こんにちは、ちゃむです。
「継母だけど娘が可愛すぎる」を紹介させていただきます。
今回は200話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
<鏡よ 鏡 この世で一番美しいのは誰?>
子供服のデザイナーとして生きていた私は過労死ししてしまい、気がつくと童話に入り込んでしまった。
しかも、美しい連れ子に嫉妬し、毒殺して夫に処刑される残忍な悪女になっていた!
可愛くて愛らしい我が娘ブランシュと仲良くなって愛情を注ぎたいのに…。
「君がブランシュの心配をするとは面白いな」
クズみたいな夫がいつも私の邪魔をしてくる!
「私もブランシュの親です。私を疑ったことを謝ってください」
「謝らなかったら?」
「今夜、殿下の寝所へ伺います」
アビゲール・プリドキン:本作の主人公。白雪姫ブランシュの継母。転生前はデザイナーで、ブランシュのことを気に入っている。
ブランシュ・プリドキン:アビゲールの義理の娘。自分を虐げてきたアビゲールの突然の変貌に困惑している。
セイブリアン・プリドキン:ネルゲン王国の国王。ブランシュの父で、アビゲールの夫。
クララ:新人侍女。
ミラード:セイブリアンの側近。
ジェレミー夫人:ブランシュの家庭教師でありシッター。
ストーク:公爵。セイブリアンに側室を迎えるように何度も勧めてくる。
ヴェリテ:真実を告げる鏡。
ミリアム:前王妃。ブランシュを産んで間もなくこの世を去った。
200話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 漂流
頬を伝って何かが流れ落ちた。
冷たいのか、暖かいのかさえ見分けがつかない。
流れる何かを拭う。
けれど、拭っても、拭っても何かが私の顔の上に溢れていた。
「うん・・・」
これは一体何だろう?
私は瞼を何とか持ち上げる。
光が目を刺して瞼が震えた。
目をパチパチさせているうちに雨が降っていることに気づく。
私の顔に雨水が触れて、あごに流れ込んだ。
手に何かが掴まる。
砂だった。
しばらくして、私は雨が降る海沿いに横たわっていることに気づいた。
なんで私はここにいるの?
昨夜私は・・・。
記憶を辿ってみると、矢が飛んできて刺さるように昨日のことが思い浮かんだ。
誰かが私を殺そうとした。
誰かが私を海に落とした。
その事実を思い出すと、後になって鳥肌が立つ。
何も見えない闇の中で死んでいく時の感覚が生々しい。
私、私は死んだのかな?
ここは天国?
それとも死んでまた別の人の体に入ったのだろうか?
慌てて起きあがろうとしたが、隣に誰かが横になっていた。
「セ、セーブル?」
彼も水に濡れて気絶していた。
セーブルがどうしてここに?
いいや、それは重要なことではない。
私は慌てて彼の状態を確認した。
「セーブル!しっかりして!」
幸い、息はしているが、意識がない。
私は彼の肩を激しく振りながら彼の名前を呼び続けた。
しばらくして、セーブルが海水を吐き出す。
「ビビ・・・?怪我はありませんか・・・?」
まだまともに意識が戻っていないようで、彼らしくなくぼんやりした目だ。
そんな中でも目を覚ますやいなや私の心配だなんて。
この人は一体どこまで優しいのだろうか。
思わず目頭が熱くなる。
「私は無事です。セーブルは大丈夫ですか?」
「私も大丈夫です」
セーブルは上体を起こした座った。
血気なく白くなった顔だ。
「一体どうしたのですか?殿下も誰かに海に押されたのですか?」
「・・・押されたのですか?」
その言葉にセーブルの目が冷たく輝いた。
反応を見ると、誰かに押されたのではないようだ。
「そ、それじゃあまさか船が難破したのですか?ブランシュは?」
「いいえ。あなたが溺れていることを知って飛び込んで私も流されました」
「え?」
セーブルの答えがあまりにも淡々としていて、私は馬鹿みたいに反問する。
答えが返ってこない間、私の中で傲慢な感情が波のように押し寄せてきた。
ありがたさ、そして荒唐無稽さ、私にも分からない感情が。
「どうしてですか?」
感謝の言葉より責める言葉が先に出た。
あの険しい夜の海に飛び込んだって?
この国の国王が?
「何がですか?」
「どうしてそんなに危険な行動をしたのですか!危うく一緒に死ぬところだったじゃないですか!」
「一緒に死ぬつもりはありませんでした。共に生きる覚悟でした」
私たちは一緒に生きている。
けれど、それはただラッキーなだけ。
ありがとうと言わなければならないのに、ありがたいのに、ありがとうという言葉が出てこなかった。
「なぜ殿下が飛び込んだのですか?少なくとも他の人にさせるべきでした」
「それは・・・」
人がいなかったわけでもない。
海に上手な船員が多かったのに、セーブルが危険を自任してはいけないのだ。
セーブルは私の質問に答えられなかった。
彼の顔に明らかな戸惑いが浮かんだ。
その当惑の理由も分かっていないようだった。
彼は何かどもりながら頭を下げる。
それから私の腰に縛っておいた網を解きながら言った。
「まずは雨から避けましょう。体が冷えますから」
彼は返事を避けたが、私はこれ以上問い詰めなかった。
セーブルの体が寒さで震えているのを見たから。
彼の言葉通り、ひとまず雨から避けなければならない。
周囲を見回すと少し離れたところに森があり、海岸沿いの端には洞窟があった。
私たちは洞窟に向かって雨宿りすることに。
しとしと降る雨を見ていたら生きていることに感謝する前に・・・。。
「くしゅん!」
寒い。
漂流して雨まで降っていたから寒くないのが不思議だろう。
セーブルはくしゃみの音を聞いて視線をそらした。
「ビビ、寒いですか?」
「・・・少しだけ」
彼は私の服を見下ろす。
シャツにズボン一枚だけ羽織っているのを見ると、部屋で休んでいる時に出てきたようだ。
セーブルがシャツのボタンを外し始める。
服の隙間から彼の胸が見えた。
見つめていると、セーブルが視線を逸らす。
「・・・そうやって見られると恥ずかしいですね」
「はっ、ごめんなさい!」
私は慌てて体を捻った。
後ろからセーブルが服を脱ぐ音だけが静かに聞こえてくる。
そしてしばらくすると、私の前にシャツが突き出された。
「乾いた服ではありませんが、床にでも敷いて座ってください。少しは寒くなくなると思いますから」
「殿下も寒いじゃないですか。私は大丈夫ですから」
「あまり寒くありません」
「意地を張らないでください」
命の恩人が渡す服をさっと受け取るほど、私は厚かましくない。
私もやらないと。
服から水気を絞れば寒くなくなるだろう。
二人とも無事なようで一安心ですね。
流された場所が何処かは分かりませんが、救援はすぐに来るのでしょうか?