こんにちは、ちゃむです。
「継母だけど娘が可愛すぎる」を紹介させていただきます。
今回は164話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
<鏡よ 鏡 この世で一番美しいのは誰?>
子供服のデザイナーとして生きていた私は過労死ししてしまい、気がつくと童話に入り込んでしまった。
しかも、美しい連れ子に嫉妬し、毒殺して夫に処刑される残忍な悪女になっていた!
可愛くて愛らしい我が娘ブランシュと仲良くなって愛情を注ぎたいのに…。
「君がブランシュの心配をするとは面白いな」
クズみたいな夫がいつも私の邪魔をしてくる!
「私もブランシュの親です。私を疑ったことを謝ってください」
「謝らなかったら?」
「今夜、殿下の寝所へ伺います」
アビゲール・プリドキン:本作の主人公。白雪姫ブランシュの継母。転生前はデザイナーで、ブランシュのことを気に入っている。
ブランシュ・プリドキン:アビゲールの義理の娘。自分を虐げてきたアビゲールの突然の変貌に困惑している。
セイブリアン・プリドキン:ネルゲン王国の国王。ブランシュの父で、アビゲールの夫。
クララ:新人侍女。
ミラード:セイブリアンの側近。
ジェレミー夫人:ブランシュの家庭教師でありシッター。
ストーク:公爵。セイブリアンに側室を迎えるように何度も勧めてくる。
ヴェリテ:真実を告げる鏡。
ミリアム:前王妃。ブランシュを産んで間もなくこの世を去った。
164話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 呪いと毒
私の手は黒い何かで濡れていた。
まるでインク瓶に手を浸して抜いたかのように、黒い何かがいつの間にか肘まで覆われている。
「アビゲール、早く私に手を出して!早く!」
「う、うん!」
私は慌てて左手を鏡に当てた。
すると、私の手についていた黒い液体が一瞬で吸い込まれていく。
ヴェリテはそれを見て安堵のため息をついた。
な、何が起きたの?
「ヴェリテ、今のは危険なことじゃないわよね?あなたが吸収しても大丈夫なの?」
「大丈夫。魔力そのもので害にはならないから」
あ、それが魔力だったんだ。
私の魔力の色が黒だったなんて、赤じゃなくて良かった。
赤だったら出血したと思ってしまっただろう。
「アビゲール、思ったよりも君に内在する魔力量は相当なようだ」
朗報にもかかわらず、私は喜ぶことができない。
ヴェリテの表情が暗かったからだ。
「黒い魔力の持ち主は少ないと聞いたけど・・・、よりによって君の魔力が黒いとは・・・」
そういえば、研究室別館に行った時も黒い魔力の人は見てない気がする。
私は不安になって尋ねた。
「ヴェリテ、もしかして黒い魔力は良くないの?色ごとに特徴があると聞いたけど、黒い魔力の特徴は何?」
「黒い魔力は・・・」
ヴェリテは何と説明すればいいのか迷っている様子だ。
しばらく躊躇ったヴェリテが口を開く。
「呪い、毒などに特化してる」
呪い?毒?
凶悪な言葉に私はしばらく呆然とする。
そうするうちにふと原作「白雪姫」の内容が浮かんだ。
毒を塗った櫛で白雪姫の髪を梳かし、毒リンゴを渡した継母。
「私、もしかして魔法の才能があるの?」
「うん、いっぱいあるね・・・」
そう、魔力があるから毒リンゴも作れたのだろう。
実は童話の中に出てくる毒は少し非凡だった。
一口齧って仮死状態に陥り、キスしたら蘇るって。
どれだけ考えても平凡な毒ではないだろう。
あれは全部魔法だったんだ。
そう納得できる。
黒い魔力は、呪いと毒の魔力。
狂ったアビゲールには似合っている。
涙が出るほどにね・・・。
ははは・・・。
ちぇっt!
ここまで原作に忠実であえう必要はないじゃん!
なんでよりによって魔力があるのに、こんな魔力なの?
「アビゲール、あまり傷つかないで!魔力自体が悪いわけではないから!」
ヴェリテは急いで私を慰めた。
無意識だが自分でも落ち込んでいるのだろう。
私は訳もなく鼻を啜る。
「悪いことではないの?」
「うん、悪くないよ。もちろん、バレたら少し困るけど」
「バレたら、どうなるの?」
「うーん・・・、普通は魔女に分類されて火炙りに処刑されると思うよ。でも王妃だからそこまではされないと思う」
それは悪いことじゃないの!?
私は反論しようとしたが口をつぐんだ。
ヴェリテに八つ当たりしても変わることはないから。
「ヴェリテ、さっき呪いと毒に特化していると言ったでしょう?じゃあ、他の魔法を使うことはできるの?」
「使うことはできるけど、代価があまりにも激しいんだ。例えば赤い魔力を持った人が火の魔法を使う時に使う魔力が1なら、君は約・・・」
「10くらい?」
「1,000くらい使わないといけない」
え?
ええええええ!?
1,000倍もかかるって?
これは一体どういうこと?
「もともと黒い魔力は他の魔法に対して相性が悪いんだ」
じゃあ、使えないってことじゃん。
説明を聞けば聞くほど疲れ果てていくような気分になる。
原作を知っていたから予測もできたのに、あまりにも夢と希望に浸っていたのかもしれない。
私は苦々しく尋ねた。
「じゃあ、私はこれからどうすればいいの?」
「とりあえず、君が黒い魔力を持っているのは隠した方がいいと思う」
そうだね、私も火炙りは嫌だ。
頷いて、自分の手を見つめる。
黒い魔力で覆われていたことを思い出すと少し鳥肌が立った。
「はぁ、とても残念ね。何か違う種類の魔力なら良かったのに・・・。治療の魔法みたいなものを使いたかったんだけど」
それか「シンデレラ」の妖精のように綺麗な服を作り出したり。
私ができることは天然の毒リンゴを作る才能しかないなんて・・・。
「うん。治療、治療か・・・」
その時、ヴェリテは何かを呟いた。
腕を組んで物思いに耽っていた彼が私を見る。
「アビゲール、良かったら魔法を習ってみる?」
「毒と呪いに関する魔法を習って、どこで使えと・・・?」
いや、前向きに考えよう!
私が人を毒殺することがあるかもしれない。
そうしているうちに捕まって火炙りにされて・・・。
やっぱり原作の流れのような運命を辿ることになるのかな・・・。
「医者にとって毒と薬はほとんど同じ存在だ。どんな方法で使うかによって人を殺すこともできるし、生かすこともできる」
ヴェリテが真剣な声で話した。
「ナツメグの時もそうだ。ナツメグもたくさん使うと毒になるけど、適当に使う薬や香辛料として使われるようにね
「じゃあ、呪いの魔法もそんな風に使えるの?」
「うん。呪いもかけ方が分かれば解く方法も分かるからね」
絶望の中から聞こえてきた朗報だった。
人を傷つけるのではなく生かすこともできるなんて。
それでも幸いだ。
「よし。私、魔法を習ってみるわ」
「分かった。それじゃあ勉強方法を探してみるよ。私は厳しい師匠だから、覚悟するように」
ヴェリテが厳しい声で話すと、私たちは同時に笑ってしまった。
集中することができて良かったよ。
自分の手を見ると、針で刺された跡が黒い点のように残っている。
私の魔力は黒、その黒の名前は呪いと毒。
手を握ると、先ほど新しく溜まっていた魔力の感覚が生々しく感じられた。
原作の白雪姫の継母は魔女のような風貌でしたよね・・・。
アビゲールが呪いと毒の魔法をどう活用するのか気になりますね!