こんにちは、ちゃむです。
「継母だけど娘が可愛すぎる」を紹介させていただきます。
今回は63話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
<鏡よ 鏡 この世で一番美しいのは誰?>
子供服のデザイナーとして生きていた私は過労死ししてしまい、気がつくと童話に入り込んでしまった。
しかも、美しい連れ子に嫉妬し、毒殺して夫に処刑される残忍な悪女になっていた!
可愛くて愛らしい我が娘ブランシュと仲良くなって愛情を注ぎたいのに…。
「君がブランシュの心配をするとは面白いな」
クズみたいな夫がいつも私の邪魔をしてくる!
「私もブランシュの親です。私を疑ったことを謝ってください」
「謝らなかったら?」
「今夜、殿下の寝所へ伺います」
アビゲール・プリドキン:本作の主人公。白雪姫ブランシュの継母。転生前はデザイナーで、ブランシュのことを気に入っている。
ブランシュ・プリドキン:アビゲールの義理の娘。自分を虐げてきたアビゲールの突然の変貌に困惑している。
セイブリアン・プリドキン:ネルゲン王国の国王。ブランシュの父で、アビゲールの夫。
クララ:新人侍女。
ミラード:セイブリアンの側近。
ジェレミー夫人:ブランシュの家庭教師でありシッター。
ストーク:公爵。セイブリアンに側室を迎えるように何度も勧めてくる。
ヴェリテ:真実を告げる鏡。
ミリアム:前王妃。ブランシュを産んで間もなくこの世を去った。
63話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- カリンの逆襲
テーブルには甘い香りが漂っていた。
庭いっぱいに咲いた花のように色とりどりのマカロン、バターをたっぷり入れたフィナンシェ、雪のように白い砂糖粉をかけたシュークリーム。
侍女たちが丹念に淹れてくれた紅茶からも、甘美な香りが漂っている。
心血を注いで準備しただけに、テーブルは完璧だった。
「今日、ブランシュ姫が着ている服は本当に綺麗ですね!」
「あ、ありがとうございます・・・」
令嬢たちに囲まれたブランシュは、空色のモスリンのドレスを着ていた。
シュミーズドレスを基本に、袖を伸ばしてフリルレースをつけた状態。
「こういう風にアレンジされたのも可愛いですね。私も次はこのような服を着てみたいです」
「やっぱり王妃様の眼目は優れていますね」
褒められたアビゲールとしては満足なのは間違いないのだが、彼女は少しぎこちなく見える。
「お褒めの言葉ありがとうございます。ところで令嬢、そのイヤリングは本当によく似合っていますね。最近社交界では何が流行っているのですか?」
「もちろん、王妃様が考案されたシュミーズドレスでしょう!」
「その通りです。ああ、どうしてあんなに美しい服が作れるのでしょうか!」
令嬢たちは待っていたかのようにお世辞を言い放つ。
アビゲールはその激しい反応に内心ため息をつく。
令嬢たちは彼女の機嫌を取るのに余念がなかったのだ。
そのような姿を目にすると、アビゲールは、令嬢たちが気の毒で、不便だった。
お世辞が聞きたいのではなくて、気軽にお喋りがしたかっただけなのだから。
気まずい雰囲気が漂っているところに、誰かが部屋の中に入ってきた。
金の髪が愛らしい少女、カリン。
彼女はニッコリと微笑んだ。
「少し遅くなったでしょうか?」
アビゲールを含む令嬢たちの瞳が煌めく。
それはカリンの服装のせい。
彼女はこれまでに見たことのない衣装を着ていた。
「あら、カリンさん。その服は初めて見る服ですね」
全員の顔に驚きが浮かんでいることに、カリンは勝利感を感じて満足げに微笑む。
「はい。この服もパニエとコルセットをつけていないドレスです。けれどパジャマのようでもなく、上品で優雅ですよね」
カリンが着ていた服は足首まで長いドレス。
そのドレスは縦に二等分されていたが、両方が違う生地だった。
左は白、右は緑。
そして、最も目に付くのは生地に大きく刻まれた紋様。
剣を囲んでいる蛇の紋、それは明らかにストーク家の紋様だった。
一見地味な服であるにもかかわらず威圧感が感じられるのはストーク家の威勢もあるだろう。
この服は昔流行ったデザインらしい。
デザイナーたちが新しいドレスを考案できなかったのは残念だったが、他の令嬢たちが動揺するのを見てカリンは満足した。
アビゲールも驚き、プライドを傷つけられたことだろう。
今、彼女はどんな表情をしているのだろうか?
驚くか、それとも自尊心を傷つけられたか。
どちらにしても、酷く歪んでいるはず。
カリンはアビゲールの表情を楽しく想像していたが、彼女の微笑みはすぐに消えてしまう。
アビゲールからは否定的な感情が感じられなかった。
まるで新しい宝石を見つけた人のように目を輝かせているだけ。
「それはミパルティですね!」
アビゲールの声は生き生きとした調子に溢れていた。
カリンは、予想外の反応とアビゲールがこのドレスを知っていたことに大きく動揺する。
「・・・このドレスを知っているのですか?」
「知っていますが、直接見るのは初めてです!こんな感じの服なのですね、よく似合っています、カリン令嬢!」
その褒め言葉には皮肉の色がなく、殊更平気を装う様子もない。
「もう少し近くで見てもいいですか?」
「え、ええ・・・」
アビゲールは許可が下りるとすぐにカリンの元へ。
動揺しているカリンと違い、アビゲールはただただ興味深い表情だった。
彼女はドレスのあちこちを見回して興味深い感嘆詞をもたらす。
「へえ、アイレットはこう処理したのね。これにはこのような装飾を加えると・・・」
アビゲールの眼差しがあまりにも真っ直ぐで、カリンは呆気にとられ、恥ずかしくもあった。
恋敵にくまなく観察されて、武装解除されているような気がしたから。
「ちょっと腕を上げてくれますか。一周だけ回ってみてもらえますか。あら、とても綺麗。あの、ここの裾処理をちょっと見たい・・・」
「も、もうおやめください!」
カリンはプルプル震えて後退りする。
火傷でもしたかのように顔は真っ赤だった。
「あ、ごめんなさい。少し浮かれてしまったようです」
恥ずかしくて、カリンはどうしたらいいか分からなかった。
(な、なんでこんな気分に?)
なんとなく負けた気がして、プルプル震えていた時、一人の令嬢が口を開く。
「王妃様、このドレスは一体どのようなドレスなのですか?」
その質問に、アビゲールが顔を上げた。
彼女の紫色の瞳は、咲き誇ったばかりの花のように輝いている。
「はい。これはミパルティと言って、数百年前に流行ったドレスですよ。優雅で古風な趣があるでしょう?」
子供でもない大人が純粋に喜びを表していた。
その姿を見た令嬢に一人が「ぷっ」と笑い出してしまう。
静けさが流れた瞬間、彼女はすぐに自分の過ちに気づいた。
「も、申し訳ございません、王妃様。ドレスを見て喜ぶ姿がとても可愛くて・・・。あ、いやそうじゃなくて・・・!」
自分の罪に気づいた令嬢の顔が真っ青に。
王妃を見て笑った上に、敢えて可愛いという表現を使うなんて。
このまま連行されて鞭打ちになってもおかしくないだろう。
カリンのドレスを見て興奮するアビゲール。
予想通りでしたね(笑)
思わず笑ってしまった令嬢の運命は?