こんにちは、ちゃむです。
「継母だけど娘が可愛すぎる」を紹介させていただきます。
今回は60話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
<鏡よ 鏡 この世で一番美しいのは誰?>
子供服のデザイナーとして生きていた私は過労死ししてしまい、気がつくと童話に入り込んでしまった。
しかも、美しい連れ子に嫉妬し、毒殺して夫に処刑される残忍な悪女になっていた!
可愛くて愛らしい我が娘ブランシュと仲良くなって愛情を注ぎたいのに…。
「君がブランシュの心配をするとは面白いな」
クズみたいな夫がいつも私の邪魔をしてくる!
「私もブランシュの親です。私を疑ったことを謝ってください」
「謝らなかったら?」
「今夜、殿下の寝所へ伺います」
アビゲール・プリドキン:本作の主人公。白雪姫ブランシュの継母。転生前はデザイナーで、ブランシュのことを気に入っている。
ブランシュ・プリドキン:アビゲールの義理の娘。自分を虐げてきたアビゲールの突然の変貌に困惑している。
セイブリアン・プリドキン:ネルゲン王国の国王。ブランシュの父で、アビゲールの夫。
クララ:新人侍女。
ミラード:セイブリアンの側近。
ジェレミー夫人:ブランシュの家庭教師でありシッター。
ストーク:公爵。セイブリアンに側室を迎えるように何度も勧めてくる。
ヴェリテ:真実を告げる鏡。
ミリアム:前王妃。ブランシュを産んで間もなくこの世を去った。
60話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 友達
社交界がみんなアビゲールを褒め称えるのは嫌だった。
カリンは名声を確立するために新しいドレスを準備中なのだ。
アビゲールが作った服よりも、ずっと優雅で美しいドレスを。
自分の新しいドレスを披露する場に、アビゲールを招待すれば・・・。
彼女の顔が歪むのを目の前で見ることができたら・・・。
王妃が嫉妬と猜忌心に戸惑う場面を想像すると、自然と笑みがこぼれた。
「お茶会、とても楽しみにしてます」
カリンはそう言って笑う。
赤い口元が蛇のように立ち上がっていた。
「ヴェリテ、ヴェリテ!ビッグニュースよ、ビッグニュース!」
鏡の部屋の扉を開ける。
ヴェリテが椅子に座り読書している様子が映っていた。
「当ててみなさい、何があったと思う?」
「ブランシュが令嬢たちを呼んでお茶会をしようと言ったこと?」
ヴェリテは何事もなかったように告げる。
視線は本に向けられたまま。
「なんだ・・・、知ってたの?」
「ああ。君とブランシュが応接室でお茶を飲んでいるときに聞いた」
パタッと音を立てて本が閉じられる。
ヴェリテはようやく私の方を見たが、関心はなさそう。
ううっ・・・、こいつが情報通だということをすっかり忘れていたわ。
まさか一発で答えられるなんて・・・。
私は椅子に座り込んだ。
ちょっと残念だけど、それでも自慢は欠かせない!
「その通りよ。今度、令嬢たちとお茶会をすることになったわ。これも全部ブランシュが頑張ってくれたおかげよ!」
ブランシュとカリンが会った翌日。
ブランシュが私を訪ねてきて、お茶会を開いてもいいか聞いたのだ。
他の貴族の令嬢も大勢呼ぶらしい。
私こそ大歓迎だった。
「これまで国際社会の時、令嬢たちとまともに話せなかったのが残念だったから。少し引っ掛かる部分もあるけれど・・・」
「カリンもお茶会に招待したんだって?」
「うん。私とお茶が飲みたいって、ブランシュに言ったんだって」
引っ掛かる部分とはカリンのことだ。
私のことがきっと好きじゃないはずなのに、お茶会を開きたいなんて。
「怪しい、怪しい。怪しい匂いがぷんぷん漂うね」
ヴェリテは異臭を嗅いだかのように顔を顰めた。
私もカリンが何か企んでいると思っていた。
けれど、それで断るのも曖昧だ。
お茶会自体が霜散する可能性もあるし、ブランシュも寂しがるから。
「カリン、また何か企んでいるのかな?裾を踏むくらいならいいんだけど・・・」
「何かは企んでいるだろうね。それでも招待しよう」
「どうして?」
「どうせあの女は何かするだろうし、それなら私の目の届く場所でやった方がいいだろうから」
ヴェリテはそう言いながらニヤリと笑う。
た、頼もしいなぁ〜!
ヴェリテの言う通り、何かを企てているのなら、むしろ宮内でやったほうがいい。
外まではヴェリテも見れないから。
「よし。それなら私は安心してお茶会の準備をしないとね。はぁ・・・、ようやく私にも友達ができるのね」
友達。
友達がこんなに甘い言葉だったなんて。
他の令嬢を見ると、みんなでピクニックに行って、ショッピングも一緒に行って、船遊びもしていたわ。
親しくなれば、私も一緒に混ざることができるだろうか?
王妃だから、ちょっと大変かな?
それでも楽しみだ。
ソワソワして口元が少しずつ上がろうとしていた。
そして、ふとヴェリテと目が合う。
彼は苦々しい表情で私を眺めていた。
どうしたんだろう?
私の笑う表情が殺伐としていたのだろうか?
「足りないの?」
「え?何が?」
何が足りないと言うんだ?
問い返すと、ヴェリテがぶっきらぼうな口調で話した。
「お友達。私じゃ足りないのか?」
ヴェリテは唇を突き出している。
これは、まさか・・・、拗ねた?
それも非常に深刻に拗ねている。
この鏡がよく拗ねることは知っていたけれど・・・、こんな事で拗ねる?
「前に私が最も頼りになる友人だと言ってたのに・・・」
ヴェリテの声には寂しさと悲しみが滲んでいた。
怒ったり拗ねたりするのはよく見ても、こんなに気落ちするのは初めて見た。
「もちろん、一番親しいのはヴェリテよ!でも、他の令嬢たちと交流することも重要よ。そうじゃない?」
私は慌ててヴェリテを宥める。
けれど、ヴェリテの肩は、さらに哀れに垂れ下がるだけ。
「私の友達はアビゲール、君しかいないよ・・・」
それを聞くと、誰かが金槌で頭を殴ったような衝撃を感じた。
ヴェリテは私の魔道具で、私だけの魔道具だ。
たまにこの部屋に掃除をする女中が入ってくるだけで、私以外の人は入ってこない。
話を交わしているのは私だけ。
ほぼ毎日のように会話をするが、長くても数時間足らず。
残りの時間、ヴェリテは鏡の中で一人で過ごしている。
宮殿の鏡が彼の目になってくれても孤独だろう。
私はその時になって、ようやく申し訳ない気持ちになる。
令嬢たちと友達になる機会ができたという事実に舞い上がってしまっていた・・・。
悲しんでいるヴェリテの肩を軽く叩いてあげたかったけれど、私の手は鏡の中まで届かない。
あ、そうだ!
ヴェリテの話し相手を増やしてあげたいですね。
でもセイブリアンに知られれば、彼は嫉妬で鏡を壊してしまいそうです(汗)
クララやノーマはどうなのでしょうか?