こんにちは、ちゃむです。
「継母だけど娘が可愛すぎる」を紹介させていただきます。
今回は61話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
<鏡よ 鏡 この世で一番美しいのは誰?>
子供服のデザイナーとして生きていた私は過労死ししてしまい、気がつくと童話に入り込んでしまった。
しかも、美しい連れ子に嫉妬し、毒殺して夫に処刑される残忍な悪女になっていた!
可愛くて愛らしい我が娘ブランシュと仲良くなって愛情を注ぎたいのに…。
「君がブランシュの心配をするとは面白いな」
クズみたいな夫がいつも私の邪魔をしてくる!
「私もブランシュの親です。私を疑ったことを謝ってください」
「謝らなかったら?」
「今夜、殿下の寝所へ伺います」
アビゲール・プリドキン:本作の主人公。白雪姫ブランシュの継母。転生前はデザイナーで、ブランシュのことを気に入っている。
ブランシュ・プリドキン:アビゲールの義理の娘。自分を虐げてきたアビゲールの突然の変貌に困惑している。
セイブリアン・プリドキン:ネルゲン王国の国王。ブランシュの父で、アビゲールの夫。
クララ:新人侍女。
ミラード:セイブリアンの側近。
ジェレミー夫人:ブランシュの家庭教師でありシッター。
ストーク:公爵。セイブリアンに側室を迎えるように何度も勧めてくる。
ヴェリテ:真実を告げる鏡。
ミリアム:前王妃。ブランシュを産んで間もなくこの世を去った。
61話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 親友
鏡ガラスに手を当てる。
私とヴェリテは、透明な壁に遮られているようだった。
「ヴェリテ」
「・・・」
「ヴェリテ、ごめんね。私よりあなたの方が寂しかったよね」
彼は視線を斜めに伏せていた。
「茶会に行くのはやめようか?」
「それは違うよ。君は茶会に行かないと。社交界で淘汰されることは、色々な面で損をするのだから」
「私はそんなことより友達のあなたの方がもっと大切よ」
新しい友達が欲しいからといって、昔の友達を捨てるわけにはいかない。
ヴェリテはそっと頭を上げる。
「・・・本当に私の方が大切なのか?」
「ええ、もちろん」
そう言うと、ヴェリテはようやく笑ってくれた。
こういう一面は子供なんだから。
「女友達ができても、私を忘れたらダメだよ?」
「うん、約束するよ!」
「まあ、他の友達ができても、私ほど有能な友達はいないだろうしね」
「そうそう。ヴェリテが一番最高なんだから!」
全力を尽くして愛嬌をふりまく。
こうなると誰が主人なのか区別がつかないね。
ところで、ヴェリテの孤独を一度自覚すると、もう知らんふりはできない。
一日中、鏡の中で退屈だと思うんだけど・・・。
他の話し相手でもいれば、もう少しマシになるのでは?
「ところで、一人で退屈なんでしょ?侍女たちにあなたを紹介してあげようか?クララとかノーマとか。それか、文官たちと話をするのはどう?」
「前にも言ったけど、私のことはなるべく隠した方がいいよ。危険になるかもしれないから」
これは以前からヴェリテと私の間で合意されていたことだった。
ヴェリテの能力を周囲に知らせないこと。
彼の能力は卓越していて強力だ。
内敵が知ったら真っ先に排除したいだろう。
信じられる人には知らせてもいいのではないかとも思うが、信じられる人として誰がいるだろうか?
思い浮かぶのはブランシュくらい。
セイブリアンは、まだよく分からないし・・・。
「今度ブランシュにあなたの話をしてもいい?」
「ブランシュ?」
彼は首を傾げて、それからしばらく悩んでいた。
「いいや、大丈夫。君があまりにもたくさん彼女を見せてくれたから別に見たくない」
こいつ・・・、満腹なことを言っているのか?
ふん、後で後悔することになるぞ。
「アビゲール、ところで誰か来たみたいだけど?どうやらセイブリアンみたいだね」
・・・こんな夜中に?
今日来るという話は本当だったのか・・・。
帰らせたいけれど、私には選択肢がない。
歯軋りをして寝室に戻ると、いつの間にかセイブリアンが中に入っていた。
彼はドアのそばに立って私をじっと見ている。
「お邪魔でしたか?」
「いいえ、大丈夫ですよ。殿下、どうぞ座ってください」
いつものソファに近づくと、セイブリアンも私の隣に自然に座った。
さあ、早く手を繋いで30分後に寝よう。
私は彼が手を差し出してくるのを待った。
けれど、いつもと違い、彼は手を出さなかった。
どうしたのだろう?
手を握るのは卒業するつもりなのだろうか?
「アビゲール、今着ている服もあなたがデザインしたものですか?」
場違いない質問。
セイブリアンは服に関心がなかったのでは?
