憑依者の特典

憑依者の特典【151話】ネタバレ




 

こんにちは、ちゃむです。

「憑依者の特典」を紹介させていただきます。

ネタバレ満載の紹介となっております。

漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。

又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

【憑依者の特典】まとめ こんにちは、ちゃむです。 「憑依者の特典」を紹介させていただきます。 ネタバレ満載の紹介となっております...

 




 

151話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

  • 奇跡の叙任式

「そうだろう! お前ならそう言うと思っていた! だからこの祖父が、ビアとヒルデに命じて前々から創立式の準備を進めさせていたのだ! 楽しみにしておけ!」

「えっ、本当ですか? お祖父様とヒルデが?」

そう言いながら私はヒルデの方へ視線を向けた。するとヒルデは視線を伏せ、少し照れたように答えた。

「閣下のお役に立てることをしたくて……」

「……」

ああ、この子、本当にいい子じゃないか。その気持ちの優しさがあまりにも尊い。

私も思わずインベントリに手を突っ込んだ。そして取り出した手には、チョコレートやキャンディー、キャラメルが山ほど握られていた。

「ほら、食べて。たくさん食べな。」

「あ、ありがとうございます、閣下……。」

「お礼なんていいよ。それに“閣下”って呼び方はちょっと堅苦しいな。」

「で、では……私は何とお呼びすればよいのでしょうか?」

ここで少し勧誘してみることにした。

「せっかくだし、専門知識――いや、神聖力を活かしてうちの宗教に入ってみる気はない? そうしたら、お互い“姉妹”って呼び合えるし。」

「姉妹……ですか……?」

「うん。」

「姉妹なら……姉妹なら……。」

しばらく真剣に考え込んでいたヒルデは、やがて大きく息を吸い込み、口を開いた。

「やります!」

「よし! よく決心した!」

[『世界を構築する精霊』が優秀な人材の獲得に大いに満足しています。]

[『世界を構築する精霊』が“精霊教会第1号支部”の創立式招待状を神々の世界へ配りに向かいます。]

「ふふっ!」

その時、ビアがわざとらしく咳払いをして私を止めた。

「ビア?」

「……見ていると、これから“姉妹”がどんどん増えていきそうね。」

「ん?」

「忘れないでよ、アイ。」

ビアは少し拗ねたように言った。

「私があなたの一番最初の姉妹だってことを。」

「ああ、それはもちろんだ!」

ビアンカは、私が最初に教えを説いた信徒だった。当然のことだ。

応接室での会話はそこで終わった。祖父とヒルデは、創立式の準備への意欲を燃やしながら先に席を立つ。

「よし、それでは騎士団も解散! テリーも行っていいぞ。ビアはまず荷物の整理をしておけ。後で私がお前の部屋へ行く。」

「うん、待ってる。」

全員を応接室の外へ送り出し、私は一人になった。人目のない場所で確認したいことがあったからだ。私の視線はシステムウィンドウへ向く。精霊様が招待状を配りに行った後、新しいメッセージが表示されていた。

【クエスト】『精霊教主の使命』が第3段階から第4段階へ自動更新されます。

【クエスト】『精霊教主の使命 第4段階』(難易度:不明)

ついに精霊教の教義の上に、壮大な神殿が完成した。盛大な創立記念式典を開催し、人々と神々の関心を集めよう。

成功報酬:???

失敗ペナルティ:なし

相変わらず、内容は状況に合わせて変化するタイプのクエストだった。だが、それはそれとして――教主クエストの更新による追加の報酬もあった。

【システム】クエスト段階が上位へ更新されたため、クエスト完了報酬『???』を自動的に受領します。

『やった!』

教会に直接足を運ばなくても、第3段階の報酬を受け取れるようになった。応接室に一人残ったのも、そのためだ。私は高鳴る胸を抑えながら、大きく両腕を広げた。

〈アイレット、何だと思う?〉

「精霊様のご加護を受け取る準備をしております。」

そして、きっと素晴らしい何かが現れるのだろうと期待しながら待った。

ぽんっ!

