偽の聖女なのに神々が執着してきます

偽の聖女なのに神々が執着してきます【140話】ネタバレ




 

こんにちは、ちゃむです。

「偽の聖女なのに神々が執着してきます」を紹介させていただきます。

ネタバレ満載の紹介となっております。

漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。

又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

【偽の聖女なのに神々が執着してきます】まとめ こんにちは、ちゃむです。 「偽の聖女なのに神々が執着してきます」を紹介させていただきます。 ネタバレ満載...

 




 

140話ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

  • 分岐点:現代、そして4人の男たち⑦

ほどなくして、また新しい遊びを思いついたらしく、三人は連れ立ってどこかへ行ってしまい、私は一人で部屋へ戻った。

植物の梯子を使ったせいか、身体は妙に重く、肩も痛む。

少し休もう――そう思い、寝台へ向かおうとした、その時だった。

窓の外から音がする。

トントン。

驚いて窓の方を見やり、用心して息を詰める。

だが、ほどなく現れたその姿に、胸に手を当てて安堵の息を漏らし、思わず笑ってしまった。

「もう……泥棒かと思ったじゃない」

「ここにいちゃいけない人がいるって聞いたからね」

「……それって、制限区域ってこと?」

そう問い返すと、カイルは軽やかに窓枠を越え、優雅な動きで私の部屋へと降り立った。

「一人で十分対処できることまで、私を休ませないつもりなのね。セイン卿を先に休ませておいて、その人は外すんですか。休暇申請まで却下なさって。」

「それはあいつが休暇を口実に、自分の権限を削ろうとしたからだ。……だが」

目の前に立ったカイルが眉をひそめ、私の手から書類を取り上げた。

「あいつを擁護する気か?」

子どもじみた問いかけに、私は思わず苦笑した。

「さあ、どうでしょう。」

「ここまで出てきた以上、私だって黙ってはいられない。」

私の頬を一度、彼が指先でなぞり、そのままもう片方の腕で腰を引き寄せた。

密着した体温が伝わり、深い赤色の瞳がすぐ近くまで迫る。

彼からは、ひんやりとしていながらも、どこか甘く胸をくすぐるような香りがした。

私は目を細め、困ったように微笑む。

「今は真昼間ですよ。それに……」

どくん、どくん、と心臓が早鐘を打つ。

「子どもたちのために神聖力を使ったせいで、身体に力が入らなくて」

そう告げた瞬間、カイルの唇が私の唇のすぐ手前まで近づいた。

「力がなくてもいい。あなたはただ……」

その言葉の続きは、聞けなかった。

夢の中で見たカイルの姿が、鮮やかに脳裏へと重なる。

乱れたシャツの襟元、周囲に漂う危うい気配――あの時と同じ、抗えない雰囲気。

彼はそこで、ぴたりと動きを止めた。

その沈黙が、かえって胸を締めつける。

昼の光が差し込む部屋の中で、二人の距離だけが、息が触れるほど近いまま残されていた。

そして、耳元に忍び寄る低い声。

「感じるだけでいい。あとは、全部俺がやるから。」

そのまま力を込められ、私はベッドの上へ押し倒された。

柔らかな寝具に背中が沈む感触に、思わず指先とつま先がぴくりと震える。

私の上に覆いかぶさったカイルは、ゆっくりと、ひとつずつボタンを外していった。

「でも……さっき、聞きそびれた答えがあるの。」

私は、自分を見下ろしているカイルに問いかけた。

「どんな答え?」

カチ、カチ、と小さな音を立ててボタンが外れ、引き締まった筋肉の胸元が次第にあらわになっていく。

「黄金の薔薇。先皇陛下の三つの教えの最後に……」

私の言葉に、カイルの唇がわずかに歪んだ。

「それって?」

そう囁くと同時に、彼は私の耳の後ろへと顔を寄せ、低い鼻先でなぞるように触れ、肩口へ軽く口づける。

「永遠を象徴する黄金の薔薇を、二輪も残しておいた理由……分かるかい、アリエル?」

彼のくすぐるような息遣いに、私は思わず彼の逞しい肩を掴んだ。

見上げた先、深紅の瞳が逃がさぬとでも言うように、まっすぐ私を捉えている。

「時間は永遠じゃない。だからこそ――残されたすべての時間を」

カイルは静かに、しかし確かな覚悟を帯びた声で言葉を紡いだ。

「悔いなく愛する。君の男として」

その宣言は、甘い囁きでありながら、誓いそのものだった。

昼の光が差し込む部屋で、私はただ彼の胸に額を預ける。

永遠ではないからこそ、尊いものがある。

限りがあるからこそ、手放したくない想いがある。

彼の腕の中で、私は静かに微笑んだ。

――この時間を、選んだのは私自身なのだから。

その瞬間、彼の甘い唇が、私の唇に重なった。

 



 

