こんにちは、ちゃむです。
「継母だけど娘が可愛すぎる」を紹介させていただきます。
ネタバレ満載の紹介となっております。
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又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

352話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 新しい命
大きな額縁を持った召使いたちが忙しそうに階段を上っていた。
一人では到底持てないほどの大きさのため、両側の取っ手を二人がしっかりと掴んでいた。
もしかすると壊れてしまうのではないかと、額縁には柔らかい布をかぶせていたため、中の絵がどのようなものかはわからなかった。
「さあ、慎重に上がって。」
先頭を歩くミラードが召使いたちに向かって声をかけた。
階段を上がりきった人々が足を止めたのは、宮殿の最上階だ。
そこには歴代の王族たちの肖像画が壁一面に並んで飾られていた。
左端には数百年前にすでに生涯を終えた王族の絵が掛けられており、右側に進むにつれて新しい時代のものになっていた。
「本当に昔のことのようですね。」
ミラードがある絵の前で足を止めて呟いた。
ノマもまた彼の視線を追いながら額縁を見上げる。
そこにはセイブリアンとアビゲイルの肖像画があった。
アビゲイルがちょうどこの場所に嫁いできたときに描かれたものだ。
二人は結婚式の礼服を着ていた。
アビゲイルのきらめく銀の靴はまるで月の光のように輝き、紫の瞳は彼女の憂いをより一層際立たせていた。
それほど美しい女性であったが、絵からは威厳と圧倒的な雰囲気が溢れていた。
アビゲイルは控えめな笑みを浮かべており、セイブリアンは石像のような顔でまっすぐ正面を見据えていた。
夫婦というよりは対峙する者同士。
いや、対峙という言葉さえ弱く感じるほど、まるで敵国の使者同士のような緊張感が漂っていた。
「今見ても、結婚式とは思えないほど冷たいものを感じますね。それでも画家の手によってこれだけの仕上がりになったのでしょう。」
多少無礼な発言にもノマは反論しなかった。
彼女も同意していたからだ。
ミラードが隣をちらりと見て言った。
「隣の絵のせいで、さらにそう感じるのかもしれませんね。」
ミラードの言葉の通り、隣に飾られている絵は非常に対照的な雰囲気を醸し出していた。
まるで冬と春が並んで立っているかのようだった。
それはブランシュとベリテの結婚式の肖像画だった。
16歳、成人を迎えたとはいえ、絵の中のブランシュとベリテにはまだ幼さが残っていた。
小さな花嫁と小さな花婿が、愛らしく笑っていた。
まるで童話のワンシーンのよう。
世界中の白いものを集めて作ったかのようなドレスが、ブランシュの顔をさらに明るく引き立てていた。
ベリテもまた白い礼服を着ていた。
白い光で満ちたその絵を見て、ノマは微笑んだ。
「もう1年が過ぎたなんて。時間が本当に早いですね。」
ノマの静かな声に、どこか暖かい雰囲気が漂った。
その時の結婚式を思い出すと、誰もが自然と微笑んだに違いない。
多くの一族が集まり、二人の結婚を祝う様子は、まるでお祭りのようだった。
まだその時の歌声が聞こえてくるような気さえした。
絵を鑑賞している間に、後ろに続いていた召使いたちは最上階に到着した。
彼らは額縁を慎重に運び、覆っていた布を外した後、右端の壁にそれを掛けた。
「ここに掛けますか?ノマ監督官。」
「うーん、もう少し右に。3度ほど傾いてますね。右側をもう少し上げてみてください。いや、少し下げましょう。はい、それで完璧です。」
しばらく慎重に位置を調整した後、ノマは召使いたちに指示を出した。
彼女は満足げに絵を見上げた。
布の後ろに隠されていたのは、セイブリアンと王妃の顔だった。
しかし、一見すると彼らが見つめている国王夫妻の絵とはかなり異なる印象だった。
まず、王妃の姿が変わっていた。
かつては長くて艶やかな銀色の髪が短い黒髪に変わっていた。
また、体型も変わっていた。
宮殿で誰よりも華奢でしなやかな腰を誇っていた過去とは異なり、彼女は小柄でふっくらした体格になっていた。