「ん……?」

羽根のように軽い何かが右手の上に落ちてきた。

【システム】『正体不明のイベントダンジョン入場券』を獲得しました。

【その他】『正体不明のイベントダンジョン入場券』

ヴィンチェスター王国西部、ウィブリル島に存在する『正体不明のイベントダンジョン』へ入場できる権利証。原作には存在しないオリジナル拡張パッケージであるため、ダンジョン内に何が待ち受けているのかは不明。

※参考:『世界を構築する偉大なる存在』が、あなたの願いを叶えるために、創造性と神性を惜しみなく注ぎ込んで作り上げたものです。

『私の願い……?』

妙な違和感に、私は深く考え込んだ。しばらく頭を悩ませてみたが、結局これといった答えは思い浮かばなかった。期待して裏切られるのも、創造神様に申し訳ない。だから私は、あまり深く考えないことにした。

『まあ、行ってみれば分かるよね。』

それよりも今は、まもなく開かれる特別行事――教会創立式の方が重要だった。私は入場券をインベントリへしまい、立ち上がった。せっかくここまで来たのだ。やるからには盛大にやりたい。私にも、まだ準備すべきことが山ほど残っていた。

新しく建てた教会の名前は、恩寵教で唯一の聖人の名を取ることにした。そしてついに迎えた――『聖アグネス教会』創立式当日。

私は祭服を身にまとい、教会の前へ向かった。そこで目にした光景に、思わず言葉を失う。

「な、なんでこんなに人が多いの!?」

地域の住民が全員集まったのではないかと思うほどだった。礼拝堂の前庭はもちろん、通りにまで人があふれている。

「神聖卿殿下!」

「聖女様! こちらを向いてください!」

「教会創立、おめでとうございます、聖女様!」

路地を抜け、正門を通って前へ進む間も、人々は絶えず歓声と祝福の言葉を送ってきた。

『もしかして……この人たち全員、将来は恩寵教の信徒になる可能性があるのかな?』

その考えに胸が高鳴る。私がこれほど舞い上がっているのだから、創造神様は言うまでもないだろう。

[『世界を構築する偉大なる存在』が感極まって拳を口元に当てる。]

[『万象の混沌を監視する瞳』が『世界を構築する偉大なる存在』へ祝福の眼差しと花束を贈る。]

[『万象の混沌を監視する瞳』が花束を手渡します。]

[『試練の魔塔建築家』が『世界を構築する偉大なる存在』の頭上に紙吹雪を降らせます。]

[『均衡を司る独裁者』が開発本部に向かって、鳴り響くような祝砲を上げます。]

教会の前庭は、まるで野外パーティー会場のような賑わいだった。平民と貴族がそれぞれ輪になり、楽しそうに会話を交わしている。その間を縫うように、祖父、ビアンカ、ヒルデが忙しく歩き回りながら来客へ挨拶していた。

三人とも恩寵教の信徒である。だからこそ、彼らの積極的な社交活動は、そのまま熱心な布教活動へとつながっていた。

【システム】無神論者を改宗させ、信徒として迎え入れました。

【システム】無神論者を改宗させ、信徒として迎え入れました。

【システム】無神論者を改宗させ、信徒として迎え入れました。

……。

『この調子なら、神聖力9階位も夢じゃないかも!?』

期待で胸が膨らむ。まるで順調に会員を増やしていくネットワークビジネスのようだ。

創立式と大げさに呼んではいるが、結局のところ教会行事の中心は礼拝だった。私は創立礼拝が始まるまで、最上階にある教皇の執舞室で待機していた。窓の外を見ると、人々がますます集まってくるのが分かる。だが、感慨深い出来事はそれだけではなかった。

[『天機漏洩監察官』が通りすがりに立ち寄り、あなたと『世界を構築する偉大なる存在』へ、こっそり祝福の言葉を贈ります。]

[『魂を裁く天秤』が、礼拝堂の内装がまるで結婚式場のように美しいと褒め称えます。]

[『至高の万物商』が、創立記念に必要な教会備品があれば、いつでも提供すると申し出ます。]