「お母様、ごめんなさい。」

「私たちのせいで、無理をなさったんですよね。」

「ママ、早く良くなって。」

ニスとハリス、そしてメラニが、私の寝台を囲んで心配そうに覗き込んでいた。

カイルが立ち去った翌日、私が倒れて寝込んでしまったからだ。

全身が鉛のように重く、特に腕や脚がひどく痛んだ。

「大丈夫よ。もうすぐ宰相殿もいらっしゃるって言っていたし……」

私はそう言って、子どもたちを安心させるように微笑んだ。

そして――これは、あの子たちのせいではない。

植物の梯子を登ったせいで疲れたのは確かだが、決定的な原因は、昨夜私の部屋に侵入してきたカイルにある。

あれを「不埒」という一言で片づけることはできない。

神託を口実にしていたが、もしそうでなければ、神々が雷を落としていたはずだ。

昨夜の出来事を思い出すたび、再び胸の奥がかっと熱くなる。

「聖女様」

ほどなくして、レイハスが部屋に入ってきた。

子どもたちは慌てて姿勢を正し、レイハスに向かって丁寧に頭を下げると、一歩引いて道を空ける。

「大神官様、母をよろしくお願いします」

「お願いします」

切実な眼差しでそう言われ、レイハスは一瞬だけ目を見開いた後、穏やかに微笑んだ。

そして、子どもたちの肩にそっと手を置く。

「ええ。私が責任を持ってお預かりします」

その声音は落ち着いていて、どこか安心感があった。

子どもたちはようやく肩の力を抜き、ほっとしたように息をつく。

私はその様子を見守りながら、内心で深くため息をついた。

――本当に、騒がしい一日になりそうだ。

だが、不思議と悪い気はしなかった。

やがて子どもたちは部屋を出ていき、室内には私とレイハスだけが残った。

少し前、ヘテス神殿で激しい風にさらされて以来、レイハスはすっかり活力を取り戻していた。

今では再び前線に立ち、エリウムの務めを着実に果たしている。

私の隣に腰掛けたレイハスは、そっと私の手を握った。

「体にこたえたみたいですね。」

その言葉に、レイハスは視線を逸らし、花瓶に挿された黄金の薔薇をしばし見つめた。

そして、再び私の目を見た。

なぜか胸が締めつけられ、私は思わず視線を伏せたが、レイハスの手に力がこもり、気づけば眉をひそめていた。

「大切なお身体です。どうか、いつもお気をつけください。」

「……そう」

ええ、本当に。

あれほど大事にしていた身体で――レイハスは相変わらず、平然と自分を後回しにする。

「分かりました」

私はそれ以上は言わず、言葉を飲み込んで頷いた。

ふと視線をやると、机の引き出しには、まだ一度も使われていない鞭が収められている。

「……ところで」

私はレイハスを見つめ、静かに問いかけた。

「チョーカー……また付けたんですね?」

「ああ」

レイハスは短く答え、無意識の仕草で自分の首元に触れた。

数日前まで、彼の首は何も飾られていなかったはずだ。

あれは――レインを抱くとき、彼女の肌を傷つけてしまうかもしれないと気にして、外していたもの。

「もう、大丈夫だと?」

そう言いかけて、私は口を閉ざした。

彼の選択を咎める資格など、私にはない。

ただ――胸の奥で、言いようのない違和感が、静かに疼いていた。

「はい。レインを抱く時以外は、できるだけ控えています。最近は、侍女たちがレインを見る時間も増えましたし……」

レイハスは、そこで言葉を切った。

確かに。

以前は一日中、二十四時間レインに付ききりだったのが、今では一日に十時間ほどになっている。

そのうち半分は私も一緒に過ごしていて、私がいない時間は、レインと二人きりで過ごすこともある。

彼にとっては、ようやく一人での育児から少し解放された、そんな頃合いだった。

「きれいね。」

私がそう口にすると、レイハスの金色の瞳が大きく揺れた。

しばらくして、彼の頬がわずかに赤く染まったのがわかった。

「……ありがとうございます、主様。」

レイハスは唇をきゅっと結び、そして、静かに視線を落とした。

……久しぶりに聞く気がする。「ご主人様」という呼び名を。

短い沈黙のあと、私はレイハスに向かって言った。

「じゃあ……始めてくれる?」

その言葉を合図に、レイハスは私の手を取ったまま、静かに神力を流し込み始める。

師が弟子の頭を撫でて癒やすように――私もまた、辛いときには神官の助けを借りるのだ。

レイハスは高位神官。その力は、申し分なく、いや、過分なほどに満ちている。

「いかがですか」

「……身体が、だんだん楽になってきます」

痺れていた腕や脚が、少しずつ軽くなっていくのが分かった。

筋肉痛で、朝は起き上がるだけでも顔をしかめていたのに、今ならすっと立ち上がれそうだ。

温かな神力が、ゆっくりと全身を巡る。

その感覚に身を委ねながら、私は静かに目を閉じた。

――こういう時間も、悪くない。

「……それは、よかった。」

レイハスはそう言って私を見つめた。

まるで陽だまりが肌に染み込むように、彼の神力が静かに、やさしく体へと行き渡っていくのを感じていた。

 



 

