こんにちは、ちゃむです。
「潔癖症な黒幕のガイドなんて御免です」を紹介させていただきます。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
28話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- まどろみの朝
のんびりぐっすり眠っていられる立場じゃない――。
その厳然たる事実に気づいたのは、不運にもたっぷり眠った翌日の昼過ぎだった。
予想はしていたけれど、案の定、私の顔は腫れ上がって肉まんのようになっていた。クロードはそれを見るなり、大笑いした。
「そうだ、笑えばいいわ……」
私は半ばやけになっていた。まぶたまで二倍に腫れ、目もろくに開けられない私の姿だ。笑わないほうが無理かもしれない。
しかも、クロードは「笑い死ぬ」と言いながら、腫れ上がった顔に何度も熱いキスを落としてくる。間違いなく変わった趣味の持ち主だった。
問題は顔だけではない。起き上がって服を着ようとベッドから足を下ろすたび、危うく床に顔から突っ込みそうになるのだ。そのたびに、クロードが稲妻のような速さで私の腰を支えてくれた。もし彼がいなければ、何度も転んで、本当に骨という骨を全部折っていただろう。
遅れて、全身を殴られたような激しい痛みが押し寄せてきた。下腹部はじんじんと熱を帯び、骨盤は外れそうで、足にはまったく力が入らない。
「あ、足の感覚がない……」
呆然とつぶやいていると、クロードが短く舌打ちした。そのまま私をひょいと軽々と抱き上げ、立ち上がる。
「お前、弱すぎる」
「……違います」
むきになって否定したものの、クロードはおかしそうにくすくすと笑うだけだった。
さすがに少し納得がいかない。私が小柄だからといって、職場で「体が弱い」なんて言われたことは一度もないのだ。
でも、相手はあのS級エスパーだ。あんな相手にあれだけ激しく求められたら、私の体がこんな状態になるのも無理はない。しかも、私は彼と特別相性がいいのだ。触れれば触れるほど、彼の中に眠るエネルギーが満ちていく。
それでも私が文句を言い返すより早く、クロードが先に口を開いた。
「どこへ行こうとしてた?」
「えっと……まずは、服を……」
クロードは私を抱き上げたまま衣装棚へと向かい、私が指差した服を何着か取り出してくれた。そのまま私をベッドへ座らせると、まるで子供に教えるように、一つひとつ丁寧に服を着せてくれる。
それだけではない。今日のクロードは酷く機嫌が良さそうだった。その端正な口元には、始終うっすらと柔らかな笑みが浮かんでいる。
「ガイディングが、そんなにうまくいったんですか?」
「何だって?」
「いえ、その……機嫌が良さそうだったので……。昨日はクロード様があまりにも必死だったせいで、ガイディングが成功したのかどうかまで、私、気が回らなかったんです……」
それは本心だった。あの極限状態のなかで、ガイディングの成否なんて気にしている余裕などあるはずもない。
一晩を共に過ごしたあと、どこか穏やかで優しくなったクロードの様子が、私には不思議でならなかった。けれど彼は、私の問いにもただ微笑むだけで、何も答えない。ただ私の腕をそっと引き寄せ、袖の中から外へと通してくれただけだった。
……本当に何なんだろう。
「刻印した」と、あんな大嘘を公表までしてしまったというのに、どうしてこんなにも穏やかでいられるのだろう。その時、昨夜の記憶が不意に脳裏をよぎった。
「あっ、そうだ! あれはどうなったんですか? 私たち、刻印したって嘘をついたんですよね?」
「こっちの手」
「もう、話をそらさないでください……!」
「まずは手だ」
今度こそ逃がさない。もう片方の手まで差し出しながら抗議していると、服を着せ終えたクロードは小さくため息をついた。私が絶対に引き下がらないと悟ったのか、彼はようやく重い口を開く。
「刻印は、成立したことにしてある」
「だから、どうしてしてもいない刻印を……!」
そんなはずがないのだ。どれほど適合率が高くても、私は刻印阻害剤を通常量の三倍も投与されていたのだから。
刻印さえしなければ、ガイドとエスパーの恋愛はセンターでも認められている。担当として割り当てられたエスパーの責任を負い、ガイディングを続けていく限りは――。ガイドは担当エスパーを支え続けることを前提としているため、他のどのエスパーと自由に会っても、本来なら干渉されることはない。
つまり、昨夜一緒に過ごしたことも、刻印さえしていなければ、ただの一夜限りの出来事として大きな問題にはならなかったはずなのだ。
それなのに、クロードは「もう刻印した」と公言してしまった。
ガイドは一度刻印すると、他のエスパーをガイディングできなくなる。それは、もともとエスパーよりも圧倒的に不足しているガイドの人材が、さらに減ることを意味する。そのため、この世界において無許可の刻印は、重ければ数年以上の懲役刑が科される重大な犯罪だった。
「昨日の検査結果を見ただろう、ローズ。君が誰とも刻印していない限り、エスパーたちは絶対に君を放っておかない」