「ええ、私が考案しました」
「最近ブランシュが着ている衣装もあなたがデザインしたと聞きました。シュミーズ・ドレスでしたか?」
おお、ブランシュにそろそろ興味が湧いてきたようだね。
少し気分が良くなって、思わず声が大きくなる。
「はい、それも私がデザインしたものです。ブランシュ姫が着ると本当に綺麗でしょう?」
「ええ、綺麗です」
よしよし、ブランシュが綺麗だということ認めたね。
「ブランシュもあなたも不思議ですね。血はつながっていないのに、本当の血縁関係のようなのだから」
セイブリアンの口から出た「血縁」という言葉が、何だか少し悲しく聞こえる。
「今回は、お茶会も一緒に行うと聞きましたが?」
「はい、ブランシュ姫から薦められたので、今回はお茶会を開くことになりました」
「そうですか、ここでは一度もお茶会を開いたことがなかったはずですので・・・」
彼の気遣いに思わず目が大きくなった。
どうして知っているの?
彼はアビゲールに全く関心がないと思ってたが?
「どうして知っているのですか?」
「君には親友がいないじゃないですか」
セイブリアンの指摘が、みぞおちを突いてくる。
あんたも友達がいないじゃないか!?
「私には親友がいます」
ついカッとなって言ってしまう。
セイブリアンは好奇の目で私をじっと見た。
「本当ですか・・・?聞いたことがありませんが誰でしょうか?」
「秘密です!」
ふん、お前には親友がいないだろ?
私にはいるわ!・・・鏡だけれど。
「親友がいる」という言葉に、セイブリアンは唇をギュッと噛んだ。
彼の自尊心が傷ついたようで、私は少しだけ嬉しくなる。
「後で誰なのか、ぜひ紹介してもらいたいですね」
「ええ、まあ。機会があれば」
「いずれにせよ、パーティーの準備は大変でしょう。何かあれば仰ってください。何事もないと思いたいですが・・・」
セイブリアンは眉をひそめる。
「カリン令嬢も来るというので少し心配ですね」
物静かな声の向こうに侮蔑と警戒心、そして懸念が感じられた。
「お茶会の間の経費を増やしておきます。その他に何か必要なものはありますか?」
「いいえ、大丈夫ですよ」
「思い出したら仰ってください。それでは、これで失礼します」
セイブリアンはそう言って立ち去ろうとする。
え?え?
「殿下、少々お待ちください!」
焦って彼を呼び止めた。
「どうしましたか?」
「その・・・」
今日は手を繋いでいないし・・・。
どうして今日は手を握らずに帰るの?
なぜか寂しくて虚しかった。
「今日は手を繋がないのですね?」
率直に尋ねる。
このまま見送れば、無駄に一晩中気になるだろうから。
その質問にセイブリアンが立ち止まる。
「・・・繋いでもいいのですか?食事の時に躊躇されていたので、私があなたの手を握るのが嫌なのかと思っていました」
あ、今までそれを気にしていたの?
当時は平気そうに見えたけど、本当によく分からない人だ。
そして私も自分自身を分かっていない。
彼の答えに、なぜこんなに安堵しているのだろうか?
「手を繋ぐのは嫌ではありません・・・。みんながいる前で、夜に来るって言われるのが、嫌だっただけです・・・」
「・・・そうだったのですね」
セイブリアンの固かった声が緩んだ。
「わざと言ったのですが、お嫌でしたら、これからはしません」
「・・・私をからかったのですか?」
「親密さをアピールした方が、私たちの不和説を鎮めるのに得策と考えていたのです」
あ、そうだったの?
納得していると、セイブリアンは私をじっと見ていた。
「あなたの表情を見るのも面白かったですが」
やっぱりからかったんじゃないか!
彼は素知らぬ顔で、私に手を差し出す。
「アビゲール、手を繋いでいただけますか?」
「・・・はい」
何気なく手を握ると、セイブリアンはなんとなく満足げな顔を浮かべていた。
その姿を見ると感慨無量である一方、疑問に思ったりもする。
「殿下、お聞きしたいことがあります」
「どうぞ」
「毎日練習しなければならないのでしょうか?もう女性と手を握るのは平気になったのでは?」
その質問に、セイブリアンはゆっくりと顔を上げる。
昼よりも夜よりも鮮明で美しい瞳。
「平気ではありません」
「え?」
「あなたと手を握るのが平気になっただけで、他の女性とはまだ無理です。想像するだけでも拒否感があります」
彼はそう言うと私の手を強く握った。
「アビゲール、あなたは特別なのです」
ヴェリテの交友問題はとりあえず保留ですね。
そしてセイブリアンの訪問。
彼との関係も順調ですし、特別だと言われましたね♪
アビゲールはどう感じたのでしょうか?