共通点を挙げるとすれば、紫色の瞳くらいだ。
他のすべてが異なっていた。
特に表情が。
「お二人とも、本当に幸せそうに見えますね。」
絵の中の王妃は、これ以上ないほど幸せそうな顔で笑っていた。
セイブリアンもまた同じだ。
知らない人が見れば、隣に飾られている別の絵と似ている部分があるにすぎず、完全に別人だと感じるだろう。
国王と王妃は非常に幸せそうで、夫婦というよりも家族のように見えた。
二人とも黒い髪だったため、さらにそう感じられた。
「何度見ても素晴らしい絵ですね。でも、公主様は王妃様とご一緒に肖像画を描く予定だったのではありませんか?」
「ええ。でも、公主様が数か月後に延期してほしいとおっしゃったのです。」
「数か月後?どうして……あ!」
彼はようやく理由に気づいたようだった。
ミラードがにっこりと笑って答えた。
「そうですね。きっと新しい家族が増えるのでしょう。」
・
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聞こえてくる笑い声は、どこか心地よく新鮮だった。
一滴一滴、手で天井を拭い取るたびに、妙な充足感を感じられた。
最近では小さな服を作るのにもすっかり慣れてきた。
膝の上に広げた服を持ち上げて見てみた。
本当に小さい。
少し大きめの人形の服を作っている気分だ。
この服の持ち主にいつか会えるのだろうか、そんなことを考えていると、ノックの音が聞こえてきた。
「お母様!入ってもいいですか?」
「ブランシュ!もちろんよ。どうぞお入りなさい。」
ドアが開くなり、ブランシュはまるで風のように駆け寄り、私のところへ飛び込んできた。
「ああ、この子はどうしてこんなに可愛くなっていくのかしら!」
成人式も終え、結婚もしたけれど、まだ十歳くらいの子どものように見えてしまう。
「お母様、今日は気分はいかがですか?何かご不便なことはありませんか?」
「もちろんよ。今日は一日中赤ちゃんの服を作っていたのよ。」
私は自慢げに作り上げた服を見せてあげた。
ブランシュは目をきらきらと輝かせ、小さく感嘆の声をあげた。
「わあ!すごく小さくて可愛いですね。これ、何ですか?まるで豆粒みたいです。」
「それは靴下よ。小さいでしょう?」
ブランシュは興味深そうに靴下を触っていた。
「まあ、赤ちゃんが赤ちゃんの服を着るなんて。可愛いですね。」
ブランシュは他の服も手に取ってみた。
数か月かけて作った服がテーブルにたくさん積み重なっていた。
二つ折りにすると手のひらに収まりそうな赤ちゃんの服。
小さな豆粒のような手袋や靴下……。
服を見るたびに、その服の持ち主に早く会いたいと思った。
私だけでなく、この赤ちゃんを待ちわびている人がたくさんいるのだから。
「プレゼントもたくさん届いていますね!もっと大きい部屋に移したほうがいいんじゃないですか?」
「その通りですね。いろんなところから贈り物が送られてきています。ありがたいことですね。」
赤ちゃんの部屋はたくさんの物であふれていた。
山羊の毛で作られた小さな絨毯、妖精たちが送ってくれた魔法で回るモビール。
そのほかにも、手作りの人形や木製の刀のようなおもちゃもあった。
これで遊べるようになるにはあと数年かかるだろう。
ブランシュと一緒に遊ぶ日もきっと近い。
ブランシュが私のそばにぴたりと寄り添い、少し恥ずかしそうに聞いてきた。
「その……お腹、触ってもいいですか?」
「もちろんよ。」
私のお腹に触れるたびに、少し恥じらうブランシュの姿がとても可愛らしかった。
私は彼女の方へ体を向けた。
ブランシュの小さな手が私のお腹の上にそっと置かれる。
もう臨月が近づいているせいで、お腹は目立つほど膨らんでいた。
「私もこんなふうにお腹の中にいたんですよね?こんなに小さく。」
「もちろんよ。」
私はブランシュの額にそっとキスをして言った。
ブランシュが幼かったころに着ていた服がまだ残っていたらいいのにと思った。
ブランシュをしっかり抱きしめながら、私は知らないブランシュの幼い頃を思い浮かべた。
知らない1歳のブランシュから10歳のブランシュまで。
この赤ちゃんの産着も私が作ってあげられたらよかったのに。
「ふふっ。」