クロードは断言するように言った。その冷徹な言葉は、否定できなかった。
適合率が60%を超える、相性の良いガイドなら――そのガイディングを受けること自体が、すべてのエスパーにとっての切実な憧れなのだ。私と高い適合率を持つエスパーたちは、私からガイディングを受けるためなら、きっと手段を選ばないだろう。たとえ私の隣に、世界最強と呼ばれるクロードがいたとしても。
「そ、それでも……適合率の高い順に配属されたエスパーだけを、順番にガイディングすれば……」
「昨日、ガイディングができなかったから、君は別のエスパーの手を握っただろう、ローズ」
「あっ……」
クロードは私の手をそっと包み込んだ。優しく触れるその手つきは慎重だったが、そこには一切の甘さはなかった。
くすぐったさに身をよじって手を引こうとしたが、彼は決して離してくれない。そのまま私の手を自分の顔の近くへと引き寄せると、手の甲へ静かに、深く口づけを落とした。そして、囁く。
「その時、私は……君の手を握っていたあの方程式のエスパーの手を、構成する骨を一本残らず粉々に砕いて、ぐちゃぐちゃの肉塊になったところを踏み潰してやりたかった」
「……っ」
私の顔から一瞬で血の気が引いて真っ青になると、クロードは少しだけ眉をひそめた。
「……あくまで想像しただけだ」
じっさいに行動へ移したわけではない、と彼は言う。それなのに、まったく悪びれもしないその涼しい顔を見て、私はもう言葉を失ってしまった。
「今はもう、他のエスパーが君を狙うことも、君が他のエスパーと接触することも、私は絶対に許さない」
彼は真剣な表情でそう言った。
どこまでも優しい顔をしていたかと思えば、一瞬で冷え切った表情へと変わる。その漆黒の独占欲を前にして、私は本能的に悟った。私がどれだけ頼み込んでも、この件だけは彼は絶対に譲るつもりはないのだ、と。
私はおずおずと尋ねた。
「それなら……いっそ正式に、今から刻印の許可申請をすれば……」
「正式な刻印許可を得るには、最低でも一年はかかる。特に私たちの場合は、他のエスパーたちが不公平だと集団訴訟を起こすだろうから、裁判は長ければ何年も続くかもしれない。その間、君は正式なガイドとして登録され、前線でガイドとしての義務を果たさなければならなくなる」
「……」
「だから、これが最善なんだ」
これが最善……?
刻印すらしていないのに、クロードが自ら存在しない罪を認めて収監されることが、本当に最善だというのだろうか。牢に送られる道を進んで選ぶなんて……。
やっと想いが通じ合えたばかりなのに、この先何年も、鉄格子越しにしかクロードと会えなくなるなんて。
あんなに急いでガイディング適性検査なんて受けるべきじゃなかった。まずは落ち着いて彼の話を聞き、少しずつ誤解を解いて、お互いの気持ちを確かめ合っていれば。この先も普通の人として生きていけたなら――。そうしていれば、何の問題もなかったのに。
悔しさと悲しさで、視界がまたじわりと滲む。
「ローズ。私を見て」
「……」
「泣かないでくれ」
クロードはまた涙で潤んだ私の頬を、大きな両手で包み込んだ。
彼が少しだけ手に力を入れると、私の唇は魚のように前へ突き出し、力を緩めると元に戻る。そのふぐのように膨らむ唇が面白かったのか、彼はくすくすと笑いながら、私の頬をつまむ手に何度も力を入れたり緩めたりした。
そのたびに「これ以上泣いたら、顔がふぐのまま元に戻れなくなるぞ」などと、いい加減なことまで言う。
……こんな一大事の状況で、よくそんな冗談が言えるものだ。
私がふぐ顔の中でも一番情けない顔になると、ようやく彼は名残惜しそうに手を離した。そして、口元を優しく緩めて笑う。
「ローズ。君が思っている以上に、君のエスパーは優秀なんだ」
「もう……何を言ってるんですか……」
「つまり、君は何も心配しなくていいってことだ。どうせこれから先も、ずっと君の面倒を見ることになる。この程度の後始末には、今のうちから慣れておいたほうがいい」
「?」
その言葉の意味を問いかけようとした、次の瞬間。
突然、ぐいっと強い力で腕を引かれた。気づいた時には、私はもうクロードの逞しい腕の中に抱き寄せられていた。
彼は私の首筋に高い鼻梁と唇を押し当て、そのまま肌の匂いを確かめるように深く息を吸い込む。脈打つ場所に温かな吐息がかかり、くすぐったさに身を縮めた、その瞬間――
「きゃっ!」
油断した隙に、首筋を軽く噛まれた。思ったより痛くて顔をしかめると、彼は何事もなかったように唇を離す。
「どうして、いつもそうやって人を噛むんですか……」
「そうか、痛かったか。見せて」
「……え?」
戸惑う間もなく体がふわりと宙に傾き、私はそのままベッドへ仰向けに寝かされた。そして、その上から覆いかぶさるようにしてクロードが迫ってくる。
彼は、ついさっき自分が着せたばかりの私の服の裾を掴むと、容赦なくめくり上げ、突然その中へ頭を潜り込ませた。
噛まれた場所は肩のあたりなのに、服をめくる必要なんてまったくないはずなのに!
