こんにちは、ちゃむです。
「継母だけど娘が可愛すぎる」を紹介させていただきます。
今回は161話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
<鏡よ 鏡 この世で一番美しいのは誰?>
子供服のデザイナーとして生きていた私は過労死ししてしまい、気がつくと童話に入り込んでしまった。
しかも、美しい連れ子に嫉妬し、毒殺して夫に処刑される残忍な悪女になっていた!
可愛くて愛らしい我が娘ブランシュと仲良くなって愛情を注ぎたいのに…。
「君がブランシュの心配をするとは面白いな」
クズみたいな夫がいつも私の邪魔をしてくる!
「私もブランシュの親です。私を疑ったことを謝ってください」
「謝らなかったら?」
「今夜、殿下の寝所へ伺います」
アビゲール・プリドキン:本作の主人公。白雪姫ブランシュの継母。転生前はデザイナーで、ブランシュのことを気に入っている。
ブランシュ・プリドキン:アビゲールの義理の娘。自分を虐げてきたアビゲールの突然の変貌に困惑している。
セイブリアン・プリドキン:ネルゲン王国の国王。ブランシュの父で、アビゲールの夫。
クララ:新人侍女。
ミラード:セイブリアンの側近。
ジェレミー夫人:ブランシュの家庭教師でありシッター。
ストーク:公爵。セイブリアンに側室を迎えるように何度も勧めてくる。
ヴェリテ:真実を告げる鏡。
ミリアム:前王妃。ブランシュを産んで間もなくこの世を去った。
161話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 友達の話
「誰かが自分のことが好きなのが、勘違いだと思っているんだろ。どうして勘違いだと思うの?すごく気になるよね、ブランシュ?」
ヴェリテが純真無垢な子供の顔で言った。
ブランシュがそっと頷く。
「そうですね。どうしてその方は勘違いだと思うのでしょうか?本当に好きなのかもしれないじゃないですか」
その問いにアビゲールは小さくため息をつく。
そして、本当に他人事のふりをして淡々と口を開いた。
「それは違うと思います。私も相手の方を少し知っていますが、恋愛に関心がない人ですから」
ブランシュが気づく前に早くこの話題を終わらせたい。
しかし、アビゲールは熱い視線を感じた。
視線の出所は鏡からだ。
「恋愛に関心がなくても、今回は違うかもしれないじゃん。勘違いじゃなくて本当に好きなのかもしれないし!」
以前もヴェリテはそんなことを言っていた。
セイブリアンがアビゲールを好きなようだと言った言葉を。
その時アビゲールはヴェリテを嘲笑った。
今回も同じ答えだ。
「いいえ、そんなはずがありません」
「好きだと勘違いするくらいなら、相手も何か好感を示しているんじゃないの?」
「そうですけど・・・。それは愛じゃないわ」
「どうして断定するの?」
断定する理由?