[『創造経済管理者』が、恩寵教の開設で大成功することを願っています。]

[『世界を構築する偉大なる存在』が、「開設」ではなく「創立」だと訂正を求めます。]

『ありがとうございます、皆さん。』

開発本部の神々だけでなく、他の神々までもが忙しい合間を縫って時間を割いてくれた。その時、部屋の扉が遠慮がちにノックされた。姿を現したのは、白金色の髪を持つ少女――ヒルデだった。

「その……」

ヒルデはまだ「アイレット姉妹」という呼び方に慣れていないようだった。ぎこちない口調で私を呼ぶヒルデに、私は微笑みかけた。

「うん、ヒルデ。」

「時間になりました。」

「そう? じゃあ行こうか。」

いよいよ礼拝堂へ向かう時間だ。豪華で広々とした礼拝堂。1階は平民たちで埋まり、2階と3階は貴族たちが席を埋め尽くしていた。入場直前には銀彩騎士団の団員たちも着席した。

「アッシュ、ヘスティオ、エフェール。特別に最前列を空けてあるから、そこに座ってね。」

「うっ、後ろの席じゃダメか?」

「団長の指示なら従うしかないな、エフェール。」

「ああ、分かった、ヘスティオ。ところでテリーは? 来ていないのか?」

出生の秘密が明らかになって以降、人目を避けて暮らしていたテリーにとって、こうした大勢の集まる場所は苦手だった。だが今日は、私にとって記念すべき初めての礼拝の日だ。彼が欠席するはずがない。

「1階で一般人に紛れて座ってるよ。」

「あ、見つけました。あそこの隅でフードを深く被っている人が兄さんですよね?」

「うちのアッシュは、さすが暗殺者だけあって目ざといな。」

原作でも驚くほど主人公を見つけ出していたからな。

銀彩騎士団の団員たちが一般入口から入場して席に着くのを見届けた後、私はヒルデとともに別の入口から礼拝堂へ入った。

壇上へ上がると、あちこちに見知った顔が見える。実に多くの知人が集まっていた。銀彩騎士団だけでなく、カトレア枢機卿は聖皇庁からの正式な祝賀使節として来ているようだった。そして久しぶりに見る父さんと母さんは、ビアンカに連れられてやって来たらしい。

さらに3階には、プリンツとレイウィンが王室騎士の正装をまとって着席していた。

『王室騎士がここにいるということは……』

その意味を悟ると同時に、見覚えのある顔ぶれを見つけた。そして同時にシステムメッセージが表示される。

[『世界を築く恩寵』が平信徒現金ランキング第3位に『リガレス・エジェンテル・ビンチェスター』を登録します。]

[『世界を築く恩寵』が平信徒現金ランキング第2位に『セレスティード・ビオリン・ビンチェスター』を登録します。]

[『世界を築く恩寵』が平信徒現金ランキング第1位に『ラビオサ・アンジェラ・ビンチェスター』を登録します。]

やはりビンチェスター王家の面々も来ていた。「平信徒」と表示されているのを見るに、王族たちは心音の検査をきっかけとして恩寵教へ改宗したようだ。しかも祖父を抜いて、献金ランキング上位を独占してしまっている。

[『世界を築く恩寵』が、全員を合わせれば50億キャッシュ以上になると小声でつぶやいている。]

[『魂を裁く天秤』が、もしジョブ変更券の購入イベントがまだ残っていたら、あなたを応援していただろうと言っている。]

[『創造経済の管理者』が、売上実績の向上を期待して目を輝かせている。]

半分も集まっていたのか。思わず感極まって、涙がこぼれそうになった。だが、それとは別に気になることが一つあった。

「 crumbs……、ラビオサ王妃も来ているのか? 姿が見えないな……あ。」

黒いドレスに黒いヴェールで顔を隠した女性が、1階の席に紛れていた。だが、その位置が少々問題だった。

〈アイレット。あそこの左端で、一人だけ黒い服を着て座っている女性……ラビオサ王妃じゃないか?〉

「そうです。」

〈しかも、テリーの真横に座っているんだけど?〉

王妃は人目を避けるように一般席へ紛れ込み、よりによってテリーの隣を陣取っていた。顔を隠している者同士で、たまたま隣同士に座っただけなのだろうか。あまりにも出来すぎた偶然だったが、かといって二人が特別お互いを意識している様子もなく、判断に困る。