「ま、待って……ちょっと、待ってください……!」
私は慌ててしまい、押し返すこともできずに固まってしまった。その隙に彼は、言い訳にもならないような理由をつけて、私のお腹から胸元にかけて、熱い舌を滑らせ始めた。
油も差していないロボットみたいにぎこちなかった私の体に、一瞬で熱が駆け上がる。昨夜の余韻で残る鈍い痛み、余裕たっぷりに私を翻弄する愛撫がもたらすくすぐったさ、そして彼の舌と手を通して、絶え間なく体内に流れ込んでくる濃厚なガイディング……。次々と押し寄せる過剰な感覚に、まともに意識を保つことができなかった。
私の服の中へ潜り込んでいた彼が、ようやく顔を上げた。熱くなった顔を両手で隠したまま見上げると、彼はくすりと笑い、あごの先を軽く歯で甘噛みした。そして、そのままゆっくりと唇を上へとたどらせていく。
〈おかしくなりそう……〉
私はぎゅっと目を閉じた。すぐに胸元へひんやりとした空気が触れ、思わず身震いする。首元まで乱暴にめくられた服はもう役目を果たさず、私の胸を惜しげもなくさらけ出していた。
「ローズ、ここ、どうした?」
「あっ……」
胸の先をそっとなぞりながら、クロードが意地悪そうに尋ねた。
違う。尋ねたというより、昨夜何度も吸われ、甘噛みされたせいで、恥ずかしいほど赤く腫れ上がった胸の先を、彼はただ楽しそうに眺めているだけだった。
大きな手が柔らかな胸を包み込む。白い肌は、彼が揉むたびに抵抗なく形を変えて揺れ、弾んだ。そして彼は、その様子を酷く満足そうに眺めていた。
まるで、極上のごちそうを前にした猛獣のように、ゆったりとした、しかし確実な捕食者の笑みを浮かべながら。
どこまでも、彼は獲物を前にした獣のように貪欲だった。
「ローズ……」
「…………」
「返事をして、ローズ」
「よ、呼ばないで……っ」
私は今にも泣きそうな声で懇願した。
見逃してやると言わんばかりに、彼はかすかに笑うと、ゆっくりと再び顔を伏せた。
「んっ……!」
小刻みに震える体をなだめるように撫でる手つきは、どこまでも穏やかで優しい。けれど、胸の先端を這い上がる舌先だけは、執拗で、どこまでも意地悪だった。
その最中も、彼の妖しく光る赤い瞳はずっと私の目を見つめていた。底意地の悪い行動とは裏腹に、彼は私をじっと観察している。私のわずかな表情の変化ひとつ、声のトーンひとつをも見逃すまいとするかのように。
「……っ」
このまま流されちゃいけない。この人はいったい何を考えているのか、これからどうするつもりなのか、ちゃんと話を聞かなきゃいけないのに――。
そう思ったのに。結局私は、耐えきれずに自ら身を起こし、彼の頭を両手で抱き寄せると、自分から先にその唇へ口づけを強だっていた。
熱い舌が、すぐさま嬉しそうに応えてくれた。
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クロードの過保護と機嫌の良さ
翌日の昼過ぎに目覚めたローズは、全身の激しい痛みと疲労で動けない状態でした。しかし、クロードは終始機嫌が良く、ふらつくローズを抱き上げて甲斐甲斐しく服を着せるなど、一晩を共にして驚くほど穏やかで優しい態度を見せます。
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「嘘の刻印」を突き通すクロードの独占欲
無許可の刻印は重罪であるため焦るローズに対し、クロードは「刻印は成立したことにしてある」と告げます。適合率が高すぎるローズを他のエスパーから守り、自分の手元に独占するためには、収監のリスクを負ってでも「すでに刻印を済ませた」と偽装し続けるのが最善だと冷徹に断言します。
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翻弄されるローズと再び始まる愛撫
クロードの不穏な独占欲や今後の進退に不安を覚えるローズですが、彼は「何も心配しなくていい」と笑い飛ばします。そのまま再びベッドへ組み敷かれ、甘噛みや執拗な愛撫、そして濃厚なガイディングを注ぎ込まれるうちに、ローズは抗いきれず自分から口づけを求めて流されてしまいます。