アビゲールは理由を思い出した。
セイブリアンは女性が好きではない。
そして、仮に違うとしても・・・。
「その女性が愛される理由がありませんから」
嘘が下手で、中途半端な本音が溢れた。
ヴェリテは何かに殴られたような表情に。
しかし、すぐに意に介さず猛烈な質問を続けた。
「なぜ愛される理由がないの?」
「それは・・・」
静寂が流れた。
不思議なほど長い沈黙。
アビゲールは簡単に答えられなかった。
本人自らも考えがまとまらず、彼女はイライラしてシーツをギュッと握った。
「その女の人は昔すごくブサイクだったから」
子供の頃から彼女は知っていた。
自分が不細工で、醜女の愛は嘲弄の対象だということを。
その事実を知りながらも恋心を我慢できず、誰かに告白したことがあった。
相手はニヤリと笑って言う。
『その顔と体を見て誰が君を好きになると思う?』
それが理由だ。
自分の顔、自分の体。
自分の血と肉が誰かに愛されることができない理由だった。
ヴェリテはしばらく沈黙する。
彼女の顔から過去の痕跡を探そうとする人のように。
そうするうちに小さく口を開いた。
「昔不細工だったのなら、今は美しいんじゃないの?それでいいんじゃない?」
「でも、あの時に聞いた言葉が消えるわけではないから」
あれほど鋭い言葉が簡単に消えるはずがない。
十数年間入ってきた毒は根を伸ばして彼女の魂に深く刻み込まれていたのだ。
根こそぎ取るのは不可能なほどに。
アビゲールの顔になった今でも根は深い。
鏡を見ていない間、彼女は自分が美しいかどうかを確認することができなかった。
「まあ、そういう話なのよ。だから悩み中なんだって。多分自分で上手く解決するでしょう」
アビゲールは笑った。
それは無彩色の笑み。
他人の話をするように、気にせず笑った。
慣れ過ぎて演技であることさえ分からない。
ヴェリテは何も言えなかった。
ブランシュも表情が暗い。
彼女はアビゲールに尋ねる。
「お母様は友達に何と仰ったのですか?」
「え?」
「友人が自分には愛される理由がないと言った時です」
その純朴な顔を見ると何も言えなかった。
暗い寝室の間で鏡だけが静かに輝いている。
しばらくしてアビゲールが小さく口を開く。
「いいえ、あなたは愛されるに値する人だと言いたいのですが、正直分かりません」
もし自分のような人がいたら、何と言えばいいのだろうか。
「大丈夫だと、自信を持てと応援するのは無責任なことのように感じます。世の中は容易ではなく、期待して傷つくのがどんなに辛いかよく分かりますから・・・」
虚しい希望を抱いても傷が増えるだけ。
セイブリアンが自分のことが好きなのかもしれないと思って告白したとしたら?
そして、彼がその告白を受け入れてくれないとしたら?
他の人と同じように軽蔑の視線を送られるくらいなら、むしろ愛さずに生きていく人生が良かった。
心を捨てて諦めるのは慣れているから。
「とにかく大したことではありません。いつものことですから。ところでブランシュはお変わりありませんか?」
そのように話を終えて別の話題を持ち出そうとすると、ふとブランシュが横に近づいてくる。
そして何も言わずにアビゲールを抱きしめた。
小さな手が微かに震えるのを感じる。
「ブランシュ?どうしたのですか?」
「ただ・・・、その友達が心配なのに抱きしめることができなくて・・・」
ブランシュは何を言えばいいのか分からなかった。
アビゲールの友達が心配だったし、またアビゲールも心配だったのだ。
アビゲールが話している間、ブランシュは彼女の紫色の瞳に溜まった恐怖を見た。
何を恐れているのかは分からない。
知っていても多分慰めることはできなかっただろう。
他人の悲しみの無闇に言葉を加えることはできない。
それさえも傷つきそうだったから。
それでも沈黙と抱擁を交わすことはできる。
そして、アビゲールにはその温もりが嬉しかった
ブランシュやヴェリテが「それでも外見が全てではないじゃないか」と慰めてくれなくて嬉しかったのだ。
そんな慰めは今までたくさん聞いている。
しかし、それを完全に受け入れることはできなかった。
外見が全てではないと言うのに、なぜ私はこんなに苦しいのだろうか。
なぜ人々はそれが全てであるかのように接するのだろうか。
アビゲールはむしろ今のような沈黙に感謝した。
何も言わずに自分を支えてくれる気持ちがありがたかった。
彼女はブランシュをしっかりと抱きしめる。
「ありがとう、ブランシュ。きっと友達も感謝するでしょう」
アビゲールの気持ちが切ないです・・・。
告白して拒否される恐怖を抱えているのですね。
仮にセイブリアンがアビゲールに告白したとしても、彼女がその気持ちを信じることができないのではないでしょうか?
ブランシュの抱擁が唯一の癒しですね!