「ママ!あと宝物、二つ見つければいいんだよ!」

「ほら、あそこにある!」

今日は、みんなで過ごすピクニックの日。

子どもたちのために、宝探しの遊びを用意していた。

「メラニ皇女殿下、足元にお気をつけください。」

レインを腕に抱いたデイジーが、メラニの後ろから声をかける。

彼らの後ろ姿を、私は目で追った。

楽しそうに弾むヘリス、器用に障害物を越えていくニス、そして少し遅れて歩くメラニの背中。

デイジーの腕に抱かれたレインは、上機嫌なのか、短い腕をぱたぱたと振っている。

――そして私は、四人の子どもたちの父である彼とともに、穏やかな午後を過ごしていた。

子どもたちの姿が視界から消えると、カイルは私の身体をそっと引き寄せ、木陰のベンチに腰を下ろす。

ディエゴは市場で見つけたという、皮膚の手入れのために開発された器具を、得意げに私の脚の上へ置いた。

「ケロのやつが発明して、今じゃ市場の目玉商品さ。女性たちの間で評判がいい」

「……ひんやり、しますね……」

冷たさと同時に、どこかくすぐったい感触が伝わり、思わず身をよじる。

すると、カイルがすぐに眉をひそめた。

「冷やしすぎだ」

その声には、わずかな不機嫌さが混じっていた。

足元では、ディエゴが自慢げに続けようとしていたが、その様子に気づいて口を噤む。

私は小さく息を吐き、苦笑する。

「大丈夫よ。少し驚いただけ」

そう言って彼の手に自分の指を重ねると、カイルはようやく表情を緩めた。

午後の光が木々の間から差し込み、風が静かに葉を揺らす。

――こんな何気ない時間こそが、きっと、かけがえのないものなのだろう。

「やっぱり反応がいいな。俺と同じくらい使い勝手のいい男も、そうそういないだろ?」

私が口を開くと、カイルがディエゴに向かって肩をすくめた。

「些細なことで大げさに反応して、顔色を変える癖は相変わらずだな。」

「些細だと?はっ!」

カイルとディエゴは、実に変わらず言い合っている。

ここまで来ると、もはや互いに楽しんでいるとしか思えないほどだった。

[死の神カイロスが、カイルとディエゴを見て、にやりと口元を歪める。]

【知識の神ヘセドは告げる――眠りを終え、目覚めよ、カイロス。】

その声は、夢の奥底から直接叩きつけられるように響いた。

そして、そのすぐ傍らのティーテーブルでは、キャスとレイハスが向かい合い、穏やかに言葉を交わしていた。

「神殿救済事業にご協力いただき、感謝いたします」

「当然のことです。ロイド商団として、果たすべき務めですから」

「そういえば、五年前にロイド商団の支援で設立されたガリアット・アカデミーの、最初の卒業生たちが無事に巣立ったそうですね」

「ええ。ロイドのためでもありますし、同時に街のためでもあります。ガリアット・アカデミーのおかげで、路上を彷徨う孤児の数は減り、商団としては、きちんと教育を受けた人材を迎え入れることができる。――双方にとって、悪くない話でしょう」

