こんにちは、ちゃむです。
「継母だけど娘が可愛すぎる」を紹介させていただきます。
今回は99話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
<鏡よ 鏡 この世で一番美しいのは誰?>
子供服のデザイナーとして生きていた私は過労死ししてしまい、気がつくと童話に入り込んでしまった。
しかも、美しい連れ子に嫉妬し、毒殺して夫に処刑される残忍な悪女になっていた!
可愛くて愛らしい我が娘ブランシュと仲良くなって愛情を注ぎたいのに…。
「君がブランシュの心配をするとは面白いな」
クズみたいな夫がいつも私の邪魔をしてくる!
「私もブランシュの親です。私を疑ったことを謝ってください」
「謝らなかったら?」
「今夜、殿下の寝所へ伺います」
アビゲール・プリドキン:本作の主人公。白雪姫ブランシュの継母。転生前はデザイナーで、ブランシュのことを気に入っている。
ブランシュ・プリドキン:アビゲールの義理の娘。自分を虐げてきたアビゲールの突然の変貌に困惑している。
セイブリアン・プリドキン:ネルゲン王国の国王。ブランシュの父で、アビゲールの夫。
クララ:新人侍女。
ミラード:セイブリアンの側近。
ジェレミー夫人:ブランシュの家庭教師でありシッター。
ストーク:公爵。セイブリアンに側室を迎えるように何度も勧めてくる。
ヴェリテ:真実を告げる鏡。
ミリアム:前王妃。ブランシュを産んで間もなくこの世を去った。
99話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 過去、戦争、約束
「じゃあ、婿養子を迎えるつもりなのですか?」
「いいえ、ありません」
最初からブランシュを結婚させるつもりはないのか。
それでも婿は入れると思ってたのに。
セイブリアンをじっと見つめていると。
「私の話が意外みたいですね」
「え?ああ、それは・・・」
彼を疑ったようで申し訳なくなった。
「殿下は女性が嫌いなのに私と結婚されたじゃないですか。それほどに国益を重視されるので、ブランシュも当然結婚させると思っていました」
静寂と共に空のワイングラスから葡萄の香りが漂う。
私はセイブリアンの顔色を伺って、それとなく尋ねた。
「殿下、一つお聞きしてもいいでしょうか?」
「どうぞ」
「どうして私と結婚されたのですか?殿下の立場であれば、十分に断れたはずなのに」
結婚して2年近くなのに、このような質問をするのもおかしいが、今聞くことが出来なければ一生聞けない気がする。
私の質問に、セイブリアンは訝しげな表情を浮かべる。
「あなたのお父さんが説明していないのですか?」
「はい。結婚をしろとだけ・・・」
彼は妙な表情になった。
「どうしてそんなことになっているのか?」と誰かのせいにする表情。
しかし、私のせいではない。
おそらくアビゲールの父親のせいだろう。
セイブリアンはワイングラスを持ち上げて口元に運ぶ。
そして口に合わないワインで喉を潤した後、淡々と話し始めた。
「あなたと結婚したのは、先代同士の約束のためです。過去、父王は戦場でクローネンブルグの助けを受けて命を救われました」
過去、戦争、約束。
その言葉を聞くと、いつか聞いた歴史教育が微かに浮かび上がってきた。
「これに対し、父王は命代に代わって、どんなことでも一つ願いを聞くと言いました」
「どんなお願いだったのですか?」
「クローネンブルグ側が要求したのは結婚同盟でした。後代に二つの王国が結婚で同盟を結ぼうと」
アビゲールの家庭教師はそこまで教えてくれなかった。
ようやく強者が不利益を受けるこの奇妙な結婚が理解できた。
「時間が経った後、クローネンブルグでは過去の盟約を守るよう求めてきました。彼らはブランシュがクローネんブルグの王子と結婚することを望みましたが・・・」
セイブリアンは、そこまで言って口をつぐむ。
なぜ裏話を続けるのかと思い、彼をじっと見つめると、彼のギュッと閉じた口元に軽蔑の感情が見えた。
なぜあんな反応を見せるのだろうか?
ブランシュがクローネンブルグの王子と結婚するのが嫌だったようだけど。
・・あれ?ちょっと待って。
クローネンブルグの王子といえば、アビゲールの兄弟じゃないか。
一瞬で、体温がガクンと下がる。
後になってセイブリアンの軽蔑を理解することが出来た。
アビゲールには兄と弟がいる。
弟はアビゲールより一つ年下だ。
アビゲールの父親にうんざりした。
けれど、幸いにもブランシュは結婚しない。
この結婚を阻止したのはクローネンブルグの意志ではなかっただろう。
今になって、セイブリアンがアビゲールと結婚した理由を理解することができる。
「・・・もしかして、それで殿下が私と結婚されたのですか?」
「はい」
先代の盟約を守ったのはセイブリアンだったのだ。
その淡々とした答えに目眩を感じながら、私は尋ねる。
「殿下は女性が嫌いです・・・。それでも代わりに結婚されたのですか?」
「私がされたことをブランシュに経験させたくなくて、私が代わりに結婚しました。それだけです」
彼の言葉に、頭がクラッとした。
セイブリアンが経験した苦痛、そしてブランシュが経験するところだった苦痛が同時に思い浮かぶと、一瞬で血が冷める。
ブランシュはまだ幼いけれど、月経は始まっていた。
子供を産むことが出来る体になれば、彼女も後継の義務から逃れることはできないだろう。
いいや、むしろもっと酷いかもしれない。
セイブリアンが他に子供を作らないだけに、その圧迫をブランシュに転換するかもしれないのだから。
けれど、ブランシュはその苦痛を経験することはない。
今になって、セイブリアンの全ての行動が理解できた。
彼はブランシュに入ってきた全ての結婚を拒否して、自分が代わりに結婚したんだ。
ブランシュを守るために、自身が政治の道具になったんだ。
衝撃で口を開くことが出来ない。
私は今まで、セイブリアンがブランシュに関心がないと思っていた。
娘ではなく後継者として眺めるだけで、それ以上の感情はないと。
しかし、彼はブランシュを護っていた。
自分なりのやり方で。
彼がブランシュを放置して冷遇したことは明らかな事実であり、誤ったことだ。
けれど、それはセイブリアンの性格が悪いわけではなく、彼が愛されたことがないからではないだろうか。
愛されたことのない人は、愛を与える方法も知らないと言うのではないのだろうか。
セイブリアンがアビゲールと結婚した理由が判明しました。
彼は娘に自分と同じ経験をさせたくなかったのですね・・・。
ブランシュが政治結婚させられたらと考えるとゾッとします。