継母だけど娘が可愛すぎる

継母だけど娘が可愛すぎる【86話】ネタバレ




 

こんにちは、ちゃむです。

「継母だけど娘が可愛すぎる」を紹介させていただきます。

今回は86をまとめました。

ネタバレ満載の紹介となっております。

漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。

又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

【継母だけど娘が可愛すぎる】まとめ こんにちは、ちゃむです。 「継母だけど娘が可愛すぎる」を紹介させていただきます。 ネタバレ満載の紹介とな...

 



 

<鏡よ 鏡 この世で一番美しいのは誰?>

子供服のデザイナーとして生きていた私は過労死ししてしまい、気がつくと童話に入り込んでしまった。

しかも、美しい連れ子に嫉妬し、毒殺して夫に処刑される残忍な悪女になっていた!

可愛くて愛らしい我が娘ブランシュと仲良くなって愛情を注ぎたいのに…。

「君がブランシュの心配をするとは面白いな」

クズみたいな夫がいつも私の邪魔をしてくる!

「私もブランシュの親です。私を疑ったことを謝ってください」

「謝らなかったら?」

「今夜、殿下の寝所へ伺います」

アビゲール・プリドキン:本作の主人公。白雪姫ブランシュの継母。転生前はデザイナーで、ブランシュのことを気に入っている。

ブランシュ・プリドキン:アビゲールの義理の娘。自分を虐げてきたアビゲールの突然の変貌に困惑している。

セイブリアン・プリドキン:ネルゲン王国の国王。ブランシュの父で、アビゲールの夫。

クララ:新人侍女。

ミラード:セイブリアンの側近。

ジェレミー夫人:ブランシュの家庭教師でありシッター。

ストーク:公爵。セイブリアンに側室を迎えるように何度も勧めてくる。

ヴェリテ:真実を告げる鏡。

ミリアム:前王妃。ブランシュを産んで間もなくこの世を去った。

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86話 ネタバレ

継母だけど娘が可愛すぎる【85話】ネタバレ こんにちは、ちゃむです。 「継母だけど娘が可愛すぎる」を紹介させていただきます。 今回は85話をまとめました...

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

  • 会いたかった

部屋は暗かった。

家具の輪郭がぼやけて見えると、小さく呼吸する音も聞こえてくる。

セイブリアンは慎重にベッドに近づいた。

暗闇の中でもアビゲールの顔はハッキリと見える。

彼女は主治医の言う通り眠っていた。

寝たきりなのか頬も痩せている。

久しぶりの顔だった。

いいや、実際に言えば僅か数日しか経っていない。

それにもかかわらず、なぜ何年も過ぎたように感じられるのだろうか?

顔を見れば安堵できると思っていたが、痩せこけた顔を見ると、さらに心配が激しくなる。

セイブリアンは静かにベッドの横に座った。

顔だけ見て帰ろうと思っていたが、いざ顔を見たら離れることができない。

彼はアビゲールの手を握った。

普段は暖かい手が、今日は少し冷たく感じられる。

しばらくすると、アビゲールの手がセイブリアンの手を握り返した。

起きたのかと思ったが、寝耳に入ったようだ。

セイブリアンはホッとしたまま、しばらく彼女の手を握る。

彼は久しぶりに無力感を覚えた。

あらゆる名薬と魔法、有能な医師を呼んできたにもかかわらず、アビゲールは依然として病床に伏せている。

その事実がただ虚しい。

一国の王が自分の妻一人治せないなんて。

それが心に染みるほど申し訳なくて悲しい。

久しぶりに感じる無力感に肩が震える。

セイブリアンは哀れな気持ちでアビゲールの顔を覗いた。

このように眠っている顔を見るのは二度目だ。

そもそも同寝をしていないから、見たくても見られない顔なのだが。

 



 

「・・・ううん」

その時アビゲールが小さく呻き声を上げて寝返りを打った。

セイブリアンはビクッとする。

しばらくしてアビゲールが目を開いた。

「セイブリアン?」

目元がムズムズしているのを見ると、まだ寝ぼけている様子だ。

敬称なしに名前で呼ばれるのも初めて。

「はい、アビゲール。私はここにいます」

名前を呼ばれると、セイブリアンは従順に答えた。

アビゲールは依然として朦朧とした視線で彼を眺めている。

「殿下?なんでここに・・・?」

「約束したじゃないですか」

セイブリアンは少しだけ力を入れて彼女の手を握った。

「毎晩、あなたの手を握りに来るって」

それは言い訳だ。

ただ、あなたに会いに来た。

自分の利己心を満たすため。

けれど、どうしてもそうは言えなかった。

アビゲールはその話を聞いてニッコリ微笑む。

「来てくれてありがとうございます。私も会いたかったです」

普段なら言わなかったはずだが、病気のため率直な気持ちがスルスルと流れ出た。

アビゲールは数日間、セイブリアンのことを考えていた。

以前は数週間会わなくても平気だった顔だったが、不思議なことに彼に会いたかったのだ。

自分の手をしっかり握っているこの手が恋しかった。

涼しくて優しい瞳が恋しかった。

静かな声が恋しかった。

体調が悪いからかもしれない。

苦しいと寂しくなるから。

だからこんなにもセイブリアンに会いたかったのだろう。

 



 

アビゲールがそんな考えをしている最中、セイブリアンは少しだけ枷を外していた。

彼は注意深くアビゲールの手を引いて自分の顔に持ってくる。

彼女の手が頬に触れた。

心臓の鼓動が指先を通して伝わると思えるほどにドキドキしている。

「私もあなたに会いたかったです」

しみじみと。

骨身に染みるように。

気が狂うほど。

アビゲールに会いたかった。

彼女も自分に会いたかったなんて。

すぐ外に飛び出して皆に自慢したくなる。

アビゲールはぼうっとした目で笑った。

その笑顔が愛らしくて可憐だった。

「すみません、アビゲール。まだ治療方法が見つかっていません」

病気に疲れた彼女の顔を見ていると、セイブリアンは大逆罪を犯したような気持ちになる。

先ほど秘書官に怒鳴りつけた時とは全く違う顔だ。

「明日会議を招集することにしました。この国では病気の原因を見つけられませんでしたが、外国や他の種族なら知っているかもしれません」

「他の種族・・・?他の種族とは仲が悪いのでは?」

「ええ、その通りです」

「それならどうして・・・?」

「方法ならありますので、あまり心配しないでください」

敵と言えども取引を断ることはないだろう。

懐柔するだけの代価を払えばいい。

それが土地であれ金であれ。

アビゲールはセイブリアンの指をモゾモゾ動かした。

息苦しいのかと思って手を放すが、彼女は手を引く代わりに、セイブリアンの顔に触れる。

目元、頬、顎を掠めて通り過ぎる手が心地良い。

「殿下、お休みになられていないのですか?」

暗闇の中だから顔色までは分からないはずだ。

明るい場所で見れば、目の下が黒くなっていることも気づかれてしまうだろう。

「忙しいはずなのに、わざわざ来なくても大丈夫ですよ」

アビゲールは心配そうに言った。

「あなたに会いにくる時間はあります。それに言いたかったこともありましたし」

「・・・言いたかったことですか?」

顔を撫でていた手が止まり、セイブリアンの静かな声が聞こえてきた。

「お誕生日おめでとう。そう言いたかったのです」

 



 

アビゲールの方から会いたいと言うとは。

セイブリアンも喜んでいますね。

アビゲールは後日思い出して恥ずかしくなりそうですが(笑)

流行病を治す策は見つかるのでしょうか?

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