カップから立ち上る湯気が、ゆるやかに揺れた。

利と理が静かに噛み合う会話の裏で、運命の歯車は確実に回り始めている。

――神の言葉に呼び起こされた「時」は、もうすぐ動き出す。

レイハスは茶碗を手に取り、静かに茶を口にした。

これまで平民以下の階層には手の届きにくかった教育制度が、ロイド商団の支援によって、帝国各地へと広がり始めている。

帝国は、これからさらに発展し、豊かになっていくだろう。

「まったく……こんな時に限って、今度は何だ?」

少し苛立ちを含んだ声に、レイハスはディエゴを振り返った。

ディエゴは、甲高い音を立てる魔導通信具を覗き込んでいる。

どうやらまた市場で何か問題が起きたらしい。

面倒そうに息をつきながら、ディエゴが通信のために席を外すと、レイハスも椅子から立ち上がった。

そして、ディエゴが座っていた場所へ移動し、自然な動作で私の足元を塞ぐ位置に立った。

「ここは、いつも物騒ですからね。」

レイハスの澄んだ瞳が、鋭く光を帯びた。

彼の動きに合わせて、腰元の短剣が、かすかな金属音を立てた。

時は、鎖のように静かに連なりながら動いていた。

「……今日は、戻りが遅かったですね」

そう言いながら、レイハスが私の足を包み込むように、やさしくマッサージを始める。

その手つきは驚くほど丁寧で、触れられた場所に意識が自然と集まってしまう。

「どこを見ているんだ?」

不意に、背後から低い声が耳元に落ちた。

振り返るまでもなく分かる。

カイルだ。

独占欲を隠そうともしない表情で、彼は私の腰に腕を回している。

「久しぶりの小休憩なんだから」

そう返すと、カイルは小さく鼻を鳴らした。

そのタイミングで、ティーテーブルに置かれていたクッキーの皿を手に、キャスが近づいてくる。

何事もない顔をしているが、この状況を面白がっているのは間違いない。

その間も、レイハスは淡々と、けれど確実に、ディエゴが持ってきたしっとりとした感触の品を脚と足に塗り込み、疲れをほぐしていく。

冷たさと温もりが交互に巡り、思わず息が緩んだ。

穏やかな午後。

それぞれの思惑が交差しながらも、今この瞬間だけは、不思議と均衡が保たれている。

――少なくとも、表向きは。

「……喉は通りません。」

キャスは小さなクッキーを一枚、指先でつまみ、私の唇の近くへ運んだ。

甘い焼き菓子の香りが漂い、頭がくらりとする。

――いや、目眩の原因は、きっとこの状況そのものだ。

私がわずかに唇を開くと、キャスはその隙間にクッキーを差し入れた。

「誰かが欲を出しているようですね。」

その瞬間、彼の紫がかった瞳が、ちらりとカイルの方へ向けられた。

カイルは臆することのない尊大な眼差しでキャスを見返したが、ここで退くような男ではない。

彼はロイド商団主、キャス・ロイドなのだから。

クッキーを食べ終えた私に、キャスは柔らかな声で続けた。

「喉が渇いているように見えます。お茶をお持ちしましょう。」

キャスは紅茶を一口含むと、そのまま私の唇に口づけた。

