こんにちは、ちゃむです。
「継母だけど娘が可愛すぎる」を紹介させていただきます。
今回は70話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
<鏡よ 鏡 この世で一番美しいのは誰?>
子供服のデザイナーとして生きていた私は過労死ししてしまい、気がつくと童話に入り込んでしまった。
しかも、美しい連れ子に嫉妬し、毒殺して夫に処刑される残忍な悪女になっていた!
可愛くて愛らしい我が娘ブランシュと仲良くなって愛情を注ぎたいのに…。
「君がブランシュの心配をするとは面白いな」
クズみたいな夫がいつも私の邪魔をしてくる!
「私もブランシュの親です。私を疑ったことを謝ってください」
「謝らなかったら?」
「今夜、殿下の寝所へ伺います」
アビゲール・プリドキン:本作の主人公。白雪姫ブランシュの継母。転生前はデザイナーで、ブランシュのことを気に入っている。
ブランシュ・プリドキン:アビゲールの義理の娘。自分を虐げてきたアビゲールの突然の変貌に困惑している。
セイブリアン・プリドキン:ネルゲン王国の国王。ブランシュの父で、アビゲールの夫。
クララ:新人侍女。
ミラード:セイブリアンの側近。
ジェレミー夫人:ブランシュの家庭教師でありシッター。
ストーク:公爵。セイブリアンに側室を迎えるように何度も勧めてくる。
ヴェリテ:真実を告げる鏡。
ミリアム:前王妃。ブランシュを産んで間もなくこの世を去った。
70話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- side セイブリアン
「殿下、南部から届いた通信です」
秘書官がそう言って1冊の手紙をセイブリアンに渡す。
手紙は赤い印章で封じられていた。
セイブリアンは手紙を破って無心そうに読んだ。
「また異種族の奴らですか?」
「いいや」
彼はミラードに手紙を渡す。
「南部で流行病が出回っているようだ」
チェス盤をじっと見下ろしていたミラードが顔を上げる。
流行病といえばかなり頭の痛い話だが、セイブリアンはただただ淡々としていた。
「幸いなことに深刻な病気ではない」
まだ死者のいない病気。
にもかかわらず、あえて報告が入ったのは、該当領地の領主が徹底していたからだ。
原因不明の病気にかかり、数十人も同じ症状を抱えているという。
嘔吐、吐き気、下痢などの症状。
「食中毒でしょうか?」
「そうだね」
手紙には2ヶ月以上その流行病が続いていると書かれていた。
「寒くなってきたので病気かもしれません」
冬が訪れる前は、大小さまざまな流行病が流行りがちだ。
ミラードの言葉通り、食中毒やありふれた風邪のような病気かもしれない。
そして、ありふれた風邪を引いて死ぬ者も数え切れないほど多かった。
ふとブランシュと、そしてアビゲールを思い出す。
もし二人が病気にかかったら・・・。
「秘書官、首都でもこのような病気が起きているのか?」
セイブリアンが手紙を読むのを待っていた秘書官は黙々と答える。
「まだ確認されていません」
「南部と首都に人を送り、病気について調べてくれ。救護院の方にも予算を送り・・・。あ、それと」
彼は机の上に広がっている書類の一つにサインした。
「これも財務省に伝えてくれ」
まだインクが乾いていない書類。
秘書官はそれを受け取って立ち去った。
ミラードは秘書官が去った後、口を開く。
「今の書類は?」
「アビゲールに特別予算を出せと書いた。もうすぐ宴会が開くから予算が足りないだろう」
ミラードが妙な表情を浮かべると、セイブリアンはさらに言葉を加えた。
「また余計な不和説が広がって責められたくないからな」
ミラードの耳には、それが言い訳のように聞こえた。
ふと彼の幼い甥を思い出す。
14歳になったばかりの子供だ。
甥っ子は、自分より1歳下の女の子に花やお菓子などを投げつけたりした。
そして、必ず一言付け加える。
「あげるだけだ」って、「花が足の下で踏まれてた」って、「自分はお菓子が嫌いなんだ」って。
それなのに、自分の前に座っている女の子と目を合わせることができなかった。
どうして甥が思い出されたのだろうか。
冷徹王を見て、幼い少年を思い浮かべるなんて。
不敬で滑稽なことだ。
「今は大臣たちも静かでしょうが、結局同じになるでしょう。子供が生まれなかったらですが」
「別に構わない。次の王はブランシュになるのだから。それに、レイブン公爵もまだ結婚する気はないようだ」
そう言ってセイブリアンは眉をひそめる。
大きな意味もなく言った名前が、舌の根にくっついた。
その名前を口にすると、先日レイブンがアビゲールと一緒にいたことが思い出されたから。
彼はアビゲールに向かって優しく微笑んでいた。
これといって特別なことではない。
レイブンはいつも笑顔を見せていたから。
これまでレイブンとセイブリアンが政治的に対立したことはない。
これまでひっそり生きてきたレイブン。
結婚したり子供を授かって事態を複雑にさせることもなかった。
自分は権力に関心がないから、いない人扱いしろと言わんばかりに。
けれど、彼を見る度に、何とも言えない不快感が感じられた。
そんな中、レイブンがアビゲールに近づいたのだ。
昨年、二人が踊ったことを思い出す。
恐れが生まれる。
レイブンは優しい気性だ。
アビゲールも彼を嫌っている様子はない。
もしその優しさにアビゲールが惚れるとしたら・・・。
これまでセイブリアンが犯してきた罪があり、さらに焦ってしまう。
まるで守勢に追い込まれたチェスを指す人のように。
どうすれば彼女の心を掴むことができるのだろうか?
彼は口をつぐんだまま悩み、何かを思い浮かべた。
そう、もうすぐ彼女の誕生日だ。
物思いに耽っていたセイブリアンが呼び鈴を鳴らす。
彼は強張った顔で命令した。
「アビゲールがよく呼ぶという商人たちを宮に呼ぶように。一人も漏らさずに」
セイブリアンの態度が、まるで気になっている女の子にちょっかいをかけているように見えます(笑)
レイブンにも嫉妬していますし、アビゲールの気を引こうとしているのが可愛いですね。
けれど、アビゲールが望んでいるものを選ぶのは難しそう?かもしれません。