こんにちは、ちゃむです。
「継母だけど娘が可愛すぎる」を紹介させていただきます。
今回は107話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
<鏡よ 鏡 この世で一番美しいのは誰?>
子供服のデザイナーとして生きていた私は過労死ししてしまい、気がつくと童話に入り込んでしまった。
しかも、美しい連れ子に嫉妬し、毒殺して夫に処刑される残忍な悪女になっていた!
可愛くて愛らしい我が娘ブランシュと仲良くなって愛情を注ぎたいのに…。
「君がブランシュの心配をするとは面白いな」
クズみたいな夫がいつも私の邪魔をしてくる!
「私もブランシュの親です。私を疑ったことを謝ってください」
「謝らなかったら?」
「今夜、殿下の寝所へ伺います」
アビゲール・プリドキン:本作の主人公。白雪姫ブランシュの継母。転生前はデザイナーで、ブランシュのことを気に入っている。
ブランシュ・プリドキン:アビゲールの義理の娘。自分を虐げてきたアビゲールの突然の変貌に困惑している。
セイブリアン・プリドキン:ネルゲン王国の国王。ブランシュの父で、アビゲールの夫。
クララ:新人侍女。
ミラード:セイブリアンの側近。
ジェレミー夫人:ブランシュの家庭教師でありシッター。
ストーク:公爵。セイブリアンに側室を迎えるように何度も勧めてくる。
ヴェリテ:真実を告げる鏡。
ミリアム:前王妃。ブランシュを産んで間もなくこの世を去った。
107話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 雪原
雪がたくさん降る冬。
数日間続く大雪のため、窓の外は白い。
15歳の少年王は自室の椅子に座っていた。
ただただ無感覚な表情で。
もうすぐ自分の子供が生まれる、そんな話を聞いたのに。
子供が生まれる。
私の子供が。
実際、彼はその事実を理解しにくかった。
父親になるには幼すぎたのだ。
秘書官が子供の出生を知らせた時、彼はわざと申し訳ないという表情を浮かべる。
第1子が姫だという知らせを聞くことが罪のように。
セイブリアンにとって、それは罪ではなかった。
彼は子供の誕生を喜んでいないが、憎みもしていない。
娘はただ生まれただけ。
誕生は罪にならない。
しかし、大妃にとっては子供が女の子だという事実が罪のように思っていたようだ。
彼女は誰よりも喜び備えていた。
部屋一つを全て子供用品で満たし、子供の名前を選ぶのに多くの文官が苦労した。
あらゆる歴史書を調べて、リストを作成したほどだ。
だがその数多くの子供用品と、用意された名前の中に女の子のための物はなかった。
娘だという知らせを聞いた時、険しく歪んだ大妃の顔は今でも思い出せる。
そして、自分を見つめていた瞳も覚えている。
セイブリアンがどれだけ生きられるか、次の子供を作ることができるのか。
まるで馬の歯を数えて年齢を推測し、馬の折れた足を覗き込んで殺すべきか、生かすべきか苦悩する人のように。
ミリアムも娘だという知らせに大きく絶望していたことを思い出す。
難産だったから尚更だろう。
母も、祖母もブランシュを歓迎しなかった。
歴史の中の数多くの王と伝説の中の存在から取った名前は彼女に与えられなかった。
ブランシュ(白)という多少誠意のない名前が付けられたのは、そのような理由からだ。
窓の外に白い雪が降っているからと、大妃とミリアムは子供にそのような名前を与えた。
雪が降らず雨が降っていたら子供の名前は雨になったはず。
春だったら花の名前がついたかもしれない。
そのためブランシュが大妃がどんな人かと尋ねた時、セイブリアンは答えられなかった。
君が・・・、君が生まれた時に、君を見て笑わなかった人だと。
君の母親が君を産んで間もなく死んだ時、葬儀が終わってもいないのに私の部屋に君を送った人だと。
とてもそうは言えず、名前をくれた人とだけ言った。
それでもブランシュは微笑んだ。
大妃に会いたい。
そう言いながら明るく笑うなんて。
あの人が君に何をしたのか、何をするかも分からないのに。
ブランシュは、名前のように雪原のように白い子供だ。
白いものは汚れやすい。
芝生を通り過ぎてもあまり目立たないが、雪の上では小さな足跡一つでも皆が分かる。
王の道は、芝生でも雪に覆われた土地でもない泥沼だ。
汚物と血でびっしり絡み合ったぬかるみ。
私がぬかるんだように、君の雪原もいつかは廃墟になるのではないだろうか。
「・・・殿下?」
静かにブランシュを眺めていたセイブリアンが、パッと顔を上げる。
いつの間にかアビゲールが目を覚ましていた。
「寝ていなかったのですか?」
「・・・ええ。眠れなくて」
「何か悩みでもあるのですか?」
「大したことではありません」
彼女はまだ深い瞳でセイブリアンを見つめていた。
紫の瞳は心配の感情が満ちている。
「私では役に立たないかもしれませんが、不安を語るだけでも気持ちが楽になるかもしれませんので」
アビゲールではなく他の人だったら、煩わしいと感じていただろう。
けれど、セイブリアンはその言葉が、その声が、そこに込められた感情が嬉しかった。
数十年間、雪原を一人で彷徨って、初めて人に出会えたような気分だった。
「ブランシュが心配で見ていました」
彼はそう言いながらブランシュを見下ろす。
子供は父親がそのような心配をしているのかも分からないまま夢の国に行っている。
「こんなに情が深くて、どうやって耐えるのか。この弱い子がいつも心配です。強く育てようとしているのに、ブランシュは相変わらずですから」
ため息交じりの声。
黙々とセイブリアンの言葉を聞いていたアビゲールが口を開いた。
「情が深いということは弱いという意味ではありません」
彼女の声は静かで鋼鉄のように力強い。
セイブリアンは、その声を静かに聞いていた。
「冷静に追い詰めると強い子供ではなく、傷だらけの子供に育つだけです」
傷だらけの子供。
彼はそれの何が間違っているのか考える。
生まれて一度も傷つかない人なんて存在しない。
だからゆっくり傷に慣れていった方が良いはずだ。
だからセイブリアンはブランシュを厳しく育てた。
いつか白い雪原が血に染まったとき、彼女があまり苦しまないように。
「私は・・・、よく分かりません。優しさと弱さは同じ意味ではないのですか?」
「私はブランシュが優しくて強い子に育つことが出来ると信じています」
ブランシュの名前の由来が判明しました。
大妃とブランシュの出会いは大丈夫なのでしょうか?
セイブリアンが不安になるのも分かりますが、アビゲールが彼を支えてくれるはずと信じています!