間とは違う。私は顔中をぐしゃぐしゃにして泣く。生まれたての赤ちゃんみたいに顔を真っ赤にして、涙より鼻水のほうがたくさん出るのだ。

だから必死にこらえて泣かないように、彼の前で醜態をさらさないようにしたのに、どうしても感情が決壊して我慢できなかった。

結局、滝のように涙をぼろぼろと流して幼児のように泣きじゃくる私を見て、クロードは怒りを行き場をなくしたように、大きくため息をついた。

「私は一体何をしたっていうんだ、お前がまた泣いて……!」

「なんで……そんなに怒鳴るのよ……っ」

消え入りそうな引き攣った声で抗議した。

彼からすれば、理不尽極まりないと思っても仕方がない。私が怒鳴る分には、彼にとっては蚊に刺されたほどの大したことではないかもしれない。でも、彼にあの声量で怒鳴られると、私は本当に殺されるのではないかと、心底怖いのだ。

だから、私がどれだけ彼に向かって理不尽に怒鳴っても、彼は私に怒鳴り返してはいけないのだ。自分勝手なのは分かっている。それでも、恐怖でどうしようもなかった。

涙も鼻水もぐしゃぐしゃに流して泣きじゃくる私を前にして、クロードは完全に戦意を喪失したように、ただ言葉を失った複雑な表情で見つめることしかできなかった。

 



 

 

 

  • クロードの荒々しい襲撃と刻印への恐怖

    ベッドに押し倒された主人公は、激しいキスと共に大量のガイディングが流れ込むなか、マッチ率の高さゆえに一度の行為で「離婚できない結婚」と同義の刻印が強引に成立してしまう恐怖と絶望に涙したこと。

  • 拒絶されたクロードの脆さと過去の「嘘」への告発

    主人公の「惨めだ」という言葉にクロードはショックを受け縋るような態度を見せるが、主人公は彼が自分を騙してガイディングへと誘導し、裏でアジルを脅していたという「優しさの裏の策略」を激しく糾弾したこと。

  • 怒りの衝突から不条理な号泣、そして沈黙へ

    感情を爆発させ「効率よく搾取するために太らせようとした」とまでまくし立てる主人公に対し、クロードも怒鳴り声を上げて反論するが、その恐怖で主人公が顔をぐしゃぐしゃにして号泣したため、クロードは完全に戦意を喪失して言葉を失ったこと。

 

 

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