ともあれ、創立礼拝を始めることにした。長引かせず、手短に終わらせるつもりだ。

「お集まりいただきありがとうございます、皆さん。えへへ……実は私、説教はあまり得意ではないんです。」

大きく深呼吸をしてから、私は力強く声を張り上げた。

「神は皆さんを愛しておられます! 神を心から信じなければなりません! 神の祝福と永遠の栄光があれ! それでは皆さん、どうか健やかに。何事も順調に進みますように!」

以上、説教終了。

私はしばらく会場を見渡した。皆、目を丸くしたまま静まり返っている。しばし続く沈黙。

だが私は、自分の説教の効果を信じていた。私が身につけている恩寵教主のコスチュームセットには、魅力・喜び・威厳・カリスマを3倍にする効果がある。しかも説明文には、こんな一文まで書かれていた。

『布教活動が容易になる効果があります』

そして数秒後――

【システム】無神論者を改宗させ、信徒を獲得しました!

【システム】不信者を改宗させ、信徒を1万人獲得しました!

【システム】不信者を改宗させ、信徒を1万人獲得しました!

……

狂ったように流れ続けるメッセージ。爆発的な布教の成果だった。私に向かって目を輝かせる信徒たちを見て、思わず満足げに微笑んだ。

「え……あれ……?」

「し、神聖教皇陛下?」

人々は私を見て驚いた表情を浮かべていた。突然、柔らかな旋風が私の周囲を包み込んだからだ。それだけではなかった。

トク! トク! トク!

目もくらむような光を放つ品々が、空から次々と降り注いだ。それらが積み上がった祭壇は、きらきらと輝いていた。

『これは一体何だ?』

答えはシステムメッセージが教えてくれた。

【システム】『均衡を司る独裁者』が、あなたに『純金の聖餐器セット』を寄付しました。

【システム】『天機漏洩監察官』が、あなたに『枯れない聖油の器』を寄付しました。

【システム】『創造経済管理者』が、あなたに『自動で金貨が補充される献金箱』を寄付しました。

【システム】『至高 of 万物商』が、あなたに『VIPポイントショップ全商品50%割引クーポン』を寄付しました。

【システム】『試練の魔塔建築家』が、あなたに『人生一発勝負! 勝負師の幸運ポーション』を寄付しました。

【システム】『クリシェ美食家』があなたに『展開速度加速剤:最上級記憶喪失治療プラン』を寄付しました。

【システム】『魂を裁く天秤』があなたに『共同資産証明の印章(カップル専用)』を寄付しました。

【システム】『万象の混沌を監視する瞳』があなたに『純白の百合の花冠』を寄付しました。

【システム】『世界を構築する精霊』があなたに『精霊教主コスチューム2』『精霊教主コスチューム3』『精霊教主コスチューム4』……

「わあ、すごい。」

神々は開教祝いの贈り物を次々と降らせてくれた。

「おお、空から宝物が降ってくるぞ!」

「き、奇跡だ! 奇跡だ!」

【システム】不信者を改宗させ、信徒を1万人獲得しました!

熱狂が収まるのを待ってから、私は口を開いた。まだ礼拝は終わっていなかった。

「ヒルデ、こちらへ。」

「は、はい……!」

今日はヒルデにとっても大切な日だった。私はヒルデの頭に両手を置き、神聖な任務を授ける祈祷文を厳かに唱えた。教主となって初めて執り行う叙任式だった。

厳かな儀式を終え、司祭となった彼女を立ち上がらせる。貴重な人材がついに精霊教へ迎え入れられたと思うと、胸が満たされた。感慨を胸に抱きながら、彼女を宗教的な敬称で呼んだ。

