こんにちは、ちゃむです。
「継母だけど娘が可愛すぎる」を紹介させていただきます。
ネタバレ満載の紹介となっております。
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又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

361話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 人魚の国②
それはカリンだった。
彼女は地上にいた時よりも、この場所でさらに自由で解放的に見えた。
彼女は私たちに近づくと、きりっとした態度で挨拶をした。
「お久しぶりです、ブランシュ陛下。オベロン皇后陛下、先王殿下、そして先王妃殿下にもご挨拶申し上げます。」
以前のカリンはいつも不満げな態度が目立っていたが、今私たちの目の前にいる彼女は、ただ一生懸命な外交官そのものだった。
そうだった、全部変わったんだ。
感慨深くカリンを見つめていると、彼女が私を見て微笑んだ後、すぐに表情を引き締めた。
「まずは中へどうぞ。応接室にご案内します。」
私たちはカリンの案内に従い、宮殿の中へ入った。
階段はなく、天井が大きく開けた独特な構造だった。
応接室に入ると、カリンは毅然とした表情を崩さずに言った。
「お世話をする者たちを呼びますので、私は席を外します。ごゆっくりお過ごしください。」
「もう行くの?」
久しぶりに会えたのに、こうもすぐに立ち去るとは。
これまでのことも聞けていないのに…。
カリンの一瞬の躊躇する表情を見て、他の人々をちらりと見た。
その視線は、自分がここにいていいのかを問うているようだ。
ブランシュとセイブルが励ますように微笑みかけると、彼女は一息ついてから私のもとへ駆け寄り、しっかりと抱きしめてきた。
「王妃様、お会いしたかったです!王子様もお生まれになったとか。すぐにでも伺いたかったのですが……!」
カリンは興奮気味に言葉を次々と紡いでいった。
先ほどまでの公的な態度とは異なり、感情が溢れ出ているようだった。
ああ、なんて愛らしいんだろう。
私は喜びを体全体で表現するカリンの姿を微笑ましく眺めた。
「私も元気にしてたよ。そうだね、カリンが前に欲しいって言ってた服を持ってきたの。」
「王妃様、最高です!こちらの服も素敵ですが、たまに人間界の服が恋しくなるんですよ。」
彼女の笑顔の中には、少しだけ切なさが混じっているように感じられた。
その後、カリンとセイブルが視線を交わし、カリンは丁寧に頭を下げた。
「先王殿下、このようにお目にかかれて本当に光栄です。そしてイベル王子様の誕生も心よりお祝い申し上げます。」
かつては自分を守るために必死だった彼女が、今では立派で自信に満ちた声で話している。
その姿に感慨深さを覚えた。
セイブルも堂々とした様子で彼女の挨拶を受け入れた。
「カリン外交官、遠い場所での任務、本当にお疲れ様。」
「当然の務めを果たしたまでです。」
カリンとセイブルが親しげに話す様子を見て、私は少し驚いた。
セイブルは腕の中にイベルを抱き、彼女に見せた。
「こちらは知っているだろうけど、イベルだよ。」
「おお!王子様ですね。初めてお目にかかります。」
イベルはカリンに向かって小さな手を差し出した。
その姿を見たカリンは、どこか懐かしそうな表情を浮かべた。
え?何だろう、その表情は?
その目の奥に感じた微かな感情の理由がわからず、私は困惑していた。
すると、カリンは軽く咳払いをしながら言った。
「実は……先にお伝えすべきことがあります。」
「え?何の話か教えてくれる?」
私が隣に立ち、カリンの報告を待っていると、何かが近づいてくるような気配がして、水の流れが変わったのを感じた。
「アビゲイル!」
その呼び声が、水流に乗って響き渡った。
ナディアが赤いマントをなびかせながら、海の波のように応接室に入ってきた。
彼女はまるで竜巻のように私たちの周りをぐるぐると回った。
ナディアの下半身は魚の尾の状態になっていた。
ナディアは興奮してどうしたらよいかわからない様子で、まるで子犬が尻尾を振るように尾びれを揺らしていた。
「アビゲイル、ようこそ! ブランシュも! 他のみんなも!」
その言葉に、カリンの表情が瞬時に険しくなった。
彼女はナディアの頬を軽くつねると、腕を組み直した。
「ナディア殿下、落ち着いてください。礼儀を守りましょう。」
「セイブリアン王、オベロン皇后、アトランティスにお越しいただきありがとうございます。」
本当に素早い態度の切り替えだ。
カリンの礼儀正しさには感心するばかりだ。
未来が明るく感じられる瞬間だった。
そんな気持ちでナディアを見つめていると、彼女の後ろから小さな子どもが一緒に入ってきた。
その子どもはイベルくらいの年齢で、はっきりとは分からないが、生まれてからまだ1年も経っていないように見えた。
赤い髪をしているので人魚の王族のようだが、よく見ると何かが少し違う。
背中や首に見られる鰓のような部分はあるものの、その子には魚の尾びれがなかった。
私は不思議に思って尋ねた。
「ナディア、その後ろの子は誰ですか?」
「ああ、ヒルデのこと?」
彼女は笑いながら振り返り、ヒルデを抱き上げて自分の腕にしっかりと抱きしめた。
そして、にっこりと笑いながら言った。
「私とカリンの娘だよ!」
「……娘ですか?」
「うん!」
ナディアのあまりのあっけらかんとした答えに、かえって驚くこともできないくらいだった。
不思議に思い、私は慎重に考えをまとめてから尋ねた。
「養子ですか?」
「違うよ? 実の娘だよ。」
「どうやって生んだんですか?」
するとナディアは得意げに鼻を鳴らしながら、満足そうに語り始めた。
彼女は得意げな表情で言った。
「ふふ、ちょっと頑張っただけよ。どうやってか聞きたい? 実は──あっ!」
顔を真っ赤にしたカリンが、勢いよくナディアの背中を叩いた。
その音は軽快に響き渡った。
「静かにしてください!この方が恥ずかしい思いをしているのがわからないの?」
「ごめん!ごめん、カリン! 一度だけ許して!」
一国の王であるナディアの無邪気さに、私は思わず微笑んだ。
確かにこの国の未来は明るいと感じられる。
カリンは落ち着きを取り戻しながら軽く咳払いし、説明を付け加えた。
「ええと……元々、人魚族は性別に関係なく子どもを生むことが可能です。混血もその対象に含まれます。」
「そういうことだったんですね。」
「うん、そういうこと。」
妖精が花から生まれるという話を聞いたことがあるし、それも納得だ。
ブランシュとセイブルも感心している様子だった。
「名前はヒルデよ。グンヒルドお姉さんの名前から取ったの。ヒルデ、あちらのアビゲイルお姉さんに挨拶してきて。」
「うん!」
ヒルデはナディアの腕からするりと抜け出し、ぷかぷかと私の方に向かって泳いできた。
そして、晴れやかな顔でにっこり笑った。
なんて可愛いの!
ヒルデが体を少し捻ると、周りの水が柔らかく揺れた。
私の周りを泳いでいたヒルデが、ふと動きを止めてどこかを見つめた。
それはセイブルの方だった。
いや、正確に言うと彼の腕に抱かれているイベルをじっと見ていたのだ。
そして、ヒルデはイベルの方へじわじわと近づいていった。