芳しい茶葉の香りと、キャスの息遣いが溶け合い、私は自然と喉を鳴らしてそれを受け入れる。

同時に、レイハスは的確に足裏のツボを押し、カイルの手は「奪われるくらいなら」と言わんばかりに、私の腰をいっそう強く抱き寄せた。

頭の奥がじん、と熱を帯びる。

やがて唇を離したキャスは、指先でそっと私の口元を拭い、満足げに微笑むと、何事もなかったかのように席へ戻った。

その背を見送る間もなく、抑えきれない苛立ちを孕んだ声が背後から落ちてくる。

「……俺とも、だ」

答える暇も与えられず、カイルは私の頬に短く、しかし強く口づけた。

私は彼ら四人と、互いに理解し合った上で夫婦になった。

共有することは選択であり、合意でもある。

それでも――独占欲と所有欲は、理屈を越えた本能の領域にある。

そして、その衝動が最も強いのは、疑いようもなくカイルだった。

彼の腕の中で、私は小さく息を吐く。

この均衡は、いつまで保たれるのだろう。

そう思いながらも、胸の奥に芽生えた微かな高鳴りを、否定することはできなかった。

少しして、頬を赤らめた私を見て、カイルはどこか面白くなさそうに唇を結んだ。

「――あいつが一度なら、俺は二度だ。」

「な、何を……」

はあ。

なんて騒がしい人生なのだろう。

ちらりと視線を向けると、レイハスもまた、呆れたようでいてどこか真剣な眼差しでこちらを見ている気がした。

「――私は三度です、主様。」

私は、私を想う四人の男たちに囲まれながら、少しばかり危ういピクニックの時間を過ごしていた。

どこかで「さすがにどうなの」と思わなくもないけれど――それでも私は、この人生に案外うまく順応しているのだった。

【慈愛の神オーマンは、敷かれた寝台に身を横たえるあなたの歩みを、静かに祝福する。】

【死の神カイロスは、オーマンの傍らに腰を下ろす。】

【破壊の神シエルは、わざとらしく腹を突き出し、ふてぶてしい様子でその場に現れる。】

【知識の神ヘセドもまた、シエルの隣に席を占めた。】

【愛の神オディセイは、あなたに微笑みかけ、祝福を授ける。】

【芸術の神モンドは、この情景に「歪で、しかし確かな愛」という名を与えた。】

【正義の神ヘトスは、ディエゴが未処理の書簡を早々に片づけ、合流することを期待している。】

【運命の神ベラトリクスは――幸福と混沌が絡み合う未来を、愉快そうに見下ろしている。】

神々の声は、重なり合いながらも、不思議と調和していた。

祝福と皮肉、期待と警告。相反するそれらが、一つの運命へと束ねられていく。

私はただ、その中心に立ち、静かに息をつく。

選び取った道は、容易ではない。

けれど――それでも前へ進むと決めたのは、他でもない、私自身なのだから。

[――あなたの未来に、祝福がありますように。]

虫の音が響き、涼やかな風が草原を渡っていく。

 

〈特別外伝・完〉

 



 

 

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