「ヒルデ姉妹。」

「はい、お姉様。」

「……ん?」

「だって、姉妹なら“お姉さん”じゃないんですか?」

「え……まあ、そうだな?」

細かいことは気にせず、私は切実な思いで頼み込んだ。

「これからはヒルデ姉妹が、私をたくさん支えてくれると助かる。副教主みたいな感じで。」

「ふ、副教主ですか?」

「私はやることが多くて、教会にあまり顔を出せなくなるだろうから。ヒルデ姉妹が神聖な召命を代わりに果たしてくれるとありがたいんだ。」

「わ、私に務まるでしょうか……?」

「もちろんだ。きっとうまくやれる。それに、もし失敗しても大丈夫。責任は全部私が取るから。」

余裕たっぷりに言ってはいたが、本音はこうだった。

『頼むから引き受けてくれ。な? 私の知っている神聖力覚醒者は、みんな狂信者ばかりなんだから。』

[『世界を構築する精霊』が人材不足を嘆いています。]

[『魂を裁く天秤』が主人公を勧誘して改宗させようと言っています。]

[『天機漏洩監察官』が、他人を計画的に引き抜くのは道義に反すると注意しています。]

[『魂を裁く天秤』が、どうせ家出した神の宗教なのだから問題ないではないかと反論しています。]

[『クリシェ美食家』が後ろで大きく咳払いをしています。]

[『魂を裁く天秤』が、いつの間に来たのかとぎょっとしています。]

[『世界を構築する精霊』が、招待もしていないのに何事だとぶつぶつ文句を言っています。]

私はヒルデの目を見つめながら、緊張して返事を待った。幸いにも、ヒルデは私の望む言葉を返してくれた。

「はい……! 一生懸命頑張ります、お姉様……!」

「ヒルデ……!」

私はヒルデの手をぎゅっと握り、感動に浸った。――だが、すぐに我に返る。

「うほん!」

前列のどこかから、わざとらしい咳払いが聞こえてきたからだ。なんとなく嫌な予感がした。レオナルドやアロンジェイクたちからの視線だろうか。

さて、次は一般信徒たちへの奉仕の時間だった。私は自ら祝福した聖水で洗礼を授け、懺悔室では告解も受けた。もちろん、人が多すぎて全員に対応するのは不可能だったが。

告解室から出てくると、ヒルデが人々に囲まれ、儀式の日程について質問攻めにされているのが見えた。

「来月で二十歳になるんですが、成人式を受けられますか?」

「成人式は毎月の月初に執り行われる予定です。個別で成人式をご希望の場合は、別途ご相談ください……」

「私は来年結婚予定なんです! 結婚式も執り行っていただけますか? 今のうちに予約できますか?」

「えっ、予約制なんですか? 私も! 私も結婚式を予約したいです!」

「私もです! 神聖教皇陛下にぜひ司式していただきたいんです!」

「そ、その……神聖教皇陛下はとてもお忙しいので……。それに結婚式は聖アグネス教会の信徒の方を対象としておりまして……」

「通います! 婚約者と一緒に通います! だから予約だけでもお願いします!」

「両家の両親も連れてきます!」

【システム】不信者を改宗させ、信徒を1万人獲得しました!

【システム】不信者を改宗させ、信徒を1万人獲得しました!

【システム】不信者を改宗させ、信徒を1万人獲得しました!

……

【システム】多数の不信者を改宗させ、信徒にしました!

メッセージがやけに激しく表示されるなと思った、その時だった。

「え?」

再び私の周囲に旋風が巻き起こり、頭上から光が降り注いだ。さらに、胸の奥から熱い力が湧き上がってくるのを感じた。

「な、何だ……?」

胸の高鳴りを感じていたのは、私だけではなかった。

「うっ……!」

「はぁっ……!」

礼拝堂にいた人々が突然動きを止め、一斉に息を呑んだ。

【システム】おめでとうございます! あなたの神聖力が第9階位に到達しました。

まさか。大司教の司教杖のおかげで第8階位の上限に達していた神聖力が、ついに次の段階へと壁を突破したのだ。

[『魂を裁く天秤』が祝福の拍手を送っています。]

[『創造経済管理者』が祝福の拍手を送っています。]

