こんにちは、ちゃむです。
「継母だけど娘が可愛すぎる」を紹介させていただきます。
今回は65話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
<鏡よ 鏡 この世で一番美しいのは誰?>
子供服のデザイナーとして生きていた私は過労死ししてしまい、気がつくと童話に入り込んでしまった。
しかも、美しい連れ子に嫉妬し、毒殺して夫に処刑される残忍な悪女になっていた!
可愛くて愛らしい我が娘ブランシュと仲良くなって愛情を注ぎたいのに…。
「君がブランシュの心配をするとは面白いな」
クズみたいな夫がいつも私の邪魔をしてくる!
「私もブランシュの親です。私を疑ったことを謝ってください」
「謝らなかったら?」
「今夜、殿下の寝所へ伺います」
アビゲール・プリドキン:本作の主人公。白雪姫ブランシュの継母。転生前はデザイナーで、ブランシュのことを気に入っている。
ブランシュ・プリドキン:アビゲールの義理の娘。自分を虐げてきたアビゲールの突然の変貌に困惑している。
セイブリアン・プリドキン:ネルゲン王国の国王。ブランシュの父で、アビゲールの夫。
クララ:新人侍女。
ミラード:セイブリアンの側近。
ジェレミー夫人:ブランシュの家庭教師でありシッター。
ストーク:公爵。セイブリアンに側室を迎えるように何度も勧めてくる。
ヴェリテ:真実を告げる鏡。
ミリアム:前王妃。ブランシュを産んで間もなくこの世を去った。
65話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 令嬢たちへの贈り物
「王妃様は大丈夫でしょうか?」
一人の令嬢が不安げに呟く。
カリンが急に退出した後、すぐにアビゲールも席を離れたからだ。
主客が消えて、気まずい雰囲気が漂う。
「皆さん、あまり心配しないでください」
そのとき、ハツラツとした爽やかな声が聞こえてきた。
ブランシュだ。
「アビゲール様は怒っておりませんから、安心してください」
彼女の表情から心配は感じない。
令嬢たちは疑問に思う。
「彼女はどうしてこんなに平然としていられるのだろうか?」と。
「怒っていないのですか?ですが、先ほどの表情は・・・」
「アビゲール様は真剣になると、表情が少し怖くなります!だけど、本当に・・・」
一度言葉を止めて、ブランシュは小さく笑った。
「優しい方ですから」
幼い姫の微笑みは優しく、なんとなく信頼できた。
不思議なことだ。
アビゲールとブランシュは血が繋がっていないのに、なぜこんなに似ているのだろうか。
本当に実の娘のよう。
そう考えると、少し笑いが生まれてきた。
「そういえばカリン令嬢が新しいドレスを着てきた時も、不快な様子じゃなかったですね」
「確かに。私だったら少し気分を害したかもしれないのに、王妃様はむしろ嬉しそうに見えました」
令嬢たちの反応に、ブランシュが嬉しそうに笑う。
幼い姫は誇らしげに話した。
「アビゲール様が新しい母親になってくださって、私は本当に嬉しいです」
「あら・・・!」
令嬢たちは感激した様子だ。
その時、アビゲールがそそくさと応接間に戻ってくる。
「すみません、席を外してしまって。カリン令嬢を見送ってきました」
令嬢たちの顔を見ながら席に戻ると、彼女たちは何となく微笑ましい表情を浮かべていたが、アビゲールがその理由を知る由もない。
どういう状況かは分からないが、雰囲気は悪くはなくて安心した。
「そういえば準備したプレゼントがあるのですが、カリン令嬢には伝えられませんでした」
「プレゼントですか?」
まもなく令嬢たちの前に箱が一つずつ置かれる。
「開けてみてください。気に入ってくれると嬉しいのですが」
令嬢たちの顔は期待感でいっぱいだった。
「あら、これは、上着・・・、え?」
中に入っていたのはジャケット。
ついさっきまで嬉しそうに見えた令嬢たちだったが、表情が少しだけ強張る。
「男性用乗馬服のルダンコートではないでしょうか?」
「ええ、その通りです。それを少し改良して作ってみました」
男性用とは違い、このジャケットは腰丈が短い。
マリー・アントワネットがシュミーズドレスを流行らせ、その上に羽織るジャケットが存在した。
その一つが、男性用乗馬服のルダンコート。
シュミーズドレスが薄いというのは、長所であると同時に短所でもある。
寒い冬、無理にシュミーズドレスを着て肺炎にかかったり死亡したりすることもあるくらいだ。
そのため、アビゲールはもっと寒くなる前にジャケットを作ったのだ。
しかし・・・。
「わあ、本当に珍しいですね」
令嬢たちは嬉しそうに笑ったが、一方では困っていた。
婦人服ではなく男性服をプレゼントされるとは予想もしていなかったから。
アビゲールの好意が嫌いなわけではない。
むしろ嬉しい。
王妃に贈り物を貰う機会がどこにあるのだろうか。
それでも、男性には男性の規則が、女性には女性の規則がある。
男性がスカートを履けば滑稽なように、女性が男性の服を着ることは出来ないのだ。
令嬢たちの顔に一瞬困った様子が見える。
アビゲールもそれを感じた。
最初、クララとノーマも男性服だという話に拒否感を示したので、令嬢たちの反応はそれほど驚くものではない。
「私のジャケットを持ってきてちょうだい」
女中が持ってきたルダンコートを羽織る。
そして、令嬢たちの方に体を向けた。
「どうですか?変でしょうか?」
令嬢たちの口数は少ない。
ただ驚いた目でアビゲールを眺めるだけ。
男性服なので滑稽になると思っていたが、そうでもなかった。
意外にも、シュミーズドレスとルダンコートの調和は見事だったのだ。
シュミーズドレスは清純で華奢な印象。
それにルダンコートを合わせると、もっと成熟して節制されたような魅力が感じられる。
「とても綺麗です!私も大きくなったら作ってほしいです!」
ブランシュが嬉しそうな声で割り込んだ。
その声に令嬢たちは我に返る。
「皆さんも着てみてください。よく似合うはずですから!」
幼い姫の言葉に、彼女たちは席を立つ。
新しい服を着た令嬢たちが鏡の前に自分の姿を映す。
「実際に着てみたら本当によく似合います!暖かくもありますし」
「そうですね!あれ?そういえば少しずつデザインが違うのですね」
似たような形のコートだが、生地とか模様などがそれぞれ異なっている。
「令嬢たちに似合うような色とデザインを選んでみました。気に入ってくれましたか?」
「はい?私たちに合うデザインですか・・・?」
令嬢たちの顔に何ともいえない感激が生まれる。
一国の王妃から贈り物を貰ったことだけでも大きな光栄なのに、自分たちに合わせて服を準備してくれたなんて・・・。
アビゲールとしては色々な種類の服をデザインできて楽しかっただけなのだが。
その事実を知るはずのない令嬢たちは感謝の気持ちで一杯だった。
アビゲールのいない所で、少しずつ令嬢たちの誤解が解けていきます。
すべてはブランシュの功績でしょう!
新たなドレスも作りましたから、いずれはカリンにもプレゼントするのでは?
ブランシュも早く成長してプレゼントしてもらえると良いですね♪