[『天機漏洩監察官』が祝福の拍手を送っています。]

……

まるで神界全体に拍手が響き渡っているかのようだった。

〈おめでとう、アイレット。神降臨を受けることなく、第9階位に到達するとは。〉

「ありがとうございます、アグネス。」

私は両拳を握り締め、その高揚感に浸りかけたが、すぐに気を引き締めた。

『いや、今は浮かれている場合じゃない!』

深く息を吸い込み、第9階位へ到達した神聖力を急いで内へと収める。下手に力を漏らせば、信徒たちを驚かせてしまうかもしれないからだ。

ようやく人々は息をつき、ざわめき始めた。

「まさか……今のは第9階位の神聖力では?」

「神降臨も受けずに……」

「これで大陸最強の座は名実ともに確定だな。」

「もはや神聖教皇を止められる者はいないだろう。」

[『世界を構築する精霊』が、布教によって強くなったあなたの姿に感動しています。]

[『創造経済管理者』が、これからは課金でさらに強くなる時間だと言っています。]

どうやら事業本部長のあの助言は、予言に近かったらしい。

【システム】『VIP専用ポイントショップ』に『超越スキルブック』が解放されました。

これまでVIP専用ポイントショップでは、攻撃系スキルブックまでしか販売されていなかった。そのため、まだ習得できていなかった「神聖不可侵」のような超越スキルは、神降臨状態でしか使用できなかったのだが――これからは購入して習得できるようになった。

『うわ、めちゃくちゃ強くなれそうだな!』

VIP特典、最高! だがその一方で、少しだけ気が重くもなった。試しに超越スキルブックの価格を確認してみたところ、どれも数千万キャッシュというとんでもない値段だったからだ。

『ははは……金がいくらあっても足りないな。』

私が乾いた笑いを漏らしていると、軽快な通知音とともにクエスト完了メッセージが表示された。

【クエスト】『精霊教主の使命 第4段階』を完了しました。

創立式は無事に成功のうちに終わった。そろそろ退場してもよさそうだ。

「皆さんに神のご加護がありますように!」

礼拝堂から人々が次々と帰っていくのを見送りながら、私も出口へ向かった。だが、廊下で思いがけない人物と鉢合わせた。白金色の髪と蒼白の瞳を持つ、どこか冷たい雰囲気の美少年――リガレスが通路の先で私を待っていたのだ。

「末王子殿下?」

何か面倒事でも起きたのかと訝しみながら声をかけると、

「うん、兄さん。」

「……」

その瞬間、私の聴覚と視覚がおかしくなったのかと思った。私を妙な呼び方で呼んだリガレスが、気まずそうに視線を逸らしながら足先で床をこすったからだ。

 



 

 

 

  • 聖アグネス教会の創立と「爆速」説教での大改宗

    アイレットは新設した「聖アグネス教会」の創立式で、神々や信徒が見守る中、わずか数秒の超短期説教を敢行。コスチューム効果も相まって不信者が数万人規模で次々と改宗し、開発本部の神々からは空から大量の超豪華な開教祝い(レアアイテム)が降り注ぐ奇跡が起きました。

  • 優秀な人材ヒルデの勧誘と副教主への叙任

    アイレットは神聖力覚醒者であるヒルデを言葉巧みに誘って精霊教へと引き込み、「姉妹(お姉様)」と呼び合う関係に。そのまま教主として初めての叙任式を執り行い、自身の代わりに教会を任せる頼もしい「副教主」としての任務を授けました。

  • 神聖力「第9階位」到達とリガレス王子の謎の呼びかけ

    式典中の爆発的な布教の成果により、アイレットの神聖力は神降臨を経ずに前人未到の「第9階位」へと突破。大陸最強の座を確固たるものにし、VIPショップで超越スキルの解放を確認した直後、退場しようとした彼女の前に現れた末王子リガレスから、なぜか「兄さん」と声をかけられるという奇妙な事態に直面します。

 

 

【憑依者の特典】まとめ こんにちは、ちゃむです。 「憑依者の特典」を紹介させていただきます。 ネタバレ満載の紹介となっております...